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┗272.白刃に消ゆ。【半完混合、時に背後透過/R18】(60-64/83)
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60 :
オルオ・ボザド
2014/03/07(金) 15:01
>雪だとふざけんな。
(半注意/現パロ)
もうそろそろ春もいいとこな季節だろ。
なんだよこの雪。
ふざけんなよ。
俺は冷え性なんだぞ!
ついでに言うなら寒がりだ!
なんなんだよこの寒さ?!
死ねよ!マジで死ね!!
>布団から出られない。
飯食いたいのに。
寒い。ぜったいキッチン寒い。もうこの布団という聖域から出たくない。いやだ。寒いのはいやだ。
>(着る毛布と結婚しよ)
>(しょうがねぇので体温高そうなヤツにひっつくかデリでも呼ぶか?うそだ金がねぇ。お隣さんのグンタとかエルドあたりに張り付きに行こうかとゲイでもねぇのに過るくらい俺は寒さが駄目だ。寒冷前線とか駆逐されれば良いのに。クッソ寒い。死ぬ)
寒い。寒い。寒い。
早く桜咲けよ。マフラーから開放されてぇんだよ俺は。
大学の講義がなくてよかった。
バイト?病欠するわそんなもん!
死ぬ。寒い。
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61 :
オルオ・ボザド
2014/03/08(土) 20:43
>夢を見た。
夢の中で俺は、ハンジ分隊長と背中合わせで戦場の景色を見てる。
俺たちの体は傷だらけだった。
なのに不思議と痛くない。
俺の視界の先は、人骨と巨人の骨。
死に切れなかった仲間が転がってる。
俺はブレードを握っていた。
なのにもう一歩も動けない。
>「オルオ。君は私の過去だ」
ハンジ分隊長の声がする。
>「君の両手のそれは、何人殺したんだろうね。私の両手のこれも、もう何人殺したのか正確なところまでは覚えてないんだよ。悲しいね。人はどうしても忘却する。慣れるんだよ。君だってそうだろう?」
ああそうだ。
最初は本当に、泣きながら慈悲の刃を振り下ろしていた。
今は本当に、どうしちまったんだろう。
泣くことは少なくなった。
その代わり、俺は日記にそいつらの名前を書いて、それが終わったら酒を飲むようになった。
酒を飲みながら泣いた。
戦場では心が乾いたみたいに、涙を零さなくなった。いつからだ?
>「君は私の過去であり、私の歩んできた道だ。君だけじゃない。大部分の兵士がそうなって、そして死んでいく。君はまだ生き残ってるけど、今だって怖いだろう?いつ自分が慈悲の元に斬られるのか」
怖い。
そうだ。
俺は、多分、怖い。
死にたくないから強くなった。
巨人を殺したいから強くなった。
まだまだ足りない。足りはしないけれど。
>「誰だって死ぬのは怖いよ。託すのだって怖いんだ。でもどうしようもない。戦場って残酷だよね。慈悲の元に人が死ぬことが是とされる。君の刃は、私の刃は、同じように血塗れだね」
ああ。
歪んでますよね。
俺は声無く返す。
血塗れですよ。風呂入っても血のにおいが取れない気がするんです。
俺は血塗れです。ハンジ分隊長。
>「オルオ。私は私の同胞を大事にするよ。それと同時に、君にも、他の兵士にも、私自身にも深く同情する」
同情ですか。
そうですね。
俺だって同情します。
新兵にも。先輩にも。
皆地獄を這って生きてるんだから。
>「そして、おめでとう。君は人でありながら人じゃない。怒りに狂い、刃に取り付かれた、哀れな兵士だ」
ああ。―――言われなくても知ってますよ。
そう返したところで目が覚めた。
気味の悪い夢だ。
夢占いしてみたらどんな結果になるんだろうか。
俺は自分の手を見下ろす。
骨っぽい俺の手。
血は付いていなかった。
鼻先に寄せてもあの匂いはしなかった。
>なのに。
#全身に血を被ったような錯覚が、離れなかった―――
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62 :
オルオ・ボザド
2014/03/09(日) 18:27
>捧げた心臓。
俺は公に心臓を捧げた身だ。
兵士になると決めた時に…いや。調査兵団に入ると決めた。上位十名に入ったのに憲兵団に行くことを拒んだあの時に、エルヴィン団長の演説を聞いた、あの日に、俺の心臓は俺の左胸から何処か別の場所に行った。
俺の左胸で、俺の命を永らえさせるために鼓動するコレは、ただの抜け殻だ。
>心は頭に宿るのか。それとも心臓に宿るのか。
そんな事を考えていた訓練兵時代をふと思い出した。
もしも心が心臓に宿るなら、俺の心は俺の体にきちんと残ってるんだろうか。
もし心臓と共に捧げてしまったなら、いまこうやって思考し、悩み、苦しみ、悦ぶ俺はなんなんだろう。
抜け殻に宿った搾り滓みたいなモンなのだろうか。
それとも、心は頭に宿るのか。
それとも、心なんて実はとっくの昔に死んでいて、今俺を動かしてるのは兵士としての矜持や誇りだけで、俺自身がなくなってるのか?
巨人を狩る。
人類の進撃の為に命を捨てる。託す。
巨人を殺す。
兵士に慈悲を与える。
血塗れの俺は、一体誰なんだ?
心は何処にある。
激しく鼓動を刻む抜け殻を敬礼のたびに叩きながら過る。雑念。
俺は、オルオ・ボザドだ。心はどうだか知らんが、思考はちゃんとある。俺は俺を見失ってねぇ。
俺の心は。
公に心臓を捧げたあの日に、血飛沫を知らぬまま、どこかにいったのかもしれない。
もしそうなら少しだけ嬉しい、そう思うことも有る。
こんな風に、血だらけになる事を、訓練兵の時の俺は、暖かい家に居たときの俺は、きっとうっすらとしか覚悟してなかったはずだから。
兵士になり、調査兵団になった俺の選択に後悔はねぇ。当たり前だ。
けど。それでも。
>俺は血の味も死の匂いも、知りたくは無かった。
(こびり付いてとれねぇんだ。死臭が。風呂に入っても駄目だ。夢の中ですら臭う。臭い)
>俺は人間の体を両断する感触も、心臓を刺し貫くあの独特の手ごたえも、知りたくは無かった。
(腕に残ってる。いつまでも残ってる。忘れたいのに。消えない。きえないんだ。あの感触が)
>死に逝く仲間の、顔も。
(俺は生き残る。死なないだけ強いから。きっとこれから先も数え切れないくらい見る事になる。それこそ、俺が壊れて動かなくなるまで)
―――こんな感情を知らないで、綺麗なままの心臓が、捧げた先にあるのなら。
それはそれで嬉しい。そう思うんだ。
俺の体は汚れていく。
俺の手は染まっていく。
ただ心臓だけは気高く、いつまでも、捧げられたままならば。
それはそれで、素敵なことだとも、おもうんだ。
>俺の心臓は、今も、捧げた先でしっかりと鼓動してる。
>きっと。
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63 :
オルオ・ボザド
2014/03/10(月) 23:38
>死の舞踏。
死ぬ間際。
普通の人間は一生のうちに何回か。それこそ親族のものしかみねぇとおもう。
危険の付きまとう兵団の勤務者でも特に調査兵団の俺たちは、今際の際、臨終の瞬間を何度も何度も目にする事になる。
死ぬ瞬間ってのは、
例えば―――
>(巨人に食い荒らされて、臓物がはみ出て、それでもしに切れなかった人間の死ぬ瞬間)
例えば―――
>(立体起動の事故で、落下してしまった人間の死ぬ瞬間)
例えば―――
>(壁の中に戻るときに馬が間に合わなかった。そんな兵士の壁越しの悲鳴)
――――死ぬ瞬間の痙攣ってさ。
踊ってるようにも見えるんだぜ。
>死にたくねぇって。
>俺はまだ生きていられたのにって。
>そうとでもいいたげに暴れるんだ。
兵士になった瞬間に自分の命なんぞどこかに捧げただろうに。
それでも死ぬ瞬間に、いや、死ぬ瞬間まで人は足掻く。
俺はそれを何度も目にした。
巨人に与えられた死のときもある。
俺が与えた慈悲のときもある。
死ぬ瞬間。踊るように、もがく様に四肢が跳ねる。
>俺はまだ、終わりたくねぇ。
そう、声の無い絶叫をするように。
いつか俺が死ぬときも、同じように手足を震わせもがくんだろう。
まだ生きていたかった。そう思うのかもしれない。
それは明日かもしれないし、ずっと先かもしれない。それこそ、俺はしらねぇが。
なきながら生まれ、希望を持ち、希望を打ち砕かれ、嘆きながら行き、壊れた玩具の様に踊って死んでいく。
どうせなら、俺は。
巨人を殺し、人類の為に何かをなして死にてぇ。
繰り返し、繰り返し夢想する己の死。
俺はやっぱり、踊るように死んでいくのだろうか。
ああ。
どうせなら。
#巨人を殺してぶっこわれて、踊る暇もなく死んじまいたい。
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64 :
オルオ・ボザド
2014/03/13(木) 02:16
>生命力。
(半注意!)
どんなに過酷な状況にあろうと、人は生きることを諦めはしない。
よく覚えておけ。俺よ。
それを後悔する日も来るだろうが、人は生きる為に生まれ出で、迷い、もがきながらも生を紡ぎ、軈ては死んでいく。
俺は俺として俺に生まれた事を後悔したことはねぇ。
俺の後輩と、自分自身に言い聞かせる。
てめぇを治すのはてめぇと医者だ。
(俺の刃を動かすのは俺自身であり、人を切るも巨人を殺すも、俺が決めて考えてる)
てめぇを苦しめるそれらを取り除くために医者は躍起になるし、てめぇ自身も苦しみ悶える事になるだろう。
(俺は世界が優しくないと知っている。…生きることと苦しむ事はセットであることも。それが万人に共通していることも)
世界は残酷だ。
優しくはねぇ。
だが、その残酷な世界で、どれだけ幸せを得られるか。それはてめぇや俺の見方に寄るだろう。
希望を持てと簡単に口にはしてやらねぇよ。
だがな。捨てるには早いと思う。俺は。
愛する事も幸せを得ることも不幸になるのも結局はてめぇ自身が決め、選ぶ事だ。
だから、さ。ベルトルト。
お前自信を信じろ。
お前が決めるんだ。
それに間違いは無い。そう言えるように。
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