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┗272.白刃に消ゆ。【半完混合、時に背後透過/R18】(70-74/83)

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70 :オルオ・ボザド
2014/03/22(土) 21:40

>告白をされた。
>(捏造注意)






調査兵団での任務が終わり、兵舎に帰るときに呼び止められた。
振り返った先には、この間の壁外遠征で、たしか巨人に食われそうになっていて…俺が救うことの出来た女の子。
いつだって俺の白刃は間に合わないから、間に合った稀有な例である彼女のことはよく覚えていた。
ああ、きちんと生きて帰れたんだな。
それに、兵団もやめてねぇ。強い奴だ。


>「何か用でもあんのか?」


問いかけると彼女は顔を伏せて、間が空いた。


>「あなたの事が好きです」


そんな有り得ない言葉を聞いたのはそれから30秒ほど経った後だった。

心が冷えてく感覚を味わった。
なんだろう。これは。
俺は。


人に好かれて嬉しいのに。


何でだろう。
全然嬉しくねぇ。



その子の顔を伏せた黒髪を掌で軽く撫でて、俺は口を開いた。



>「ごめんな。俺は答えてやれん」


#その時俺は、どんな顔をしていたんだろう。



走り去る後姿を見る。ああ、多分泣かせた。
申し訳ない。泣かせてごめんな。そう思う罪悪感と。
俺なんかを選んで、バカだな。そう思う、やたらに冷えた俺の存在を同時に感じた。


俺は兵士だ。
喩え、誰に選ばれても…それこそペトラに言われても。


>きっと同じ事を言うんだろう。そう思う。


自分の手を見下ろす。
彼女の髪の感触が掌に残っていた。
握りつぶせてしまいそうな小さな頭だった。
不思議なことに、掌のそれを愛おしく思う、というより。
変な違和感が残っている。


俺の手は、人を慈しんで愛おしむ手じゃ、ねぇよな。


翌日の訓練で立体機動装置の整備をした。
手に、馴染む。
ブレードを取る。
ブリップを握る。
ああ、そうだよ。俺の好きな感触は、きっとこれだ。



殺すための俺の手は、
人を愛して、抱きしめる事には、きっととことん向いてねぇんだろう。



人を殺したあの感触を知ったこの腕は、守るより、他の何かを破壊する事に向いているんだろう。


茜色に染まった兵舎の裏に呼ばれた、あの風景が胸に過る。


俺なんか、好きになっちゃだめだろ。
俺は、人殺しで、兵士なんだ。
明日死んでも可笑しくねぇんだから。


胸の奥で呟いて、俺は目を閉じた。


ねがわくば、彼女が彼女の最愛に巡り合い、幸せな人生を歩めますように。


俺達兵士は、その為に、折れず、死んでも、戦い続けられますように。





骨の髄まで、俺は兵士だから。
誰かを好きになったら、兵士ではいられないと知っているから。


(栗色の髪の毛の幻が俺の胸を締め付けた)


違ぇだろ。そうじゃねぇだろ。
>そうじゃ、ねぇだろ。


一人を肯定しろ。
好きな人を作って、弱くなるな。
仲間を想うことはいい。愛を知る前に死んでもいい。
俺に甘さは似合わない。
人殺しが幸せになるな。クソが。


>俺は、愛を知らないままじゃないと、きっと慈悲の刃を振り下ろせない。




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71 :オルオ・ボザド
2014/03/25(火) 03:58

>俺の両腕は。






きっと誰も幸せに出来ない。


>何故か。


抱きしめる為に腕はある、と恋人を持つ同期がいっていた。
俺は抱きしめる先もねぇ。それに、抱きしめる奴なんてつくらねぇ。
愛する事を知る前に
殺す事を知ってしまった。


>俺の腕は
抱きしめる前に、切り殺す事を覚えた。



>俺の口は
愛を囁く前に、「アンタの遺思は俺が継ぐ」と嘯く事を覚えた。



>俺の足は
誰かと歩む前に、血路を切り開く事を覚えた。



―――こんなの兵士なら誰だってそうだ。
人を殺していない数年間生き抜いた…否、生き残っちまった兵士なんて、そんなに居ないだろう。どうしたって生き残っちまったら、慈悲の白刃を落としたり、死体を回収する義務があるんだ。死に触れたことの無い兵士なんて、きっと居ねぇ。

血だらけなのは俺だけじゃねぇ。
それは解ってる。
―――恋をしてるやつも、家庭がある奴も、当たり前に存在する。
それでも、俺は。



>もしも俺が誰かを愛して、そいつを守りたいと思ったら。



>……俺はきっと駄目になる。



>切り殺す相手の瞳の中に、誰かの面影を見てしまったら。



>きっと俺は、――――一撃で殺すことができなくなる。



血の海を這って、泥を啜り、玩具の様に殺される人間の中。
弱虫な俺は、守るべきものを作らないことを選んだ。
愛を知れば強くなると人は言う。
弱虫な俺は、愛を知れば弱くなると判断した。


この刃に迷いが生じるのなら。
>いっそ切り捨ててしまえ。


白刃を掲げきれないのなら。
>知らずに一生を終えれば悔いすらのこらねぇだろう?




嗚呼。
―――本当に、ばかみてぇだ。




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72 :オルオ・ボザド
2014/03/27(木) 22:32

>いっそ此処で死にたい。






そんな欲求が浮かぶことがある。

それは旧調査兵団本部で、皆で過ごしている時だったり、
一人で寝る寝台の上だったり、
ペトラとの買出しの最中だったり、
死ぬほど大変な戦場だったり、
―――まぁ、色々だ。


俺はまだ19。
言っちまえばかなり若い。
兵士としてももう4年目では有るが、まだまだルーキーと言っても可笑しくないだろう。


そんな若い身空で、考えてしまう。この思考。
>(死と近しい、調査兵団だから当たり前か?俺は普通なのか?疑問が積み上がる)



此処で死にたい。
幸せな気分だったり達成感だったり。
様々な要因が重なったときに、ふっと脳裏に浮かびやがる。


携えたブレードで、一息に心臓を貫いてしまいたくなる。
まるで発作だ。


重い果物に耐えかねた枝が撓り、折れるように、


己の身を己の白刃で折ってしまいたくなる、


―――暗い、暗い、酷く衝動的な、欲求。





幸せそうな俺の後ろから、ほの暗い水底から見上げるような浮遊する意識が覗いてやがるんだ。いつだって。

そいつは白刃を両腕に構えて、血みどろで笑う。

―――俺自身、だ。




>「なぁ、オルオ。幸せだろ」


ああ、煩ぇ。


>「今死んだら、きっと幸せだぜ」


黙れ。


>「なぁ、死にたいよな?」




黙れ!!!!




――――気が付いたら枕がズタズタになって羽根が部屋を埋めていた。
舞い散る羽根が雪の様に綺麗で、
何でだろう。
涙が止まらなかった。


俺は部屋で膝を折り曲げ、自分の体を抱きしめて震える。


この狂暴な衝動は、他人に向くことはねぇ。
なにせ俺が、それを禁じてる。
だが、万が一。

万が一誰かを傷つけたら、俺は―――


>「死んじゃおうぜ。オルオ」


黙れよ。黙れ。俺は死なない。


>苦しい。苦しい。苦しい。助けてくれ。



悲鳴を上げど、俺の声は何処にも響かない。
俺の悲鳴は俺が殺しているから。
俺は、兵士だ。

弱くなるわけに、いかねぇだろう。



守れないなら、せめて仲間に血路を開けるだけ強くならなければ――――






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73 :ハンジ・ゾエ(乱入)
2014/03/28(金) 20:39



やぁ、こんな時間に偶然だね。眠れなかったのかい?
私も研究に一段落ついてね、時間が空いたばかりなんだ。

眠れないなら、一つ私の話につきあわないかい?
内容?そりゃ、今回捕獲した巨人の反応から得た―――何。違う話が良いって?

仕方がないなぁ…なら、昔話でも聞かせて上げようか。


◇mement mori
(過去捏造・R18G)


死というものが、誰のためにあるのか考えたことはあるかい?
大概の人間は、そんな事考えたことは無いのかもしれないけれど、私はあるんだ。


切欠は、私の初陣時代に遡る。

当時の私は、巨人の恐怖をあまり知ることもなく、ただ漠然と外の世界への知的興味だけで調査兵団を選んだんだ。

ふふ、昔からよく言われるよ。
お前は生き急ぎすぎだってね。

でも、そんな私にも理解者は居たんだ。
同期の中では優秀な女性で、本来ならば憲兵にでもなればいいのに、私の好奇心に笑いながら付いて来た悪友が一人。

二人して初の壁外調査。
同じ班に所属した時は、凄く嬉しかったよ。

でも…現実は、酷く残酷でしかなかった。


彼女は、

悪友は、

その時に死んだ。





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74 :ハンジ・ゾエ(乱入)
2014/03/28(金) 20:48


※過去捏造・R18G


これが巨人に喰われたんなら、私はまだ正常でいられたのかもしれない。

でもね、彼女は死んだんだ。

他ならぬ、仲間であるはずの…

―――――人間の手によって。


巨人に無様に追い詰められて、馬も無く、私と彼女となりたて班長の三人しか残らなかった。
そんな時、あのふざけた班長は何をしたと思う?

隣を走る彼女の脚を、ブレードで切り裂いたんだ。

転倒、悲鳴、笑う巨人。
私は彼女の側へと戻り、彼女を貪る巨人を斬った。
刃こぼれのしたブレードだったけど、必死で項を削いで殺した。

…でも、遅かったよ。

彼女は既に下腹部の大半を喰われていて、はみ出た腸から消化物の悪臭すら漂わせていた。



…そこから先、どうしたかは解るだろう?
調査兵団の慈悲の下、彼女の腹をかき混ぜたさ。
本当は首を落としてやりたかった、でも私の刃は…もう無かったんだよ。



―――――さて、此処で再び君に同じ質問をしよう。

死は、誰のためにあると思う?

私は彼女の苦しみを終わらせるためにと、彼女に死を贈ったのだけれど…それって凄く、矛盾すると思うんだ。

何故なら私は彼女ではないからね。

私も君も、これから先何度も…巨人や人間の血で汚れていくと思う。
それを慈悲と思うか罪と思うかは個人次第だとは思うけれど…

自分が人間で在りたいのなら、一度その胸に問いかけると良い。


死は誰のためにあると思う?






やぁ、お邪魔するね!
乱入の約束してからかなり経たっちゃったけど、遊びに来させて貰ったよ。

書けば書くほど長くなっちゃって、漸く二枚に纏まったんだ。
君から貰った頁には及ばないかもしれないけれど…良ければ私の疑問、一緒に考えてみてね?

これからもリヴァイ共々仲良くしてくれるなら幸いだ。
それじゃ、失礼致しました!
(二重人格症候群/ハンジ・ゾエ)

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