¶:水に、溶ける。 水をあげると、心も元気になるのだろうか。……さて。メールが無事に届いて何よりです、最近不具合が多いと小耳に挟んでいたのですが、また事故かと思ったらこちらに添えます。 返事はテスト明けにでも。 (閑話休題。) 転がる時に鳴る音が、胸を擽る。 伏せた窓を開ける声がして、誘われた春風が香る畦道。葉擦れの音だけが浮かんでは消える。陽溜りに溶けたのは、白金の夢。輪郭は水彩。滲んだ色が型どる心と、果て。 切り抜くには酷く惜しい。 指先は、ほら。 (色が滲む理由を、知って居るだろうか。) |
¶:レモングラス。 なかなか上手くいかないものなのだと、改めて思った。これが恋をしている者と、そうではない者との違いだろうか。……漠然と、不安になった。根本的な部分を求められた事は無かったが、いざそうなってみると、不安ばかりが募っていく。『自分の事ばかりじゃん』と言われた時。真っ先に《何で》と思った辺り、オレは自分の事ばかりなのだろう。ただ、お前の口からそんな言葉が出るとは思って居なくて、少しショックを受けた。この言葉も、オレの物事を自分ならどうかで図る部分の事だと判ったが、それでも驚いた事に変わりない。 本当は。お前に釣り合って居ないのは、いつだってオレの方で。そんな風に想われる価値を自分の中に見い出せて居ないまま、3月も終わろうとしている。……今少し考えが纏まったら、綴ろうと思う。 (恋愛不適合者について。) ちょっとした事が有る度に、自分が恋愛不適合者に思える。恋愛に自信なんて無い。恋愛をした気になって居ただけで、本当は……オレがして居たモノが別の何かであったと論じられたなら、そうなのかと納得してしまえるくらいには自信が無い。 本当にオレに、恋愛が出来るのだろうか。 自分なりに努力はして居ても、ふとした瞬間に揺らぐ。不安にさせるな、バカめ。いつものように恋愛から逃げ出してしまうから、お前も揺らぐな。恋が出来ないオレも愛して居るのなら、恋とやらを教えてみたらどうだ。正直、オレは勉強ならば得手している。何とかしてオレの知識欲だとかを擽る何かを考えろ。 ここまでオレが頑張って居るのに。 バカな奴だな。 |
¶:生存報告。 色々な事が目まぐるしく変わった新学期にも慣れずに、もう直ぐ5月とか。連絡も出来ないままですみません、山場を乗り越えたら何とかします。……で。筆を執る運びとなったのは、衝撃的な事が有ったからである。あれはとある日曜日の練習の時だった。何代前のOBかは知らないが、子供を連れて来たんだ。入学式の帰りに近くを通ったからと、そういう話だったらしい。らしいと言うのは、オレの協調性があれして居るから、オレは挨拶を済ませて水場に向かって居た。顔を洗うべく眼鏡を外し、冷たい水を顔に受けて一息吐き出そうかとした、その時。高尾の『うわああっ!真ちゃんの眼鏡!!』という、謎の声を聴いた。後から聞いたところ、水を飲みに来た高尾がオレの眼鏡を手にした子供に気付いたらしい。そう認識したのも束の間、その子供がオレの眼鏡を、何て言うのか……所謂逆パカ?とやらをしようとして高尾が慌てて駆けて来たらしい。危うくオレは眼鏡を破壊されるところだったらしいのだよ。恐ろしい。 だから子供は苦手なのだよ。 勝手に人の脚に飛び付いてきたり、小さくてころころして居るから足元を彷徨かれると邪魔だし、オレの眼鏡を破壊しようとするし、好きになれる要素が見当たらないのだよ。 意味が解らない……何故、眼鏡を狙うのか。 これが英才教育とやらか。 そんなこんなな日常を送っている。生活はまだ落ち着きそうにないが、すれすれのラインを生きて居る。だから、そうそう日記を綴る時間が取れない。未だにスマホとやらが使いこなせて居ないから、メールアドレスの変更メールが迷惑メールの所に入っていたのに気付いたのも2週間くらい経った後だったり、……む。 とりあえず、生きて居ますと主張しつつ、メールは少しずつ返すのだよ。先ずは迷惑メールフォルダに勝手に仕分けされてしまうメールの救出とアドレス帳登録か。……出来る気がしない。 早寝が抜けないからか、もうダメそうだ。 眼鏡のメンテナンスもしたいが、行く暇が無いのだよ……逆パカ未遂からか、直ぐに眼鏡が落ちてくるから地味に困っている。 ──おやすみ。 |
¶:とあるコミュ症とハイスペックの日常。 先ず、お祝いメールをありがとう。まだオレを友人と思ってくれて居るのかと、少し不思議な気持ちになった。それは多分、嬉しいという感情――なのだろうな。それに何故返事をしていないのか?については今から書くが、真面目な話だからきちんと読むように。オレは、まともにメールをしていない。数ヶ月メール機能を使わないで居ると、どうメールを打ったら良いのかわからなくなるのだよ。本当だぞ、コミュニケーションすげぇのだよ、さっぱりわからん。最近は、あまりにオレが出来ないからか、高尾が『メールはオレと練習してってさ、無理そうなら今まで通り電話で済ませちゃおうぜ!』と言ってくれたので、いざ。 ※練習そのいち。 『真ちゃんやっほー!これから迎え行くぜー』 【こんにちは。宜しく。】 ……どうしたら良いだろうか。高尾は『真ちゃんが頑張ってんのオレは知ってるし、あんま無理すんなよ。大丈夫だから』と言ってくれるのだが、誤解ばかりされて高尾に庇われるだけというのもオレの良心をちくちくされる。オレが文句を付けられる事はどうでも良いが、……うむ。昨日は昨日で、練習試合の後に食事会があったのだが、用事があって先に帰らなくてはいけなかったからか高尾がオレを1人残していくのを大層心配して居たらしく、後に宮地さんから『高尾が此処を出た後にも何回も連絡飛んできてた』と言われた。高尾が居なくなって空になった隣の席に、直ぐに宮地さんが座って、それとなく会話をしてくれたり。それもこれも、高尾がオレの心配をしてくれて居たからだと帰りに宮地さんに送って貰って居た時に聞いた。 オレはいつもそうだ。自分の知らない所で沢山の優しさを貰って生きて居る。 だが、流石に少し申し訳なくなったから、もう少しリハビリを頑張ろうと思う。高尾は何でもしてくれる。飲み物を持ってきてくれたり空いた食器を片付けてくれるし、オレの話を嫌がらずいつも楽しそうに聞いてくれるし、嫌味のまるで無い男だと思う。あまりに居心地が良いから、オレはこういう面(コミュニケーション。)での努力が足りなかったとも思う。誕生日を迎え、もう少し大人になれるように頑張ってみようと昨日、改めて思った。 そんな7月。 |
¶:束縛の瞳、空の箱。 こっそりと。この頃の息苦しい生活について、少し書いてみようと思う。これが誰の目に触れなくても構わないし、寧ろその方が有難い。……オレが此処に居ると、あいつはきっと気付かない。気付く筈がないのだよ。思えば、きっかけなんて存在して居なかったし、オレに対するイメージばかりが先行し、今も尚、息づいて居るのだよ。本当のオレを見付ける事さえも、あいつには出来やしない。 まるでショーウインドーに閉じ込められ、飾り立てられて立ち尽くす人形にでもなったみたいに、心が置いてきぼりにされているようで。 お互い、隠れんぼで遊ぶような年頃ではないのは解っているが、それでも。オレには少しばかり、身を隠したくなる時もあるのだよ。 恐ろしいとさえ、思うのだよ。 |