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┗1622.玉散る刃の巡恋歌(111-115/186)

|||1-||||リロ
111 :志波海燕
2010/10/16(土)22:53:57


真っ白な世界に
真っ黒なセカイ

俺の見る夢は何時も白黒。
色付く世界なんざ夢に見たのは何時以来だか。
扇情的だろうが破壊的だろうが、刹那的だろうが現実的だろうが。
内容が何であれ俺の夢が色付く事は無い。
手前じゃ御し切れねえ何かが「世界」を染めるのを拒んでいるらしい。

基本的に、俺は染められるより染めてえタチ。
かと云って、真っ白なヤツを染めてえとか思う訳でもねえ。
寧ろべっとり塗られたヤツを上から塗り手繰る方が好みだ。
塗り甲斐が有るだろ。

ンじゃ、俺自身は何色か。

オマエは、
俺を何色で染めてえの?






「俺色いこーる蒼色」






…とか答えやがったらブチのめす。





やべ、禁断症状。







── 祝酒 ──

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112 :志波海燕
2010/10/19(火)01:51:48


不器用な癖に、
真っ直ぐで、
迷いの無え眼が俺は好きだ。

誰が離すか、ばァか。



『土下座されても離してやらねえよ』



そう心ん中で叫んだ俺は少し滑稽で、矛盾した手前の気持ちに些か苛立った。
素直じゃねえのは俺の方。
刹那的な想いに酔って、終焉を儚んでるのは俺じゃねえか。

唯、一言伝えりゃ良いだけなのに。
何故オマエには言えねえんだろうなァ。
珍しく泥臭ェ感情に振り回されて、気取る術すら忘れちまったらしい。



らしくねえと思う俺が。
オマエにとっては
俺らしい俺、か。



堪らねえな。







── 畜生 ──

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113 :浦原喜助
2010/10/25(月)01:12:32


溺れても溺れ足り無い。
溺れさせようとしても中々溺れてはくれない。
手前の気持ちばかりが先走っているような気がして、伸ばし掛けた腕をアタシは引っ込めた。



随分と臆病になったなァ、なんて。
まるで他人事のように考える。
一番傍に居るのはアタシなのに、時折見せる仕草に不安を憶える。
キミはキミなりに精一杯なのは解ってる心算なんス。
心算なんスけど…やれやれ、まるで若い頃に戻ったみたいじゃありませんか。



甘酸っぱい恋心が、
手前の首を締めて往く。



歳を喰い過ぎたアタシには少々毒気が強いらしい。

吁、…雨が降る。











── 哀雨 ──

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114 :志波海燕
2010/10/25(月)02:49:50


見事な迄に予想的中。
オマエの様子が普段と違ェなんざ容易に解った。
言わせて遣れねえのは手前の不甲斐無さ故かもしれんが、ンな風に思ってくれてたなんて…正直滅茶苦茶嬉しいぞ、オイ。

俺になら曝け出せるだろうが。
決して俺以外には見せねえ、オマエらしいオマエを。
オマエは俺だけを見てれば良い。
俺だけに吐き出しゃイイんだ。

俺はオマエが居れば他には何も要らねえから。
何時迄でも俺は、
オマエだけを待ってる。
何もかもオマエだけだ、グリムジョー。








何時か此れを目にするかもしれねえ、オマエへ。
最初で最後の名を記す。









── 愛之証 ──

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115 :志波海燕
2010/11/05(金)01:42:22


手前の不甲斐無さに後悔する反面、嵌り過ぎたと嗤うオマエを見て俺は内心安堵した。

何も言わねえから。
何も感じてねえ、なんて。
そんな訳無ェのを知ってて俺は試すような真似をした。
卑怯だよなァ。
オマエに愛想尽かされても文句は言えねえや。
其れなのに、何故オマエは俺の手を振り払おうとしねえんだ。
生意気な面して、
素直じゃねえ事ばかり口にして、
其れでも何故俺を選ぶ。
俺が「行くな」と引き止めるからか?
俺が「終いだ」と言ったらオマエは解放されるのか?
俺が諦めたら…オマエは首を縦に振るのか?



愚問。
ンな筈はねえし、ンな事は望んじゃいねえ。
単なる俺のエゴ。
オマエに言って欲しかった。
行くな、と。
唯、オマエの口から聞きたかっただけなんだよ。



吁、くだらねえ。
俺は大馬鹿モンだ。



御免。






── 自粛 ──

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