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┗2285.[時計の針を亡くした時計]
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1 :
阿近
2009/05/25(月)00:27:09
機械音。
なのに針は見当たらない。
果たして此れを時計と云うのか、
(答えを求めるのは容易である事は解りきった話だ。)
------------------------
>綴リ帳
>綴リ手
阿近(主)
黒崎一護(40%)
朽木ルキア(6分の2)
朽木白哉(適度)
吉良イヅル(気まぐれ)
[増減有]
>綴リ
暇な時。
日常、想い吐き出し、過去、記憶、月の満ち欠け気まぐれに。
>傾向
完(大部分)
半(適当)
一言(たまに)
他(気まぐれ)
>ソノ他
乱入歓迎
誹謗中傷禁止
>現在ノ願イ
休み。(切実)
あったけぇ布団で惰眠を貪りたい。
>メモ(別名俺専用)
>>31
[11月16日/編集]
------------------------
さて、鳴りだした時計。
聞き覚えのある、音だ。
確か、これは、恐らく、きっと。
鈴の音。
(嗚呼、何でこんな時に!)
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174 :
阿近
2015/07/26(日)20:44:51
空に昇る美しい花。
それは美しさで魅了し、儚く散る。
その美しさに、目眩。
>やっぱり、その時に飲むのは麦酒だな。
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175 :
吉良イヅル
2015/08/01(土)09:36:22
昨日阿散井くんが「月が綺麗だ」みたいな事を何度も言っていた。
君にそういった教養があるのかないのかは別として(多分ない)。
それ、僕以外には言わない方がいいよ、とだけ言った。
僕はそれを知っているが、恐らく彼は知らなくて。
(酔っ払ってる時点でもう知らないと確信してる。)
でも、それは僕以外の、例えば阿散井君に対して好意を持ってる人が、もし、それを聞いて勘違いしてしまったならば。
確実に拗れて面倒な事になるって事はわかってる。
うん、絶対そうだ。
めんどくさいな。
このまま放っておけばそうなる事態は予測できていて。
それて放っておく程、僕も薄情じゃあない。
同期のよしみとして、とりあえず家まで引き摺っていこうか。
>月が綺麗ですね、
>それは、誰か好きな人が出来たら言いなよ。
>例えば、君の―――とかにね。
>昨晩の話。
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176 :
阿近
2015/08/11(火)08:27:24
久方ぶりに、再会。
まさか、
どうして、
こんな所で、
嘘だろ、と思うしかなかった。
偶然なのだろうか。
必然なのだろうか。
けれど、アンタは何も言わない。
何も言っちゃくれない。
ただ優しく笑う、その姿は、変わってはいない。
怒ってくれたら、どんなに気持ちが楽だったか。
新しい人はできたのかが聞けなくて、終わった筈の記憶が邪魔をしていく。
その笑顔が、何も言わせてはくれない。
どうしたらいいか、勝手に時間が過ぎた。
他愛ない話を交わして、核心には触れない。
そうやって逃げたのは、前も同じだった。
時間は経ち、その場を離れる。
続きを告げる事はなく、ただ夢のようだった。
夢、そう考えれば、何て事はないだろう。
だから、言わなくて良かった。
>再び会う約束はしなかった。
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177 :
阿近
2015/08/22(土)20:42:15
聴き覚えのある曲が、鼓膜に響いた。
いつ聴いたのかはわからないが、確かにそれは頭の端に引っ掛かった。
あれは、何だったか。
再会。
した事で、鼓膜に響く音が、懐かしいそれを思い出させる。
それは、何だったか。
何だったか。
「 、」
安らぐような。
心地よいような。
酷く、耳を苛むような。
懐かしいような。
優しく、包み込むような。
そして、寂しささえも、胸に遺すような。
あれは、あれは。
あれは。
確かに、聴き覚えがある唄だった。
>「 こ も り う た 」
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8 :
吉良イヅル
2009/05/27(水)22:45:51
ながらへば またこのごろや
しのばれむ
憂しとみし世ぞ 今は恋しき
---------------
時が経つのは早いものです。
過ぎ去った過去は戻らない。
過ぎ去る現在も、もう過去と言って良い。
そう、今だって似た様なものだ。
生きながらえる。
僕はこれからもあの背中を思い出しては、懐かしさではない感情を覚え、燻る思考を置き去りにしようとするんです。
白い其れに刻まれた文字を辿る様に目を這わせては、恨み言の真似をするかの如く、絶望を感じずにはいられない。
現在は未来とは違う。
だけれど、何時かは、懐かしさとして語り合う日が来れば良いとさえ、思う。
辛い日々も、何も哀しみに暮れるものじゃあない。
絶望に身を任せて、どうにかなるものじゃあない。
生きながらえる。
思考の渦に巻き込まれ、そうして掠めるその言葉を。
呟く。
只、其れだけ。
---------------
僕は得意なのは俳句だけではないよ、阿散井君。
9 :
阿近
2009/05/28(木)20:42:04
だから言ったんだ。
博識者を信じない方が良い、ってな。
>俺は其の裏切りを知っているのだから。
---------------
観察対象。
今日はどうやら動きが鈍い。
故に、一段階上の薬を与え、其の時の動きを再度観察する事にする。
11 :
阿近
2009/05/30(土)00:14:11
月影沈下。
---------------
>月
---------------
月は雲に覆われ、姿を隠しても、尚己の姿、存在誇示の為に淡い光を放つ。
月の光は時に太陽に似て、時に太陽すら凌ぐ。
太陽に憧れていた月の噺など、全く逆なのだ。
月に憧れた太陽は、光の放ち方を忘れているのだ。
故に、光は熱く、眩しく、目を背けなければ、眼を潰して仕舞う程に。
月に憧れた太陽は、憧れた分の熱さと光に任せ、月を想う。
月。
淡く光る月。
雲に覆われても、尚、光で在ろうとする。
月。
鈍い色。
孤影を照らす唯一。
叫び出したくなる程の静寂を連れて来る。
月、見上げた先。
未だ遠く、手を伸ばさずにはいられない程遠く、そして知る拒絶。
其の手、掴む事を無知とし、離す事を知識とする。
月。
己の天に在りて、天を廻すのである。
---------------
己、知り難き事、多々有りて惑う。
月、未だ誰にも赦されぬ事無くして、太陽を想う。
手、未だに月を掴めず。
其れ、願い請う。
12 :
阿近
2009/05/30(土)03:45:24
変な所で目が醒めた。
何でこんな中途半端な時間に目が醒めるんだ。
しかもご丁寧に夢で驚いて起きたみたいだな。
どんな夢かは実はうろ覚えで、わかんねぇけど、何故か言えるのはただ一つ。
>火傷は早目に冷やせば治る!
…………、ホント、どんな夢見てたんだ、俺。
---------------
今日の観察対象。
先日に比べて活発な動きをしているように窺える。
鎮静剤でも、と思ったが、滅多に見れない姿な気がして、中止。
もう暫く観察してから、再度寝られるか挑戦してみる。
14 :
朽木白哉
2009/05/31(日)02:15:25
例えば其れは翼。
氷で出来た美しくも脆く、透明ながら、不鮮明。
覗けば私は歪んで見え、屈折しては色を映し、反射させ、私を捉える様である。
例えば其れは牢。
囚われたのは私ではない。
牢に身を置く姿に、映る姿は互いを憎むかの様に、暗く、悪意に充ち、鈍く眼光のみが動く。
牢だ。
誰もが囚われては許しを請う事も無く、唯、空を翔ける鳥達を羨むものでも無い。
冷たく。
白銀の鬣を踏み締め、我が道を歩む術を知る。
世界を知り、溶かす意味を拒み、理由を知らぬ。
只知り得る事のみを信じ、奪われる熱の冷たさよ。
私は其れを、情熱に似た熱さだと云うのだろう。
白銀の鬣よ。
未だ見果てぬ領域へ、足を踏み入れ、高みを求めよ。
---------------
では、本日は是を以って就寝する。
雨音のみが響く夜も、悪くは無いものだ。
17 :
阿近
2009/06/01(月)01:58:55
掃除してたら、スゲェ古い資料見つけて、つい読み耽っちまった。
お蔭様で掃除、布団の場所しか片付かなかった。
(まあ、別にそれは良いんだがな。)
その資料の後に自分で書いた反証と、自己的見解と自己論が書いてあった。
あの頃はこんな事を考えていたのか、と考える。
でも、その反証は所々穴が空いてるし、自己論に至っては根本的に間違いもあった。
若かったなー、俺も。
…とか、考えちまったら、もうそんなに若くないのか?とか考えちまった。
だけど、そんな事を考えた後に、その書いた物の間違い指摘をし始めて。
気付いたら手には筆。
身体は研究資料で埋め尽くされた木机に向かってた。
もう、俺はどれだけこういうのが好きなのか、問い質したくなるな。
研究好きと開発好きも認めるぜ、うん。
とりあえず今日は別の資料読むのに、もう少し時間を使うとする。
---------------
本日は観察記録無し。
一応リンに観察しといてくれと言ったが、別の仕事押し付けられてそうだから、期待はしてねぇ。
19 :
朽木ルキア
2009/06/02(火)01:21:50
鯉伏山の、あの景色を、今でも私は覚えている。
それと同じ様に、覚えている景色は沢山ある。
特に好きな景色には、燕が居た。
遠くへ、遠くへ、海を飛んで行くのだ。
渡り鳥が居る。
しかし、その鳥より矮少な存在でありながら、開いた翼は一閃の光の如く、私の記憶に焼き付いて離れはせぬ。
一閃の光の如く、強き一線の刃の如く、そして、雪より一回り小さな雨の雫の如く。
焼き付いて離れぬ。
光は燕を選んだ。
燕自体が光であるかの様に、光を運ぶ存在で在れば良いとさえ、願っている様だった。
刃は燕を貫く物。
其の、か弱くも強い肢体を貫いては罪を贖うのでは無く、前を見る事を誘うかの様に、私の視線の先を飛んで行く。
雫は燕に祈る。
その身に降り注ぎながらも、身体を洗い、熱を奪い、全てを押し流そうとしながらも、燕を其処に留め様と祈るのだ。
―――燕が飛んで行く。
海を見下ろし、遙か遠い地へと今にも向かうと言うかの様だ。
水面を速く、目にも留まらぬ速さで、私を置いていく。
私は其れを見送る。
大丈夫だ。
追い掛けるなどせぬ。
只、其の情景が、私に涙を流させた。
燕は行く。
私の、心を揺さ振って、置いていく。
---------------
其の姿は、凡庸な姿にして、温かい。
一匹の燕、だった。
23 :
朽木白哉
2009/06/04(木)00:00:16
其れを、人は美しいと謂う。
其れを、人は残酷だと云う。
其れを、人は滑稽だと言う。
一花。
散り行く様の、儚さ、そして美しさよ。
咲き誇り、尚、其の華やかさを際立て、花弁に雫を蜜の様に寄せる。
唯、咲くばかりで無く、人を酔わせ、惑わし、魅了してはその眼差しを奪う。
一花。
美しさのみならず、醜さを其の花欠片に映している。
散り落ち行く先の花欠片、落ちては土に還るのみ。
落ちた其れ、己の姿写す様、醜く滑稽で、悩ましい。
侘びるかの如く、散らす様、残酷に踏み付けられ、その露に濡れた花欠片は絶望を感じずには要られない。
首を差し出せ。
さすれば希望充ちた侭、夢を見、知らぬ内に花欠片の様に墜ち逝くのみ。
刃を抜け。
ならば頭を垂れ、赦しを希い、陰湿で暗い底の底、又其の底へ、己の矜持を探しに行け。
良いか。
其の花弁ごと朽ち果てる時、己は頭を垂れ無くては為らぬ。
絶望を想い、陰湿な底へと向かい、其の手足で闇を掬え。
理由は要らぬ。
弁明も弁解も無意味だ。
貴様は只、その首に自らの手を与えなければ良いのだ。
只、貴様はその矜持に遵い、悔いるのだ。
然れば、其の蜜を薙ぎ払う事が出来るだろう。
---------------
其れは、何時か糧に為るのだから。
24 :
阿近
2009/06/04(木)22:08:43
>一言だけ言わせてくれ。
犬にもふもふしたい。
…すっきりした。
---------------
今日の観察記録。
最近体調が悪くなった様である。
体調不良になったのか、と思って検査してみた。
結果は消化不良。
食べ過ぎが原因らしいが…最近何時も与えている以上の餌は与えていない筈だ。
…原因不明な為、後に再度検査する予定。
29 :
吉良イヅル
2009/06/07(日)23:22:34
かしこさに
蛇とる雉子の
巻つかれ
---------------
雉子と蛇の句です。
雉子は蛇を食べる時に、我が身に巻き付かせてから、食べるそうです。
それは雉子が賢い為であって、それが雉子達の生きる術なんです。
己の身体を危険に曝す事で、己の食欲を満たす。
同じ様に。
僕等は自らを危険な戦いに曝す事で、我等が護るべき世界を平和で満たす。
同じ事。
僕はこの句を思い出しながら、そんな事を考えた。
己を危険に導く事で、獲られるものがあると言う事を。
世界は欲で満ちている。
僕の中にも、少なからず欲は存在する。
其れは、生きる為の欲か、それとも身勝手な欲かは、誰も知らない。
僕が知らないのだから、誰かが知りえる事はない。
只、付き纏う闇と、背中を這い上がる微かな絶望。
これは、僕が築き上げた、欲の塊じゃあない。
これは、生きる為に得た、僕の賢さ。
---------------
上の句は元禄俳諧集、蓮実の55の句です。
僕はこの蓮実と短歌の百人一首が好きで、よく読んでいます。
前の歌は百人一首からですし。(>>8)
特に百人一首は四季折々と恋の歌が特徴です、もしかしたら、気に入る物があるかもしれない。
ああ、それと。
この句の蛇は、本当は[虫也](半角)って書くんですが…変換出来ず残念です。
35 :
阿近
2009/06/11(木)23:17:40
>アレ?どちらさんでしたっけ?
俺は人の顔を覚えない。
(次いでといっちゃナンだが、名前を覚えるのも苦手だ。)
毎日顔を付き合わせてりゃ、覚える。
流石に三日間位で覚えられるぞ。
だが、そうでもない人に会えば、先の言葉が出て来る。
>アレ?どちらさんでしたっけ?
興味の無い事に脳が反応しないからか。
はたまた元から覚える気が全くないのか。
どれが正解なのかはわからねぇが、とりあえず日常生活に支障はきたしてねぇから大丈夫だろう。
ただ、友人にそう言うと、キレられるけどな。
(……それが当たり前か。)
---------------
観察日記。
前回の体調不良が回復。
原因はどうやらリン、前に頼んだ時にお菓子をあげてみたそうだ。
探究心には花マルをあげてぇ所だが、甘やかすともう一度やりかねない。
厳重に注意する事にする。
38 :
朽木白哉
2009/06/14(日)21:02:34
>過去を少し、私の口から語らせて貰う。
---------------
紫陽花咲く道。
その道を歩む、夜。
静かに出会った私達は、その場の空気を揺るがしただけだ。
緩慢に流れる時を、緩慢な動作にて過ごす。
紫陽花は雫に濡れ。
滴り落つる雫を指先にて受け止める。
流れる時間の中で、紫陽花は鮮やかな彩りで私達を囲み、そして過去となった。
あの紫陽花だけ鮮やかな記憶として記憶の片隅に残る。
まるで残像の様に。
兄は覚えているだろうか。
…いや、どちらにしろ、もう大分昔の話だろう。
薄ら明るく、空に陽が昇る頃迄語った日は、既に陽射しに熔かされる朝露と同じ様な物なのだ。
>紫陽花咲く、あの中庭。
(その時作ると言っていた栞は、作れただろうか?)
---------------
此れにて本日は帰宅、後に就寝予定。
雨の薫りは、記憶を呼び覚ますのかもしれぬ。
40 :
黒崎一護
2009/06/16(火)00:11:40
>“Take all by the kiss!”
そんな風に言える相手を、俺は今でも捜してる。
捜してる、いや、これは違うのかもな。
俺は待っている。
その言葉を紡ぐ相手に出会えるのを。
待つのは苦手だ。
だが、幾ら捜そうと思っても見当たらない、長続きしそうにない。
だから、追い掛けるのを少し止めようと思う。
―――、未だ見ぬ愛しき恋人よ。
俺は此処に居る。
お前を捜してる。
未だ触れぬ愛しきお前を、俺は早く抱き締めたくて仕方が無い。
歩けども、歩けども。
お前は見付からず、腕を擦り抜けて行く。
まるで影の様なお前。
何時か触れられる、何時か抱き締められる。
唯、一人の相手を、未だに捜している。
>“Take all by the kiss!”
(何時か、大切な人が出来た時の為に、唇に封じよ。)
---------------
今も恋人、そして伴侶を持つ人達の幸せを願う。
何時か、俺も、この唇で告げるから。
>“そのキスで全てを奪って!”
(愛している相手にだったら、キス一つで己の全てが陥落しそうだろ?)
(譬え、それだけで陥落して堪るか、と思っててもな!)
44 :
阿近
2009/06/18(木)00:26:56
結局、今日雨降るとか言ってたのに、雨降らなかったな。
…いや、別に降らなかった事が悪リィって訳じゃねぇぞ。
ただ、肩透かしっつーか。
朝の俺の宣言を返せ?
(何か違うな。)
午後の俺の頑張りを返せ?
(これは全然違うだろ。)
土砂降りを返せ?
(いやいや、土砂降りは避けたかった訳で。)
……。
俺の土砂降りに対する僅かな警戒心の為に使った体力と、精神力を返せ?
(ああ、長いけどそんな感じだ。)
鵯洲が土砂降りを楽しみにしてたらしいが、明日の楽しみになりそうだ。
俺は明日朝っぱらから雨が降ったとしたら、雨ン中歩くの嫌だから、今日は局に泊まり込み。
(連日じゃねぇの?と聞かれても、聞かなかった事にしておく。)
さーて、俺は寝るぞ。
---------------
観察日記。
今日は晴れの天気の下、珍しく日干しの様な事をしてみた。
動きが活発になったのを見て、案外日光が好きなのかもしれない。
一可能性として記入しておく。
45 :
朽木白哉
2009/06/18(木)01:00:24
全てが刃になれば良い。
研ぎ澄まされた眼は月を見、星を追い、影を狙う。
私は其れを知りながら、刃と眼が輝くのを心待ちにしている。
影を踏み、其の刃で我が喉元を喰らい付け。
私は貴様如き刃に、喉元を差し出すつもりは毛頭ない。
故に、貴様の刃を払い除け、二度と影を踏めぬ程、身体に刻み、教授しよう。
吠えたのは、力足らぬと感じたが故。
吠えたのは、誇りを見失いかけたが故。
貴様は全てを知らぬ。
貴様は本能で感じ取り、其の牙の合間から、其の唇の合間から、吠える。
知っているのだ、己の喉元に突き付けられた刃を。
その刃を咬み壊し、紅に染まる空を背にして。
行くは逢が魔刻。
紅色の空に、混じり合う漆黒を、知らぬ存ぜぬとは言わせぬ。
貴様は知っている筈だ。
貴様の血と骨が、魂を揺さ振っているのだから。
全てを刃とせよ。
未だ貴様は其の域を知らぬ、只の刃である。
全てを刃にした時。
再び私の前に現れ、喉元に喰らい付け。
我が刃は、其の時、漸く貴様の色で色付くのだ。
全ての刃、全て押し潰してくれる。
---------------
此れより、就寝。
51 :
吉良イヅル
2009/06/20(土)23:34:16
>夢をみました。
---------------
今更ながら、其れの意味を知った愚かさを、僕は胸に抱きます。
暗闇の道。
見た事のある、…いや、これは見た事が無い道だ。
そんな気がしているだけの、暗闇の道。
目の前には誰も居ません。
ただ、長く長く長く続いている道が、目の前に広がるだけです。
僕はこんな道を、知らない。
静けさ。
其れは、静寂。
其れは、恐らく無音。
足音すらしないのだから、現実じゃあない。
前を見た。
(誰も居ない。)
横を見た。
(誰かが傍らに居る訳ではない。)
上を見た。
(暗闇なのに、青空というふざけた出鱈目。)
下を見た。
(雨が降っていないのに、水溜まりに波紋が浮かぶ。)
後ろを見た。
(ああ、暗闇なんて真っ赤な嘘じゃないか!)
道。
来た筈の道は、真っ赤に染め上げられています。
前だけを見ていた僕は、後ろに気付きはしなかった。
真っ赤な道。
此れは迷う事無く、僕が選んだ道です。
前だけを見て、ただひたすら。
手にしていたのは愛刀でした。
愛刀は濡れていました。
色は確認出来ずに、僕は浮遊感を覚えた。
---------------
>此処で夢から覚めました。
隊花の如く。
僕は[ ]を感じずには居られませんでした。
僕は恐らく、許されたくはないのです。
58 :
阿近
2009/06/26(金)21:19:07
「月影沈下」
---------------
人は誰でも影を背負っているのではないかと、錯覚する。
その影は、何処に潜んでいるか解らず、更に何時内側から溢れるかを選ぶ事は出来ない。
影を背負うのは、何故か。
孤独も痛みも哀惜も愛情も、何もかも。
全てが背負うのは、影。
己の影を勘違いするものではない。
それは本当に影であるのかを、知れ。
無知は時に罪であり、火種であるからだ。
知っているか。
影は常に傍に在る。
背中合わせで立っているものではない。
影は常に己を見ている。
何時か、影を負う刹那を狙っているのだ。
夕暮れに振り返るな。
影が伸びているのは、己の存在を誇示しているからだ。
夜に下を向くな。
空には月があり、それが影を造っているのだ。
朝に上を見上げるな。
影はそこに無い。
影の悦楽を、知るな。
知ってしまえば、もう影に囚われて逃げられなくなるからだ。
闇に入るな。
そこは全てが影の塊。
二度と星を追い掛ける事はするな。
影を、望むな。
影は己の醜さである。
手足を掴まれたら、是にて、終焉。
---------------
我、逃亡ス。
故ニ、影追ワヌ。
幕、未ダ閉ジル事無ク。
影ニ追ワレ、天ヲ見ル。
---------------
「影。」
62 :
阿近
2009/06/29(月)08:20:16
昨日の天気予報によれば、今日は雨。
なのにこの晴れた空は何だ。
別に晴れが嫌いな訳じゃねぇ。
ただ、このまま暑くなるのが苦手なだけだ。
夕方からまた雨とか降られたら、嫌だから置き傘でも局に持ってく事にする。
(…あ、大分前からそうしておけば良かった。)
んじゃ、今日も出勤。
---------------
昨日記し忘れた観察日記。
最近暑い日が続いているからだろうか、大分動きが鈍い。
この生物も暑さには弱いようである。
よって、冷たい物を与える事にする。
63 :
黒崎一護
2009/06/29(月)20:43:47
>60を越えた。
---------------
綴りも60を過ぎてる事に、技術開発局のオッサンが気付かないようだから、俺が登場。
ちなみに何で30の綴りごとにこういう何かをやってるのは、なんつーか…区切りみたいなモン。
やっぱり同じ様な事を延々と綴るのは、飽きちゃうだろ。
(誰が、って俺が。)
つー訳で、60過ぎの記念にバトンをする事に決定。
---------------
自己紹介バトン
---------------
>1.貴方の名前は?
一応、今は黒崎一護。
でもこの綴り帳は技術開発局のオッサンの方がメインかな。
名前は確か阿近さん。
>2.貴方の属性(攻め受けリバ)は?
基本、女も男も完リバ。
…やる気のない無属性で、大体合ってる。
>3.よく動かすキャラは?
最近だと男は俺か阿近さんかウルキオラとか。
女は雛森とかルキア…最近女で動いてねぇな。
夜中はほとんど白哉。
つーか、殆どキャラ動かせっから、誰を一番動かすとかは決めてない。
常に気分。
>4.好みのカップリングは?
雑食。
余りに雑食過ぎて、最近自分の方向性を失い掛けてるっていう。
>5.実はこっそり見てます!という綴りを教えてください。
気まぐれに見てるから、何か色々見てるかな。
雑食。
でも好きな綴りの部分だけ何回も見たりしてたり、する。
…あ、何か愛読書とかに名前挙げてくれてる人達、有難うな。
つか、さっきタイトル検索したら結構あってビックリした。
何時か、話する機会があったら絡んでくれよな。
>6.恋人募集中?現在、恋人がいる人は惚気もしくは恋人に向けて一言どーぞ。
恋人はいねぇ。
まぁ、基本募集中だが、俺って結構気まぐれ屋だから、付き合う奴は大低苦労する。(らしい)
今までそのせいで長続きしなかった。(らしい)
ダチなら長続きすんのにな、…何でだ。
>7.控え室行った事ありますか?行った事ある方はどのくらいの頻度で顔出してますか?
行った事ねぇ。
俺の場合、どうしてもロル長くしがちだったり、長考しがちだから、多分無理。
早さについていけない、ノロマなんで。
でも行ってみたいとは思う。
>8.なりきりしてきて一番思い出深いエピソードは?
鈴、と、首輪。
パフェとか、水遊び。
爪痕、噛み付き。
…何か、色んな奴との思い出。
一個でも当て嵌まる奴は、案外、俺と出会ってるぜ。
>9.今一番したいコトは?
…気の合う奴と出会う?
自分でどうにかしなきゃ、意味の無い話。
>10.このバトンをして欲しい人がいれば回して下さい。
アンカー。
---------------
>編集終了。
[7月4日編集]
67 :
朽木ルキア
2009/07/02(木)23:27:29
>私は夢を見たのだ。
---------------
そこには、階段しかなかった。
私は、その異常な迄に真っ白な階段に立っていた。
周りは暗闇だ、何も無い。
風の音が聞こえたが、恐らく空耳なのだろう。
下りるのか、上るのか。
私には解らなかった。
ただ上から降る輝きに気付き、漸く階段を上り始めた。
単純に輝きが何なのかを、知りたかっただけだ。
それ以外に、何が在ろうか。
白い階段は足を踏み出す度に変な音がした。
何かは解らなかったが、何か固い物を踏み壊すような音だった。
(そう、例えば■のような。)
降る輝きは雪の様に美しかった。
だから私は追いかける為に、上ったのかもしれない。
異常な迄に真っ白な、この階段を。
上っても上っても。
階段以外に何も周りには無かった。
見える階段は、先が見えない位、遠く感じていた。
突然、崩れる音がして、振り返る。
少しずつだが、階段が崩れている様だった。
崩れている、というより、消えていくといった方が正確かもしれない。
私は駆けた。
まだ輝きの在りかを知らなかったからだ。
私は駆けた。
気付いたら、もう直ぐそこまで、階段は姿を留めてはいなかった。
だから駆けた。
寸前の限界迄、駆けるしか頭に無かったのだ。
(嗚呼、あの人に会いたい…!)
---------------
>此処で夢から覚めた。
―――結局。
目が覚めた日常に、白い階段は無く。
階下に下りれば、一護と一護の家族が居る。
何故だか、ほっとした。
あの崩れ消え行く階段は何だったのだろうか。
駆け上がったのは、輝きが何であるかを知っていたからかもしれない。
あの輝きは、私の知っている者の輝きだ。
そう思うと、何故か胸が熱くなる。
あの階段を駆け上がった先を、見てみたかった。
75 :
黒崎一護
2009/07/09(木)00:03:48
>Answer that doesn't exist in test
---------------
白い紙。
俺達学生はそれに答えを書き込む。
正解はほぼ一つ。
それ以外には赤い記号でバツを付けられる。
俺は答えを知らない事が多過ぎた気がする。
その答えは、近くにあった筈なのに、くだらない答えで締め括られていて。
最後には大きなバツを書かれて終わるんだ。
真っ赤な、バツ。
返って来た答案用紙。
答えを知りながら、書いた事は無いんだ。
(答えを知らないフリをしているんだ。)
だから答えはテスト上には無い。
手を伸ばして手に入れられるだけ書いた答えは、全て無意味だ。
本当の答えを知っているんだから、書けば良い。
けれど俺はそれをしない。
テストのマルかバツだけで、計れない。
だから、答えは何時までも書けないんだ。
---------------
>テストにない答え
(あの時なら、テストに書いていた。)
そんな純粋さは、今はもう無い。
89 :
朽木白哉
2009/08/02(日)00:00:23
貴様に見えるだろうか。
あの、丘に見える灯が、見えるだろうか。
その眼を見開かなければ見えないのだろうか。
あの丘。
灯が陽炎の様に揺れ、近付いて来る。
あの灯。
貴様は其れを知っている筈だ。
誰より、何より、貴様は知っていなければならぬ。
山々が燃える。
その錯覚すら起こす灯を、知らぬ内が花と云う訳でも無い。
獣の様に生き、弱肉強食を肌で知り、教え、そして理解する。
貴様は其れ故に、あの灯が何であるかを知っている。
灯と陰欝な揺れと持ち主を。
刮目せよ。
いづれ近付く灯に寄って、事実を知るが良い。
燃える山に描かれる文字を、知り得ぬ侭、死なぬ様に爪を、刃を磨け。
刮目せよ。
視界に入るのは何か。
其れは絶望ではない、希望でもない。
刮目せよ。
あの、鬼の持つ灯を、呼吸絶える、其の時迄。
刮目せよ。
---------------
今宵は散歩に適している。
良い夜だ。
92 :
朽木ルキア
2009/08/03(月)20:51:58
>な、何だ!
もう90を超えているではないかっ!
---------------
えー、ごほんっ。
では、恒例の“何か”を此処に綴る事にする。
今回は我々について、一応説明をすべきかと思ってな。
前に一護がやったバトンではないが、軽く紹介といこう。
断じて、一護だけ自己紹介狡いぞ!という気持ちではない。
(恐らく。)
---------------
>阿近殿
我が綴りの中心でもある。
日常を記すのが担当で、心中はたまにしか吐き出さぬ。
かなりの怠け癖、研究以外に興味なし。
最近の悩みは天気と、夏と暑さだそうだ。
思考は残虐、残酷、グロ……ではなく、恐らく一番平凡であろう。
>黒崎一護
前回自己紹介したではないか。
だが、こういったのはしてないのでな、私が直々に紹介しよう。
五人の中で一番呑気だ。
ルービックキューブは最近触っていないらしいぞ。
思考は一番まともだが、寂寥感は人一倍敏感だ。
>朽木ルキア
言わずもがな、私だ。
最近出番がないのは気のせいではない。
五人の中で精神的に一番強い者だと割り当てられている。
チャッピーグッズを買い占めたいと画策しているが、兄様に止められた。
…チャッピー……。
そろそろ出番が欲しい。
>兄様
兄様は常に我々の中で一番冷静で、他人の干渉が苦手だ。
最近雨続きで夜の散歩に出掛けられぬのが兄様の悩みだ。
最近は心中を表す時にしか出ては来られぬ。
美しい風情と斬魄刀が好き。
>吉良イヅル殿
時に思考は暗く、時に思考は一番明るい。
明暗が極端な方です。
未だに市丸隊長の事で愚痴を零したり、飲み屋で松本副隊長に飲まされ、褌一丁で欄干に身体を預けたまま寝ている時がある、という目撃情報有り。
極端ながら、一番器用でオールマイティな方です。
本当はもっと事細かにあるのだが、一応思い浮かぶ分だけを記載した。
では、また次回の区切りにて。
次は恐らく白哉兄様だ。
[8月9日編集]
103 :
黒崎一護
2009/08/16(日)22:45:34
>夢をみた。
---------------
ざわざわ。
ざわざわ。
周りはざわめき、俺を急かしているようだ。
何を急かされているのか、それは解らないけれど、とにかく俺は急がなきゃなんねぇ。
黒い道。
丘に見える、真っ白な教会。
響く鐘の音色は、何の鎮魂歌だろうか。
それとも戦に向かう戦友の無事を願う、悼み唄。
丘に上る俺を、見つめる姿がある。
今にも泣き出しそうな、けれどその表情に浮かべられる、それ。
愉悦。
快楽。
嘲り。
あれは、誰の―――、
(ふざけた話だ。)
それこそ、悪ィ冗談だ。
鐘が鳴る。
俺をせき立てるそれは何だ。
責める様な声の主を、教えてくれないか。
無理だ。
それは、■の姿であって、俺ではないのに、自分自身を責める声だった。
手を伸ばされた。
その手に、捕まる。
そして、俺は丘から突き落とされる感覚。
気付いたら海に落ちていた。
目が見えなくなる位に、視界は色に遮られた。
白い海。
白濁の海。
その海には、深き場所まで、黒い雨が降る。
(ふざけた話だ。)
---------------
>夢だった。
朝。
寝汗が酷い俺は、額を手の甲で拭った。
ふざけた話だ。
何の悲劇だ。
(違うだろ、これは喜劇だ。)
吐き出した溜息は、顎から滴り落ちる汗と一緒に、シーツに落ちては消えた。
(■が■である限り、急いては、責め立てて、そして白い海に突き落とされる、寓話。)
108 :
吉良イヅル
2009/08/24(月)23:05:00
>ある日の話。
ある日、雛森くんが爪に色を塗った。
松本さんに薦められて、やってみたらしい。
彼女の爪が淡い桃色に彩られていて、とても綺麗だった。
桜より、淡いそれは、彼女を映えさせるには充分で。
けれど僕は何も言えなかった。
彼女のそれが綺麗で、けれど綺麗だからこそ。
(…僕は寂しくなった。)
僕だけ、置いていかれる気がしたからだ。
>ある日の話。
ある日、阿散井君を餡蜜を食べに行かないかと誘った。
何時も僕が奢るから、と、誘えば何時も一緒に食べに行っていた。
けれどその日は断られてしまった。
用事があるから、と断られたなら、また今度って事になる。
それなのに。
訓練場に向かう阿散井君の背中に、突き放される様な感覚さえ、覚えた。
未来を見据え、前だけを見ては走っていく。
駆けて行く。
そうして彼は、背中を追う。
(…眩しい。)
置いて行かれた、気がした。
---------------
>ある日の話。
(何の意味も無い、徒然なるままに、僕は記す。)
118 :
朽木白哉
2009/09/02(水)01:15:46
声を嗄らせ。
動かしても出ぬ声に、漸く己の立たされた位置を知る。
貴様は時に気まぐれ。
時に獲物を狙う、肉食。
時には私の裾を、今掴まんとする。
ひらり、
躱せばその手を伸ばす。
鳴いた声は、果たして、何を求めるものであろうか。
遠く、遠く、離れた場所でも聞こえてくる。
それは叫び。
鳴いた声は何を求めんとするか。
気まぐれに。
而して高き自尊心を見せ、己の其れを護るが故に、鳴くのか。
刃は牙に似ていて。
其れは私の裾を撫ぜる。
この場所迄来たが故に。
貴様は求めなくてならなくなった。
強さも。
自尊心も。
己の居場所も。
声、嗄れるまで鳴き、求めているのだ。
貴様の声は。
何を求めんとするか。
故に。
歩き続けるのか。
何故。
居場所を、今にも棄てようと、
---------------
風が強い。
散歩は控える事にする。
>後に編集するかもしれぬ。
128 :
吉良イヅル
2009/11/16(月)00:37:15
>ある日の話。
その日は僕が檜佐木先輩と飲みに行った。
阿散井くんは修行だか、執務が終わらなかったとかで遅れてくると言っていた。
雛森くんが言っていたのだけれど、阿散井くんは最近黙って何かを考え込む事が多くなったそうだ。
悩みがあるなら聞いてくれとも頼まれた。
けれど、僕は、何故か聞く気は無かった。
檜佐木先輩の言う事には、僕が拗ねてるとでも言いたいらしい。
けれど、本当はそうじゃない。
阿散井くんが何も言って来ないのなら、無理に聞く必要はない。
彼が何か頼むのであれば、初めて手を貸すのだ。
阿散井くんは特に自分で全部を背負い込もうとするから、何か大変な事になる前には手を貸すけれど。
それが阿散井くんだし、僕が言わなくとも、僕と自分の事は解ってる。
信頼、と言えば、聞こえは良いだろうか。
…雛森くんには男の子って解らない、なんて言われてしまった。
僕には雛森くんの気持ちを知りたくても解らない。
どうしたら雛森くんは僕を好きになってくれるのかって、檜佐木先輩に相談してみた。
…………。
>ある日の話。
檜佐木先輩の助言は、少々役に立ちそうにありません。
134 :
朽木ルキア
2010/03/02(火)00:26:11
>過去。
揺れた心を取り戻すのに、時間がかかった。
貴様は私をどう考えていたのかを思うと、自分を苛む気持ちで一杯になる。
畦道は、世界を忘れた場所へ連れて行くのだと。
気付いた時には遅かった。
帰れはしない。
あの、何も知らぬ子供ではいられぬのだ。
貴様を知り、己の醜さと汚さを知る。
(■を知る等とは、決して口にはせぬ。)
その口を塞ぎ、貴様の喉に食らい付く。
どんなに呻こうが唸ろうが、私は貴様の背中に爪痕を残し、呪いをかけると言わんばかりに呼吸を求めて声を漏らした。
言葉零した唇の艶やかさに、私は何度思った事か。
その傲慢さに、何度、醜い己を隠そうと必死になった事か。
全てはうたかたの、
(―――嗚呼、夢であったならば、私はこれ程までに貴様に想いを馳せる事は無かったというのに。)
残ったのは、唯一残ったのは。
ただ貴様に縋った手の、■■である。
>これは、私であって、私ではない者の過去である。
何と浅ましい事か。
139 :
吉良イヅル
2010/03/30(火)00:21:15
>彼は浮気性である。
気付いたら、あっちへふらふら。
こっちへふらふら。
留まるという選択肢はない。
つまり、彼は根っからの浮気性である。
彼は一度も愛は囁かない。
口にはしない。
愛というものを知っていたからこそ、浮気には必要のないものだと思っている。
何を囁く必要がある、と、彼は僕に呟いた事がある。
彼は何事に対しても浮気性だ。
一つの所に留まるものではない。
唯一、心許せる場所以外には、一時の滞在のようである。
場所を変え、名前を変え。
彼は次へ次へと足を浮つかせて、進んでいく。
けれど。
時折、振り返る。
>彼は浮気性である。
最後に心で愛を求めていたとしても、きっと無くすまで気付かない。
(これはとある人のはなし。)
143 :
阿近
2010/04/17(土)15:10:53
良い天気になってきた。
朝方、別隊舎に向かうのには白い息すら見えてたっていうのに。
まァ、地下と地下のような場所に住んでる俺達局員にとっては、天気が晴れていようが曇っていようが、案外どうでも良いものだ。
―――そういえば空の青さが無性に嫌だった時期がある。
あの、透き通った青や、絵の具撒き散らしたような青が、俺の神経を苛立たせた。
どうしてかは、未だに解らないが、当時の俺はあの青が嫌いで、どうにも好きになれなかった。
目が青に支配されるのが、どうしても嫌だった。
この手が青を求めるように伸ばす事が、どうしても嫌いだった。
(青が嫌いな自分すら、何だか嫌いだったが。)
何時、そんな時期が過ぎたのかは、覚えてはいない。
今となっては、あの時期みたいに嫌いではない。
夜を好んでいた時期にはもう戻らないけど。
けれど、俺は。
あの、青を忘れられない気がする。
>(そして、俺は空を見る。)
145 :
吉良イヅル
2010/11/01(月)22:12:06
君は可憐。
君はかわいい。
きみは、うつくしい。
並べ立てた言葉すら滑稽に映る程、君の前では言葉は無意味だ。
君に何と伝えれば良いだろうか。
その君への気持ちは、まるで僕を苛むみたいに。
(―――滑稽な。)
君には花が似合う。
そう思った時、僕は君を傷付けたいのだと知った。
君を手折りたい。
その茎を指先で拈り、折ってしまいたい。
傷付けたい。
花が似合う君に、どうしても似合う花を見付けたんだ。
まっかな、まっかな、
真っ赤な、真っ赤な、
真っ紅な、真っ紅な、
曼珠沙華。
----------------
ああ、きみを、かれんなきみを、かわいくてうつくしいきみを。
ておってしまいたい。
148 :
黒崎一護
2010/11/04(木)22:12:36
>ハロー、ハロー、
(声が嗄れるマデ、)
>ハロー、ハロー、
(嗄しても嗄しても、)
>ハロー、ハロー、
(見つからないのは、)
>ハロー、ハロー、
(■■■■■■である訳で。)
---------------
世界が終わる前に、気付いてほしい。
誰かが傍に居ること。
気付いてほしい。
一人じゃないんだ。
こわくない。
こわくないから。
(だから、俺も、もう一歩を踏み出せばいいんだ。)
こわいのは、二人でいるのに寂しくなることだ。
それに気付いてはくれないか。
---------------
>ハロー、ハロー、
>ハロー、ハロー、
(…まるで、壊れたラジヲ。)
151 :
朽木白哉
2010/11/08(月)00:36:43
>笑えよ、
そう言った兄は、何故笑わないのか。
それを言おうとしたが、兄はきっと答えはしないだろう。
(兄は何故笑わない。)
空は月が浮かび、兄の横顔を照らしている。
その顔は誰かを想う顔ではないのだろうか。
誰かを愛しいと想う顔ではないのか。
何故、笑わない。
>その腕に、愛しい存在を抱いているというのに。
---------------
徒然に。
兄は空を見上げ、何かを想う。
愛しい存在を腕に抱いて。
何が悲しくて、何が苦しくて、兄は笑わない。
―――何が恋しくて。
>笑えよ、
その腕に刻まれた水の渦が、私の目を苛んだ。
158 :
阿近
2011/06/19(日)05:04:37
>原点回帰
廻りに廻って赤鳥居。
先の見えぬ階段を、登りに登った我が記憶。
視界さえ暗く。
ただ視界を支配するは、赤鳥居。
いつの間にやら、全てが赤く思えてく。
此処は何処。
その問い掛けすら、赤に飲まれて階段を転げ落ちていく。
その問い掛けの姿は、何時かの己であった。
嗚呼、落ちていく。
振り返る。
その先にも赤鳥居。
戻る事すら意識にはなく。
ただ、その来た道を、もう一度廻りたいとさえ思った。
出逢う道は何れも茨か。
それとも蛇か。
運良く狸であったなら、そこでは化かし合い。
―――さぁ、再び前を向き、足を動かせ。
疲れを知った足は悲鳴をあげたが、それは聞かない事にして。
廻って登った赤鳥居。
鳥居が並ぶ姿は、全ての圧し殺した自分に見えた。
先見えぬ現状。
しかし、振り返るは原点。
先は、まだ、見えない。
159 :
黒崎一護
2011/06/19(日)05:06:17
抱き締めたくなった―――、なんて。
絶対にそんな事を言ったら、笑われて終わり。
現在地点、最上級に出した勇気は、こうして砕け散るんじゃねぇかな。
思うだけで、何だか自分自身に呆れた。
そんな事を言ってるから、何時だってソコで終わり。
馬鹿みたいな話だが、何時だってそうだ。
喉まででかかった言葉は、舌の上で溶けて、嚥下される。
まるでアイスみてぇ、なんて考えてる内は、俺はまだまだお子様―――なんだろな。
現在地点、先に続く道。
未だ見ぬアンタと、いずれは交差するんじゃねぇかな。
そう思えたら、なんだか今の状況も悪くねぇな、なんて。
思わず、笑みが零れた。
現在地点、先行く道は、
160 :
阿近
2011/06/24(金)22:34:25
黒い空、白い雲。
あの鳥は、逆さまに飛んでいる。
歩いている死神の顔は全員無表情なのに、泣いている。
(ああ、気分が悪い。)
ぐらぐらな世界に、ぐらぐらな俺の思考。
暑い、
そう呟いたのは、空中を漂う深海魚。
眩しいと思えば、海の中で反射するみたいな輝きに目を細める。
(俺は、海の中に居るハズがないんだ。)
なのに、その世界。
安堵に似た、心地さえした。
深い、深い、海の底。
カウンターイルミネーション。
輝きは、俺に降り注ぐ事が無いのが、妙に安心する。
根っからの地底人みたいな生活を、根本的にひっくり返すみたいな、そんな感覚さえした。
目の前の、男が泣きながら微笑んで、手を振っていた。
その姿に、漸く気づいた。
>どうやら俺は、暑さにやられて、頭がイカれたらしい。
163 :
朽木ルキア
2011/06/29(水)20:46:08
貴様には解るまい。
あの、区切られた空に手を伸ばす、矮小な存在の覚悟など。
貴様には、解るまい。
あの、狭い空を見上げるという、微かな孤独の祈りなど。
貴様には、解る筈など無いのだ。
空の様に広く、遠くを見つめても尚、太陽の様に輝きを映す背中を持った貴様には。
解って欲しくない、貴様は理想なのだから。
狭い空を見上げて、不意に思い出す過去。
そういえば、今頃どうしているだろうかと、懐かしさを思う。
彼方はどう思うが解らぬが、どうにも私には懐かしく、手を伸ばしてみたくなる程の希望を感じたのだ。
嗚呼、微かな祈りを、聞き届けてくれるのは、誰なのだろう。
狭い空を見上げた。
小鳥達の囀りが私の耳を侵していく。
何時か、私は鳥になりたいと思った。
燕の様に、大鷲の様に、この狭い空の中を、悠々と飛びたかったのだ。
未だ空は遠い。
>(嗚呼、私はどうして此の様な矮小な存在なのだ。祈る事しか出来ず、空を見上げる事しか出来ず、それでも尚、空に憧れ、太陽に憧れ、そして貴様に憧れる。)