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┗2511.蒼紫-aoshi-(169-173/177)
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リロ
169 :
檜佐木修兵
2011/06/13(月)18:56:14
>どうしても眼を瞑れない
>思いに勝手な反応を一つ
だが本来此処に残すのは
筋違いだ、下に書いとく
奴で消してくれても良い
先に謝る、言葉にする事
俺の言葉に何の意味があったのか、蝶の姿が遠くに消えて尚もっと時が経ってから浅はかだった自分に後悔した。
実感したのは同じ思いなんてできねぇ事。自分が似た立場に立たされてやっと初めて少しだけ見える一本じゃない感情。嬉しいも悲しいもそれ一色な感情なんてねぇ気がした。度合い、濃度、何なのかはわかんねぇけど…とにかく他人が分かる程単純じゃねぇ。何日かわからねぇ程の思いの重なりが、たった一言でどうにかなる訳なかったんだ。
蝶を飛ばして少しして、初めて好きになった人と別れを味わった。
あんだけ人に言っておいていざ自分がなってみりゃ様ねぇもんだな、頼れだなんてどの口で言ってたっつう話。同じ物だなんて到底言えねぇけど…俺のも俺の中で一つじゃねぇ痛ぇ思いだった。
あの時、蝶を飛ばした時は察しがつかなかった感情も…今なら少しだけ、解ったのかもしれねぇ。
律儀に返してもらった蝶は届いてた。けどあんなのの礼なんていらねぇんだ。むしろ今更になるけど、追い込んじまったあの言葉…謝る。浅はかだった行動を詫びる。
蝶に託してあった言葉通り、大事にしたあんたはすげぇんだと思う…。何日の思いの重なりがあったのかさえわからねぇけど…両方から逃げずに向き合って大事にできたあんたをすげぇと思う。
これからは綴りが上がっては覗いて、頬緩ませる様な事やちょっと吹いちまいそうな事、ひょっとしたら直視できねぇながら指と指の隙間から覗く様な事も…綴られていくと思うとすげぇ期待しちまう。
あんたみたいに俺も、大事にしていきたい。待ってる間も、あの人を思っていてぇな。
>宛名の無い謝罪文
pass 9999
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170 :
檜佐木修兵
2011/06/13(月)23:28:14
尽くされた、良く尽くされた
俺を掬い上げたあの腕を
蒼い上波の中見せた白を
火熱よりも温かな感情を
俺は、思い浮かべる事ができない
薄情だと紡げない白紙を撫でる
上書き 0708 2342
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171 :
檜佐木修兵
2011/08/10(水)16:02:44
>耳に留まるは彼方の潮騒
>白むは闇夜か勢猛の宮か
>異端は朝行く月と己のみ
>真なる畏憚には目を瞑る
埃が占めちまった俺の愛床
悪かったな、なんて謝罪を
漏らしながら掃除する俺も
そろそろ末期なんだろうな
まぁ家事が出来る訳じゃねェ
やらねぇと生活できねぇだけ
取り敢えず床を雑巾で数回往復
腰が辛い、ったく若くねェな俺
照り付ける暑さに根負けして
拭いたばかりの湿った床に
背中を預け感じるのは違和感
>あー、なんかベタつくわ
かといって起き上がるなんて
体力はあっても気力はねェし
そのまま風が攫うのを待つか
酒、なんて思い出すのも止めた
恨めしさを感じて溜息に消した
漸く眼球に蓋をするのも慣れた
遠い深緑も広がる空色も全て
視覚上の幻想だと思っている
触覚には響かない、決してだ
けれど一つだけ近く感じてる
好きなんだ、あの白く残る影
何に購いその姿を晒している
とてつもなく、酷く惹かれる
>薄青い空に残された白む影
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172 :
檜佐木修兵
2011/09/03(土)02:21:30
>空と海中を隔てる色は無いと思っていた。
ただ一色だと、違えることはないのだと。深海であろうと、その果てのないような広がりは湧き出るものではない無限ではない、そこに留まる器の上にある。増減の幅は繰り返し、またあった場所へと落ち着くものなんだと。どこにあろうと、海と言う名の一部にすぎない。掬い上げたその明るさに、同じ光りが差せば同じように光るのだと…思ってた。
″生″という文字に色んな読み方があるように、一つのものが成り立つ上で唯一に縛られるだけの簡素なものなんて、きっと存在なんかしてねぇ。関わる全てがその一つを構成していく、何かが欠けてはそれを埋めるように別の何かが交じり合い、また少しだけ違う淀みや透明さをもって形を為す。
>未完
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173 :
檜佐木修兵
2011/11/03(木)17:44:11
輪廻の中に身を投じた一人として、その流れに乗る万物に靡く可能性を持つ。それも、善悪に関わらず意図して行われるもンもあれば、頑なに唯一と崇める存在に対して無意識に流れちまうもンもあるんだろう。
全てはその瞬間の繋ぎ会わせ
いつ、どの、なんて冠は所詮お飾りだ。残るのはその事実、だけ。二対の答えのどちらかを向いたという事実、だけ。明解だと笑うしかないのに、それを本心から頷けない思考の偏屈さは難解で笑えたもンじゃねぇなァ。
だが、語り手を変えれば誰かの心情が浮き出るもんでその姿は一人だけ。 自身で見出だせないのは歯痒い、だけどそれが現実だと思い知らされる。…なんだろうが変わらない、簡単に捕まらないその向きという感情は、俺の掌を、皮膚の上っ面をさらってはくれない。
嗚呼、そうか
>なら俺には一つしかない 思い出せ
擦ってくれた掌の温かさに、何度支えられてきたんだよ。
何度も引き留める心のある言葉を、いくつ貰って来たんだよ。
あの日々を一番近くで感じてくれてたのは、誰なんだよ。
…振り返れば、恋人って言葉には重すぎることばかりさせていたんだよな。
>あの日々の記憶、思い出流、日々
高め合うは出来ずにいたけれど、深く依存し合った堕落的な思いの交差の日々。 こんなに満ち足りているのに、不足に窒息しそうな気分に陥っていたのは、回りがみえなくなっていたのは、ただ真っ直ぐに求めてやまない存在があったからだ。
流水の如く過ぎる日没に万物も託され、委ねなければならねぇんだろう。心に焼き付いた景色も靄のかかる彩に帰す。それが一物体にとって良くも悪くも、働く濃度は変わらずに等しく。素直に頷くも苦、長く口を結ぶも苦…俺自身、こんなに長くかかるとは思わなかった。
季節を一周し、過ごしたもの全てに靄をかけながら少しずつ、意図的に執着を離してやってきた。 やっと半分流してこれたか、解放してやれるのは"名残惜しさ"本当に最後だという嘆きに似た感情の積もり。
もう…一人でも苦笑いで始末をつけられる。
伝えたい言葉も、もう飲み込める。
……やっぱひとつだけ、白状できるなら
いつかに来た猫の首輪がわりにつけてやったあの三色の紐飾り。俺に一番なついた猫の、あの青色の紐飾り…羨ましくなって後でこっそり付け替えちまったんだ。それが…今でも捨てらんねぇ。いくつかはしまったンだけどな、あれだけは書棚に置いて栞がわりに使ってる。
…こんなところ、
結びはなんだか思い付かねぇな、ひどくいい旅終わりの名残惜しさ、そんなのに似ている気がする。
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