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┗2918.a ghastly draft(186-190/190)
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リロ
186 :
黒崎一護
2016/06/13(月)02:35:45
アンタは俺を餓鬼だって言った。俺はよく腹を立てて、胸板を殴っては抗議したけど、いつも苦しくなるくらい抱き締められるか、これ以上ねぇくらいそっと髪に指先や唇で触れられるんだ。
人が本当に腹を立てるのは、弱いところを突かれた時だってよ。心の隅の方にあってなくならねぇ、不安とか疑いを人から暴かれるとしたら、否定してやるのはテメェしかいねぇから。
対等に見てほしくて、大人だと言い張った。見栄でも良かった。なのに、アンタの声に変えられちまった。
ずっと後になって気づいたんだ。嗚呼、俺は何処か…ほっとしてたんだ、
お伽話の中に出てくるひらひらした服を着た女の子とか、外国の人が呼び合うような言い方とか、幾らでもアンタは俺を特別なもんにして呼ぼうとする。出会ってから、幾つかの春を比べて話せるくらいの時間が経った、今も。
不十分なところを、好きだと言って。愛でてくれる。…そんな人だから、困惑する。
そんな時間に不釣り合いで、苦しくなる。
たった一晩の筈だった、こんなに長く傍に…居てもらった。
後になるほどヒデェもんだ…可愛いげも余裕もねぇ、荒れちまったままの声で…ぶつけて、
俺の感情の形はいつからか…いつも俺の事情でしか変わらなくなった。俺の胸にあるものも、一人よがりに成り下がった後の後、か。
思い出で、いつまで生きられる?
たくさん貰った…
目を開けて…、夢が見れるようになりてぇ。
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187 :
黒崎一護
2016/06/23(木)23:45:17
どうしても聴きたい音がある。
どんな高価なものよりも、どんな温もりよりもずっと、待ち焦がれるものがある。
その音は、決して捕まえておけない。生まれた音は、充ち満ちた気を揺蕩いながら伝わってはまた遠のいていく。
それが声っていうもんだから、それだけのことなのに。躊躇うんだ、その一度を残しておきたくて。
心待ちにすることなのに、ずっと手を伸ばせないでいる。
だってその一度を終えてしまえば、もう二度とないと、わかった毎日を過ごさないといけないから。
>一度の記憶の、中に生きれたら。
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188 :
黒崎
2016/07/18(月)01:30:01
格好悪い
ただそれだけだ。情けないのはそのせいだ。
きっともう、俺には戻れない所まで来ていたんだ。もう何度…要らない声を聞かせたか分からない。分からない程…考え無しに。
当然だと思えよ。
願うなら今から…立て直せ。
もしこの先が無いものだとしても。
少しでも長く続くように、音を選べ。
どうしても欲しかったものを、取り戻したいなら。
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189 :
黒崎一護
2017/03/21(火)22:18:15
どうしても__かった。
餓鬼の頃から見てた景色。
届けられる花。小綺麗に包まれた箱。
あの頃は、あれが元気の素に…なるんだと思っていたこともあった。
包みを開けるたった一人を思って、選ばれた物。それを抱えて、足を運んで顔を見合わせて安堵して…さ。名残惜しいと、何度も席を立っては座り、離れられない。
赤い残り日が落ちるカーテンに、その影と声を聞いてた。
枕に顔を押し付けたって、いくらシーツを握りしめたって、夜の長さは変わらねぇ。
もう、どこにも、何にもない。
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190 :
阿近
2019/10/01(火)02:02:33
まずはここが残っていたことに驚いた。
それから、言葉を読み返して幸せになれた。全てが溶けるみてぇに幸せな気分になれた。
今でも思う、少し悔しい。
一護。
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