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┗2918.a ghastly draft(181-185/190)

|||1-||||リロ
181 :黒崎一護
2015/06/28(日)02:44:51



>もうずっと、幸せに触れられる毎日で


昔から俺の考えの中に、天秤みてぇなもんがあった

誰に教えられた訳でも、押し付けられたもんでもねぇ
ただいつか、何処かからそういう考えを仕入れてきた記憶が全くねぇから
その出処がわかんねぇけど

よくある話

世界は、誰かの喜びと誰かの悲しみでできている

みてぇな、

今俺が幸せでこれ以上ないよろこびを感じているその裏で、どこかの誰かは深い悲しみにくれている

それは俺のせいではねぇけど、喜びが大きい分同じだけの逆の気持ちを味わう人がいることになってる

その逆も、同じ


昔はこの考えで、何も出来なかった自分の言い訳でしかねぇけど、周りを見ながら、多少の自分の意味をみいだしたりしてた

でも今は、それが自分の中の天秤に変わっちまって

俺のすべての時間は、天秤にかけられてる

一時の喜びは、同じ分だけ悲しみに

なんて、な



>天秤なんてありはしねぇ、そんなに平等になにもかもいかねぇよ

それも分かってて、だからこの考えは時々しか出てこねぇ

ただ、


喜びをくれる、幸せをくれる、その瞬間に全力で感謝して受け取りたい

そのことだけしっかり見て、素直に幸せだと笑いたい


いつも、くれる人はただ一人
>大好きだ、アンタが

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182 :黒崎一護
2015/07/08(水)05:26:23



もう一度、あの日から始まった幸せに浸る日。

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183 :黒崎一護
2015/08/01(土)01:09:39


>その光も、ここに届く今はもう無くなっているかもしれなくて

空が明るくなる少し前に、少しだけ星が先に光を引き上げていく気がする

それから深い黒が碧みがかって夜が明ける

光が、より強い光に飲み込まれてその姿を隠される前に
ふっと、諦めたような瞬きを見せる

…なんて、根拠も何もない俺のそう思ったってだけの話


ただ、無限ってのはそれを感じる者からすれば大きな時の流れに渡るもんだってだけかと思った

大きな大きな時の流れに乗ってきたものが、小さな時を受け継ぎ渡る者たちに、勝手にずっとそこにあると感じられているだけ、

誰かの永遠は、誰かの一時で、一瞬

それでもその一瞬は、確かに誰かを形成する一部に変わりなくて

それが小さいとか、大きいとか、誰にだって絶対の基準なんて作れねぇ

あの夜に向けられた目も、雨の中背にあった温かさも、本当の夜に手を握ってくれた感触も

確かにそこにあった幸せで、これ以上なんてない

この目に今も届く光が、夜を薄めてくれることは確かだから

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184 :黒崎一護
2015/08/05(水)19:44:26


>100メートルくらい、全力で走れよ

息を切らしながら力を出し切った一人が、少し後に息も切らさずやってきたひとりに向けて呟いた

精一杯、一生懸命、力の限り…世の中に溢れる言葉の割には意味の大きさに叶わないことが多くて

何かが足りなかったから、あの一瞬は心が揺れてしまった、少しだけ力が抜けて…本当はそんな一瞬が隙間に隠れているのに、自分のさも正しいような姿に免じて目をつぶり酔う

目をつぶったその世界に生きているのではなく、目を閉じる前の景色の中に生きていることも忘れて

それは連なり、ひとつの影の色も変えて
その唇に嘘を塗れなくさせるのかもしれねぇ

>(汗かいて、息切らせて走って負けたら格好つかねぇだろうが…もともと得意でもねぇしよ)

それは、そんなことでしかない

同じように白線の上に立った時から、最初から信じられない自分と信じてやれない自分を抱えることの方が、一生懸命よりも少しだけ楽に苦しいと思ってるだけ

苦しい中でも少しだけ、ちゃんと楽なはずなのに、ずっと苦しく感じるのはそれすらも、できなくなってきちまったからか

>白線と白テープまでの数十秒間に似た

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185 :黒崎一護
2015/12/21(月)00:37:49

>アンタと過ごした日々を繋ぎ合わせて、五感で感じられるもの全て残しておけたら

なんてな、

暫く開けられなかったこの覚書も、俺のために残していこうと決めたモノ
俺の気持ちの膨らみを、数秒逃さず記録できるビデオカメラなんてもんはねぇから

忘れていくっていう人間の生来のプログラムに、出来るだけ逆らって生きてぇなんて、きっと馬鹿がすることなんだろう

まるで玄人が作った完成品に、手を加えて本来の性能を損なわせる素人だ

鼓動も寝返りも瞬きも、俺は覚えていたい
その繰り返しの先に待つ、特別な存在のある生を


>ここに居てしか届かねぇ、俺には

>そんな綺麗な話なんていらねぇよ

>どんな形でもアンタの声が体温が
>ここにあって確かに俺に触れてて

>だってそうだろ全部そっからだろ


あの頃から少しだけ、ほんの少しだけ時間が経った

綺麗な話にも、少しずつ目を向けられるようになった
思うことは何一つ変わらねぇからこそ、だ

越えた夜の先に、居てくれる
すべての先に、居てくれる

触れられなくても、聞こえなくても

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