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┗3067.一度だけの。(32-36/85)

|||1-||||リロ
32 :ウルキオラ・シファー
2012/03/17(土)15:56:57

>流れ流れて

振り返れば、そこにあるのはこれまで自分が歩んできた道。
前を見据えれば、そこに広がるのはこれから自分が歩む道。
誰かの背中を追いかけて、誰かの足跡が既に刻まれているそこを進むのか。
まだ誰かも踏み込んでいない、誰の跡もついていないまっさらな道を進むのか。
その選択は自分次第。
ただ、この命尽き果てる時、これまでの命の在り方に悔やむような最期を迎えたくはないとそう頭の中で声がする。
どんなに手を伸ばしても、月にも星にも届かず掴むことはできないか。
いつの日にか、今より少し、近づくことができるのではないだろうか。
瞼を閉じた世界に射した、一筋の光。


(逝き着く先は)

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33 :檜佐木修兵
2012/03/18(日)13:38:15

>金糸雀の揺り篭

久々に俺の姿で。
俺の声は届いているのかとふと思う。
叫ぶ声、焦がれる声、請う声、淡々と言葉を紡ぐ声、荒げた声、諦めの声、普段通りの声、温度の高い声、その色は様々なんだけど。
俺の唇から零れ落ちる声音には変わりはなくて。
ただ零れ落ちた先に何があるのかは未だに分からないし、掴めていない。
もし、この声が。
金糸雀みたいな透き通る、耳底に残る綺麗な綺麗なものだったら、何か変わったのかな。


(それは叶わぬ願いだけれど)

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34 :ウルキオラ・シファー
2012/03/19(月)22:21:23

>回転木馬は眠らない

くるくる廻る回転木馬。
見つめる先には色鮮やかな世界。
その背にお前は誰を乗せるのか。
その背にお前は何を乗せるのか。
足跡はやがて道筋となり、その後を誰かが歩く。
くるくる廻る回転木馬。
その背に咲く一輪の花。


(その瞳はただ前だけを見据えて)

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35 :檜佐木修兵
2012/03/20(火)19:44:50

>見上げた先の

縁側に出て夜空にぽっかりと浮かぶ月を見上げた。
冬の夜は空気が澄んでいて浮かんだ星が鮮やかで、見ていて飽きない。
ひとつ、ふたつ、またひとつ、と浮かんだ星を柄にもなく数えてみる。
いつか、伸ばした手が届く日はくるのだろうか。
問いかけに答える声は、今はまだ見失ったまま。


(幾つもの道標)

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36 :檜佐木修兵
2012/03/21(水)20:53:33

>願いを懸けた流れ星

3回唱えた、願い。
3回唱えたつもりの、願い。
夜空を切り裂くようにその光を残す流れ星を追いかけるのに必死で、願いを唱えるには追いつかない。
誰が始めに口にしたかは知らない。
『流れ星が消える前に願い事を3回唱えればその願いは叶う』
子供じみた迷信と、笑う奴も多いだろう。
眺めていた空に、きらりと光った流れ星。
それは一瞬で、消えた。


(追いかけるのに、必死で)

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|||1-||||リロ

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