綴一覧
┗3067.一度だけの。(42-46/85)
▼|
前|
次|
1-|
新|
検|
書|
リロ
42 :
檜佐木修兵
2012/03/27(火)14:24:47
>迷子の虚勢
心も、そして身体でさえも、どこへ向かったらいいのか分からず宛もない道をふらふらと彷徨い歩く。
途方にくれて泣きじゃくる幼子のように、行き先も分からず迷子のまま。
自分を覆う堅い殻を打ち破る気力さえ、徐々に見失いはじめて。
何がこの身を縛る。
虚勢を張り続けることで己を護る。そうしなければ、戻り方が分からないところまで踏み込んでしまうだろう。
噛み締めて歩く。
踏みしめて歩く。
黒い影が巻きついて。
(そして朽ち木は傾き始める)
[
返信][
削除][
編集]
43 :
ウルキオラ・シファー
2012/03/28(水)18:45:27
>瓦礫の島
塵となったガラクタ達が重なり積もり、巨大な島となる。
そこには誰も近づかない。
腐敗した空間、腐敗した空気、ただどす黒い漆黒だけが渦巻くその世界。
──…カァ、カァ
カァ、カァ…──
灰色の空から下を見下ろす、黒鴉の群れだけが知っている。
世界は、崩壊したのだと。
(世界はいとも簡単に粉々に砕け散る。烏はそれを知っている)
[
返信][
削除][
編集]
44 :
ウルキオラ・シファー
2012/03/29(木)18:58:42
>折れた黒翼
空は更に遠くなった。
翼無きこの身体が、空へ羽ばたこうとするのは不可能だろう。
愚かな思考は翼があれば空も大地も掌中に治められるとそう疑わなかった。
愚か者は己が立つその場所ではなく、遙か彼方を見据える。
その瞬間から、全てが彷徨い始めるのだ。
(彷徨う翼)
[
返信][
削除][
編集]
45 :
ウルキオラ・シファー
2012/03/30(金)21:57:36
>揺らめく影
まるで蝋燭の炎のように。
まるで振り子の針のように。
それは掴みきれず不確かなまま、曖昧な輪郭を保ちながら、ただそこに存在している。
そっと翳した掌に落ちた小さな光の粒は。
揺らいで溶けて、やがて死に逝く。
(それはまるで蜃気楼)
[
返信][
削除][
編集]
46 :
檜佐木修兵
2012/03/31(土)17:02:40
>さくらいろ
ほんのり色付き膨らみ始めた薄紅色の蕾が、春の訪れを物語っている。
見上げた先の大きな桜の樹。微かに鼻腔を擽る春の匂い。
樹の下に腰を下ろし交わす杯は格別の味がするんだろう。
そんなことに思いを馳せながら、幹に背を預けて目を閉じた。
穏やかな春の陽光に包まれて、閉じた瞼の裏の世界。
(春の訪れ、薄紅と)
[
返信][
削除][
編集]
▲|
前|
次|
1-|
新|
検|
書|
リロ
[
戻る][
設定][
支配人の部屋]