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┗611.夢のうつつの(16-20/66)
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16 :
阿近
2007/01/28(日)20:55:05
今までどうってことも無かった筈の薬液の臭いで、肺の辺りが淀んだ気がした。
胃まで逆流し始める前に部屋から離脱はしたが、後を任せたメガネチビ女辺りには、だらしねぇだの何だのと散々詰られた。
『悪阻じゃねぇか』
通信技研で愚痴れば、鵯州が気色悪いことを言い出す。
『お前の腹なら、人の子が産まれるかどうか怪しいもんだな』
どういう意味だ、と思う。
「人以外と寝た覚えはねぇぞ」
そうは言ったが、
いや、そもそも孕んでねぇよ。
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17 :
阿近
2007/02/14(水)09:13:56
家路はいつも、薄暗く寒い。
剥き出しの脚がそろそろ凍えて、縺れ始めてしまいそうだ。
俺はまだほんの子供なので、
認めたくはないが独りで誰そ彼を歩くのが、唯々恐ろしい。
横の茂みから、野犬の唸りが聞こえた気がする。
枯れ草の間から、何匹も何匹も。
俺が疲れ果てて足を止めたら喰ってしまおうと、付かず離れず追い掛けて来る。
鬼と呼ばれても頑健な牙がある訳でなく
野卑な大人共のように敵を殴り殺す腕力がある訳でもないので、
俺はただ、野犬との距離が縮まることに怯える。
俺なんぞを殺しても大して肉は喰えないと思うが
この辺りでは、皆が皆こんなものだ。
犬も、飢えている。
草の合間から覗く眼が、ぎらついている。
懸命に走り始めた脚の回りは遅く
心肺機能もすぐに音を上げて
それでもまだ、今日の寝床は遥かに遠い。
すぐ後ろに迫る獣の息遣いの直後
右足首に激痛。
ああ、捕まった。
覚醒。
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18 :
阿近
2007/02/21(水)23:21:38
三日掛けてぶち込んだ数字が、ちょっとした手違いで全部パァになる夢。
多分今までで一番嫌な寝覚め。
この綴りを掘り返す途中で周りに目を遣れば、意外と消されて無くなっている綴りの多いこと。
消える奴出戻る奴。
泣いてる奴笑う奴。
別れる奴等、ヨリを戻す奴等。
あァ、誰かに触れてぇなァ。
唐突にそう思う。
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19 :
阿近
2007/03/06(火)00:15:14
腹が減ってんのか
喉が渇いてんのか
自由にならねぇ身体が欝陶しい。
寝そべってなけりゃ苦しいなんざ、どこの赤ん坊だ。
もしかすると、風邪か。
益々もって欝陶しい。
覚醒。
寝ている間に良くなるかと思ったが、そう甘くもねぇらしい。
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20 :
阿近
2007/03/21(水)13:43:36
女を抱いた手は、消毒。
人は雑菌だらけだから仕方ねぇ。
念入りに十数度洗った手に、手袋を一枚、二枚、三枚。
重ねて、それで、漸く仕事が出来る。
そんなにまでして汚染を怖がっている自分が、時々笑えて仕方がねぇ。
自分の手なのか手袋の一部なのか、解りもしねぇ指先で弄るだけで
触った気になっているなんざ可笑しな話だ。
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