※必読規約
※文字色一覧 □white □white2 □white3 ■Black
日記作成(表紙)には
【 使用C名をフルネーム(作品名) 】を使用してください。
【!】サイト移転・規約改正のお知らせ
※一度上部の※必読規約からトップページへ目を通してくださいますようお願い致します。
スレ一覧
┗1972.Corpse Reviver【〆】(229-233/248)
▼|
前|
次|
1-|
新|
検|
書
233 :
黒沼アラヒト
2023/01/05(木) 15:45
絶望の淵に俺はいた。
#
黒沼アラヒト30歳。外資系の証券会社に勤務する、営業成績3年連続堂々1位のエリートサラリーマン。年収850万。こんな肩書きは過程にすぎない。なぜなら知ってしまったからだ。
天職──ヒヨコ鑑定士というジョブの存在を。
しかし、本日早朝。面接に赴いた俺を待ち受けていたのはあまりにも残酷な現実だった。
ヒヨコ鑑定士になるには養成所へ入り偉大なる諸先輩方からの手ほどきを受ける必要があるのだがそこの受講資格が「満25歳以下で、高等学校卒業または同等以上の資格保有者」かつ「身体強健で視力1.0以上(矯正可)の者」
……。
満25歳以下。
満25歳以下。
まあ待て。
俺はいたって落ち着き払い近場のブルー◯トルコーヒーへ向かったものの激混みだったのでマッ◯コーヒーをテイクアウトし公園へ。ゆったりとコーヒーを楽しむあいだ6回ほど住民票の写しを確認したが、その紙は頑として俺がもう25歳以下ではないことを示していた。
異世界転生ep.39 失意キイ◯イトリ柄封筒の辞表は辞表だと認識されないまま、書類に紛れてどっかに消えちまったらしい。ヒヨコ鑑定士にはなれなかったが、ヒヨコに救われたってワケか…。
[
返信][
削除][
編集]
232 :
ヨルク・ビス・アエタス
2023/01/03(火) 17:32
\ヨルクちゃァ〜ん開けてくれェ〜/けたたましいノック音とともに今や聞き慣れた声が響き、反射的に執務の手を止め伴侶を自室に迎え入れた。──餅つき要員として実家に招集されたアラヒトがなぜ今このタイミングで再び異世界に…?いやしかしこの慌てようは只事ではあるまい…──考え訝しみから神妙さへ面持ちを切り替えた矢先、テーブルを挟んで向かい合う伴侶から眼前に突き出されたのは、
ヒ ヨ コ 鑑 定 士 募 集とデカデカ印刷された求人広告だった。
「辞表はもう出した」
語る伴侶の榛の眼は未来を見据えて輝いている。そう、奴は
生粋のヒヨコ狂い。休日はチ◯ンラーメンのパーカーにイエローのスウェットを合わせ、リラッ◯マのトリのルームシューズを履いて過ごす(なんならそのままコンビニにも行く)ような男だ。そして俺はそれに感化され、ヒヨコ柄のエプロンを付けて台所に立つような男……
新卒採用から十年近いキャリアを積んだ会社を秒で退職するなんて正気の沙汰とは思えんが伴侶が天職に就くべくアラサーにして就活の荒波に身を投じるのを応援しない訳がない。
「明後日だ」
俺のアラヒトなら必ず受かる。こいつはヒヨコのために生まれた。ヒヨコに命を掛ける運命《さだめ》だ。俺の頭髪がヒヨコ色なのもきっと天啓に違いない。
…と、ここまで回想して思い出した。アラヒトはヒヨコのためではなく
金のために転職を決めたんだった。
異世界転生ep.38
ヒヨコ鑑定士の年収は1000万この期に及んで知らないヤツはいないと思うが、ヒヨコ鑑定士ってのはヒヨコのケツを見て瞬時に雄雌を見分ける崇高かつ並々ならぬ精神力が求められる職業だ🐣
異世界においても神官を経た後にクラスチェンジしてなれる上級職である🐤 アラヒト(営業)→アラヒト(ヒヨコ鑑定士)
→アラヒト(営業)←New![
返信][
削除][
編集]
231 :
黒沼アラヒト
2022/12/31(土) 22:43
(まさか2022年最後の日記を)(高田にくれてやるわけにはいかねぇ)(とはいうものの、だ)(なにを書く…?)(ひとまず確保──)
#心情で語るスタイルやめろ
>モノローグと言ってくれ
🧝🏻以下エルフ達の呟き🧝🏻♀️
海外の親子愛をテーマにした番組を見たらしいパパに昨日から突然「パパのプリンセス」って呼ばれ始めてキツい。(10代/王族)
✧
モチとかいう異世界の兵器に4人の手練が殺された。(120代/王城勤務)
✧
[
返信][
削除][
編集]
230 :
高田伸之
2022/12/27(火) 08:08
この時期。異世界の大陸各地を賑わせるのは、とある聖者の降誕を祝う祭りだそうだ。
ヘルナペレスカって港町じゃ、この世界一の規模を誇るクリスマスマーケットが盛り上がりを見せる。偶然か否か、同じ名前と主旨をもつ地球のクリスマスとは違い、定番は魚料理らしい。赤魚の串焼きを味わいつつ、スパイスたっぷりのホットワインをちびちびやりながら歩く俺の隣には──もはや見慣れた金髪の、無駄に形のいい頭が並ぶ。長い前髪の隙間から覗く緑眼は、イルミネーションをきつく弾き返している。いつもどおり真一文字の唇が、心なしか歪んで見える気がした。
これは分かる。オコだ。激オコより三段階くらいオコなやつ、なんつったっけ。
もちろん、こうなったのにはワケがある。
残業だ。社畜という名の勇者を
退職まで散々に狙い続ける魔物…世間はすっかりホリデーモードのこの日、哀れにも残業とエンカウントしたアイツの顔を俺は忘れないだろう。二年分くらい笑ったぜ。
それから、およそ一時間後。俺は(道ゆく獣人のおねえさんに興奮したり、近海で跳ねる人魚に興奮したり、ビキニアーマーの女戦士に興奮したりしながら)人を待っていた。
やがて現れた待ち人が、
「アラヒト…?」訝しげにそう呼んだ次の瞬間。待ってましたとばかり俺史上いちばんカッコイイ足運びで振り返り、こう言ってやったのさ。
黒沼だと思ったァ?残念!俺でしたァアアアッ!!
その時の王子の顔もきっと忘れられない。正直ちびるかと思った。
そこからはワケを話すのに必死だよ。黒沼を襲った魔物、ショックでスマホ握りつぶして王子に連絡が取れないこと、花火までには絶対に行くから待っててくれって伝言を頼まれたこと。
「おまえどうせクリぼっちだろ。ちょっと次元超えてくんね?」なんて据わった目で肩を掴まれちゃ
逃げら親友として断れねえしな。
相変わらずキツいがどことなくショボン顔の王子を見てると、少しばかり心が痛まんでもない。仕方ねえ。
「そんな顔すんなよ王子ィ。知ってる?仕事終わりにあんたから連絡が入るとアイツよ、可愛い女子社員からの誘いも秒で断って退社するんだぜ。急ぐあまりたまによく分かんねえ言語で喋ってたり、タイムカードを手裏剣みてえにレコーダーへ打ち込んで上司に怒られたり、窓から飛び降りて(※14階)捻挫したり(中略)とにかく、そろそろあの必死な顔で向かってる頃だろうから──…」
アレッ。いねえし。まさか帰っ──いやいた。立ち上がって、やけにザワついてる群衆に割って入ってる。
フッ、やっとこさ登場ってわけかよ。
\ ヨルクチャーン!遅れてごめんなあ! /なんでかボロボロのスーツ姿で現れたアイツの声に背を向け。
俺は。
「Merry Christmas,lovers…♡」俺史上最高にセクシーな低音ボイスで祝福を贈り、聖夜の街へと溶け込んだ。
[
返信][
削除][
編集]
229 :
ヨルク・ビス・アエタス
2022/12/20(火) 15:02
確保/たまには真面目に書かなければならない。
背景が真面目じゃねぇ件
お前が残したいと言うから
♛ 真面目な話 ♛
そういえば俺もバイト先を変えた。これまで黒沼母君の口利きにより近所のパン屋さんで働かせていただいていたのだが、スキルアップのため刺し身にタンポポを乗せる仕事に志願し無事内定を得ることができた。
新しい仕事が決まったと報告したとき、アラヒトはハンカチがビシャビシャになるほど号泣し、ダッシュでホールケーキを買いに走ってくれた。全力疾走を耐え抜けるほど頑強でなかったケーキは切り分けることままならず箸でつつく羽目になったが、アラヒトの優しさがただただ身に沁みて嬉しかった。
だが、出勤初日にして俺は壁にぶち当る。人員の多い工場という勤務地ゆえの派閥争い…そしてその頂点に君臨するお局様なる者の存在だ。煙草を吸わん俺は必然的に非喫煙者グループに属する流れになり、グループの長たる“お局エミコ”の配下となった。
エミコの指導はひたすらに厳しかった。タンポポの配置に1ミリのズレも許されない。剣と弓を極めていなければ叱咤の連続に心折れていたかもしれないと思うほど、連日連夜、タンポポを正しいタイミングで正しい位置に置く訓練が無慈悲に繰り返された。
「──…心を燃やせ」
コンベアーを流れる刺し身の大群に不覚にも臆しそうになったとき。ふと、誰かの声がした。同時にあたたかな面影が、猛々しい焔のような毛髪が揺れる様がよぎり、朦朧としていた意識が急速に覚醒するのを感じた。
そうだ…この金髪はタンポポの色……俺は来るべくしてこの全日本刺身連合直轄北九州鮮魚加工工場第七に呼ばれた申し子…!
そこからはまさに破竹。エミコが口を挟む間もない怒涛の勢いで寸分違わぬ位置にタンポポを乗せた。乗せて、乗せて、乗せ続けた。心が燃えた瞬間だった。
そんな俺は先日工場長に任命され、今となっては部屋でひとり書類仕事ばかりしている。タンポポのトゲっとした感触と厚塗りが過ぎて夕方ひび割れるエミコのファンデーションが、時折とても懐かしく思い出される。
工場長になって数日後、エミコと会話する機会がありリップを褒められた。アラヒトにもらったチャネリの60番だと教えると、なんと彼女もチャネリの愛用者で大変話が盛り上がった。現在、毎週土曜日に2人きりでデパコス漁りに出掛ける間柄である。[
返信][
削除][
編集]
▲|
前|
次|
1-|
新|
検|
書
[
戻る][
設定]