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┗240.【保存】You knows how to captivate me.(41-45/158)

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45 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2020/03/30(月) 02:09


愛するということ。
ひとの愛は果たして心臓に存在するのか、
それとも脳のどこかへ存在するのか。
影片、君はどちらだと思う?
君を愛しいと想う気持ちが電気信号となり
君に触れようと僕の指先を動かす。
君に愛を告げようと喉を震わせる。
僕の体は今日も君への愛を生み出そうと駆動するのだよ、愛しい影片。
遠い異国の地へ居ても君の声が聞きたい。

電話口の向こうから聞こえる『好き』の連唱。
それを聞いているうちにふと悪戯心が疼いた。
「ねぇ、愛しているよ。」
#「んあああんんおおおあああ!?」
あまりに喧しいその声に受話音量を最低まで下げる羽目になる。
これぐらいの想定はできただろう。僕のミスだ。
しかしね、こちらも今はそれなりに夜更けなのだよ。騒々しい。
#「お、おれも!!!!!」
「『おれも』ではなくて。」
#「あ、う、あ…んああ~……あい、あいしてマス………。」
及第点以下の言葉しか吐けない。
君、できないことはいつまで経ってもできないねぇ……。
『好き』が決して悪い言葉だとは言わないけれど、僕の好みではない。
君には頑張ってもらわなければならないね。
「ほら、もう一度。」
「愛している。影片。」
#「あっ、あ、……あい…あ~………愛してる、宗さん、」
良くできました。


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44 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!)
2020/03/11(水) 23:12


逝く夏のような煌めく午後を過ごし続けていた。
愛すべき箱庭。
停止した美というものも確かにある。
だが、不変の美しさは普遍的な美しさではないのだよ。
だからこそ、僕らは進んでいく。
芸術を追い求める者として。
錆び付いた秒針がいま、ようやく動き出そうとしている。
僕が短針であるならば、君は長針だ。
きっと君は追いついて、僕らは重なる。
だからほら、影片。
変わることは、進むことは悪いことではないよ。
まったくもう……いつまで泣いている気かね。

がらんどうになった教室を最後に出たとき僕は、
がらんどうの瞳を思い出していた。
むかしの君の瞳だ。
今はたくさんの美しいものを詰めこんで
きらきらと瞬いている。
あぁ、次に会うときはきっと、更にその光が溢れているのだろうね。
僕はそれがいまから楽しみで仕方がないのだよ。
だから、悲しい別れではない。

……だからねぇ、
いい加減離れてくれないと最後の荷造りができないのだけれど。
今夜も君を宥めすかすだけで終わりそうだ。


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43 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!)
2020/03/05(木) 22:13


‪泣きつかれた。影片に。
自分の発言で大変なのだと。
何がだね。主語をはっきりさせたまえよ。
あれの言葉が要領を得ないのはいつものことだけれど
いつにも増して支離滅裂だ。
それから自分の悩みを装って一言。
#「どうしたら夜、眠くならんやろか。」
……まぁ、その悩みは君も持っているものだからね。
僕が君よりも後に眠るのは、単に眠気が来ないだけだ。
眠気に抗う術を持っているわけではないのだよ。
僕の場合、作業をしている限りは起きていられる。
それはデザイン画を描き起こすでも良い。
台本を声に出して読むでも良い。
意思を持って身体を動かすというのが大事なのではないかね。
影片は身体を横たえた途端に眠ってしまうから、
単純に身体を起こしておくのも手だろう。
……糖類の入っているものは逆に眠くなると聞いたよ。

と、あれもあの手この手で起きていようとはするけれど。
昔はひとり縮こまるようにして眠っていた君が
僕の隣でただただ安心を得て眠る姿を見て過ごす時間。
それが僕にはたまらなく愛おしい。
きっと君は起きないけれど、宝石をおさめる瞼に魔法を残す瞬間が
僕の一日の終わり。
愛するひとの眠る姿は僕を天国へ運んでくれる。
Tu es mon bijou à moi.



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42 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!)
2020/02/27(木) 03:18


‪影片が僕の言葉を宝物だと言う。
きらきらした宝石のようだと。
すべてを大切にしまっておきたいと言うが、誇張では?
それこそ、不出来だとも出来損ないとも言っているのだし。
宝にするなら美しく綺麗な言葉だけを粒選し、
保管しておいてほしいものだよ。
「愛しい」「綺麗な」「愛している」
たとえば、こういう言葉なら
唇からこぼれた途端に宝石へ変わってもおかしくはない。

#「でも、おれはお師さんからもらった言葉全部大切やけどなぁ。
#その言葉たちがあるから、今があるっちゅうか~…?」
僕が影片へ投げた言葉の中には
「整っていない」「不揃いな」「鋭利な」言葉もあったはずだ。
それまで大切だと言われると複雑な感情を抱くのもまた事実。
影片はその言葉がなければ今の僕たちはなかったかもしれない、と。
そう言うけれど。
君を傷つけなくても同じ結果は得られたかもしれない。
そればかりは僕にさえ分からないのだよ。

などと言うと、自分は傷ついていなかったと笑う。
あの頃の僕のほうがよほど、ぼろぼろに傷ついていたと。
……自分が傷ついていれば、ひとを傷つけても是となるのだろうか。
答えは否であると、僕は思う。
思うのだけれど、影片は自分が傷ついたことも是としてしまう。
……君は、存外強いね。守る必要はなかったほどに。
僕は思い違いを、思い上がりをしていたのかもしれない。

……今も、ほんとうは僕が影片を必要としているのか。

〘来てくれ、やさしい夜よ。来て。愛にあふれ、黒く塗られた眉を持った夜よ。僕の影片を届けておくれ。〙



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41 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!)
2020/02/26(水) 23:11


‪唇を湿らせられる。‬
‪砂糖の溶けた水の味だ。‬
‪お願いだから。‬
‪影片の声がする。‬
しばらく食事を取っていない。
‪身体に何も入れなければ死んでしまうだろうね。‬
飲んで。
与えられる強めの懇願。
花の蜜ではなく砂糖水で生きながらえるなんて
捕まった蝶に似ている。
ただひとつ思うのは
‪この蝶はもう、舞わない。‬

2015/12/



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