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┗240.【保存】You knows how to captivate me.(70-74/158)

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74 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2020/09/06(日) 16:45


一つ前の休日、遠く外れた村のほうへ遊びに行った。
まぁ……あまり僕の感性にはそぐわないのだけれど。
こちらでできた知人が
あまりにも強く自分の家へ来るように誘うものだから仕方なく。
がやがやと騒がしい中で頭を悩ませているよりは、
木々の騒めきに身を任せているほうが多少精神に良いものだね。
畦道をぽくぽくと歩いていくとやけに同じ植物が目についた。
日本では見かけない、荊棘のような棘のおおい植物。
それはここでは何も珍しいものではなく、
寧ろこの実を摘むことが秋の風物詩なのだそうだ。
黒く熟したその実……ミュールは
コンフィチュールにすると絶品らしい。
成る程、影片が好みそうだね。
実がふっくらとして張りがあるものを選べ、
とやかましい指図を受けながら何とか手に入れて来た。
「恋人に?」だなんて馬鹿らしい。
もっと可愛らしい何かに対しての土産だよ。
そうしてコンフィチュールを拵えてきたというのに……
何だねその体たらくは。
影片。紅茶の時間にしよう。
悩みの袋小路に蹲っていても良きものは何も生まれない。
戻ることも必要だよ。


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73 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2020/09/05(土) 08:27


或いは僕はその時ラズベリーレッドの液体に飛び込めるだろうか。
見てくれは華やかな赤。香りは芳醇。味わいは極上。ただし毒がある。
解っていること痴れたこと。
君はひとを疑うことを未だ覚えてはいないから、
きっと躊躇いなく飲み干す。
それならば僕は御伽噺の通り飛び込むだろうね。
問題は、僕が物語のように都合の良く蘇ることができるのか、
というところだけれど。
僕がいなければ君は崩れる。
君がいなければ永遠の国は崩れる。
世界はそんなつまらない結末に満ちているということを
子どもたちに思い出させたくはないね。
ねぇ、影片。
良く理解していない顔をしているね、君も。
何ということはない。御伽噺だ。
結末は君好みの砂糖とクリームがたっぷりのハッピーエンドだよ。
悪意が君へ向けられようとしたのなら僕が守ろう。この身を呈して。



美術館を愛するレムール。
君の秘めたる感情が誰へ向けられるのか、見守っているよ。
その道先に光が、救いがあれば良いと思う。
ただし、監視は頂けない。
そんなことなどせずに鑑賞したまえ。
王国より願いを込めて。



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72 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2020/08/24(月) 11:43


滞在期間を長く取るだけ「撮影へ出たくない」と
影片がぐずり出すのが目に見えている。
その対策として、
昨日向こうへ戻ると伝えた上で寮で過ごしているのだけれど。
ここでこうして言ってしまうと見つかってしまうね?

まぁ、それは良いとして。
彼、きちんと日焼け止めを塗って行っただろうか。
夏前から口を酸っぱくして言っていることではあるけれど。
どうも手元はおざなりになるところがあるし。
指に日焼けの痕など残っては格好が付かないのだよ。
……何故、右手を選んだのかと聞かれれば。
左手は『そのとき』まで取っておいてほしいから、だ。
人生で初めて通されるものが僕との誓いであってほしい。
……この僕が夢物語を口に出す男ではないことを
君は良く知っているだろう。
君の人生にも纏わることなのだから、
必要なものは自分で集めておくのだよ。わかったね。



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71 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2020/08/20(木) 05:54


昨日の夕方、此方へ戻ってきた。
何に驚いたと言えば……既に影片が空港で待っていたことだ。
到着時刻は伝えていなかった筈なのだがね。
この暑さだ、
君に会う前に寮へ立ち寄ってシャワーを浴びておきたかったのだけど。
そのまま連れて行かれて彼の部屋にいる。
そう、それが今現在の話。
すっかり眠りこけている彼の顔を眺めるのは悪い時間ではない。
愛しいひとが触れられる距離にいる。
それがこの世で一番幸せなことだと僕は思う。
そんなことを考えているなんて微塵も思っていないだろうね、君は。
呑気に口を開けて寝こけているもの。
部屋の様相が変わっていたことについて色々と言いたいこともあるが、
……それはまた今度にしておこう。
何と言っても今日は特別な日だからね。
彼の指に約束を取り付ける日だ。
気づけば誕生日まで半年を余裕で切ってしまっていたから。
準備に奔走しなければ。



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70 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2020/08/16(日) 14:42


近頃、電話口での影片の元気のなさといったら見て取れるほどだ。
実際見えるわけではなく、
その声の調子や話し方からの推測でしかないのだが。
変に仕事を詰められているのではないだろうね。
慣れない場所はそれだけでもあの子のストレスになるのだし。
七種某に聞いておくべきかね……最近の、影片の様子を。

#「んあ……ちょっと疲れすぎちゃったんかな。」
「君ねぇ……何を他人事のように……。」
#「ストレス感じとんのやねぇ。」
「……けれど知っているかね、一週間後に何があるか。」
#「お師さん!!」

帰国の日取りを教えるつもりは毛頭なかったというのに……
火が消えたような声を出すものだから、つい。
あぁ、影片。午前中から空港で待つ必要はないからね。
そもそも出迎えは要らない。
目と鼻の先で出迎えも何もないだろう。

#「荷物!おれが持つ!」
「自分で持てる。」
#「時差ぁ~?で、ぽやぽやしとるお師さんほっとけんし!!」
「ぼんやりなどしていないよ。」
#「はよう会いたい!!!」
「……そう。」

#「ちょっと元気でてきた!」
「僕にこれだけ言わせて少しだと?」
#「んあぁ……。」


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