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┗ジゼル(58-62/62)
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62 :
英
11/01-22:51
街路樹の香りで秋に気付く。この前の記事は、果たしていつのものだったか。今年か、それとも去年か。俺は今もまだ変わらずに頁を捲り、こうして書いている。嗚呼、彼奴は元気でいるだろうか。もう文を送る宛も分からない。どうかこの香りが彼奴に届きますように。
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61 :
英
02/02-22:49
もう随分と忘れていることに気付く。忘れられないと、そう思っていたのに、年を重ねると幾度も忘れられない経験をして、たくさんの忘れられない経験に押されるようにして、忘れられないと思っていた思い出を忘れていく。傷口にできたかさぶたが、今はもう剥がれてしまって、綺麗になった。まだ少し色のくすみが残っているけれど、このまま、そのうち、いつか。
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60 :
英
08/12-23:39
果たして、頁をめくる。言葉にならない感情を言葉にしてくれる言葉を探している。
夏は太陽と雲と生温い風。草と虫、そして素肌だ。
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59 :
英
04/18-23:27
春は出会いと別れの季節なんです。と友人は言った。彼のところでは4月に年度が始まるそうだ。何でそんな時分に?と問うと、さあ、何ででしょうね、と言った。知っているけれど説明を億劫に感じている顔だと感じた俺は何も言わないことにした。恐らくそんなに面白みのない、ためにもならない、人に言うまでもない、そんな理由なんだろう。9月であった時もあったんですけどね、と彼は続けた。9月と聞くと、出会いと別れという言葉の意味がはっきりと感じられる。4月と聞く彼も同じように感じるのであろうか。桜を見に行かなければなりませんね、と微笑む彼に春の穏やかな風が吹いていた。
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58 :
英
10/14-23:00
唯必要とされたいだけだ。何かに。誰かに。俺は此処にいてもいいのだと、言葉でなく、行動で示されたいんだ。俺を繋ぎ止めて、俺を求めて、そうして、俺を愛して。
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風を冷たく感じるようになって、また冬が迫っていることを知る。何度となく繰り返してきた冬。一人で、そして二人で、孤独に、あるいは寄り添って、過ごしたあの冬とこの冬と、数え切れない冬。いつか寄り添って過ごした彼奴らは今どうしているのだろうと、感傷的な夜を過ごす。
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あの瞬間を今でも鮮明に思い出す。信じていた。期待していた。独りよがりの愛を拒絶する小さな穴。俺の愛の歪さは、あの頃から変わりはしない。
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向かい合って食事をする時。目の前の男の細く長い指がナイフとフォークに添えられて、切り分けられたものを口に運び、咀嚼して、飲み込む。嗚呼、あの指が俺の体に触れて、全身をまさぐって、中を奥まで暴かれて、そうして、あの口の中に飲み込まれたら、なんて。いつも通り会話を続けて平然を装いながらも熱くなりつつある中心に目を逸らした。こんな時に欲情するなんてどうかしている。好きでもない男だ。ただの友人。相手がいるという話を聞いたことはないが、一夜の間違いを犯そうという気なんてさらさらない。そうだ、最近感傷的な夜を過ごしたからに違いない。どうかしている。最近彼奴と会っていないせいだ。彼奴に会わなければ。
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