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┗ジゼル(6-10/62)
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10 :
英
06/08-00:00
エスカレーターに乗っている間に聞こえてきたトランペットの音にベー/カー/ルーラインの通路を覗くと、其処では初老の男性がバスキングをしていた。聞いたことのある音楽にふと立ち止まってしまえば、後ろを歩いていた男性とぶつかる。sorryと小さく告げ、壁に寄り、暫らくその音色に耳を傾けた。此処暫らく忙しくしていたから、こんな風にゆっくりと音楽を聴くこともない。一曲終えて、彼は俺に気付き親切にも、リクエストはありますか、と尋ねてくれた。何か、気分が晴れるものを、という曖昧な俺の返事に男性は笑顔で頷き、またトランペットを口元にやる。流れてきた軽快な音楽はトランペットの明るい音を響かせ、言葉通り気分を晴れさせるようなもので、俺は丁度ポケットに入っていた数十ポンドを惜しげもなく彼のトランペットケースに投げ入れた。
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9 :
英
06/07-01:20
綴りたいことがある筈なのにどうも言葉が思うように出てこなくて困る。例えばある執事の話だとか、例えば叶わぬ恋に身を焦がした青年の話だとか、はたまた夢に住む女性の話だとか、忘れないように綴っておきたいことばかり。得た新しい観点や知識、思想、全てを頭に留めておくのは難しいことだ。何とかこねて丸めて小さくして仕舞っておこうと思うのだけれど、鎖のように連なったものはいかんせん小さくし辛い。だからこそ纏めて紙に、例えばこういった所に、書き付けようとするのだけれど、一旦頭の中で理解し納得する為に処理された其れは既に小さくなり頭の隅の霞に淀み言葉という形を失いつつあって、再び言葉という外形を与えることが容易ではない。だから、また後程書き付けることにしよう。けれど書き付けることすら忘れてしまっていたら、是非とも教えてくれないか、My good man?
> 畏まりました、sir.
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8 :
英
06/05-15:08
自らの手で自らの目を覆う。見たくないから。見る必要はないから。本当は見ているけれど知らない振りをしたいから。広がり過ぎる世界では、全てを受け入れることはできない。時間的に地理的に遠い世界に手を伸ばすことは、自らの愛おしい小さな世界を広げることではあるけれど、同時に壊すことでもある。好ましいことばかりではない。知らなければ良かった現実は牙を剥く。さながら川に蠢くピラニアの如く。信じて止まない主義や信条という薄皮を食い破り、柔らかな肉に噛みつく奴らから如何にして身を守ると言うのか。指と指の隙間さえ埋めるように堅く閉じたボートの上で、嗚呼、もう直ぐアフタヌーンティーの時間だ。
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7 :
英
05/29-23:20
警笛を鳴らす。ダブ/ルス/ピークが氾濫していることに一体幾人が気付いているのか。真実を上塗りして、耳に聞こえ良い言葉ばかりが並ぶ。矛盾した意味を持って。時に、相反する意味を持って。しかし何時だって、信じる者が救われるのだ。無知蒙昧であれ、と言い聞かせるように。豚よりは馬で居ることが好ましい。あの農場の中では。
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6 :
英
05/28-19:20
暑さのせいか、酷く頭が痛む。帰路に咲くトケイソウに、眩暈を覚えた。時間が経つのは早いもので、もう5月も末日。いつか交わした約束はもう忘れてしまった。あんな恋をすることはもう二度とない。あんな風に永遠を信じる日々はもうやっては来ないだろう。夢のような日々だった。俺はとてつもなく未熟で、未熟が故にのめり込んだ幸せな日々だった。
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