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┗懐中仕掛けのファフロツキーズ(21-25/80)

|||1-|||書込
25 :
08/14-12:46

「「………………………。」」

外界と箱庭の間の見えない線を境目に双方からドア以上の重い沈黙が扇状に広がる。案外天使から受胎告知を受けた聖母様もこんな気持ちだったのかもしれない。

「……と、Trick or Treat?お菓子くれねえと悪戯するぜ。」

圧し掛かる空気に堪えられないとばかりに待ち人だった人物がぼそりと口を開いた。
……あれ?俺は誰を待っていたんだっけ?忘れちゃったよ。ああ、そうだ!アーサー・カークランド!あの俺より少し背丈が小さくて眉毛でキュートでちょっぴり刺激的な眉毛がイカすあいつを待っていたんだ!だから決して目の前に佇む、肩出し布っ切れ一枚に加え素足にサンダル、それから天使の輪っかと羽根…よし、何も見なかった事にしよう。そんなほんの少し視界に入れただけで、こっちの体感温度がホットな気持ちと一緒くたに著しく下がりそうな、最早眉毛だけしか互換性が伴わっていない眉毛甚だしい半裸姿の変質者なんて全くお呼びで無いんだぞ!…あ!しかもこいつ、あろう事かあちらが本番に決まっているだろだと言わんばかりに、その足であの>>>3126のレディの元へと直接乗り込むだけでは飽き足らず、英/国的エロノリをふんだんに駆使したエスコートの後にウッカリちゃっかり連れ込みモーテルする未来に想いを馳せている時の間延び切った表情をしているじゃないか。な、なんて小賢しい悪党なんだ!俺を前座扱いしたばかりか、そんな、正直羨ま……よーしっ、ヒーローの俺がヒーローらしくふぉこふぉこにやっつけて>>>3126のレディ専用ヒーロー候補に名乗りを挙げてやるんだ。……なんだい?俺はその他大勢に該当だっ、て…?HAHAHAHAHA!そんなの気にした方が負けさ!現実に怯むな頑張れアルフレッド!君なら出来る!

意を決し我が身を象徴する眼鏡を外し、天高く掲げた。瞬間、己の身体の一部分でもあるその装飾品から聖なる光が溢れ神々しさを纏った英雄が持つに相応しい金色に輝くマスケット銃へと姿を変え、神聖さを失わないまま続いて厚手のトレーナーとハーフパンツも白銀と金色に輝く機能性に富み、尚且つ荘厳さを持続させた絶妙なカリスマ性を誇る往年の民族衣装とも呼べるカウボーイスタイルへと変化を遂げる。勿論、半透明に羽ばたく天使の象徴をも添えて。
これらの些末が日常の一篇より生まれ出るスクランブルならば、どんなにか周囲の空気から浮いていた事だろう。しかし己の眼前にはその様な心配など抱く余地すら与えないと急く様に、幼い子供達が紡ぐ純粋なカーニバルの常套句を騙り山吹色のお菓子を恐喝しながら町の平和と淑女の貞操を脅かす、金銭と劣情に支配されたブ/リ/タ/ニ/アの名を冠する漆黒の天使が座している。その悪名に恥じぬ禍々しさを放つ元凶から、己が背負うもの全てを守るべく、孤独なヒーローが立ち上がった。

「天使を倒した罪は償うさ…。例え贖罪者の身に成り果てようと、俺は世/界のヒーローで在り続けようじゃないか!」

今ここに、戦いの火蓋が切って落とされた。





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COMBO./>>0,0026,25

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24 :
08/12-10:10

剥奪された七色のスペクトル…。その先に映える…オフホワイトの虚ろさ。水平線が金色に煌めく頃……満汐の夕凪が降り注いで、見渡せば網膜を焼き尽くす……黒体…。
虚構で塗り固めた間違いも…歴史を重ねて行けば、真実を遷す鏡に…。鏡が示す人々を…歴史の構築の糧にする。何時しか反論は途絶え…賢者の消息も跡絶えた。荘厳な不変に欠伸をする時間、薄明視を携えて均しい人々、野晒しにされた黎明期…。衰退するイデオロギーさえも、麻痺をする感覚が麻痺していたのかも、しれない。そんな白骨化した思考回路を焼き棄てて…ロマンの海と仰々しく記された看板近く、灼熱の坩堝から、掻き集めたレプリカは……自身が復元された意義を考古学者に問われても…大理石の隙間から吹く空風の様に…青空を背負って、山彦をするだけ。諦念と怠惰の、コンシエンスのトラウマから、逃れたくて堪らない…そんな強迫観念に苛まされて身も心もボロボロのみんな……もうとっくに気付いている。万物の神様は創れても、万物の一端を担う神様には成れないと。継ぎ接ぎの努力はとても…無意味……。
それでもゼンマイ仕掛けの闊歩は、止まる事を知らない。自分達の手で育んできた…ヘルソンジャッドに振り回されてしまった果てに……重ねては剥がして…剥がしては重ねて…。かつて視た砂漠化した潔白に滲む、一滴の揺らぐ青を探し求めて。今日もまた大いなる胎盤を…あの異邦人の忘れられない無体を忘れて、脇目も逸らさずトレースする。これも全部…水泡に帰した伝統であり、見当識…。



>                  ひっぷしょん。



……ん…。俺はネコ伍長達と、キクさえ傍に居てくれたら…それで、満足……。
だから次は、猫耳しっぽのキクが見たい…。

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23 :西
08/11-23:09

平たく言うと関係性のドン詰まりってヤツやね。ん?詰まるって表現はちょお違うかもせえへんな。まるで手応えがあらへんって言うんかな、兎に角何でもかんでも掏り抜けてしまう感じに収めといた方が妥当って所やろか。ホンマこっちも大概や思ってたけど向こうさんは輪に掛けて酷い気がするわー、張り合いが無いとかいう問題や無い。「どうぞサンドバッグ扱いしてください」って言うてる風にしか聞こえん。あーもー何なん?俺はどないしたら良えの?その一々癪に障る眉毛でも燃やしたら何か現状とか変わったりするんかな。ちょびっとだけ前向きに考えてみたんやけどやっぱ全然解らへんくて、それが原因で余計に表情の一端が涙腺伝うて溢れて零れ落ちてしまうんよ。そんでこうやって慣れへん日陰に身ぃ寄せて唇震わせながら地団駄踏んでみっともない姿曝すん必死に堪えてる時に限って、喉から手ぇ出る程欲しくて欲しくて仕方無かった答えをお前が全部、全部、全部全部全部みぃんな持っとんねん。そらまあ、ただ持ってるだけやったら何も口出しするつもりなんかあらへんよ?何が気に食わへんか言われたら、お前はその答えを勿体振って出し惜しみしたりとか、自分が所有権を掌握しとる優越感に浸って蔑んだりとか一個もせえへん代わりに、恰も「俺は何も持ってません」て憎たらしい眉毛八の字に下げて、とうの昔から中身なんか無いこっちにその模範解答を一心不乱に縋る所や。羞恥みたいな羞恥すら感じさせんと、あん時より随分細くなってしもうた指震わせて、キツく握って。どんだけ無自覚貫いて誘って楽したら気ぃ済むん?俺もそんだけ楽したいわあ!今まで一人だけの鳥籠やったんが二人きりの箱庭に増えたらきっと面白いやんな、絶対面白いに決まっとるよ。なあ、何で真向かいに居る姿無視してまで自分から率先して背負い込むだけ背負って、途中で大事な大事な答え喪うてから後で全部こっちに丸投げするん?ホンマは替え難い娯楽のはずやのに、頭ん中空っぽに出来る至福の一時まで神経尖らせるとか、辛そうで可哀想で見てられへんわ、ないわー。俺はな、お前のそういう思わず猫可愛がりしたなるくらい愚直でアホな所、あいつは嫌や言うて体幹を軸に全身虫酸が走ったりもするけどそのクセ存外嫌いや無い。せやから先ずは一発殴らせえや。撃てば響いて悦え表情観せてくれる御自慢のサンドバッグなんやろ、なあ?

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22 :
08/09-22:37

#"The old bird which has held yearning in the sun was burned by the sunlight, and died."
#"Without play of a funeral starting and decaying in the ground by the children who surround a corpse,burn again and the smoke which rises should call evening glow.""When it advanced night also,it changed into clouds,and it had wrapped in lamplight with a quiet full moon so that once demeanor might be pitie."
#"The bird twittered.And the ground is wet gently.The moon made it itself completely.""On the back side,it laughed also at the sun and was cryin.....

(ああ、好いとう御方の面影ば、己ん手で未練のましく手繰り寄せちょる私の姿は、思っとった以上に女々しか、浅ましか。)

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21 :
08/08-15:39

馬鹿みたいに燃費の悪そうな純白を彩るオープンカーのバックを構えるには些か不釣り合いとも呼べる見窄らしい空き缶を、それはもう呆れる程に繋いで。ギャラリーからは餞別とでも言いたげに真珠宛ら七光りに煌めく生米の雨を全身に余す所無くぶつけられながら、まだ視ぬ世/界の果てまで失踪出来たなら、今度こそ幸せになれるのだろうか。
不明瞭な至福へのカウントダウン。欠伸を出すなと言う方が無茶であろう平坦な道程。怠惰な微睡みに打ち勝てず居眠りしちまうか否かのギリギリの意識を玩び、ふと余所見をすれば傍には喉を痛める排気ガスのカーテン越しに燻る助手席。深海の星屑が雲海を仄かに照す月明かりの恩恵を目一杯に賜り、キラキラ耀き厭味ったらしく自我を主張する忌々しい存在。そんな継ぎ接ぎだらけの紛い物、舌を晒して中指も立てて、締めにド汚ェスラングの一つでも差し上げて、そして保留扱いにしておけば良い。俺はただ、不幸にも決して居心地が好いとは言えないだろう年季が入ったトランクに詰め込まれて泣きじゃくっていた不確かな荷物を迎えに往くだけだからな。標識を跨ぐまでの間隔を目印に規則正しく窓を横切り往復するワイパーの慣性を借りて、アレの涙粒を餌と見なしたアスファルトの表面が、不自然なまでに濃く暗くどろりと波打つ。声を殺した啜り泣きをストップさせるのは困難だろう。幾多の仲を執り持った敏腕の仲介役ですら手に負える訳が無ェ。あいつのサイドブレーキに触れられるのは、雲が千切れて雨が昇ろうとたった一人、俺だけだ。
さて、後少しで遠い遠い彼の目的地へ到着だと。過程を経て既に自分だけしか乗っていないこの癪に障る程純白めいた揺り籠を、甲高くガラガラと奏でる乾いた子守唄に合わせて揺らし続けているのもまあ、悪くは無い。

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