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1 :アリシア・セレス(創作♀)
2014/07/18(金) 02:17

#私は仕立て屋。




─―─―かた、かた、かた、かしゃん―─―






#足踏みミシンが、糸と共にたった一度の出会いを紡ぐの。


―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―
>>2,0   profil          >>3,0  ※         >>4,0   ♥

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16 :銀色(創作/乱入)
2017/11/05(日) 03:13

全く仕方のない日記だ。久々に文字が綴られたと思えば妙なところで素直じゃない文章ばかりしたためられる。持ち主に似たとしか思えない。ただ一言、貼り紙を出せば良い話だろうに。人手不足です、ってな。
……おっと? こいつはしまった。独り言のつもりが、ついつい落書きになっていたようだ。だが埃だらけのこの日記の事だ。持ち主が再び三日坊主を発動させている可能性は高いだろう。乙女の秘密に土足で上がり込む大犯罪、今度こそ迷宮入りはまず間違いない。さてそれにしても、次は何の仕事をしたものか。西か? 東か? 上等だ、何処へでも。

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15 :アリシア・セレス(創作♀)
2017/11/02(木) 00:41


居場所なんて不確かな言葉。
心なんて不確かな言葉。
そんなもの信じないわ。

場所なんて、そこに有るものじゃなくて出来るもの。
心なんてただのエゴ。


>…だけどたまに少しだけ、そんな何かが、恋しくなるの。

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14 :アリシア・セレス(創作♀)
2017/09/13(水) 18:50



>今日誰かの書いたメモを拾ったの。盗人のようで趣味が悪いですぞ、なーんてじいやには怒られるかしら?でも記念だから、こっそり日記帳に貼り付けておくことにするわ。



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血と硝煙のニオイが懐かしい。
アッチの街でもコッチの村でも、オレの知らねェ新しい世代が幅を利かしているみてーだ。
イシコロで身形を飾り付けるのに一生懸命の肥えたご婦人に、テメーに扱いきれねェ程のちからを持て余したボクちゃん嬢ちゃん。ハタマタさっぱりよくわからん言葉を使う宇宙人ども。ソイツらの生き方にゃなんにも悪いこたァねェが、オレの錆びたナイフが生き血を求めてズクズクと疼いてやがる。生きモンの死んだ饐えた臭い。乾いた風に巻き上げられた砂の臭い。ンで眼下に映るのは愛した女の冷たい躯と、ソイツを犯した肉の塊。「アイラブユウ。グッバイ・スウィートハニー」なんちって。あらまァ粋な弔辞。湿った葉巻にマッチで火を付けて、燻る煙がスウィートハニーへの供物だ。
アーア。誰かオレのナイフの錆になってくれよ。それが駄目なら教えてくれ。愛しい愛しい地獄チャンの在り処をさ!
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>うーん…



>なんだかよくわからないわ!

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13 :アリシア・セレス(創作♀)
2017/09/13(水) 15:56

真夜中。
何だか寝付けないみたい。暫く来なかったこの部屋に足を運んで、古ぼけた日記帳を掘り起こして、埃の被った表紙にふうっと息を吹きかけてみたの。

こんなタイトルだったかしら。やぁね、それに三日坊主じゃない。私らしいといえばそうなのだけど。


ペェジを捲る手。
見慣れた私の文字。
私の顔を照らすのは、橙色の淡い光。

ペェジを捲る手は止まらない。

いつしかセピア色になってしまった私の恋。
最期の命を刻むように叫ぶ蝉の声。


ペェジを捲る手は止まらない。
懐かしい思い出。
紙とインクの匂い。
ふと、


ペェジを捲る手が止まる。



見慣れない雑な文字。まるでメモのような走り書き。それでもどこか真っ直ぐな文字。





もう!!!来たのならこんな落書きだけじゃなくて私にその無愛想な悪人面を見せてくれればいいのに!
…どうせ貴方のことですもの。窓からコッソリ泥棒みたいに忍び込んだから私に堂々と顔見せできなかったのでしょうけど。


きっと貴方は今でもフラフラと”何か”のために”何か”をしているのでしょうね。
貴方が執事の真似事をしていないですって?当然よ、貴方を雇う懐の深い主人なんてこの世に一人だけですもの!

私は今も変わらず。お生憎様だけれど商売もずっと右肩上がりよ。世の中は何でも自動化みたいだけれど、私は自分の足と目と体で仕事をしているから、体がいくつあっても足りないの。



貴方は常に今を生きてる。見えているのは前だけ。今も昔も変わっていないのね。…まぁそのうち背後からバッサリ切られないことを祈っておいてあげるわ。


乙女の秘密を覗き見た貴方の罪は重いわよ。しかもこんな恥ずかしい日記帳を。そうね、罰として破って火に焼べてもいいけれど…



その代わり、貴方は歩き続けて。
足が捥げても、四肢が拉げても、貴方が目的を果たすその時まで。命の灯を絶やすことなく必ず歩き続けて。
「冒険譚を聞かせに来て」なんて、貴方は私が言うと思ったかしら?残念、もう可愛い少女の私は死んだわ。
私も歩き続けているわ。鋏が足を刺して動けなくなっても、手指が折れたとしても。私は糸を紡ぎ続ける。


親愛なるウィンス。いえ、私が生涯愛するウィンス・*******。
セピア色になってしまった想い出だけれど想い出は…赤い血とともに私の中に流れ続けるわ。
あのね。私、一つだけ嘘をついたの。もし貴方の冒険譚最終章第25847658569幕が完結したその時には-(以下グシャグシャと塗りつぶされていて読めなくなっている。)



>追伸:あら大変!きっと生地が縮んでしまったのね!

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12 :銀色(創作/乱入)
2017/02/11(土) 15:22

こんなとこにいたのか、とあの日の記憶を思い出しながら筆を取ってる。
随分と埃を被っていたが、表紙をひと目見ただけでお前のものだとビビッと直感出来た俺を、今日ばかりは素直に褒めるが良いさ。
いや、それともやっぱ怒るかな? 乙女の日記を勝手に盗み見た上にこうして落書きまでしようってんだから、大層育ちの良いあんたからすると憤死モノの無礼かもな。
それならそれで、文句の一つや二つや三つや四つ、怒鳴り散らせば良いと思う。

などと書いてみたは良いものの、この落書きがあんたの目に留まる事はもうないだろう。
積もった埃がその証明。乙女の秘密に土足で上がり込む俺の大犯罪は、発覚する事なく迷宮入りって寸法だ。
つまるところ、これは何処まで行けども単なる落書きに過ぎないってわけだな。

俺は今も、以前と変わらず、だ。フラフラしながら“何か”をしてる――只管に“何か”をな。
いちいちしたためればどうにかこうにか不出来な冒険譚にはなるかも知れないが、ま、最終巻の刊行が何時になるかは今もって分からない。
“何か”……SOMETHINGの内訳は本当に多岐に渡るが、いや、こいつは別に意図的にそうしてるって訳じゃなく、完全に偶然なんだが……執事の真似事なんてもんは、あれ以来やった経験がねーな。
不思議なもんだ。

あんたはどうだろうな。きっと立派にお家の看板を背負って、お上品なブラウスを目一杯に腕まくりなんかしちゃって、今日もでけえハサミで布切れをずばずばと切り裂いたりしてんだろうな。
それともあえなく廃業の憂き目にでも遭ってるか? そりゃ、ざまあないって話だ、精々指を差して笑ってやろう。
何がどうであれ、元気ならそれで良い。

俺の足は常に前を向いている。
後ろ向きに歩くつもりは毛頭ない。だから、過去は過去であり、それ以上でも以下でもない。
思い出に呼びかけたところで、返事なんか返って来やしねえ、そんなもん誰でも知ってる当然の話だ。
だが……見かけちまったら、悪戯の一つもしてやりたくなるのも男心ってもんさ。

もし、何かの間違いでこの落書きを見る事があって、このページが気に食わなきゃ俺のファーストネームを唱えな。
破くなり真っ黒に塗りつぶすなり、お前の思うがままだろうさ。
とりとめないがこの辺にしておこう。長々書いて本当に冒険譚をしたためてやっても良いが、実を言うと仕事の最中だからな。

紳士的で模範的な執事兼ボディガードより、親愛なるアリシア・セレスへ。
あの日の選択に後悔はないが、今も極々々々々々稀に、お前の笑顔を思い出す。


追伸。
今や背が伸びたお陰で、あのスーツは丈がアレだ。

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11 :アリシア・セレス(創作♀)
2014/07/29(火) 01:21

─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─
>夏の暑さも忘れてしまうほど忙しいわ!

今年の夏の暑さで、「暑くないお洋服を」と、数件オーダーを頂いた…のはいいのだけれど工場を持たないセレス家はたった1着、されど1着。
産業革命の流れにのって水力や蒸気の力で糸を紡いでいる所とは驚く程作業スピードが違うわ。
これじゃあラバの手も借りたい程よ。 
涼しい洋服を待っていらっしゃる訳だから秋になってしまったらまるで意味が無いもの、悠長にはしていられないわ。
おかげで碌に部屋から出られないの。
…あぁ、罪人のような気持ちよ。
"風が吹けば桶屋が儲かる"…なんて、東の方の諺だったかしら。


>"陽炎揺れれば服屋が儲かる" 
…流行るかしらね?
―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―

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10 :アリシア・セレス(創作♀)
2014/07/25(金) 01:56

─―─―─―─―─―─―─―─―─―──―─―─―─―
時刻は深夜、お屋敷の廊下。
蝋燭の炎が私の影を照らし出す。影は長く伸びて炎が蠢く度にその黒を燻らせてロンド。
影の先─廊下の奥へと視界を上へ、すると目の前に広がる闇。引きずり込まれそうな程深い闇に、鈍い眠気で重たい瞼が自然と持ち上がるのと同時に全身の皮膚が硬直して脳からは、けたたましく警鐘が鳴り響く。「五感を使え、危険を回避しろ」。
眼下には闇、夏の湿った匂い、燭台の冷たい感触、緊張により分泌され始めた乾いた唾液。
    ─が。
音が聞こえない。虫の音も木の葉が触れ合う時の騒めきも自らの呼吸音でさえも。


不意に、ぽた───と、音。


橙に照らされたブーツにできた黒い染み。
床に落ちた液体は……………………






>……………やぁね。汗よ、汗


茹だる程の熱帯夜。本当、なんて素敵なのかしら!
─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─

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9 :アリシア・セレス(創作♀)
2014/07/23(水) 00:02

─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─
>シンデレラの王子様が迎えに来てくれなかったら、貴女ならばどうする?

ガラスの靴を片手にお城の門を叩くのかしら?
運命の人ではなかったのね、とお伽話とは違う筋書きに絶望して咽び泣くのかしら?
私なら門を叩き壊してこういうわ。
「どうして早く迎えに来てくれなかったの?ガラスの靴はここにあるのに」
そして王子様の頭をガラスの靴で叩いてやるの。

>もし王子様なんて初めからいなくって、本当は空を自由に飛びまわる鳥だったら、貴女ならばどうする?

鎖のような言葉を紡いで鳥籠を作ってしまうのかしら?
運命の人なのに、と悲劇のような筋書きに絶望して涙を零すのかしら?
私ならガラスの靴を叩き壊してこういうわ。
「どうしてお空へ戻らないの?ガラスの靴なんてどこにもないのに」
そして鳥の背中を血だらけの掌で押してやるの。


貴方のことを運命の王子様だなんて思わないわ。そんなロマンティックな心は、灰を被って淀んでしまったもの。
悲劇だなんて思わないわ。私達の戯曲はラブストーリーじゃない、終幕にはまだ早いもの。

#(─でもね、胸がひどく痛むの。叩き壊したガラスの靴の破片が心に突き刺さったみたいで抜けないの)
─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─

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8 :アリシア・セレス(創作♀)
2014/07/22(火) 00:20

─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─

貴方に言えなかった言葉がたくさんあるの。



言っておけば良かったと後悔している言葉がたくさんあるの。


──たとえあの時間まで遡る事ができたとしても、言えない言葉がたくさんあるの。



ここに書いてもいいかしら、喉の奥で今も塞き止められている言葉を、吐き出してしまってもいいかしら。
"あの言葉"を書くことができた時、オーガンジーのような透き通ってキラキラした気持ちで貴方に恋することが出来ると思うの。
ただの自己満足といえばそうなのだけど、ここは私の本のなか。

>少しだけ後ろを向いてみてもいいのでしょう?
─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─―─

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