60 :イエロー
03/23(日) 11:03
第41夜<帰路に着く(4)>
ジャクソン
「ふッ。世間知らずのお前1人じゃ航海は無理だぜ。それにこの船のスポンサーは俺だぜ?」
ザクロ
「ちッ…うざってェな。解ったよ"ジャンク"…」
ジャクソン
「ジャンク…か。いい呼び名だ」
そうして2人の旅は始まった
そしてこの島での一件で改めて海軍から見解が発表されていた
名も無き民間人による二ーガン討伐ではなく『二ーガン一味のザクロが首謀者として仲間同士の内乱を起こした末に二ーガンを討ち取り、挙句の果てにはジャンヌ家の二男を誘拐し海へと出た』と報告された
これにてザクロはお尋ね者としてデビューする事になったのであった
ジャンク
「お前記事になってるぜ」
ザリー
「くだらねェよ。そんなの」
【女海賊】のザクロ
懸賞金900万ベリーと
ザリーの名は広がりつつも未だ海賊団として名乗る事はせずに約半年近く過ぎていた
その間にもザリーの下に募る船員達まで現れる始末だった
ジャンク
「ジャクハハハ。随分と大所帯になって来たな」
ザリー
「フン。こき使いは多いに越した事はねェ。勝手にしろ」
とある海域にて
ザリーとジャンク率いる船員達は大型ギャンブル船に自分達の船を付けて乗船していた
ジャンク
「俺が実家から持って来た金も底を着きそうだし、ここらで一発逆転狙うか」
船員の1人
「ジャンク!お前何が得意なんだよ」
ジャンク
「ポーカーじゃ俺の右に出るものはいねェ。他にも花札や麻雀も得意だぞ」
ザリー
「あほらし。俺は興味ねェからその辺ぶらついて来るぞ」
ジャンク
「おいおい。また誰かに喧嘩ふっかけてトラブル起こす様なこたァするなよな"キャプテン"」
ザリー
「誰が…キャプテンだ…まァいい」
1つの賭博場ではチンチロが行われていた
丸裸の金髪の男
「うわァ…やっちまった!だが次だ次!ヒリついた勝負がしてェ」
客達
「もう見るからにスッカラカンだろ兄さん。賭ける物ももうねェだろ」
丸裸の金髪の男
「クソ…!」
セキュリティの男達
「お客さん困るよ。どうするの?もう負け金だけで1000万超えてるよ…」
「それじゃあ別室へ行こうかお客さん」
このギャンブル船にて破産が確定した客は別室に連れて行かれる
その先は奴隷商人に売り飛ばされるか、体のパーツを買い取られるかetc…
丸裸の金髪の男
「こうなりゃ秘技…逃げる!」
ダダダッ!!
賭博場から逃げる様に走り去る男
セキュリティの男達
「馬鹿め。ここは海のど真ん中だぞ。このギャンブル船からどうやって逃げるつもりだ」
そして渡り廊下にて
丸裸の金髪の男
「お…?」
ザリー
「あん?誰だてめェ」
丸裸の金髪の男
「なぬぃ…女…それもスタイル抜群…身体中傷だらけなのも逆にそそるね!」
後の仲間になるギャンブル狂バレンタイム改めバレンとの
ファーストコンタクトであった
バレンタイム
「ちょい恥ずかち。見ないでね今裸だから」
ザリー
「誰がてめェのチンケな体見るかよ馬鹿が」
バレンタイム
「口わっる」
セキュリティの男達
「見つけたぞ!クズ野郎」
バレンタイム
「ゲ。もう追って来やがった」
ザリー
「ふは。どうやらその姿、追われてる身か。どうせ賭け金踏み倒して逃げてるってクチか」
バレンタイム
「お見事!てか笑った顔可愛いじゃん。でも今それ所じゃないからまたね」
バギィバギィ!
バレンタイムは目の前のセキュリティの男達を次々と薙ぎ倒して逃げる様に消え去った
ザリー
「何だアイツは。変な野郎だ」
大型ギャンブル船にてザリー達は各々勝ったり負けたりを繰り返し3日が経過した
ジャンクはポーカーで連日連勝していたり
そして3日目に事件が起こる
ジャンク
「今日も連勝連勝。おいオヤジ。そこの酒とタバコカートンでくれ」
店員
「はい。かしこまりました。それより聞きました?お客さん」
ジャンク
「何だ?」
店員
「金庫泥棒が出たって。もう捕まったみたいですけどね」
このギャンブル船にて昨夜金庫泥棒が忍び込んで金品が盗まれていたとの事であった
ジャンク
「このギャンブル船って確か政府も公認してる興行だろ?それに泥棒に入るとか肝が据わってると言うか何と言うか」
船員の1人
「どんな顔してんだろうなそいつ」
ジャンク
「噂によれば先日賭け金踏み倒して逃走してた奴らしい。見た目は金髪で…」
ザリー
「あ」
ジャンク
「ん?」
ザリー
「いや見間違いだ。何でもねェ」
ジャンク
「何か見たのか」
甲板では騒ぎが起きていた
金庫泥棒が捕まったとの事で犯人とされる男は甲板にて磔にされ見世物にされていた
磔にされていた男はバレンタイム
(Android/Chrome, ID:VMUudrOh0)
61 :イエロー
04/01(火) 07:41
第42夜<帰路に着く(5)>
バレンタイム
「はァはァ。…俺じゃねェっての」
磔られていた犯人とされている男はバレンタイムであった
その体は傷だらけであった
セキュリティの男達
「こいつは先日賭け金を踏み倒して逃走及び、我々の金庫から金品を盗んだクソ野郎だ」
「さっさと盗んだ物を返しやがれ」
バレンタイム
「だから俺じゃねェよ。あ。まァ賭け金踏み倒したってのは本当だけど。おーおー見物人が多いこって」
ざわざわ
甲板は人集りが出来ていた
ジャンク
「こいつか。金庫泥棒って」
ザリー
「へッ。とうとう捕まったか」
バレンタイム
「おー!昨日のお姉すわァん!」
ザリー
「気色悪い声出すな」
男の子
「…お兄ちゃん…ぐすん」
そして何故か涙目の男の子が佇む
セキュリティの男達
「ここらで見せしめに拷問に掛けるか」
「それとも殺すか?勿論盗んだ物を返して貰ってからだがな」
バレンタイムが何故捕まったのか
実は昨夜金庫に忍び込んで金品を盗んだのはバレンタイムではなく1人の男の子であった
その男の子の父親がこのギャンブル船にて店側にハメられて多額の借金を作り、奴隷として働かされていた
その借金を返す為に男の子は金庫に忍び込んで金品を盗んだ
そしてセキュリティの男達に見つかりそうになる所を偶然その場に居合わせたバレンタイムが男の子を見逃して逆に捕まったのであった
ザリー
「興味はねェが…本当にてめェがやったのか?」
バレンタイム
「賭けてもいい。俺はチンケな泥棒なんかやらん。それに女の子に嘘もつかん」
タタタッ
そこへ警備員の1人が走って来た
警備員の1人
「セキュリティ!これ見てくれ」
警備員は金庫の近くにセットしていた映像電伝虫をセキュリティ達に見せた
その映像には男の子が金庫に侵入し金庫から金品を盗み出されていた所をはっきりと映っていた
セキュリティ達はすぐさまその場にいた男の子を取り押さえた
男の子
「ぐわァ!」
セキュリティの男達
「貴様だったのか!」
「子供だからと言って容赦しないぞ」
バレンタイム
「おい!よせ」
バキィッ
殴り飛ばされる男の子
男の子
「うわァん」
セキュリティの男達
「盗んだ物をすぐ返せば痛くせず済むぞ」
「子供の奴隷は高く売れそうだ」
男の子
「ぐ…うるさい!僕のパパはお前達に…お前達店側にハメられて借金背負って奴隷にされたんだ!」
泣きながら訴える男の子
セキュリティの男達
「ハメられた?ギャンブルに負けた奴らは皆口揃えてそう言うんだよ」
「このガキ!もう少し痛め付けてやるか」
セキュリティの男達は男の子へ刃物を向けた
バレンタイム
「世話がやける…しょうがねェ…な!」
パキ…パキ!
磔られていたバレンタイムは鎖を引きちぎり男の子の下へ走る
セキュリティの男達
「嘘だろ。鎖を引きちぎるなんて」
「何て膂力してんだよこの男は」
バレンタイム
「ッたくよ。バレちゃしょうがねェ」
ギュッ
腕に巻いてあった青いバンダナを頭に巻いたバレンタイム
セキュリティの男達
「奴を取り抑えろ」
「捕まえろ!」
バキィ!バキィ!
セキュリティの男達を殴り飛ばして行くバレンタイム
ザリー
「おいジャンク」
ジャンク
「おいまさか…?」
ザリー
「俺も喧嘩に混ざるぜ」
ザリーもその暴動に巻き込みセキュリティ達との乱戦に突入していく
バレンタイム
「…何でお姉さんが入ってくんだ?」
ザリー
「うるせェな。喧嘩すんのに理由が必要かよ?」
バレンタイム
「まァ確かに。てかお姉さん何でそんなに腕っ節強いんだ?」
ザリーとバレンタイムはあっという間にセキュリティの男達を全員ノシてしまったのである
男の子
「お兄ちゃん、僕の為にありがとう…」
バレンタイム
「はァはァ。もう流石に殴り疲れたぜ。…坊主…もうこれに懲りたら金庫泥棒なんかやめろよ」
男の子
「わかったよ。ぐすん…」
ジャンク
「…お前何でそこのガキ庇ったんだ?」
バレンタイム
「女子供には優しく。それが俺のモットーだ」
その後は大変であった
セキュリティの男達は違法レートのギャンブル及び店側が勝つギャンブル行為の数々、奴隷商人との繋がりや臓器売買…黒い噂が耐えないギャンブル船
今回の一件で海軍が介入するまでの事件となっていた
ジャンク
「おい、海軍が軍艦2隻で近付いてくるぞ」
船員達
「まずい!」
「逃げましょうよ姐さん!」
ザリー
「逃げるだァ?俺達は何も悪い事しちゃいねェんだぞ」
バレンタイム
「え?お姉さん達もしかしてお尋ね者だったり…?」
ザリー
「誰がお姉さんだ。俺ァザクロだ」
(Android/Chrome, ID:55TtNio60)
62 :イエロー
04/13(日) 18:36
第43夜<帰路に着く(6)>
ジャンク
「それよりお前(バレンタイム)もやばくねェの?民間人のセキュリティ達ぶっ飛ばしちまってるし。これからどうするんだ?」
バレンタイム
「あァ。俺ならもう決めたよ」
こうしてザリーの船は逃げる様にギャンブル船を後にして出発した
ジャンク
「決めたって…何でお前、俺達の船に乗ってんだよ」
バレンタイム
「良いじゃねェか。どうせお前らも訳ありのチームなんだろ?仲良く行こうぜ。なッ…お姉すァん♪」
ザリーに抱きつこうとするバレンタイム
ザリー
「俺に…触んじゃねェ」
バキィ
ザリーに殴り返されるバレンタイム
ザリー
「馴れ馴れしいんだよてめェ」
バレンタイム
「ぐふァ」
ジャンク
「お前…何か勘違いしているのか知らねェが、ザリーをただの女として見るならやめ時な。こいつはそこらの男より男っぽい女だ」
バレンタイム
「確かに…」
それ以降バレンタイムはザリーを女として見るのをやめたとか
こうしてバレンタイムは仲間に加わった
ジャンク
「ジャクハハハ。お前もお尋ね者になってるぜ」
ジャンクは1枚の懸賞金を手に取り笑っていた
バレンタイム
「な、ぬィ?」
【賭け狂い】のバレンタイム
懸賞金330万ベリーと
それから1ヶ月も経たないとある日、ザリー率いる船団はとある海域にて偶然すれ違った商船に立ち寄り買い物などをしていた
この日を境にザリーは海賊団として動くキッカケになる事件を起こしたのであった
ジャンク
「ここ最近じゃ島にも立ち寄れなかったから商船と巡り会えたのは幸運だぜ」
船員達
「そうだな!食料が底をつきそうだったし」
「姐さんめっちゃ食うしな」
「お前らもだろ」
ザクロ一味は名も無き船団としてではあるがいよいよ偉大なる航路へ入る段階に進んでいた
ザクロはコトコトの実を手に入れる為、そしてジャンクは己の技を磨く為に、バレンタイムはまだ見ぬギャンブル、そして女の子達との出会いを求め
ジャンク
「記録指針(ログポース)はここにも売ってねェのか。まずいな。もう時期リヴァースマウンテンにかち当たるんだぞ」
バレンタイム
「記録指針(ログポース)?そんなモンが必要なのか偉大なる航路(グランドライン)ってのはよ」
ザリー
「面倒くせェ海だな」
ジャンク
「ここ(東の海)と一緒にするなよ。偉大なる航路は一筋縄じゃ渡れねェんだよ。逆にどんなイメージなんだよ」
バレンタイム
「気合いと根性?」
ザリー
「ふッ。お前らがオールを必死に漕げば島には渡れるだろ」
ジャンク
「呆れたぜ。お前らにはよ」
同じ商船に立ち寄る大きな船が1隻
旗には《極秘のカモメ》と堂々と掲げていた
中に乗っていた男は海軍本部中佐【裏金】のフューズ・エアロと海兵達が乗っていた
何故彼らが軍艦ではなく民間船で立ち寄ったかと言うと…
エアロ
「…エッハッハッハ!金だ金!俺は成り上がるぜ」
エアロはそろばんで金勘定をし札束を広げご機嫌であった
商船のオーナー
「今月のショバ代です…どうぞお納め下さいエアロ様」
民間船で動いていた理由はこの海域で商いをする商船達から次々と金を巻き上げるエアロ
エアロは将校の立場を不正に利用し金儲けをしていたのである。軍艦で来なかったのは海兵である身分を隠す為でもあった
エアロ
「おい!先月分少し足りないぞ。どうなっている?」
商船のオーナー
「すみません…先月は例のギャンブル船の摘発でウチも泡食ってしまって売上が右肩下がりでございまして…」
それもその通り、先月ザリー達が起こしたギャンブル船での乱闘事件にてギャンブル船は一斉摘発、ここら一帯の海域を潤わしていた商船達は業績が悪化していたのである
そしてエアロもまたギャンブル船から毎月売上の1部を徴収していたのでキツイ痛手を負っていたのである
エアロ
「あいつらのせいか!女海賊のザクロの乱闘事件!全部あいつらのせいだ!」
商船のオーナー
「エアロ様…しかしながら"例の物"はここに…」
エアロ
「おお…これか!!」
そんな事はつゆ知らず同じ商船で買い物を続けるザクロ一味
バレンタイム
「おお〜!ザリー以外の女の子発見!」
バレンタイムは商船に乗っていた女の子達にメロメロだった
ジャンク
「あのギャンブル馬鹿が。つうかザリーは何処行った…問題娘が」
ザリーは商船の食堂に立ち寄ってた
ザリー
「久し振りのまともな飯だ。食うぞ…て…何見つめてんだ?てめェ」
ザリーの隣に座りザリーの横顔を見つめる謎の女
ザリー
「こっち見んじゃねェ…飯が食えねェだろ」
ナース服を着る眼鏡を掛ける女の子
「うふ。一目惚れしましたァ」
(Android/Chrome, ID:v0sVz1yR0)
63 :イエロー
04/20(日) 21:44
第44夜<帰路に着く(7)>
ナース服を着る眼鏡を掛ける女の子
「うふ。一目惚れしましたァ」
後の仲間になる海軍本部研修医メディ改めDr.メディとの
ファーストコンタクトであった
メディ
「ウチはメディ。仕事は海軍の駆け出し美人研修医です♪専門分野は…」
ザリー
「うぜェ。誰も聞いてねェし。俺の視界から消えな」
メディ
「あらまァ。その男勝りな喋り方は生まれつき?興味深いわね。幼少期のトラウマからとか?」
ザリー
「うぜェんだよ。ぶん殴るぞ」
メディ
「ごめんなさい。ただ…あなたの事知りたいだけで…」
ザリー
「食いずれェな。席を変えるぜ」
ザリーはその場をそそくさと去って行く
海兵
「おい研修医!エアロ中佐が集合掛けているぞ!急げ」
メディ
「あ、はい」
:
:
エアロ
「医療班!備品は船に積んだか?」
医療班
「はい!」
エアロ
「よーし!お前らは下がれ」
医療班
「解りました」
エアロ
「あー!貴様は残れ。研修医ちゃん」
メディ
「ウチ?…じゃなくて私ですか?」
エアロ
「ほほう。部下達の間では噂になっていたと聞いていたが中々の容姿だ。よし今夜の相手は貴様にする」
メディ
「なッ…!」
時間は夜に
商船のVIPルームにて2人きりになるエアロとメディ
エアロ
「緊張しなくてもいいさ。貴様は俺に選ばれたんだ。光栄に思うがいい」
メディ
「え、あ、はい」
エアロ
「エッハッハッハ!まァ酒でも飲んで緊張を解きなさい」
エアロとメディは酒を嗜む
エアロは《例の物》が手に入れたからか気分がいいのか
ガバガバと酒を煽る、というかメディが次々と酒を煽りしこたま酒を飲ませていたのである
メディ
「エアロ中佐様はお酒が強いんですね!流石は海軍本部!将校殿♪」
メディを生まれてこの方人を見抜く能力がずば抜けており、分析能力を買われ医者としての地位も手に入れたのである
そしてこういう夜のお誘いものらりくらりと躱してきたり
これも俗に言う処世術というものからか
エアロ
「今日は気分がいい!例の物が手に入ったのもあるがこんな美人に酒を注いで貰えるとはな」
メディ
「うふ。例の物ですか?それはどんな物ですか?」
エアロ
「仕方ないな!君だけに明かそう。売れば1億はくだらないものだぞこれは」
メディ
「え…?1億…」
エアロ
「悪魔の実だよ!それも女なら誰しもが羨む悪魔の実だぞ」
メディ
「悪魔の実って…確かあの海の呪いとか言ういわく付きの禁断の果実!?」
宝箱の中から悪魔の実を取りだしたエアロ
実はこの商船のオーナーが悪魔の実を闇ルートから手に入れたと情報を嗅ぎ、商船のオーナーから賄賂として受け取っていたのである
商船のオーナー自身もそう簡単に買い手もつかず、海賊達に狙われるのも危惧し手放したかったのかも知れない
メディ
「ただの果実にしか?見えないけど…」
エアロ
「東の海じゃあお見えにかかれない代物だ…」
メディ
「一体どんな能力が?」
エアロ
「…女なら喜ぶぞ。これを食べた者は生涯スキンケアが不必要になるほどの全身スベスベの肌になれて絶世の美女になれるという伝説の実…スベスベの実だよ」
メディ
「本当に、!?」
エアロ
「エッハッハッハ!いい事思い付いたぞ。貴様余興にこれを食え」
メディ
「え、私がですか?」
エアロ
「本当は闇で売り捌くつもりだったが足がついては面倒だ。それにこれから抱く相手だ。絶世の美女になって貰えればこの上ない喜びだ!エッハッハッハ!」
酔っ払ったエアロはそう言いメディに悪魔の実を食べさせようとする
メディ
「冗談じゃない!や、やめてください!」
エアロ
「貴様ァ!上官に逆らう気かァ!」
無理やり悪魔の実を口に入れられたメディ
メディ
「うご、けない。誰か…助けてッ!!!」
メディの悲鳴は轟いた
バキィ!
と同時にへべれけのあの男が扉をぶち破り入って来た
バレンタイム
「ひっく。レディの悲鳴が聞こえたぜ。ひっく。俺を呼んだのは…君か!」
メディ
「うぼ、けない!たす、け!」
エアロ
「誰だ!貴様は!」
バレンタイム
「変態野郎が」
バキィ!
エアロを殴るバレンタイム
しかしその拍子にエアロはメディにぶつかり悪魔の実を飲み込んでしまったのであった
バレンタイム
「大丈夫か?お姉ちゃん」
メディ
「うわ、まっず。てか何してくれてんのよあんた!!」
バキィ!
メディのデカ尻アタックを食らったバレンタイム
バレンタイム
「うわどういう事…!何で怒られてんだ俺?」
エアロ
「ぐ、貴様〜!…いやそれ所でない!飲み込んだな悪魔の実を!?どうだ姿は変わったか?」
(Android/Chrome, ID:W8I2y++V0)
64 :イエロー
04/28(月) 22:52
第45夜<帰路に着く(8)>
エアロ
「ぐ、貴様〜!…いやそれ所でない!飲み込んだな悪魔の実を!?どうだ姿は変わったか?絶世の美女に…て、何だその珍獣の姿は!?」
メディ
「へ?」
エアロ
「変わってない所か…何だその姿!?スベスベの実は嘘か!偽物掴ませたのかあのオーナーは!」
エアロはバレンタイムに殴られた事よりも偽物を掴まされた事に腹を立てた
その怒りの余り酔いも冷めて、バレンタイム、メディを無視して部屋を飛び出して行ったのである
バレンタイム
「スベスベの実?偽物?何のこっちゃ…と言うかお姉さんのその目と口どうなってんの?ある意味可愛いけど」
メディ
「え?」
鏡を見たメディは絶句した
目が"点"になっており、口も"がま口"になっていた事に
メディ
「何これケロ。え?嘘でしょケロ!?」
スベスベの実と言うのはデタラメで実の所はケロケロの実だった
食べるとカエルの能力を得られる超人系(パラミシア)
悪魔の実を食べてしまったメディ
:
:
:
エアロ
「貴様!良くもこの私に恥をかかせたな!どういう事だ!」
商船のオーナー
「いや私も知らなかったんです!入手先からもスベスベの実としか…」
エアロ
「知らなかったで通用するか!貴様を詐欺罪でひっ捕らえてやるゥ」
商船のオーナー
「んなめちゃくちゃな!」
:
:
:
メディは泣きながらもバレンタイムに介抱されてザクロ一味が泊まる部屋へ行く
ジャンク
「ジャクハハハ。とうとうそこらの女にも相手されなくなって、カエル女をナンパして来るとはな」
バレンタイム
「お前!それはレディに失礼だぞ」
メディ
「誰よこのクルクルパーマは」
ジャンク
「誰がクルクルパーマだ。カエル女」
ザリー
「うぜェな。何だよ人が寝てる時にギャーギャーと騒ぎやがって」
メディ
「きゃ…食堂の時の運命の人…」
ザリー
「てめェはあん時の女!」
自身の醜い姿を恥ずかしながらも事情を一通り説明したメディ
ジャンク
「そりゃ酷ェな。そんなクズ将校が海軍にもいるなんてな」
バレンタイム
「ふん。ぶん殴って正解だったぜ」
ザリー
「下らねェ…そんな事で泣いてたのかよ」
バレンタイム
「おいザクロ…口慎めよ。この子にとっちゃ一生に関わる事なんだぞ」
メディ
「いやあなたが殴りかからなければ飲み込む事も…」
バレンタイム
「それはごめん…」
ザリー
「…何でそんなクソ野郎の下についてんだよ?」
メディ
「そ、それは…」
ザリー
「つうかよ…そんな腹立ててんならそんな奴ぶっ飛ばせばいいんじゃねェか」
メディ
「ぶっ飛ばすなんて…海軍本部中佐…将校なのよ。逆らうなんて…とてもとても」
ザリー
「知るかよ。俺は今まで女ってだけで舐めて来た奴らは全員半殺しにして来た。てめェはどうするんだ?女(メディ)」
:
:
:
エアロ率いる海兵達は商船にいる人々達、そしてザクロ一味を甲板に集めていた
海兵
「貴様ら整列しろ!」
「今からエアロ中佐より有難い言葉が聞かせてやる」
エアロ
「俺は偉大なる海軍本部中佐のフューズ・エアロ…それにも関わらずこの男(商船のオーナー)は不義理を果たした…この私に対してだ!…断じて許される事ではない!」
商船のオーナー
「どうかお許しください…エアロ様…」
エアロ
「それだけでは飽き足らず…私の部下でもあるDr.メディ研修医に無理やり乱暴を加え悪魔の実なるものを無理やり飲み込ませた疑い…許し難し!この商船、及び物資は全て我々海兵が押収する!」
商船のオーナー
「捏造だ!何て横暴なんだ!元々はあんたが…!!」
エアロ
「ええい!黙らんかい。商船のメンバーは全員ひっ捕らえろ!」
バレンタイム
「めちゃくちゃしやがるな」
ジャンク
「黙ってろ…奴らまだ俺らがお尋ね者とは気付いてねェみたいだ」
ザリー
「…」
ザリーはただ静観していたのであった
エアロ
「そうだ…この商船の金品も残らず全部押収しとけよ。どうせロクでもない出処が解らない金品だ!」
もはやエアロの独壇場であった
そんな中理不尽に捉えられる商船の人々を見てメディは言葉を発した
メディ
「その人達…!その人達は何も悪くはないわ!全部はこの変態将校エアロの仕業よ!!」
エアロ
「何だと!!」
海兵達
「貴様!研修医の分際で何をのうのうと!!」
「自分の立場を弁えんか!女!」
メディ
「…」
ザクロの言葉を思い出すメディ
「知るかよ。俺は今まで女ってだけで舐めて来た奴らは全員半殺しにして来た。てめェはどうするんだ?女(メディ)」
メディ
(これまで人の顔色を伺って来た人生だった…いや…でも…それじゃ駄目…)
(Android/Chrome, ID:aDultvb+0)
65 :イエロー
05/02(金) 12:36
第46夜<帰路に着く(9)>
メディ
(これまで人の顔色を伺って来た人生だった…いや…でも…それじゃ駄目…)
エアロ
「小娘が!容姿だけが取り柄で俺の部下にしてやったこの恩を…仇で返すと言うのか!?調子に乗るなよ?貴様の言動次第ではクビにしてやるぞ」
メディ
「なァん……うるさい!!そんな海兵…こっちから願い下げよ!!」
ザリー
「ふッ。よく言った」
エアロ
「…ならこの場で死刑を言い渡す」
ガチャン…
エアロはメディに銃を向けた
エアロ
「あの世で後悔するといい…この私に楯突いた事を…!」
メディ
(私は…私は言いたい事を全て言えた…!もう…もう思い残す事は…何もない…!)
その時であった
ただ1人、密かに動く女が1人
ザリー
「くたばれよ。クソ海兵!」
バキィ!!
エアロが銃の引き金を引く間際に釘バットでエアロの脳天を思い切り殴り飛ばしたザリー
エアロ
「ぐッは!」
メディ
「え…何でウチを…!」
ザリー
「…」
ジャンク
「ジャクハハハ。カエル女…これはザリーの気まぐれだ。気にすんな」
メディ
「気まぐれ…で助けてくれたの…?」
海兵
「き、貴様!エアロ中佐に何と言う事を!」
「この女…良く見たら見覚えが」
「"女海賊"!ザクロだァ!」
バレンタイム
「良くやったザクロ。俺も我慢ならねェ」
ジャンク
「仕方ねェな」
その後は海軍とザクロ一味の海上戦が始まり、1時間後にはザクロ一味の勝利で幕を終えた
エアロ
「ぐは…はァはァ。貴様らの顔を覚えたぞ…そしてザリーとか呼ばれてる女が船長だな…?貴様らただ済むと思うなよ?この私にこんな事をしておいて…"海賊"風情が…!」
ザリー
「へッ。面白ェじゃねェか。だったらその前に俺が"海賊"として…てめェら海軍、いや世界政府のくだらねェやり口を全部ぶっ潰してやらァよ」
親指を下に立て言い放つザリー
海軍はザクロ一味に敗北して商船の物資や金品などを返してから引き返していく事になる
こうしてザリーはこの一件より【女海賊】から【海の執行人】と呼ばれるようになった
メディ
「あの…もし良かったら…私もあなたと一緒に行きたいです"ザクロちゃん"」
ザリー
「は?意味が解んねェ」
メディ
「一応私医者だし…それにザクロちゃんの専属医として役に立つと思うし…後は髪も毎日洗ってあげますし、それに寝る時は私がくっついて体を温めてあげれますし」
バレン
「何て羨ましい…!」
ジャンク
「おい専属医って…俺らは?
てかお前海軍はどうするんだ?俺達は完全にこれから海賊として動くんだぜ」
メディ
「海軍には私の居場所はないから…それに今はザクロちゃん一筋ですから♪後これから偉大なる航路(グランドライン)に向かうとするならこれも必要でしょ?」
記録指針(ログポース)を見せるメディ
ジャンク
「それは!お前それを何処で手に入れた?」
メディ
「海軍からくすねてきた物よ。どう?ウチも役に立つでしょ?」
こうしてメディは記録指針を交換条件という形で無理矢理にザクロ一味に加わる事になった
そしてこの日を境にザクロ一味はザリー海賊団として世に広まる事になる
その数日後には1つの懸賞金が出回る
ザリー海賊団【ヤブ医者】のDr.メディと
メディ
「なァん…!ヤブ医者!?」
エアロの嫌がらせで【ヤブ医者】の通り名が付いたのであった
バレンタイム
「ようこそこちらの世界へ♪」
メディ
「あんたは許さない!バレン!」
ジャンク
「ふッ。賑やかになったな」
ザリー
「ギャーギャー騒ぐなてめェら」
ツーツー…ツーツー…ツーツー…
機械音が微かに聞こえて来た
ザクロの冒険はまだまだ続くがそれはまたの機会に
現在に時刻は戻った
ー范帝国ー
王宮内の治療室
ザリー
「…く…はッ…」
メディ
「ザクロちゃん!目覚めたの!?」
船員達
「姐さん!!」
ザリーは毒蜘蛛の一味オリヴァとの戦闘にて出血多量で気絶していた
ザリーの珍しい血液と同じ血液を持ち合わせた男、偶然その場に居合わせた父親キャップの血を輸血して何とか生き延びていた
ザリー
「俺は…何を…?」
メディ
「え…?」
ザリー
「いや何でもねェ
(今迄走馬灯でも見ていたのかよ…俺は)」
船員達
「流石は姐さんだぜ」
「死んでも死なねェ女だ」
メディ
「ぐすん…何て強運の持ち主なの…まさか息を吹き返してくれるなんて…!本当に…!本当にもう目覚めないかと思ったんだから」
そしてオリヴァにより切断された右足は范帝国の医療技術により手術で接合されていた
ザリー
「強運…か。凶運だぜ…これはよ」
目覚めたザクロ、無事帰路に着く
(Android/Chrome, ID:vgMwDCP70)
66 :イエロー
05/05(月) 19:47
第47夜<ティータイム(1)>
『范帝国』が点在する絶海の金色島(きんいろじま)から南東に位置する離島『シャンバラ』
ここは一面海を見渡せる絶景ポイントが各所にあり見晴らしのいいリゾートエリアが拡がっており、観光客達が日夜訪れていたのである
ー金色リゾートー
范帝国の皇子達も御用達のVIP専用エリア
海の四天王の一角を担う【笑う海賊団】傘下の名のある海賊団の船長3人が1人の女と遭遇していた
1人目
【侵入者】のカキン
懸賞金7900万ベリー
2人目
【致死量】のヤヤ・バイアン
8800万ベリー
3人目
【木蓮】のボルテックス
1億4500万ベリー
カキン
「カキキキ。貴様は誰だ女?」
バイアン
「バイハハハ。俺達はオフで満喫してると言うのに…水差しやがって」
ボルテックス
「リョククク…。しかし何処かで見た気が」
3人の船長の前に立ち塞がる巫女服を着る謎の女
巫女服を着る女
「ぴははは。どれどれ7000万に8000万に…えェ…。お前(ボルテックス)に至ってたは1億なの…?ピティちゃんには覇気は感じられないんだけど。ホントに億超えてるの?」
巫女服を着る女は手配書を見ながらそう呟いた
ボルテックス
「リョククク。随分と安く見られた物だな。この女性は確か"武装姉妹(アームドシスターズ)"の…妹の方か」
カキン
「カキキキ。嘘だろ?アームドシスターズって…こいつら自らにも懸賞金が掲げられているのに戦争代行やら復讐代行を何でも引き受けてるって…イカれた姉妹だろ…?」
バイアン
「バイハハハ。だかが女だろ。何ビビってんだよ3人でやっちまえばいい。それに俺達は笑う海賊団の傘下だぞ?手を出す程馬鹿じゃねェだろ」
巫女服を着る女
「ぴははは。お前達相当恨み買ってるね。今回は復讐代行を頼まれているの。お前達3人が目障りだからってね…。報酬も前払いでくれたしね」
タタタッ…
巫女服を着る女は3人に向かい走った
バイアン
「俺達に手を出したら笑う海賊団の"大頭"が黙っちゃねェぜ?」
巫女服を着る女
「知るかバーカ♪」
中指を立てる巫女服を着る女
カキン
「カキキキ。仕方ねェ…葬るか」
ボルテックス
「仕方ないですね」
バイアン
「バイハハハ!俺はそのつもりだよ…!」
カキン、バイアン、ボルテックスの3人も身構えた
巫女服を着る女
「構えたって無駄無駄…。ピティちゃんの七つ罠道具・其ノ壱・落とし穴」
ペタ…
巫女服を着る女は地面に右手を触れると
カキン
「な…」
バイアン
「クソ…」
ボルテックス
「ふざ…」
バゴォーン…!
突然地面から巨大な穴が開きカキン、バイアン、ボルテックスの3人は落下した
カキン
「ぐ…能力者か…!こんなもの抜け出せるわ!ふざけやがって…!」
巫女服を着る女
「無駄無駄…♪ピティちゃんの落とし穴はまだ続きがあるよん」
ザクゥゥゥ!
3人が落下した落とし穴から串刺しが伸びて来て3人は串刺しにされていた
カキン
「痛ェ…!」
バイアン
「つッ…何て能力だァ」
スカアート
「ぐはッ…」
巫女服を着る女
「ぴははは。落とし穴+串刺しで串刺しの落とし穴って所かな…。名付けて哀れなズッコケ3人組。これにて復讐代行完了っと…」
一瞬の出来事であった
:
:
そして目の前には高級喫茶店がありテラス席に座るメイド服を着る女はアフタヌーンティーを楽しんでいた
因みに范名物の黒糖の紅茶が大人気
メイド服を着る女
「ふゥ…私にはやはり范の紅茶は口に合わないわね」
そう言うとバックから自前のティーカップに自前のボトルに入った紅茶を注いだ
メイド服を着る女
「ぷるふふふ。やはりオレンジペコに限るわ。それにイチゴジャム少々入れてと…幸せな味!」
タタタッ…
そこへ先程の巫女服を着る女が走って来た
巫女服を着る女
「お姉ちゃん。依頼完了したよ。今3人共串刺しにして動けないハズだから」
メイド服を着る女
「…で…楽しめたの…?」
アフタヌーンティーのマカロンを手に取り、パクパクと口に放る巫女服を着る女
巫女服を着る女
「モグモグ…全然…。ピティちゃんもっともっと楽しいバトルがしたいんだけどな」
メイド服を着る女
「はしたないわよピティ。座って食べなさい。なるほどね…ぷるふふふ。タイミングを逃しちゃったかも知れないわね」
巫女服を着る女
「え?」
メイド服を着る女
「先週…本土の范帝国では大きな戦いが終わったばかりなのよ。間が悪いと言うか何と言うか…ぷるふふふ」
巫女服を着る女
「え!こんな間近でそんな事が?行きたかったな…。范帝国と言えば…確か強い皇子と側近達が居るとかって聞くけど…ぴははは」
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