桃井さつき、 形の無い付き合いに、名前が生まれたの。 ねえ、ねえ、こんな事ってあるのかな。 離れるかどうか喧嘩してたんじゃなかったの? 何時も喧嘩ばかり、 甘さなんて欠片も含んでなかったのに。 ばーか。ばか。 ――…有り難う、____。 恋人、かあ。…ふふ、変なの。 〆 - 16 - |
宮地清志、 [04:35] 時間がねえけど呟きたい、今日はそんな気分なんだよ悪ィか。ま、偶にはな。書きてェ事溜まってンのに、時間がそれを許さねえ。はっはー、ふざけろ。つか5時間後には試合開始なのに何でオレ寝てねえの。 [04:38] 今回は手紙ッつうかメモだな。まァいいや、メモ。オウムとすみれ。未だ時間掛かっけど、その内ふわーっと何か書く。御礼参りってヤツ、首洗っとけ。…違ェよそっちの意味じゃなくて。 [04:40] アイツからの「おやすみ」を思い出して寝るか。あークソ、少ししか寝られねーじゃん。 [08:19] 馬鹿みてえな満員電車の2分後にスッカスカの電車に乗った。この優越感たるや。しかも雨でも試合が有る室内競技、勝ち組。 [08:42] おいオッサン、寄り掛かンじゃねえよコラ。 [08:56] さあ、試合開始だ。オマエ等…特に高尾な。調子乗ってヘマすんじゃねーぞ。 [11:58] ハイしょーり、当然。休憩挟んでもう1試合。 [13:50] ハンバーグが2人前来た。…アー、喰えるよ。育ち盛りの高校生だからな。だが一応遠慮…ッオイ高尾笑ってンなタコ!緑間もその笑いを堪えてる顔止めてくんねムカつくわ。オマエ等アレだろ、先輩敬う気ねェだろ。 [17:08] ッし、終わり。長ェ様であっという間の一日だった。やっぱオマエ等とバスケすんの好きだわ。 〆 - 17 - |
宮地清志、 毎日喧嘩してたっつー話。 恋人にはならねェだろコレ。その割りにセックスもして睦言囁き合ってオレ等って一体ナニ、セフレ?アホかンな不安定な付き合いやってられっかオレは降りる。オマエと話すの好きだったけどな、バイバーイ。 ん、彼処に居る子マジ可愛い。ちょっくら引っ掛けてみっか。…別に、アイツとは付き合ってもねえし浮気じゃねえよ。イイだろ自分の幸せ掴みに行ったって。身嗜みは整ってるか、声の調子は?良し、台詞も決めた。後は【送信】だけ…―――って時にまたオマエからメール。何だよこのタイミング有り得ねェ!見てンじゃね何処かで! ……アー、仕方無ェ。ナンパは見送ってもうちょいオマエと居てみるか。 なんて思った矢先にまた喧嘩。 もうねェわ、轢く。撲殺する。今度こそ終いだぜ。じゃあな、元気で…――ハ?オマエ何言ってんの。好き?付き合えだ?…え?あ"ァ? 確かにオマエの事寝ても覚めても考えてたよ。挨拶は欠かしてねえし、フォルダも専用の作った。オマエと話す時間が何時も楽しくて嬉しくて、……ばっか、別に好きじゃねえよ調子乗ンな。好きじゃ、………まあ。別に。 うっせェな黙れ!付き合ってやるよ!クソッタレが! それからは変態発言をするアイツを毎日ぶん殴る日々に変わりました、マル。 喧嘩ップル上等。殺し合いしよーぜ、って話も出るくらいゾッコン。ゾッコンの使い方合ってるか? 〆 - 18 - |
赤司征十郎、 失したのは何時だったのだろう。 気付けばコートには誰も立っていなかった。 心が離れて行くのを気付かなかった訳じゃない。いずれ戻って来ると過信していた訳でもない。一人、また一人とコートから去る彼等の姿を見ない振り。付いて来ないならそれで良い、駒になる気が無いなら要らないよ。 代わりは他に居る、一軍から捜せば良い。 駄目なら二軍、お前等を鍛える。 三軍、もしかしたら黒子の様な原石が居るかも知れないね。 ほら、お前達。彼奴等の代わりにコートで踊れ。 オレの指示通りに動けば、そう。頂点に上れるから。 百戦百勝の横断幕はこれからも変わらない。 ああ、今日も命令通りに動けないクズばかり。 〆 - 19 - |
赤司征十郎、 貞操観念は低い方だと思う。 突然誰かにキスをされようと、無理矢理行為に及ばれることがあろうと、別段何とも思わない。平然と、無表情で。一々驚いたり喚いたりする時間が勿体無いし、其処まで心が動かされないからだ。恐らく関心も少ないんだろう。 正直、恋人と呼ばれる存在が出来た所でそれは変わらない。自分の価値観はそんな簡単に変化しない。他人に何かされてもきっと「へえ、」で済ます。 だけど彼奴がそれを嫌に思うなら、それは僕も嫌だ。彼奴が抵抗しろと言うなら、全身の骨を折って動けないようにさせてやる。自分の身体がどうとかではなくて、彼奴が傷付く顔は見たくないから。……不快だからね、僕の視界に辛気臭い顔が映ったら。それだけだよ。 ところで今日、部活から帰る電車の中で酔った社会人に然り気無く手を握られた。「此奴は何をしたいんだろう、男だと判っての愚行なのか」と心底不思議だった。170を越える男子高校生に何をするんだろうね。馬鹿なのか。 放っておこうと思ったけれど、今朝の彼奴の温もりと比べてどうにも気持ちが悪くなってしまって。不快感。扉に押し付けて鋏の刃を両目に添えてあげたら大人しくなった。 くだらない。 ほら、___。 手の感触が不愉快なんだ。早くどうにかして。 (数分後) 消毒して貰った。 痴漢されていたら萌えたとか言う。死んでしまえ。 というか、おい、甘いって何だ。甘いって。 〆 - 20 - |