表紙、 拝啓、貴方様 言いたい事は特に有りません。 花冠を作って下さい。 孤独の王を演じてみせましょう、 〆 - 1 - |
赤司征十郎、 真っ白な世界は似合わない。 向日葵、シャボン玉、太陽、ラブレター。 温かく心地好い、そんな世界を避ける様になって何年も経つ。だけど、そう、ほんの気紛れに。夜に染められる此処で文を認めようと思い立った。 感情の侭に書き殴る文章?まさか。何度も何度も推敲を重ねて丁寧に書く手紙だ。誰の目も気にしない、自分の為に書くモノ。文句なんて誰にも言わせないさ、僕を誰だと思っている?…――物分かりの良い子は好きだよ。 姿も内容も宛先も、 誰が本当で何が嘘か。 余り自分の事を知られたくないんだ。 勝利の為に、駒としてその身を捧げる覚悟をした奴だけおいで。そっと耳打ちしてアゲル。 僕の名前は「 。」 〆 - 2 - |
高尾和成、 夜中に何故かカラスの鳴き声! まァーじで不気味なのなんのって!ゾクゾク震えながら恐怖の余り枕に顔を押し付けたね、布団も被って。嘘だけど。 そんな気味の悪ィ夜なのに隣に誰も居ないって寂しくなーい?寂しいんですよコレがまた。添い寝要員大募集!コミュ力生かして暖め合っちゃおっかなーとか考えた所でなんっ…かやる気にならず。 朝になったらアーラ不思議、もう少し他に手ェ回すのは待ってみようかなーなんて。クソッ、太陽が!太陽がオレの良心を締め付ける! 話してる時は幸せ。 待ってる間はモヤモヤ。 こーゆーの恋っていうんですかねえ。 でもぶっちゃけ恋なのか只遊びとして楽しんでるだけなのか、はたまた依存しちゃってんのか判んねえんだよなァ。 ん、でもキスすると嬉しい。やっぱ恋? あ"ーーーーわかんね! オレがオマエに恋してるとか、ちょっとどころかかなり面白いのだよ。ぷはっ、そんな甘ァい関係には思えねえんだもん。オマエもきっとそうだろ? なあ、なあ。 でもオマエと話したいんだ。 オマエがいいのだよ、バカめ! 〆 - 3 - |
紫原敦、 赤ちーん。 室ちーん。 黒ちん峰ちん黄瀬ちんミドチン桃ちん。 ねえねえねえねえ、誰でもいーんだけど。 時計が壊れた! 何でだろ、ちゃんと大切にしてたんだけどなー。 おかしーの。アンタと一緒に喋ってる時はすっげー勢いでぐるぐる針が回って時間があっという間に過ぎんのに、アンタを待ってる間は全然針が進まない。 なんで~? 時計屋のおっちゃんに見せても電池は正常だって言うし。 時計っていつも同じ速さなんじゃねえの? アンタの所為で壊れたー。直せー!直せー! 〆 - 4 - |
赤司征十郎、 試合中、私情を挟みそうになった。 チームの、自分の勝利以上にお前へ勝利を捧げたいと思ってしまった。お前の笑顔が見られたら、お前が楽しくバスケをする事が出来たら、それが何よりなのかも知れない、…――と。 馬鹿らしい。 自分でも考えられない、何かに取り憑かれていたか。恋情にかまけている場合じゃない。価値有る物は只一つ、勝利のみ。全ての勝負に勝つ事こそ正義。それ以外に意味等無い、下らない! 気の迷い、春の夢。 芽生えかけていた何かも、雨と一緒に全て流されていく。 何かを手に入れるには、 何かを捨てる覚悟が必要らしい。 矢張り僕には独りがお似合いだな。 〆 - 5 - |