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┗1919.PETROUCHKA(26-30/168)

|||1-||||リロ
26 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/10/20(月)17:20:07

恥も外聞も無く縋り付けるのは勇気だと、芯の強さで有ると俺は思う。
衆目・体裁等の次元を越えて形振り構わず、
矜持を捨て、
己ですらもまた潔く、
背筋を伸ばした儘頭を垂れて膝を折る。

否、それこそが矜持、信条、信念。
そして純粋なる強欲。


挫いて貫く。


そんな、強靭な、何か。

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27 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/10/22(水)22:42:17

理論立てて組み立てるのは不得手だ。
頭ン中へ投影された映像や絵を、過った馨りを、それによって揺れた襞の振動を比喩して行く。
海馬が映写機、脳ミソがスクリーン。
感情が絵筆、匂いが色彩、温度が光の濃淡と射し位置、失くした孔がキャンバス。
そんな何かしらが描かれた、否、書き殴られたモンを見て初めて、その時点で漸く当て嵌まる理屈や言葉が無えモンかと探す感覚。
一から組み立てるっつぅより紐解く作業。

言葉ってのは重要且つ尤もたる表現・伝達手段だが、付随するモンの方が案外デケェとも思う。
小説なら行間、板なら間、そんな処。
言葉裏っつう表現も有るぐれえだしな。

どんなナノテクを使っても自然の色を絵の具で出せねえのと同じ様に、言葉ってのも結局、突き詰めれば突き詰める程当て嵌るモンが無えんだろう。創り出すしかよ。

ああ、でも時に、飾らねえ言葉ってのに胸を突かれる事はある。
使い古したモンだと言われようが、だからこそ古来から受け継がれてんだろうなァ。永遠のテーマみてえなモンをも伴ってよ。




>Der mitternachtliche Mond
パンドラの箱の出順じゃねえが、少しばかり順序立てたかったんで反応が遅くなって悪かったなァ。多少なりお前の気掛かりにしちまった事についても。
否、別段大した事じゃァ無かったんだが、場所的に不適切だったのと、何気に共通点の多そうなお前と質問っつうか語りてぇと思った事が有っただけの事。
俺も然程面出す訳じゃァねえし、そうだなァ、お前さえ良けりゃ都合の合う時に紅茶以外の茶でも。

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28 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/10/23(木)00:00:04

深い場所で、恋をしている。

俺達は深海魚のようだ。



穏やかな水面からは想像も出来ねえ程逆巻く激流の中で、誰に知られる事も無く昏え命を燃やしてる。

退化と進化を繰り返した俺達。

凍て付く水に耐えられるように纏った鱗は厚く、触れ合う事を忘れたからこの身体が燃えるように熱い事を知らねえ。

水圧に耐えられるように真実の姿も失くした。

暗闇で生き抜けるように焦がれる光を映す瞳すら捨てた。

そして、何時からかその総ての事実に麻痺した。



俺達は深海魚のようだ。

それでも恋をしている。

深い場所で。

深いところで。

静かに、



激しい恋を。




>La segunda luna.
お前と廻り逢えた奇跡に感謝を。
──だろ馬鹿がっつって嗤う顔が見えるようだぜ。

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29 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/10/25(土)01:06:11

珍しく日記調。
記録、しときてえから。
お前にとっちゃァあまり人目に晒されたくねェ内容かも知れねえんで漆黒に塗り潰しておく。
ンじゃ綴んじゃねェよッつー突っ込みが聞こえて来そうだが、そりゃァ難しいなァ。なんつぅんだァ?……こう、抑制し辛ェ部類の衝動、みてえな?
宮に戻ったお前が気付いたら、俺の馨が残った寝台ン中で嗤ってくれりゃ良いが。


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眼が覚めたら拷問器具が家具代わりに並んでる生臭ェ匂いのする部屋で、一瞬訳が解らなかったが飛び起きる事の叶わなかったテメェの体躯で何が有ったかを思い出した。
窓は無えし、薄暗えし、澱んだ空気が蔓延って相変わらず腐った子宮みてえな宮だが深く眠るには最適だ。
寒いのはあまり得意じゃねえから眠ってるのを確かめて身を寄せた気はするが、鋼みてえな腕と長身に絡まって眠った昼日中、俺もそう体温が高ェ方じゃねえが彼奴は更に低かった気がする。寝相が良い?ヘーェ……自分独りじゃ気付く事すら無かったが、そりゃお前唯単に動けなかっただけじゃねえのかコラ、とも。

そう言や最初にこの巣へ連れ込まれた時に虚閃で吹っ飛ばしたソファーや床はどうなったんだ。
流石にあの量だ。血溜まりもドス黒ェ染みになってんじゃねえのか、と。
まァ、優秀な従属官が居るから其処等辺の抜かりは無えんだろうが。
つってもまだ其の場で格闘してる訳だが、馴れ初めって奴を思い返すと白え世界に反響する金属音、血飛沫やら骨の軋む音やらで臓物こそ飛び散ってねえが甘さの欠片も無かったよなァ?……現行もだが精神をも削り合うみてえな。
が、どうにも、酷く"合った"。
彼奴曰く似て非なる間逆の性質らしいが、波長の輪っかみてえなモンが幾重にも広がって共鳴し、胸ん中へ響いて来る感覚に背筋が震えた。
それは日に日に輪を掛けて今も、だが。

其処から二つの月を経た"丁度"のこの間、普段の傾向からあまり気乗りしねえんじゃねェかとの懸念は有ったが、虚圏へ戻る前に現世の祭りにあやかって菓子を貰いに寄ってみてえと我が儘を吐いてみた。
二体して挙動不審だっただろうがフレンドリーに接しようと努めてる彼奴の姿が新鮮で、思っていたより愉しそうにも見えて安堵した。何時もとは違う一面を見る事が出来たのは何より嬉しい収穫だ。
普段見る事の出来無えだろう姿が妙に微笑ましくてよォ……否、可愛いとか感じちまった俺のアタマは相当イッてんだろうなァ……。で、彼奴は今スゲー渋い顔してやがんだろうなァ。愉快、愉快。

───が、大事な奴を連れてるっつう状況だったからか、何を話したのかがさっぱりだっつったら笑われる通り越して失礼過ぎる始末。
やたら人が多くて溺れてたのも有るが運悪く居合わせた奴等、申し訳無え。
そんな訳で孔まで持ったDer mitternachtliche Mond、折角見付けて足運んでくれたってのに、お前の話も若干理解が不足してやがんの。
店と不能隊長って単語辺りは覚えてんだがよォ、悪ィ。こないだの姿で殴んじゃねえぞ?部が悪ィから。



オレンジゼリー

パンプキンパイ
パンプキンプリン



どうやら南瓜に惚れられた。
薀蓄臭ェゾマリを連想しちまうから南瓜本体の見た目はあまり好きじゃねえが、美味かっ、……美味かった?──あァ、なんてこった、"ひとくち"以外ちゃんと喰ってねえ。
砂丘に散らばった儘の菓子も自宮へ戻る前に回収して来るか。
甘味が苦手そうな彼奴の口に突っ込んでみてえ。


>オレンジゼリーをもうひとくち、
うつし。

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30 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/10/26(日)22:50:11

>en croix


天空でアン・クロワ。
地獄から引き上げられたなら、生まれながらの咎を課したその肉体で微笑め。

黒い鳥が広げた腕に白い翅。
初めから、
そう、初めから。
魔に生まれたお前は、初めから。
魔に生まれたお前を、初めから。

───プレパラシオン。
醜い修道女の呪いを解く呪文を胸に刀を手に。


>preparation



------------------

ふとふたつのイメージが合さっちまったくだらねえひとり遊びの小フーガ。
お前の呪源のアビラの女と悪魔、オディールもまたオデットに成るべく筈の魂を歪められた存在なんじゃねえかとか。
無茶が祟って少しばかり刻を要しちまう幕間の退屈凌ぎにでも成りゃ良いと。


en croix=十字架の形に。
preparation=準備する。

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