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┗1999.因果応報に委ねて翳す落首の花(凍結)(56-60/154)
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リロ
56 :
グリムジョー
2009/02/13(金)23:50:41
一時の猶予。
自宮で砂糖たっぷりのクソ甘い紅茶を啜りながら足りねえ脳味噌フル活用して、知らされた一部の真実を咀嚼する。
__の異常なまでの独占欲。
__の異常な執着心。
__の他者に対する異常なまでの冷徹さ。
全ては__の過去が導いた__自身の結果。
知らされた一部の真実は、まるで自分を見ているようで刀を抜く事さえ出来なかった。
市丸が何故、あれほどまでに__に尽くすのか理解出来た気がした。
__の過去は、今の俺。
俺が手を差し伸べて、その手を掴んだのなら救って遣りたいとさえ思った。
それ程までに、俺の心理を揺さぶった__の過去。
大嫌いだ。
大嫌いだった。
本当に。
俺を陥れ、追い詰め、仲間を殺した事が憎かった。
鮫。
歪んでしまった__の過去は、苦しい程に俺らの一族と似ている。
希望も何も見出せず、一人で手前を正す事なんか出来やしなかったんだ。
救えるものならば、道を正せるものならばと手前のエゴにしかすぎねェ俺の考え。
__が壊れてしまったのも、__が非道な道を選んだのも…もしかしたら今後の俺が歩む道になるかもしれない。
捨て置いてしまうなど出来やしねぇ。
__が昔、本気で惚れたあの男が手前勝手に背を向けて、其処から全ての歯車が狂いだしたんだろうよ。
俺は__の惚れた男によく似ているらしい。
それはそうだ。
__の惚れた男は、俺らの師なんだから。
一方的な愛情は伝わらず、徐々に狂いだした歯車が今の__を作ったのだとしたら…本当に救いようのねぇ。
だが、冷徹非道にならなけりゃならねぇ過程があったんだろう。
……嗚呼、紅茶おかわり。
砂糖たっぷり、糖尿病になるぐれぇには入れるぜ。
そして明日の任務に向けて寝てやるさ。
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57 :
阿近
2009/02/15(日)23:48:45
……、へぇ。
何となく当たりだとは思ってたが、案の定…だな。
霊圧が上昇し始めたか。
理性という名の鎖を引き千切って、其のまま本能が剥き出しになれたなら。
そりゃあ初見にしちゃ凄い事だ。
相手方の快挙とも言えるな。
――どうも、彼奴好みのイイ奴に当たったらしい。
珍しい事もあるンだと書き留めておくか。
今日一日の事だとしても、楽しめよー…。
一族代表、阿近…と。
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58 :
グリムジョー
2009/02/16(月)23:36:52
こうも早くトマト好きの奴に出会えるとは思わなかったぜ。
被害報告。
体の至る所に擦り傷、火傷、その他。
右腕、出血を伴うも動かせる程度。
自分では軽症だと判断。
左腕、骨折。
これは使用不能。
総じて、対峙相手より軽症につき今朝は重傷者を虚圏まで送還。
…とまあ、昨夜から明け方に掛けての戦況報告はこんなモンか。
勝者は勿論俺。
従属官が俺に勝てる筈が無ェんだよ。
だが、殺すには惜しい人材として生存する事を義務付け…いつか俺の頸を刈る程までに成長するよう言っといた。
俺の頸を刈るよう言ったのは俺だが、口と負けん気だけは達者なんでな。
刈れと命じるよりも先に「貴方の命を脅かす脅威になる」と言ったその言葉。
――…ハッ!一端の口をききやがる。
其れを望んでんだよ。
甘いだけのモンとか微温ィだけのモンよりも俺は、寝首を掻かれるような危険と常に隣りあわせで居る方が性にあってる。
その方が末永く楽しめる。
コイツが俺の認める実力を身につけ、俺に並んだ時…その時には従属官風情、というこの呼び名を変更する。
破壊のみを求めるという、俺の中に眠る本来の本能までは覚醒しなかったが。
だが、お蔭様で過日の戦闘中は本能を縛る理性の鎖が数本弾け飛んで瀕死に近い状況まで追い込んじまった。
仕方ねえだろ、気が強いのが好きなんだ。
最後まで抗う姿が好きなんだ。
戦闘の最中に、コイツを気に入っちまったから。
だから。
――…殺さないように加減をするのが難しかった。
事実、片膝を付いて呼吸を整えている獲物を前に、躊躇う事無く十刃のみが使用できる虚閃を一発。
……加減を間違えて、殺しちまったかと思った。
生きてて一安心、ってところだな。
コイツが俺の頸を刈れる力を手に入れようと努力しても、生憎俺も手前を高めるのに努力すっから。
階段を俺が一歩上る時、コイツは三段飛ばしで昇って来ないと何時までたっても俺の脅威にはならねえ。
だが、何時か来るその時を愉しみにしてる。
そんなワケで、報告終了。
三時間しか寝てねえから、任務中にフラフラしてたのは秘密にしてろよ。
今日はもう寝る。
__の事は任務中に暇があったら、考える。
何が、良いのか。
如何する事を望んでンのか。
考えてる事が読める程、俺は他人の心理を読む事に長けちゃ居ねえンだ。
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59 :
グリムジョー
2009/02/17(火)00:59:09
過日の戦闘で使いモンにならなくなった左腕は、現在治療中。
他の傷を含め、直ぐに治るだろう。
ああ、そういえば第四十刃が解放したんだって?
昔、アイツ等と予想立ててたんだがよォ。
ディ・ロイは「第四は顔が白いからお化け!もしくは雪だるま的な何か!」っつってたな。
勿論、有り得ねぇと即否定。
第五は「一匹狼…つうか興味無ェ」の一言。
俺は「感情に波がねえから神仏の類…いや、虚なら悪魔とか有り得るな」と。
その他持ち上がった候補としては…蝙蝠、誰かは「眼玉取り出せるから蜻蛉とかお目めが大きいヤツ」とか、案外裏を突いて装束が黒くなって死神っぽくなるんじゃねえかとか、蟷螂とか…そんな感じ。
渦中の第四十刃は「貴様らには関係無いだろう」と無関心だった気がする。
あ…あん時は第四十刃が俺をガン見しながら「耳は無いな、耳は」と言われた屈辱を思い出しちまった。
俺だって不服だ。
猫じゃなくて豹だと主張したところで誰も聞きやしねぇし…。
懐かしい過去を思い出した。
一度、第四十刃とは対峙したかったんだが…互いに殺戮人形だった為に刃を交える事を禁じられちまってそれっきりか。
…彼処の第四十刃も本当は良いヤツだったぜ。
ただ、俺を見る度にpoochyと呼んでたのだけはムカついた。
第四十刃か…アイツは表に出るのを嫌ってたから此処には来なかったが、なんだかんだと懐かしい思い出があるモンだな。
一番の思い出は、西瓜割りと叩いて被ってじゃんけんぽん。
どいつもこいつも、手前勝手に生きてたよな。
記念すべき第四十刃の解放に、昔昔に約束した通り思い出を記す。
俺が名を呼ばなかった事を根に持ってたから、今日だけは特別に。
ただ一度だけ、呼んでやるよ。
ウルキオラ・シファー
良い思い出と、散る前にテメーが口にした言葉に礼を。
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60 :
グリムジョー
2009/02/17(火)22:14:00
__曰く。
キミが此処に戻るというのなら失ったモノ(者)を一人だけ、生き返らせてあげようか。
__が、ンな事を言うのは珍しい。
これもまた、__の好きな駆け引き。
其れにしては珍しく低脳な事だ。
だから、俺から一言。
「過去のお前を生き返らせてみろ」と。
――…話にならねえ。
生憎、誰か一人だけ…とか、そんなモン好きじゃねえんだよ。
知ってるくせに、よく言うぜ。
俺は、この世界に気になる奴が出来た。
そう、興味を惹かれる奴が出来た。
俺が新しく他者に興味を持つなんざ何時ぶりだ?
俺から興味を抱いた奴は何時ぶりだ?
もう覚えてねえ、久し振りすぎる。
あの餓鬼が、過日俺に聞いた質問に告げた答え。
「二度ある事は三度ある。其れは学習する為だ」と。
三度も四度も、何度も何度も…心を持つ奴は同じ事を繰り返しながら徐々に実をつけていく。
良くも悪くも、全ては巡り巡って自分のものとなる。
彼処に俺が何度も連れ戻された事も、一度目と二度目は状況が違う。
二度目と三度目もまた状況が違う。
三度目と四度目も、それから幾度と、すべてにおいて「全く同じ状況」なんてものは無かった。
――…そう、気付かないうちに学習していってんだよ。
そして今回もまた状況が違う。
あの場所に俺を待つ仲間はもう、餓鬼しか居ねェ。
あの場所に居る奴の過去を知った。
そうして冒頭に戻る。
だが、生憎…紅茶飲む事が決まったからよォ?
興味の湧いた奴の為に、時間を費やすと俺は決めた。
話したくなったら、呼べばいい。
寂しくなったら、腕を伸ばせばいい。
総じて、名を呼ばれたら俺は彼処に遊びに行く。
「遊びに」であって「還る」とは違うがな。
それでも、俺から__や市丸、あの餓鬼と眠る連中を放り出す事はしねえよ。
過去を切り離して、人は生きてはいけない。
過去は受け止める為にある。
感情を殺して、人は生きていけない。
感情は吐き出す為にある。
当たり前すぎて見失ってしまうものを、再確認する時間は幾らでもある。
無理に誰かを忘れようとか、無理に誰かに忘れる事を強いるとか…馬鹿げてると思わねェか?
格好良く見えるかもしれねえが、そいつは唯の莫迦でしかねえ。
自己満足は酷く滑稽。
折角、感情とか本能とか…そういうモンを吐き出す「口」が付いてるのに、使わねえとか勿体ねえと俺は思うがな。
感情を吐き出す事を醜くいと思おうが、其れを聞いた奴が「醜い」と思わないなら醜くなんかねえンだよ。
昔から言ってること。
中途半端に隠すぐらいなら全てを吐き出すか、隠し通せ。
出来ないなら、大人しく名前ぐらい呼んでみろ。
何かの糸口になるかもしれねえだろ?
……あー、言いたい事が沢山あンだがよォ。
生憎頭が回らねえ。
――あ?…風邪引いちまったんだよ。
馬鹿は風邪ひかねえってのに…とんだ嘘っぱちだ。
頭がガンガンしやがるぜ。
ダリィ…明日の任務に向けて寝る。
任務を休むわけにはいかねえンだよ。
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