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┗1999.因果応報に委ねて翳す落首の花(凍結)(66-70/154)

|||1-||||リロ
66 :グリムジョー
2009/02/21(土)21:47:00

いい加減、肢体も脳も覚醒を始めた。
破壊だけを好む昔の俺には戻れねェ事も知った。
破壊だけを楽しむには色々なものを知りすぎた。
良くも悪くも「心」ってモンを手に入れちまった。

――…だから、今の俺は覚醒を完了したのかも知れねえ。
「今」の俺としての覚醒は果たしたのかも知れねえ。


綴りの一番最初を、そろそろ書き直して良いのかもな。
目標にしていた虚閃も放った事だ、次は何を目標にすっか…。
目標が決まり次第、書き直しだ。



結局今日は出歩かないつもりだったンだが、俺の頸の痣を晒す事に躊躇う必要の無い彼処に赴いて、時間も気にせずに描写の練習をしようと重い腰をあげた。

そしたらよ、市丸の登場。
初めてじゃねえか?アイツが俺に、鬼としてじゃなく話しかけてきたのは。
幾つも並ぶ墓を見下ろせる崖の上で肩を並べて、初めてまともに話をした。
殺戮人形と、アイツの立場としてではなく。
グリムジョー・ジャガージャックと市丸ギンとしての会話。

また一つ、知らねえ事を知った。
あの餓鬼…最近ずっとこの墓に向かって歌を歌ってんだとよ。
墓参りの花も「百合」だそうだ。
「菊の花」が定番だと教えたらしいが、此処に眠る連中は「個」が強い気がするから「百合」なんだとさ。

――…記憶を無理矢理消すモンを使って、餓鬼の記憶は真っ白の筈なのに、何を思って歌ってるのか。

そんで、彼処に新しく破面達を連れてこようかという話も聞いた。
__は望んでねえらしい。
俺ももし、望んでるかと聞かれたんなら「望んじゃいねえ」と答える。
だが、餓鬼が一人なのも…考えモンだ。
俺は頻繁には行かなくなったし、それこそ彼処に連れ戻される鎖を切った。
いや、見えないだけで繋がってるのかも知れねえ。
だが…繋がってるとしたら無機質な金属音を立てる鎖じゃなくて「心」という名の「絆」が作る鎖だ。

……黄泉帰り、したらどうだと聞いたのは…彼処に新しい連中を連れ込まれるのが嫌な俺の本心。
だってよォ…新しい連中が来ちまったら墓に眠る連中が忘れられちまう。
あの日のことを記憶してるのはもう、__と市丸と俺しか居ねえンだ。
あの餓鬼が、他の第五十刃を見るのが嫌なのもある。
すべては手前勝手な俺の我が儘。

だから、毎月何日が黄泉帰りの日として墓の中の連中引っ張り出してくれば良いのに…と。


――…あァ、分かってる。
俺の勝手な願望。連中に逢いたい俺の勝手な、卑怯な思い。
だから、叶わなくて良い。
叶っちゃならねえンだ、あの日を深く深く記憶しつづける為にも。

「罪」の為にも。


これは無いもの強請りの、ただの戯言だ。



餓鬼は、いったい何を思って歌い続けてンだろうな。
この前、墓参りに行った時にバッタリ逢った時は…「何か大切な事を忘れている気がする」と言っていた。

答えは無くても聞きたくなる。

――…なァ、第五十刃。テメエのエゴで助けたこの餓鬼も本当は、テメエと一緒に散りたかったんじゃねえか?
揃いで、居たかったんじゃねえのか?



……返る言葉は無ェ。
墓場に響くのは痛いほどの静寂。


もう誰も、戻っちゃ来ねえ。
分かってる、理解ってる…微温ィな俺も。

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67 :朽木ルキア
2009/02/21(土)22:30:12




軸が大幅にブレた為、軌道修正に入る。


どれだけ高い位置に居ようとも、届かぬ月に伸ばした両手は最終的には重力により下を向く。


枯れるくらい大きな声で叫んでも、木霊さえ返って来ない。



馬鹿が求め続けた月は一体…重ねたものは何なのだろうか。



ふん、私が知るわけあるまい。




大幅にブレた軸を修正する為に、破面には暫しの謹慎を。
そうだな…せめて頸の痣が消えるまでの間、謹慎処置をとる。


サヨウナラの五文字は既に伝え終えた筈。

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68 :朽木ルキア
2009/02/21(土)22:31:27

ゆっくり、ゆっくりと…大きな歩幅で一歩ずつ。
近付けるように、遠ざけるように、跨ぐように。

そして振り返る。
皆が其処に居るのを確認する為に。
後悔する為に振り返るのではない。
皆の足元を安定させる為に先陣をきり、足場を確保していく。
そして振り返る。
己が護ろうとしている者達のうち、何人が付いてこれているのかを。


足の裏で静かに踏み締める地面の感覚。
肌を撫でていく風の感覚。


伸ばした腕で己を抱き締め、保身と変える両腕は実に便利。
伸ばしたり、曲げたり。
抱き締めたり、突き放したり。

――…全く異なる事を出来る。




好きだとか嫌いだとか、憎いとか疎ましいとか。
「心」があるからこそ、感じられるもの。
全てにおいて、自他共に否定をしてはならない。
受け入れて歩まねばならない。
己の厳しい助言に対して、其の言葉に背を向けるのか。
それとも受け入れて、考えて、自分のモノに変えていくのか。
それは、私達ではどうしようもない事。
本人の心構え次第。
背を向けて距離が離れるというのなら追う事はせず、其処までのものだったと解釈。
受け入れて、ぶつかって、時に意見を聞き、反論してでも共に居る者は、また其処までのもの。
だが…総じて相手を非難してはならない。
そしてまた、己を責めてもならない。


だってそうだろう?
――…生を紡ぐ世界で何が正しいとか何が悪いとか、基準など存在しないのだから。

そういう事だ。
だから、貴様が何を思い、何を非と感じようとも、己が正しいと思える事を貫けば良い。
ただし、誰かを悪く言う事だけはしないで欲しい。
誰かを悪く言う事で、貴様の株を下げないで欲しい。

…お前だけではなく私達も強いという虚像を作り上げているものの蓋を開ければ弱くて脆い、そういうものなのだ。
お前だけでは無いのだよ。
無理して笑えとは言わぬ。
無理して立ち上がれとは言わぬ。


好きなときに好きな事をすれば良い。







などと、未熟な私に言われるなど余計なお節介だったか?
まあ、そう硬いことを言うな。
此処を見ているかは分からぬが、上手く伝えられぬ私の言葉の中からお前の光となるものが見付かれば良い事を願う。


――…私もまだまだだな。
言いたい事は沢山あるのに、其れが伝えたい言葉とて完結に纏めることが出来ぬ。
言葉とは本当に難しいものだ。


破面の軌道修正、完了。
次からはまた、破面のターン。

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69 :グリムジョー
2009/02/24(火)00:52:47

腹周りが痛ェ。


日曜に笑い過ぎたのが原因なんじゃねェかと勝手に結論。
笑い転げるぐれえの出来事に、見事にツボを突かれて呼吸が整わねぇ状態に陥った。


笑い死にっつうのも有りだな。
散るなら跡形も無く散りてえと思う芯は相変わらずだがよ、笑い死にも悪くねぇ。
笑い過ぎてコロッといっちまう感じで。


そういや、現世に降りた時に体脂肪率っつうのを計った。
一桁だぜ!?
周りに居た連中に「アスリートか!」って見事なツッコミを貰っちまった。

知らねえよ、ンな事。
一番驚いたのは誰でもねえ、俺だ。

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70 :グリムジョー
2009/02/24(火)20:30:04

午後二時まで、暇だった。
12時に起きて紅茶啜って外を眺めて、実に暢気な寝起き。
腕を伸ばしたり、上体を逸らしたり、屈伸したり。
寝てる間に凝った筋肉を解す事に意識を向けていたにも拘らず。
午後二時を少し過ぎた頃から暢気な1日も一変。


俺には未知の領域になる任務内容の通達。
運ばれてくる膨大な資料の量に眼球が飛び出るかと思った。
刻限は土曜。
其れまでに内容を脳味噌に叩き込んで、体に馴染ませて…嘘だろ?
あー…もう面倒臭ェ、資料を数枚捲っただけで気持ち悪くなったのは言うまでも無え。
嫌いなんだよ、覚えんの。
捲った数枚の資料は床に散らかしたまま、未だ目を通してねえ資料の山は卓上にどっかり座ってやがる。
なんで俺の飯を食うスペースすら無ェンだ!!


まあよ、頸の痣が消えるまで謹慎処分だったわけだし時間はたっぷりと有るンだがよ。
俺は生憎、最初に書いたとおり頭で何かを考えて動くより思うままに動き回る方が好きな性分だから覚える事を拒否してンだよ、脳味噌が。
其れこそ女の「私は拒絶する」の領域だ。

だが、放り投げるのも好きじゃねえし謹慎が解けても土曜までは大人しく自宮に篭って資料内容を覚えなくちゃならねえだろう。

――…にしても、この量は無ェよな。
因みに、脳味噌使ったから腹が減って今日の晩飯は何時もの二割増。
…で、現在。
やっぱ腹八分目にしとくんだったと突っ伏して後悔。

気持ち悪ィ…動けねえ……

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