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┗2285.[時計の針を亡くした時計](168-172/177)

|||1-||||リロ
168 :黒崎一護
2015/06/21(日)08:01:37




今更、言っても仕方ない。
今更、自分だ、なんて。
そんな、縋るみたいな。

あの日々を思い出してみたけど、俺の中の日々は色褪せて罅が入っていた。
その罅すらも定かじゃなくて。
まるで壊れた写真立てみたいだ。


ああ、でも、確かにその記憶を辿れば、大きな掌に頭を撫でられ、ぶっきらぼうな言葉だけれど抱き締められた。
そんな優しい記憶。


(だからこそ、)
(だからこそ、俺は、蓋をしておこう。)




記憶の罅すら、忘れたかの様に、記憶に蓋をしておこう。

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169 :阿近
2015/06/23(火)21:59:57




雨の音。
懐かしい音がする。
懐かしい雨の匂いだ。

覚えてない、記憶なのに、懐かしく感じる。




あれ、は、

(亡くした筈の、)

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170 :阿近
2015/06/27(土)21:53:15




ふらふらしてたら珍しく人にぶつかった。
本当にふらふら、ただ呑気に歩いてただけ。
(それと夕餉の事を考えていたら、)


ああ、すみません、なんて言って、その相手を見たら、知り合いだったわけで。
その人は俺より優秀で、軽口を本当に笑いながら、本当にただの軽口を言って、ひらひらと手を振って去っていった。

…呑んでたのか?

ちょっと赤い頬が気になったが、どうでもいい話か。
とりあえずもう一度夕餉について思慮。




>----------------



優秀なあの人は、本当に優秀で。
あの背中は誰にも真似できないし、俺はしたくない。

でも、それは。
ある種の嫉妬と、羨望と、憧れ。

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171 :朽木白哉
2015/07/05(日)17:31:59




夕暮れ時。
思い起こす記憶。
自責の念。
憧憬の遭難。

誰そ彼。



>---------------



愛した記憶は、
過去の残像に。
夢物語の愛に、
自らの意味を。
孤独の希望は、
桜の蜃気楼へ。
傷口の痛みは、
刃の切っ先で。


標は喉元に、
いざ、参る。



>--------------


何故、溢れるのだろうか。
兄への気持ちは。
止めどなく、溢るる、雨の音。

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172 :阿近
2015/07/11(土)21:08:37






…暑い。


暑くて暑くて、暑い。
空は青くて、目眩がする程に青い。

溶けそうな日差し。
暑い。

遠くで聞こえる蝉の声。
更に暑い。


酷く、暑い。





>暑くて、酷く、懐かしさを覚えて。
>余計に暑くなる、阿呆。

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