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┗2668.Eine silberne Kette(50-54/143)

|||1-||||リロ
50 :石田雨竜
2010/08/22(日)20:14:57

少し前
夏の休暇を利用して、とある地の美術館へと足を運んだ。

有料ブースの一角に設けられた、一見何の変哲もないスイミングブール。
遠目からでも水面が陽の光を弾いてキラキラと輝いているのがわかる見慣れた風景。
一歩一歩と近づいて、プールサイドに立って初めてわかるこのプールの摩訶不思議さ。

覗き込んだプールの中、水底でゆらゆらと揺れる人々の姿───中には、此方を見上げて手を振る人も。
───これがL・Eの作品。

ずっと前に図書館の本と、少し前に偶然動画で見たこのプールに興味を持って、それがわりと近くで見られるようになったとの情報を得て足を運んだのだけれど、水族館好きの僕にはたまらない作品だった。

底はではどうなっているのかと移動して室内に入れば、今度は水底から水上を見上げる形に。
水上からはプール一杯に水が満ちているように見えるのだけれど、中は水色に塗られた、やはり何の変哲もない水を抜いたプールそのもの。
種を明かせば、実は天井に張られた透明硝子の上にほんの十数センチほどの水が張られていて、それがあの不思議な光景を創り上げているのだと。


決して広くはない室内。
それでもそこに佇んで水面を見上げ、覗き込む人々の姿をぼうっと眺めて過ごす時間───それは水族館でゆらゆら泳ぐ魚達を見ている時の感覚と近く。
今度プールに行く機会があれば、水底に潜って水上を見上げてみようと密かに決めて、その空間を後にした。




人は蒼穹に憧れ、海を懐かしむ。
海が記憶の根源に息づいているのは、羊水の記憶故かもしれないね。

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51 :石田雨竜
2010/08/25(水)22:12:41


>願いや夢があるならば、思うだけではなく言葉にして欲しい───

それはかれこれもう5年の付き合いになる彼が、彼を支える人たちに向かって口にした言葉。




夢を持ち、その夢に向かってただひたすらに努力して、一歩一歩踏みしめてきた彼が、幾つかの夢を叶え、叶えて尚満足せずに努力し続ける姿は、いつでも僕の中では賞賛に値するもので。
たった一つの想いを貫くことが、どれだけ難しく、どれだけ大切なことなのかを、いつでも彼を見ては実感してきた。

人の想いは、強いものだ。
死して尚その思念を残す場合もあるほどに。
けれど、言葉にすること───誰かに告げるでも文字に記すでも───それで想いは更に強くなる。
言葉にして誰かに知らしめてしまえば、逃げることも出来ず放棄することも容易くはなくなる。だからこそ、言葉にすることには勇気がいるけれど。

先ずは願うことから。
───そして更にそこから踏み出し、行動する努力と勇気を忘れずにいたい。

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52 :石田雨竜
2010/08/25(水)22:13:12


幾分かは涼やかな風も吹き、少しは暑さもましになったかという夜に、のんびり自宅への帰路の途中、ふと見上げた藍闇の空の中、青白い光を静かに湛えて浮かぶまぁるい月───


白い装束に身を包んだ異端の彼らは、その体のどこかに黒く丸い孔を持つ。
それは、彼らが失った大事な何かであったり、欲して止まない何かであったりで、いつだったか、太陽を覆い隠す月のようだと思った事がある。

闇に浮かぶ白い月、それはまるで空に空いた孔のようで。“白”の中に“黒”を抱える彼らとは真逆であり。
───では、あの月こそが彼らから抜け落ちたその“何か”なのか。


誰もが抱える心の中の闇。
その中にあって皓く輝くまぁるい月。
それは希望。
それは願い。
それは宝───その存在の持つ意義はきっと様々で。

月に魅入られるのも、それ故か。

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53 :石田雨竜
2010/08/29(日)08:10:04


たとえば

口にしたことは言わなかったことにはできないし、
行動におこしたことは、なかったことになんてできない。

気づかないふりができるほど器用でも薄情でもないし
かといって、総てに手を差し伸べられるほどできた人間である筈もない。


それでも


真摯に向けられる想いには真摯に
誠実さをもって接してこられれば誠実な心持で返したい。


仮想世界───たとえ扱う姿が同じ作中の人物であったとしても、それを動かし話すのは背後である人物。
同じ姿を使っても、その言動に表れる差は背後の人となりや解釈・感じ方・気性などによるわけで


電脳空間を隔てた先、相手にしているのは、自分と同じように日々を生き、感情を持った人間なんだと忘れぬように。

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54 :石田雨竜
2010/09/08(水)20:19:00


物であれ、目に見えない気持ちであれ、起してくれた行動だとか…自分ではない誰かが、自分の為に時間を割き、自分に向けてくれるものを感謝こそすれ、迷惑だなんて思いもしない。

向けられた気持ちに何か返したいと思うのは、僕個人は自発的に湧き出る感情。
そしてそれは、多分相手にとっても同じこと。

見返りを求めているうちは、まだまだ本当の繋がりなんかじゃない。


だから僕達は、こつこつと、時には不器用にのろのろと、最初は細く頼りない糸を、何度も何度も時間と回数を重ねて強く太く縒り合せていくんだ。

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