揺籃 - 覚書帳

綴一覧
┗2673.揺籃(21-25/118)

21 :阿近
2011/06/18（土）11:23:30

作業台に転がる数本の義歯、殆どが戦闘に特化した部隊の隊士用。

現世の駐在任務お疲れ様です！虚退治で歯が折れたり抜けるとは身体への負担も心労も絶えないですね。

…なんて労いは言えねえぞ、仲間内の喧嘩で折って帰るとは何事だ。
上顎、下顎に関わらず臼歯の取り付けは容易く終わる訳がなく骨が折れる。

暇な時間は苦痛だと感じる俺からすれば、専門の仕事が増えて手持ち無沙汰を免れるのは有り難い。
が、人が時間を掛けて作った物は丁寧に扱えと文句をひとつ、奴等に聞く耳は無いと知りながらも。

いや、待て…これはいい商売になる。

歯冠表面を覆うエナメル質を態とケチって脆い作りに、接合部分も緩めてやれば。

>『畜生、また折れちまったぜ！』

なんて禿げ

失礼、訂正、坊主の三席様の声が不思議と聞こえてきそうな気がする。
さて、早速局長にこの旨を伝えに行く前に。

衣替えで反物を買い込んでしまった貴方、ついつい晩酌や賭博が止めれない貴方。
そんな懐が寂しい皆様に技術開発局からお知らせが御座います。

肢体から採り、否。

取りたての上肢、下肢、眼球高く買い取ります。

臓腑優遇、今ならご足労の必要も無く施術台と執刀医が二十四時間いつでも何処でも伺います。

ご希望の方は十二番隊、及び技術開発局までご連絡下さい。

>飲兵衛
名前を挙げて頂き恐縮です、然し添えられた言葉が怪しいですね。
まぁ、危なくなる前に嬢ちゃんが止めてくれるでしょうが。

>虎小僧
これなら文句ねえだろ、反応ドウモ。

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22 :阿近
2011/06/23（木）22:00:01

可愛可愛は憎いの裏。

過度な情愛は憎悪に変わり易い、如実知見とした表現か偽りか。

どちらにせよ、貴女へ執着しない限り生まれぬ情である事は確か。

可愛い

つい口に出る、諄いほどに。
貴女の可愛らしさは程度が甚だしい、此の事実は変えられず。
俺は其れに対する言葉を抑え、堪え忍ぶ術を知らない。

だがこうも端的な言葉ばかりでは飽きられるだろうか。

普段ころころと変わる幼さを孕む面相、隣で寝息を立てると佳麗な眉目が顕著として浮かび上がる。

可愛い、より美的が相応しい。

何が言いたいのかと言うと。
有りの儘の気持ちを雄弁に物語る、俺には極めて難題である。

…あと三日か、数年前が懐かしい。

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23 :朽木ルキア
2011/06/26（日）00:00:18

丁度二年になるこの日に、この一頁をお借りして何を書き記そうかと悩むこと数日。
書いては消しを繰り返し気付いたことは難しく考えても上手くはいかないということ。
思い付くままに書きますので纏まりがないのにはご容赦を。

二年を振り返ってみて感じるのはまだ二年か、ということ。
もっとずっと長い間共にいたような気がするのは、あなたも言われていたように近くで寄り添っていたから。
それでも恋しく想う気持ちは衰えず、それどころか増す独占欲に少々戸惑いを覚えもする。

共にいるという事実は変わらなくとも想いは少しずつ変わっていく。
だが変わることは怖いことではない。

…先日、昔の蝶を眺めてみたら今との違いに少々驚きました。
まだあなたは私の名を呼ばず、私は今以上に堅苦しいように感じました。
そのときだって愛は確かにありましたが。

二年かけて築いた今の関係が心地よい。
そしてこれからもっと変化を遂げていくのだと思います。
とりあえずの目標は阿近の笑顔の回数を増やすこと。
時折見る柔らかい表情に弱いのです。

そして色んなことが変わっても傍にいれたら、そう思います。

阿近、これからもよろしくお願いしますね。
そしておめでとうのプレゼント、欲しいものがあれば考えておいてください。

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24 :阿近
2011/06/29（水）10:19:35

来訪に欣喜雀躍。

ぷれぜんと、何も買わず身体を熨斗紙に包んで布団の中で待機していりゃいい。

以下から別件。

あんたがあんたの心臓を語りたくねえ理由。
これを知った今も、捌くだのあの人に一瞬好奇を催した時も心配はしていない。
だがあの人の燦爛たる肢体を弄る資格があるのは俺だけだ、開きにするなんざ言語道断。

そして俺の五臓六腑が欲しければ惚気を聞かせろ、聞いた後に組織培養が出来るくらいの細胞はくれてやる。
喧嘩を売ってるんじゃねえ、また話してくれと懇請する。

>鯉
麩を携えて出向くべきだったか。
お前だと確信に至らないが、酷え描写を見せた上に通じねえ弁解を並べる様こそ恥を捨つものだったと此処からも謝罪しておく。

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25 :黒崎一護
2011/07/01（金）18:00:25

おべっか、上手く言えた試しがねえ。
言えたら世渡りも上手くなんのか？誰かに訊いてみてえな。

媚を売るために思ってもねえ言葉を並べたり、自分の気持ちを我慢すんのが心底苦手だ。
ガキ、思慮が浅い、自分本位って言われたら言い返せない。
きっと、どれも正解だから。

昔から単なる興味に留まらず、あいつにしか感じない恋とは違う好意を抱く対象が何人かいる。
その好意は憧憬の的であったり、友愛からであったり。
その人達に上手く、上手くいかなくとも俺の気持ちが伝わってンのか度々心配になる。

原因は自分でも解ってんだ。
前々から気になってた奴と話せる機会が出来ると、伝えたかった想いを全て隠さず言いたくなる。

男らしさに憧れてる、姿に合った達者な振る舞いを尊敬してる、人柄が好きだとか色々。

本音だから誉めてる気はねえけど、想いの丈を全てぶつけるのは良いときと悪いときがある。

特に知り合ったばかりの間柄とか、お互いに此処だけでの印象しかない奴とか。
そんな印象から生まれた好意を好き勝手伝える、これは自ら相手の信用を無くすような行為に近いかもしれねえ。

知りもしないくせに評価すんな、ってな。

でもさ、言葉からは優しさだけじゃなく人柄も滲み出る。
その魅力的な面が相手の人格を形成している一部、なら疑う必要もねえ。

思慮も疑心も足りないと言われようが、俺は俺のやり方でしか気持ちが伝えられない。

…で、結局はテメーの気持ちが伝わってるかよりも、相手の信用を失ってねえかが気になるチキンだって話。

だから真っ暗。

鶏肉は好きだ、でも自分がなりてえとは思ってねえよ…マジで。

こんな悩みに襲われてると、あいつへのメールまで何時間もかかる。
おやすみまでに送れるといいんだけどな。

>渾名
真っ暗な記事に書いて悪い。
かたすとろ、とか舌噛みそうなお前からも届いてっから。
耳聡い副隊長、以外も浮かんだら好きに呼べよってさ。
改めておかえり、あの日一番に言えた気がして嬉しかったぜ。

忙しそうなあいつにも、鬼への渾名が決まったか訊きに行きてえ。

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