僕が紅茶の方を好むから自然と影片もそうなったのだけれど。 ほんとうは水を汲むのもお湯をわかすのも面倒らしい。 この時期ひとりの時はココアなんてものを飲んでいると先日知った。 粉を湯で溶くあれだ。 純のものならばまだしも彼のあれは甘ったるすぎる。 少しは控えてもらえないものかね。 2020/0118 |
「今買い物に出ているのだけれど。」 #「ひとり!?ひとりで平気なん!?なんで言わ」 「それで君、ローズの香りとフルーツの香り、どちらが好みかね。」 #「んあぁ…?フルーツがえぇかな…?」 「ローズにしよう。」 #「聞いた意味あらへんやん〜!」 「君が何を好きか気になっただけだ。 それに合わせるとは言っていないのだよ。」 #「そういうとこやってぇ〜…。 #まぁ、そういうとこも許して #『えぇよ』って言えるのんもおれだけやぁ…♡」 合わせたら合わせたで調子に乗るだろう、君。 始末に負えないね。 2020/0117 |
言うことを聞かない。影片が。 まったく反抗的な人形だ。 意思を持ち始めた人形はいつまで人形と呼べるのだろうか。 と、真面目なことを言っているが…… 「勝手に唇を触れ合わせられる」 この一点についての話でね。 ひと言断ってからにしろとあれほど言っているにもかかわらず 突然なんの前触れもなくしてくるものだから 驚いてころげてしまいそうになる。 僕の死因はそれになるかもしれない。 2020/0116 |
#「ぷ、ぷちふーる?」 #「あ、甘いもんのことやった……。」 わざわざ聞きに来るから何かと思えば……。 フールなのは君だよ、馬鹿者。 2020/0114 |
生地の問屋でプチフールを求めても出てくるはずがない。 影片はそれに気づいているのか、いないのか。 いつまでも僕の周りを飛びまわったところで 純度の高い蜜は得られないのだよ。 造花……とも違うけれど。生花とも違う。 観賞用のプリザーブドのようなものだ。 甘い雫が欲しいのなら、相応の場所へ行かなければ。 君もわからずやだね。 相応の場所にきたと言われても……ないだろう。 待っていても期待には応えられないよ。 まったく愚かしい。 ……おいで。甘いものはないけれど、調律してあげよう。 2020/0114 |