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┗君はさよならを教えてくれない(10-14/24)

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14 :
12/09-08:32

> 私と戦士について

サーベルを持ち、槍を磨きなさい。
ありったけの油と石球を用意するの。
この手に勝利を掴むために。

あの頃私は確かに戦士だった。今もそうよ。大切なものを守るためなら剣を取ることも厭わない。私には誇り高い矜恃と、愛すべき家族と、積み重ねてきた歴史がある。
ああそれでも、傷だらけの身体は勲章だったのに、そんな肌をあなたに見せられないと思ってしまった。その瞬間は、いつ訪れたのだったかしら。もう忘れてしまったわ。

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13 :
12/08-21:31

> 不愉快な嘘つきについて

お前は盗っ人だよ。それも自覚のない、本当に困った奴なんだ。
誰も責めないためにはお前を神様にしてしまうのが一番手っ取り早かった。ひとは何かを奪われた時、そこに意味なんてなくたって、意味深な理由を作ってしまうものだ。奪ったのが信じる神であるなら尚更だ。
俺は今日も奪われた事に意味があると信じて、それなりに敬虔に生きている。労働と言う対価のある奉仕に歓びを感じながら、そこそこの株/価を維持するのに心血を注いでいると言うわけだ。

まったく、お前は、ほんとうにお優しい神様だよ。奪ったのではなく、その気もないのに押し付けられて。どう転んだって愛すべきやさしいひと以外になり得ない。
お前は神や天使や妖精ではないけれど、俺は大ボラ吹きの悪い男だ。お前を神や盗っ人にするのが面白くて、どうしたって馬鹿馬鹿しい作り話がやめられない。ああどうか見なかった振りをしていてくれ、素敵なレディ。

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12 :
12/08-17:49

> きみのきらめきについて。
家中のタンスをひっくり返しても希望なんて見つかりっこない、ふしあわせな十二月。最後の薬を飲まないことを決めたきみは、この世界で一番きらめいていた。
もう少し上手く絵が描けたら、もう少し上手く歌が歌えたら、もう少し上手く詩が書けたら、ぼくはあの日を、きらめきと一緒に永遠に閉じ込めただろう。無価値な創作の一ページとして。
手のひらからこぼれ落ちていくものの美しさにめまいがする。だからいつだって、ぼくの手は空っぽのまま何も掴まない。
もしかしたらこのペンも、ぼくの見る素晴らしく素敵なまぼろしのひとつかも知れないと、そんなふうに思うのだ。

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11 :
12/07-23:44

> きみは色んな姿になる。
バラの朝露だけを飲んで生きる蝶。寂れた街に立つのっぽな街灯。せりあがる朝日を受けて輝くブドウ畑。
ああそれよりも、寒い日に飲むスーパ・ロワニョン・グラティネの、焦げたチーズの隅っこなんかが、まさしくきみそのものって気分だよ。
俺はこれから先に出会う色んなものを、きみに重ねて生きるんだろう。きみがどんなに素敵だったかを生涯で確かめるように。

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10 :
12/07-23:17

> きみは俺のことなーんとも思ってない。
ちゃんと知っているよ。だって俺はそういうきみの事が好きだから。見えるのに掴めない、きみはまるで惑星のようなひとだ。ご覧、スケッチブックの最後のページに描いた、この真ん丸がきみさ。なかなか刺激的なラインをしてるよね。筆先に含ませるのは何色がいいかな?思い付く中で一番の、とびきり素敵な色で塗ってしまおう。俺のこのハートごと。
眠るきみにブランケットと、すべてをなかった事にする魔法の時計を。目覚めたら金色のネジを三度回しておくれ。それが優しいさよならの合図さ。

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