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┗448.そのひともじを

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1 :道/誉/一/文/字(刀/剣/乱/舞)
2025/04/10(木) 02:38



その一文字をあいと呼ぶなら、


半完混在 虚実混合 成人指定
閲覧自己責任 同性愛表現 

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19 :道/誉/一/文/字(刀/剣/乱/舞)
2025/05/10(土) 23:08



き掛けの頁。

おや、此処も認め始めて一月になるか。早いものだ、あの方と過ごしていると時間の流れは主観に大きく依存するものだと実感する。互いに戻ってからの時間は一瞬で過ぎ去り、離れている間は夜までが遠いと内番の終わりを待ち侘びる事すらあるのだから単純で笑ってしまうな。時間は誰にも等しく流れていると言うのに。
丁度一月前、あの方から貰った手紙を契機として日記を綴り始めた訳だが──まだこれを見せてはいないものでね。今月は俺から手紙を届けた。返書と呼ぶには随分と拙いものさ、あの方が綴る言葉の美しさには到底及ばない。それでも、ほんの僅かあの方の眦と唇が綻ぶのなら。パーフェクトだ、俺の目的は達成されたと言って良い。
「……うちの子がこんなにも可愛い」
それは良かった。利口な番犬の顔をしている甲斐もあると言うものだ。

もう少し綴る心算でいたが、そろそろ戻る頃だな。あの方が眠った後にでも書き足すとしようか。



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18 :道/誉/一/文/字(刀/剣/乱/舞)
2025/05/07(水) 15:02



くやこの花。

世に言うゴールデンウィーク、大型連休は昨日で終わったらしい。非番の回し方は各本丸ごと審神者の裁量に委ねられているが、我が本丸は比較的不規則だ。審神者が兼業であったり学生の場合は暦に合わせる所も多いと聞くがね。敵が曜日を選んでくれる訳でも無し、熟さねばならないノルマやタスクを考えると全員が一斉に休むよりは適宜非番をずらしてシフトを組んだ方が良いだろう、という主の判断さ。今朝はやっと政府が仕事を始める、滞っていた業務が片付くと喜んでいたな。まあ彼処はお役所だから仕方のない部分はある。

基本的に俺とあの方が組み込まれる部隊は別で、非番も運が良ければ重なる事もある程度のものだ。嬉しいサプライズ、と言ったところかな。それに別段文句は無いし、互いに為すべき仕事があるのは理解している。あの方は「駄々を捏ねる歳でもない」と笑いそうだな?まあ重なれば嬉しいがね、申し出れば便宜も図ってくれるお陰で時折共に過ごす時間は持てている。
──これは余談だが、俺もあの方もひとりの時間を好む質だ。どれ程好ましい相手が居ようと、それはそれとして自分の好きな事を好きなようにする時間を持ちたい。ゆえにひとりの非番は喜ぶべきものであって、残念に思う事もなければそれを潰してまで休みを合わせる真似もした覚えがない。それが今こうして揃って主へ調整を願い出ているのだから、変われば変わるものだ。その変化も愛おしいと思えるのは幸福だろうな。

さて、本題に戻ろう。常は俺が先に出るのでね、抱き締めている腕を解いて嫌々…不承不承……アー……名残を惜しんで、だ。褥を抜け出すのは俺の方だが、俺が非番であの方に出陣なり遠征なりの任務が入っている日だけはそれが逆転する。
その時、必ず何処かに口付けの痕が残っていると気付いたのはいつだったか。
可愛らしい真似をしてくれるだろう?動機は何なのか、直接訊ねた事も話題に出した事もないがね。恐らくは俺が寂しがるのを宥める為、もしくは自分も名残を惜しんでいると告げてくれる為のマーキング、そんな所ではないかな。
起きて腕の中にその温もりがない寂寥感が、あの痕を見付けた瞬間に少しばかり和らぐ。だから俺も最近は倣って痕を残して出る事にしていたんだが…今日は忘れたと出陣先で気付いて頭を抱えている。ウェイ、ウェイ。聞いてくれ。惜しまなかった訳ではなく、シンプルに寝顔を眺めるのに時間を取り過ぎた。それだけなんだ。
……帰ったら痕を付けさせてくれ、と強請るか…?いや、普段は勝手にやるのに突然どうしたと言われそうだな。やらかした。



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17 :道/誉/一/文/字(刀/剣/乱/舞)
2025/05/03(土) 03:01



を埋める。

ンー…畳むべきか迷う所だな。まあ少々の艶事に関して注意書きはしてある、不得手ならばこの時点で引き返す事を勧めた上でこのまま綴るとしよう。

人としてのかたちを保って日々を過ごしていても、俺の──俺達の、かな?その本質は刀だ。権力者の威勢を示す為のシンボルとなったとしても、武器としての矜持はどの刀とて大なり小なり持ち合わせているものだろう。
では武器とは何か。突き詰めてしまえば人を傷付け殺める為のもの、という事になるだろうねぇ。だからとは言わないが、敵を斬り捨てる瞬間。本体が肉に食い込むその一瞬。それにひどく高揚する。
恐らくこれは本能のようなものだ。そもそも俺は暴力は好まない質でね、誰かしらを痛め付けて悦ぶ趣味もない。…本当だとも。だからこそ、あの方に対しても溺愛と言って差し支えない振る舞いをしている筈だ。既に跡目を譲った隠居の身とは言え、軽々に扱って良い方ではないのも大きな理由ではあるがね。そんなものは後付けに過ぎない。俺は俺の愛しい花をいっとう大事にしたい、それだけさ。
そう、ほんの僅かもあの方を傷付けたくはない。大事に大事に囲って、どろどろに甘やかして。そう思うのは本音だが……もし、あの方に傷を付けるのならば。それは俺でなければ、とも思う。

例えば、口付けの痕。あれは傷に含まれるか否か。鬱血痕だ、外傷による内出血と大差ないと言えば情緒には欠けるがまあ、そうだな。これは山程残している。
では、噛み痕は?これは傷に近付く。痛みを与えているのも分かってはいるがね、困った事に嫌がられないのさ。歯牙があの滑らかな皮膚に食い込む瞬間、肉を断つのと同じ高揚に見舞われる。あの方が残った歯形を見て嬉しそうな顔すらしてくれるものだから、すっかり止め時が分からなくなってしまった。
それから肉を割って鋒を埋める、ならばもう一つ。今のところ物理的な傷は付けていない筈だが、これが一番〝本体が肉に食い込む〟に近いものだろうな。勿論、昂りはする。何よりもね。あの方の男士としての矜持を曲げる行為だ、興奮しない理由がないな?甘やかな声が俺を誘うその時、肉を貫く瞬間。ああ俺は刀なのだなと思い知る。この為に肉の身体を得たのだとすら。
結局のところ、大事にしたいと嘯くその口で俺は己をあの方に刻む事を強請っている。そう、それを赦すあの方を見るのが俺の楽しみでね。ハッハァ!こういう所が茹で上がっている、と言われる所以だろうな。



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16 :道/誉/一/文/字(刀/剣/乱/舞)
2025/04/30(水) 22:57



弁は銀、沈黙は金。

口数の多い質ではある訳だが、沈黙を嫌っているかと問われればそうでもない。時にそれは……特にビジネスの場に於いてはひどく有効な手段となる。黙っているだけで此方の要求が通るような事も儘あるのだから、使わない手はないな。
さて。恋仲にするならば沈黙が苦にならない相手を、というのはよく聞く話だ。成程、理に適っている。人の子の一生は短いようでいて長いものさ、その間ずっと喋り続けるという訳にもいかない。黙していても、共に過ごす空間に居心地の好さを感じられる相手を探すのが最善の選択だ。……と言いながら、俺とあの方の間に沈黙が居座る事はそう多くはないがね。俺にだけは言葉が溢れて止まらないと言ってくれるあの方同様に、俺もあの方へ言葉の雨を降らせている。それでも足りないと綴り始めた結果がこの場所だ、黙っている暇は然程ないのさ。

言わぬが花、とも言うがねえ。俺のあの方は解語の花だ。言葉を解し、会話を楽しめると分かっていてそれを愉しまないのも勿体無いだろう。互いによく似ているがゆえに心情を予測するのは容易いが、だからとそれに胡座を掻くのも違う。
言わなくとも分かる事は幾つもあるが、言わなくとも分かるから何も告げなくていい、なんて事は一つもない。
これは俺があの方と過ごすようになった当初から掲げている心掛けのようなものだ。少しの齟齬も生みたくないのでね、リスク回避とも言う。僅かな不安や疑念ですらあの方の心に芽生えさせたくはない。俺の腕の中を絶対的な安全圏として過ごして頂きたい。黙するのはそれが完成してからでも良いか、とそう思っている。それに、分かっていても聞きたい言葉も多いものだ。……愛しい声で紡がれる睦言であるとか?
今の所は、俺の腕で眠る姿を見ている時に黙るぐらいで丁度良い。その時ばかりは俺も、可愛いを呑み込むことにしている。



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