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┗1037.飛びだせ、シーチキン!(背後透)(7-11/16)

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7 :赤司征十郎
2018/01/31(水) 19:05




ああ、ほら。やはりオレの勘は当たるんだ。

シーチキン……どこに行ったんだ。





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8 :赤司征十郎
2018/01/31(水) 20:39




気配が、無い。呼んでも近くにシーチキンがいないのが分かる。普段よりも少し遅めに帰宅をすれば玄関先で静江さんが控えめにオレの名を呼んだ。最近になって漸く征十郎さんと呼び方を変えて貰ったはずが…良くない事でもあったんだろう。加えてこの胸のざわつき…何を告げるのか、もう分かっているよ。

シーチキンが呼んでも、もう来ないと。昼の大きな黒猫がここ最近居座って、シーチキンがこの辺り一帯に寄り付かないと言う。それですぐ居なくなるのか。ましてや用意した餌も食べられてしまったとあっては…。気付けば家を出てオレが付けた名前を呼んで辺りを捜す。拭い切れない苛立ちに喪失感、絶望…焦燥感に駆られる。喉の奥で何かが貼り付く、焦りと困惑で首から鎖骨にかけて剥がれ落ちて行く感覚。オレが呼んだらおいでと、あれだけ教えただろう?
心が、冷えて行く。焦る衝動。冷えた空気に胸が苦しい。スーパーブルーブラッドムーン…満月の月明かりはこんなに明るい。何でこんな日に居なくなるんだ。

まぁーん、と…鳴いて返事を。いい子だから…シーチキン。




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9 :赤司征十郎
2018/01/31(水) 22:15



どこに行っていたんだ、土埃だらけのその体で。まぁーん、と鳴いて強請る声。わかってる、欲しいのは餌だ。切ないけど良かったよ。


オレを寒空の下、走らせるのはキミだけだよ。




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10 :赤司征十郎
2018/02/02(金) 20:17

世界がキミに微笑んだ!


オレは笑えないが。

門の横で聴き慣れた甘えた声。出迎えか?、お利口さんだね…いい子だよ。とても。
愛らしく持て余したそのボディ。
オレがその場で屈んでシーチキンおいでと呼べば、まぁーんと返事をする癖に、来ない。
へえ……。再び先程よりも優しく穏やかにおいでと二度目の呼びかけをすれば、また返事をして近寄って来た。足に体を擦り付けて来る。シーチキン寒いだろう、冷えてないかと心配しつつ撫でてやれば体はとても温い。ずっと撫でて欲しいのかマーキングなのか分からないが懸命に体や頭を足に押し付けて来る。そのまま冷えた地面にごろりと寝転がる。犬の様だ。
おや…良く見ればお腹の辺りに茶黒色のポケットの様な模様があるのか。何度も撫でてやれば手にじゃれ付いて来た。
その瞬間サクッ、とシーチキンの爪がオレの右手首に刺さった。左手には噛み跡が。

愛が痛いよ。だから笑えないけど笑おうか。

追記。
静江さんが炊飯器のボタンを予約と保温を押し間違えるのはこれで何度目だろう。



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11 :赤司征十郎
2018/02/03(土) 06:19

世界もキミに微睡みを!


朝の5時20分、外から餌を強請る声。更に早い時は朝の4時過ぎ頃。活発だな。オレもつられて起床が早くなる。硝子戸を開けて朝日を浴びて少し湿る空気を感じるのが好きだ…と同時に床の冷たさが足の裏からも熱を奪っていく。その場に屈めばシーチキンが膝の上に乗りたいのか、身を乗り出して来た。ああ…仕方ないな全くと、思考も起き抜けのオレは膝に乗る存在がただ可愛い。そのごわついた毛も雄なのに子猫の様に甘える声も全てがキミ。朝の逢瀬の後にシャワーを済ませて戻れば、まだ硝子越しのキミにもう一度おはようの挨拶を。
キミは今日も変わらずに鳴いてオレを呼ぶ。呼ぶのか呼ばれているのか本当はどちらだろう。

今日もキミがいる。おはよう、シーチキン。



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