苦手な物からは逃げるのが一番。
逃げた先に将来困り果てる事は解り切っている癖に、立ち向かう勇気も受け止める度胸も無いから目を逸らした。こうして数年後の現在、オレはいっそ首でも吊ってやろうか何て笑う位には弱ってる。自業自得、因果応報だ。最近出来たカフェの店員さんがタイプできっと運命なのだと信じてるから未だ死ねないがな!
時折誰かに会いたくて、でも一人で居たい気持ちになる。全てを投げ出したい気持ちと寂しさの板挟み。大体こう言う時は一日携帯を捨ててボーッとしとけば何とかなる。大丈夫。
なあ、ところでさ。もう終わり?
ゆらゆら、揺れる。
罪悪感に潰されて、伝えてしまった。
「安心した」何て狡いじゃないか。隠し通した事に、欺く事に申し訳無くなって、つい口を開いてしまう。
でも世界は案外優しいらしい。「御免、」「ええよ、聞かせてくれただけで嬉しいわ。おおきに」って笑う。優しいのは知ってたけど、驚いた。ちょっと鼻奥がツンとした。
それからはずっと心配された。嗚呼、嫌だ。こう言うのが嫌なんだ。申し訳無い。何度謝っても「気にせんとって」「迷惑は掛けてええんやで?」「お前の力になりたいやん」って返ってくる。それが尚更申し訳無い。御免、御免。面倒臭いよな、御免な。もう大丈夫だから。
こんにちは、胃酸。
大雨に見舞われてる。
お陰で講義は休み。予定も飛んだ。久し振りに会える友達だったのに、来週に延期だ。暇を持て余し過ぎて逆にどうしようか。こんな事なら弦を張り替えておけば良かった。
バイトに行きたく無いと駄々を捏ねる今吉が少し面白い。何時もは立場が逆なのにな。「頑張れよ」「しゃーなしやで…いってきまーす」「、いってらっしゃい」バイバイじゃなく、いってきますといってらっしゃいで終わる通話に少し驚いて。照れた。クソ、馬鹿みたいだ。一人暮らしをしてたらそんな台詞使わないんだよ。ましてやこの天気だぜ?気圧にやられてる。だから、その。何だ。
遠いのに近い、錯覚する繋がりを。
情緒が狂ってる。
仕方無い、嗚呼、仕方無いさ。そう言う時だから。でもそんなの関係無い。重たいだろ、そのバケツ。御免。オレが言葉を呑み込めば、水は増えずに済んだのに。何時もは吞み込める筈なのに、どうして今日に限って吐き出したのか。浅ましさと狡さが汚らしい。悍ましい。そして結果は此れ。滑稽だ。未だ安酒煽って布団に潜る職無しニートの方が幾分マシかもしれん。比べる話じゃ無いけれども。嗚呼、そんな所まで嫌いだ。骨の髄まで腐ってる。臭い、臭う。
嗚呼。もう、大嫌いだ!
少しだけ、期待してるんだ。
もしかしたら彼奴が気付くかも知れないって。でも有り得ない。何年前だ?あれから大きく変わったよ。オレは制服を捨てた。身長は変わらなかったけど大人になった。会いたいとは思わない。只、すれ違えたら良いのに。
実は何回か出会えてたんだよ。気付いた?オレは気付いた。気付いて、近付いた。もう当時の記録は残ってないから定かでは無いけれど。でも、御免。また怖くなった。あれ以来出会えてない。探そうかとも思ったけど話す事何て無いだろうし。オレは、そうだなあ…取り敢えず謝らせてくれ。嘘を付いて御免。逃げて御免。傷を付けて御免。
オレ達はきっと似た者同士で。依存先を求めていたんだな。愛が重くて、その重さに逃げられる事を恐れて、互いが先に逃げ出した。馬鹿馬鹿しい保身の弱虫。それでも愛おしい。愛おし、かった。この世界で一番愛したのは、きっと先にも後にもお前だけだよ。
瓶に詰めた、リグレットメッセージ。