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┗1622.玉散る刃の巡恋歌(161-165/186)
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リロ
161 :
藍染惣右介
2012/03/15(木)23:27:22
孤独感とは何時何処で感じるのだろう。
生まれた時から孤独しか知らぬ人間は、喪失感さえも失っている。
失う物が無ければ、其れに伴う哀しみや憂いといった感情も知らずに育つ。
知る機会にすら恵まれず、喜怒哀楽の代償として得る罪の意識にも苛まれず老いて逝くだけだ。
以前の私は、其のような生き方は詰まらないと考えていた。
組み敷く者が居れば、組み敷かれる者が居る。
世は、常に強者と弱者に分かたれており、己は必ずや強者の側に属していると自覚していた。
然し、永久の監獄から見える真の闇を前にして、今更ながら自責の念を感じるのだ。
闇の闇に呑まれつつ、初めて私は後悔という気持ちを識った。
起伏無き生命など無意味だと感じていた日々が、どれ程に愚かで如何ほどに恵まれていたのか。
私が得ようとした力など、何ら意味の持たぬ物だったのだと知って仕舞った。
人は忘れなければ生きて往けず、人は忘れる事で生き続ける。
其の存在を忘れられるのを最も恐れる癖に、忘れる事でしか其れを証明出来ない。
愚かで哀しい生き物相手に、
此の私が本気になるべきでは無かった。
そう、思わないかい?
── 無明 ──
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162 :
朽木白哉
2012/03/20(火)00:16:55
得られぬ哀しみに打ち拉がれる位ならば、潔き降伏の旗を掲げるべし。
然すれば、汝、純白の御旗を闇に染める術を知る事になろう。
まこと恐るるべきは深淵に潜む悪鬼にて、自ら対峙したる閻魔は其の影にしか過ぎぬ。
見極めが利かぬ理性を以って、玉散る刃など奮うべきではなかろう。
傷付くのは貴様では無い。
貴様の真に護りたき者を、貴様自らの牙で喰い千切る事になる。
何故其れが解らぬのか。
斯様にも稚拙な道理が解せぬうちは、傲慢で怠惰な眠りに耽るがいい。
万年の惰眠を貪り給へ。
── 道化師ノ夜 ──
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163 :
志波海燕
2012/04/07(土)03:09:13
指先から零れちまう詞達は、何を求めて何処へ逝くんだかな。
俺自身でさえ行先なんざ不明で、ぐるぐる廻ったように見えるセカイん中を、更にぐるぐる周る燕が見えた。
まるで、左様なら、と。
別れを続けるが如くの仕種だけを残して嘘みてえに晴れ渡った昊を、俺は唯々見上げるだけだった。
夢かとも考えたが、確かに其れは現実だった。
イヤ、現実だったと、単に俺が思い込んでるだけかもしれねえ。
其れでも俺には夢とは到底思えねえから。
詰まり、
信じたモン勝ち。
俺は、俺だけを信じて進めばいい。
易いハナシじゃねえか。
オマエが好きだ。
そう、簡単に伝える事が出来ねえ俺が悪いんだろうよ。
── 望月 ──
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164 :
浦原喜助
2012/07/11(水)01:06:32
そうか、あの時もこんな風に迷ってたんでしたっけねえ。
急に降って湧いたような話にアタシは動揺した。
何かを教えるとか、誰かを育てるとか。
アタシみたいな人間には不向きなんス。
裏の無いハナシなんて面白味に欠けるでしょ。
セカイを動かしている気で居たいじゃありませんか。
喩え其れが夢幻だとしても、
喩え其れが単なる思い違いだとしても。
損得勘定だけで選びたく無いんスよ。
…なァんて。
矢っ張り商売下手だな、アタシ。
── 下弦ノ月 ──
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165 :
志波海燕
2012/07/25(水)01:30:41
知りもしない未來を語り、叶いもしない永遠を約束する。
愛の証だとばかりに繰り返された其れが、今の俺には酷く滑稽に…イヤ、哀しく思えるのは何故だかな。
真っ直ぐな鋒で、俺の胸を抉られているような錯覚すら憶える。
長く広い溝は其れこそ永久に埋まる事は無え訳で。
廻るセカイのド真ん中で、俺は一人斬魄刀を振り回す。
斬りてえモンは一つだけ。
欲しいモンも一つだけ。
だが、一つは二つで二つは一つ。
三つになることは無えけど、七つになったりはする。
さァて、何だ…って、まるで謎々みてえだが。
一寸だけ。
頭を空にさせて欲しい。
外界から遮断されたセカイで、俺は。
カラッポな頭使って考えてえだけだ。
逃げてえ、と。
嘆いていたオマエの気持ちが少ォしだけ解った気ィする。
── 若月 ──
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