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119 :
朽木白哉
2010/12/17(金)00:06:44
吐く息が白い。
緩やかに訪れる寒さも漸くとらしさを取り戻し冬の本領を発揮しているように思う。
冬の空はその澄み切った月の光が美しい。
冷えた外気を纏って凜とした月光を帯びる空が好ましい。
遠くに在りし愛しいお前も見上げているのだろうか。私の見上げるこの空を。
寒い夜こそと悴むお前の大きな手を
私が包んでやれたならどれ程倖せか。
如何なる夜も
如何なる距離も
心に想わば何の障害にもなりえまい。
>謎かけの解を知るのはまだ先のこと。
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120 :
朽木白哉
2010/12/21(火)12:25:23
直に何処ぞ誰ぞの生誕祭。
名以外知らぬであろう誰かの誕生をこぞって祝い、喜びその誰か知らぬ者にではなく己の大切な者へと贈り物を渡すなど幾分奇妙な話でもある。
かく言う私もそのしきたりを受け入れこの矢鱈に尖った木に飾り付けとやらを手伝っている。
(補足として、この木には短冊では無く足袋を吊しておくと良いらしい。現世の文化とは理解を超える、とつくづく思う)
否、ルキアが望むのだから良い。
愛らしい義妹の作った秀麗な白い兎の人形にならい、白い髭を蓄える赤い小太りな男の衣服を纏った白髭大使をその傍らへと吊り下げる。傍らで幸福そうに微笑をたたえる義妹の表情は遠き日に残る緋真の其れを思わせる程穏やかだ。
緋真、お前も此処に加えてやらねばな。後程薄桃を帯びた姉兎を、この傍らへと寄せるとしよう。この妹兎も喜ぼう。
気掛かりなのは紅い犬の事。
目の届かない場所で今尚多忙に追われているであろう彼奴も、元気にしているのだろうか。
報告の任を怠っての事態は我が隊の次席を担う者の行いとして許し難いが私はお前が息災に居てくれれば、それで構わぬ。
寒さも徐々に厳しくなりつつある。
何は風邪を引かぬというが、体調など崩してはいないか。
煩わしくとも手洗いうがいを欠かしてはならぬ、汚れた手で鯛焼きをつまむな。
疲れを溜めていないか、よく食べよく眠るように。それから、選り好みせず野菜もきちんと食さねばならぬ。
少しばかり口煩い事くらい許せ。
頑張り屋を部下にもつと気苦労が耐えぬ、莫迦者。
元気でいてくれ。
―――
少しだけ、宛てる。
何人かの者に心配をかけてしまったようだ、申し訳ない。
心配をかけた手前、こんな事を言うと叱られてしまいそうだが私や恋次は人に恵まれているとつくづく思う。
見守っていてくれて有難う。
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121 :
朽木白哉
2010/12/25(土)00:01:33
色々と用意をしていたら大切な『いぶ』、とやらの日付を逃してしまった。
雪すら降るというこの冷え込み、昨日は比較的暖かだったというのに、気温の落差故に体調など壊しておらぬか心配が残る。
とうとう、今年のくりすますとやらを共に過ごす事は叶いそうに無いが、悲観などする必要はあるまい。
焦る事も無い。お前が私の傍らに、私がお前の傍らに居られる事が何よりも幸福であり、私とお前が共に歩み紡ぐこの道が、この軌跡こそが最高の奇跡。
ありがとう恋次、
これからも宜しく。
私の蝶の羽音がお前の眠りを妨げていないか、それだけが気掛かりだ。
おやすみ、私の可愛い仔犬。
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122 :
朽木白哉
2010/12/29(水)20:21:09
寂しいとぼやいてみても、
無精だと毒吐いてみても、
行き着く先は『愛している』のひとところ。
どう足掻いてみても最早お前の他を見れぬところが悔しくてたまらぬ。
帰ってきたら頭髪がもげる程愛でてくれる故覚悟するがいい。
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123 :
朽木白哉
2010/12/31(金)22:57:27
>宛てぬ、兄等へ
待つ事の寂しさや虚しさに、共感し、激励する言葉を様々な場所で見つける事がある。
勿論それらが私に向けられているのかなど到底解りもしないがそれでも、己に響くその言葉に心を穏やかにする事ができる。
私も敢えて宛て名を儲けぬ儘でいい。
有難う、どうか、私と彼奴を見守っていて欲しい。
兄等の道に、輝きがあらん事を。
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