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16 :
朽木白哉
2010/03/22(月)02:05:44
とある綴りの話。
今はもう削ぎ落とした数頁。
不安、疑心暗鬼、暴言、自卑。
醜い言葉を綴っていただろう、傷付けただろう、失望させただろう。そんな下劣な言葉を吐き散らしたそれをお前に見られていたと知った時、何にもたとえられ無い衝撃を受けた。
酷く狼狽した私に届けられたのは、其れすら受け入れるという彼奴の強い覚悟と心。思わず零れ伝った液体の意味を文字として綴るには事足りず、お前に宛てて伝える事すらままならない。ただハッキリしているのはお前が私に伝えてくれたこと、私の穢れから目を逸らさず受け入れてくれた事を私自身が嬉しいと感じたことだった。
…お前と一緒にありたい・共に倖せになりたいという想いが溢れて、言えどもそう単純な想いでも到底無く言葉を知らぬ己を悔いるばかりで。恋しい恋しいと啼けども心は満たされぬ儘乱れるばかり。
>三月二十一日。
お前の伴侶になりたいと、
今までずっと口にする事を避けてきた、否、恐ろしくて口にする事が出来なかった願望を言葉にした。臆病な私にお前は言ってくれたな、『二人で永遠を見つけたい』と。
…そうだな。二人で倖せな永遠を見付けよう、まだまだ先は長そうだ。お前ともっと恋がしたい。もっともっと恋をして、お前の全てを受け入れたい。私も逃げずに想いの全てを此処に記して綴っていくから、お前の心に応えるから。
二人で一つになれるように。
愛している、私の可愛い子。
私の心。
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17 :
阿散井恋次
2010/03/23(火)21:00:05
此間の日曜日、久し振りに朽木隊長の邸に行った。
本当に何ヶ月振りだろうって感じで、何時も俺を出迎えて朽木隊長の自室迄案内してくれる遣いの爺さんと話が弾んじまった。
あの爺さんは何時もニコニコしてて優しいからつい色々話しちまうんだが、其れを朽木隊長に話したら一寸機嫌が悪くなっちまった。
…如何やら自分を差し置いて爺さんと話が弾んだ事にヤキモチを妬いたらしい。…んな事でヤキモチ妬いちまう朽木隊長が可愛い。
朽木隊長の自室は相変わらず綺麗で、畳の匂いが心地良い。
縁側に腰を下ろし黒猫の朧と共に夜空に浮かぶ白い月を眺める朽木隊長の横顔が、酷く綺麗に見える。
こんなに愛しい恋人が、俺を待ってくれている。其れだけで嬉しいのに、俺の霊圧を感じた隊長は立ち上がり此方へと振り返り俺の名を呼び乍ら出迎えてくれる。
そんな些細な事すら倖せに感じて、俺は足早に隊長の元へと駆け寄り、華奢な身体を抱き締めた。
朽木隊長を抱き締める、其れだけでこんなに倖せに感じた事が今迄あっただろうか?
もう何度も何度も抱き締めて、何度も何度も接吻を交わし、そして幾度と無く身体を重ねた。
でも、此の日は俺も隊長もお互いの身体に触れる度に鼓動が高鳴った。
特に朽木隊長は凄ェ緊張してたみてェで、触れた心臓はドキドキと早鐘を打ってたし、珍しく言葉でも其れを伝えて来てくれた。
正直、凄ェ可愛いと思った。俺が触れる度に反応してくれる隊長が酷く可愛らしくて、俺は隊長を翻弄する。
翻弄すればする程隊長は顔を紅潮させ乍ら甘い声を上げ、艶かしく身を捩る。
俺は本当に倖せモンだと思う。
アンタの笑顔が見れて、声が聴けて。其の上俺の手によって乱れる姿迄見れるなんて…本当に凄ェ事だと思う。
隊長と過ごす一刻一刻が、其の一つ一つが凄ェ大切で凄ェ倖せだ。
『永遠』なんて本当は無ェのかも知れねェ。
だけどそうやって一つ一つを大切にする事で、ゆっくりと二人で進んで行く事で、フと気が付けば『此れが永遠なんだ』と思える様になれば良い。
其れが俺達の歩み方だと教えられた、二人だけの静かな夜だった。
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18 :
朽木白哉
2010/03/26(金)02:13:52
昼も夜も意味無く裸で寝転がり、
他愛ない言葉を幾度も交わし、
眠くなったら瞼を閉じる。
腕に抱かれる幸福に溺れ、
擦り寄る肌の温もりに火照り、
綻ぶ頬に手を触れ唇を重ねて合わせ。
夢の君に焦がれ、現の君に思慕を抱き
昼の陽気に君を想い、宵の艶に君を重ね
揺れる火影に君を映し、結ぶ波紋に君を見た。
>寝ても覚めても君を想う
今 君が私の名を呼んだ。
其れだけで心は満たされる。
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19 :
阿散井恋次
2010/03/27(土)01:34:53
閨中で紡がれた朽木隊長の言葉。俺は其れに酷く驚いた。
『恋次の伴侶になりたい。』
今迄隊長は、そんな言葉は一度たりとも言った事は無かった。
若し言ったとしても、本気では無く冗談っつーか心底から出る言葉では無いのだろうと俺も解ってた。
以前、現世の教会で俺が手作りのさっかーぼーる型の指輪を贈った時も、隊長は本当に凄ェ喜んでくれたけど、やっぱり心の何処かでは伴侶となるのは未だ早いんだって解ってたんだろう。
勿論、俺達は男同士だから本当の伴侶…つまり、夫婦にはなれねェ。俺達死神世界では同性の結婚等許されてはいねェからな。
だけど、『伴侶』っつーのは『一緒に連れ立って行く者』と云う意味合いもある。結婚云々以前に、『本当に大切で無くてはならねェ存在』っつー意味合いも兼ねてるんだと俺は思う。
だから、『結婚していますか?』と聞かれたら答えは『ノー』だ。
でも、『伴侶はいますか?』と聞かれたら即答で『イエス』と答えられる。
結婚なんか出来なくても良い、籍なんか入れられなくても良い、子供も出来なくたって良い。
アンタが居れば、何も要らねェ。
何時か来る別離に怯え、『伴侶』と云う言葉を頑なに呑み込んでいた朽木隊長があの晩告げてくれた。
嬉しくて、倖せで、胸が温かくなって。
でも其れ以上に『もう絶対に此の手を離しちゃいけねェ』って、気が引き締まる想いがした。
喧嘩をする度にそう思ったけど、今回は思うだけじゃねェ。今度こそ口だけじゃ無く実行すると云う決意をした。
此の決意を胸に、ゆっくりとアンタと歩いて行きてェ。ずっとずっと将来、気付けば互いが最高の伴侶だと思える様に。
『恋次の伴侶になりたい。』
突然過ぎるアンタからのプロポーズ、俺からの答えは勿論
>『有難う御座います。』
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20 :
阿散井恋次
2010/03/28(日)15:59:18
昨晩、朽木隊長と一緒に桜の花見をした。
梅の花同様、此処で桜の花を二人で眺めるのは此れで三度目だ。
今回はお互いの手料理を持ち合うって約束だったから、愛する人の手料理が食えるのを凄ェ愉しみにしていた。
桜園迄行く道程、俺は確りと朽木隊長の手を握る。
デートの度に手を繋いで離さねェって餓鬼みてェだけど、肩を抱くより指を絡めて繋ぐ方が何か好きだ。
俺がギュッて圧を篭めて繋いだら、朽木隊長も其れに応える様に握り返してくれる。其れが凄ェ嬉しいんだ。
見る度に何時も感心する程デカイ此処のホテルの中にある庭園に着いた俺達は、其の美しさに目を見張った。
満開の桜。
薄桃色の花弁が白い月明かりに照らされて、蒼白く浮かんでる。
春風が吹く度に無数の花弁が舞い散って、まるで千本桜を身に受けてるみてェで…一寸怖かった。(笑)
…なァんてのは冗談だが、そんな桜吹雪の中俺の手を解き先立って歩む朽木隊長の後姿が凄ェ綺麗で見惚れちまった。
花弁と共に宙を舞う長い黒髪が、俺の心を揺さぶる。…凄ェ好きだなァって、実感する。
木製の長椅子に腰掛けた俺達は、約束していた互いの手料理を披露する事に。
隊長が作ってくれたのは、花見には定番のおむすび。鮭の解し身を混ぜた物と海苔を巻いた塩結びで形は俵型だ。
本当は三角のおむすびを作るって言ってたんだが、手料理なんざ殆ど作った事の無ェ隊長には如何やら難しかったらしい。
『三角は、出来なかったのだ…。』と凄ェ悲しそうな表情を見せる隊長。…か、可愛い…!
俺にとっちゃ、隊長が作ってくれたおむすびってだけで嬉しいのに、形にも拘ってくれた隊長が凄ェ可愛く感じた。
しかも、其れを食った俺が『美味ェ!』って褒めると直ぐに何時もの強気な隊長に戻って、『当然だ。』って。…此の人、マジで可愛い!
俺の事になると普段無表情な隊長が、凄ェ解り易く一喜一憂してくれる。こんなに嬉しい事は無ェ。本当に俺は倖せモンだ。
二人で一つのおむすびを食い終わり、フと俺の指に付いた米粒を見詰める隊長。
次の瞬間、其の形の良い唇に指先が吸い込まれる。
気が付けば、隊長が俺の指に付いた米粒を舐め取っていて、俺は其の妖艶な姿にまた心乱される。
此の人、態とやってんのか、其れとも天然なのか…兎に角男が好きな人にこんな事されて我慢出来るかっ、堪らん!
だけど流石に外で押し倒す訳にもいかず、隊長の唇に俺の唇を押し当てる事で何とか我慢。…朽木白哉、恐るべし。
今度は隊長が俺の手料理を食いてェと強請って来たんで、りくえすとされていた唐揚げを取り出す。
弁当箱から唐揚げが取り出される間、口を開けて待ってる隊長が可愛い。…マジ、天然。
箸で唐揚げを摘み上げて、所謂アーンで食わせてやると隊長の口がもぐもぐ動く。…可愛い。
美味そうに、でも上品に食う朽木隊長と見ると俺も自然に顔が緩んじまった。
そうこうしている間に夜も深くなっちまって、風も冷たくなって来て一旦俺の部屋に戻る事に。
未だ未だ朽木隊長の作ったおむすび味わいてェし、隊長とイチャイチャしてェしで短い時間だったが花見は終了。
少しの時間でも隊長とまた此処に来れて良かった。
今度は六番隊舎の中庭に咲いてる桜で、隊員達と一緒に花見しましょうね。
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『慣れに甘えてたみたいだ。』
其の言葉に酷く共感したっつーか、俺自身も感じた言葉だったから一寸反応。
俺も少し前迄はそうだった。朽木隊長が傍に居る事が当たり前だと思ってたから。
だから其の言葉を見て、また身の引き締まる思いをさせて貰った。有難う。
七冊目おめでとう、其処迄長く続けるって凄ェなァ、と素直に感心。
『第一号』の俺より。
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