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┗2746.Oscuridad(11-15/174)

|||1-||||リロ
11 :ウルキオラ・シファー
2010/09/07(火)21:40:01






眼に視えぬ内面を言語化するのは容易く無い。

恋情となると、尚更そう思う。







いっそ、胸を引き裂いて視せる事が出来るのならば良いのにと。

其んな事を考える。

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12 :ウルキオラ・シファー
2010/09/08(水)07:40:56






稲光が天を裂く様子は、
太刀筋によく似ている。

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13 :ウルキオラ・シファー
2010/09/11(土)19:43:26






其処は常闇。
何時も雨が降っている。



無意識の最深部。



重苦しく密やかで、異質な気配を感じるのも常だ。


其れは現身を得た闇。

金の眸に射竦められる。







「お前は誰だ」







互いに放つ同じ科白が、合わせ鏡の様に内で乱反射する感覚に、
何時も激しい眩暈に捉われる。

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14 :ウルキオラ・シファー
2010/09/12(日)19:49:34






恐怖は二つに大別出来る。



一つは本能から生じるもの。
もう一つは、制御可能な不要なる恐怖だ。



建設途中の建物の高層で鉄骨の上を渡らねばならん状況ならば、ヒトは誰でも恐怖する。
落下する危険が実際に在るからだ。
其れは防衛本能から生じる、当然の反応だ。

だが、四方や足元を強固な硝子で囲まれ安定している構造であったとしても、幾重もの安全策を講じて完成した建造物の内側に居る場合でも、自らが高所に居るというだけで大概の連中は恐怖する。
実際に落下する危険など皆無に等しいと言うのにだ。




恐怖の殆どは後者だ。

其の恐怖は何処から生じているのか、其れは真に怖れるべきものなのか。
冷静な判断さえ出来れば、制御するのは容易い。














剣を振るうのは二つの恐怖の鬩ぎ合いであり、剃刀の様に薄く危うい其の境界線上で安定を保つ行為だと俺は考える。



一振りで容易く命奪う器物を恐怖するのは本能だ。
だが、制御可能な不要な恐怖も此処では必要となる。



喩えば鍛練の為の広間で剣を振る時に、恐怖が無ければ如何なるか。
間合いの目測一つ誤れば、傍らで同じ様に武器を振るう同胞の四肢を斬り飛ばす危険も充分に有り得る。
手許が僅かに狂うだけでも、己が器物で我が身を裂く。
可能性はゼロでは無い。
恐怖しないという事は、其れが想像出来んという事だ。



己の間合いや力量、其の威力や殺傷力を把握していなければ、制御する事など出来はしない。

其れは本来不要な恐怖さえ網羅した上で、其の恐怖を完全に制御する事と同義だ。







恐怖しなければならず、
同時に恐怖してはならない。

俺はそう考える。

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15 :ウルキオラ・シファー
2010/09/14(火)22:17:14






偶然とはいえ、初めて邂逅した日から丁度一ヶ月後に、互いの間に蝶が行き交う様になった。



あれから一年経つ。



最初の蝶は、二回目の手合わせの前に俺から飛ばしたのだったな。
其の機を意図した訳では無かったが。

翌日俺の許に返ってきた蝶に託された言葉は、今改めて聴いてみても、如何にもお前らしい科白だ。


勝機が無かろうが其んな事は微塵も関係無いと。
絶対に諦めないから覚悟しておけと。
確か、ブッ潰してやるとも言っていたな。


今でもそう思っているか?







互いに抱え込んでいるものが在った。

互いに眠りが浅く寝付けぬ夜を過ごし、腹の内を吐露する内容の蝶が緩やかに行き交う内に、気付けば夜明けを迎えた事も一度や二度では無かったな。








あの頃の、浅い眠りが今では嘘の様だ。

安心しきっているからだろう。
休暇の日でさえ、穏やかに微睡む時が増えた。

隣で寝息を立てる無防備な様子を視ると、お前も同じなのだと思う。







穏やかな時は、何時もお前と共に在る。
お前と共に居られるから、穏やかな時を過ごせるのだ。



──…未だ勝負を諦めて居ないのならば、虚閃の爆煙と轟音に塗れた時間も、無論共に過ごしてやるがな。

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