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┗240.【保存】You knows how to captivate me.(119-123/158)

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123 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2021/12/05(日) 09:46


着信音のつんざくような五月蠅さが耳に刺さる深夜1時46分。
電話口の不協和音。君はほんとうにおしゃべりが下手だね。
#「お師さんエジプトなんか行かんでぇ!!!」
「は?」
僕はね、一昨日から作業をし続けていて
君の妄言に付き合っている暇はないのだよ。
#「お師さんがエジプト行っちゃう…。」
「わざわざかけ直してこなくて良い。行く予定はない。」
#「あんな、あんな、ドラマティカのエジプト公演…。
#行ったら何か月も帰ってこぉへんって…。」
「……公演の予定もないよ。
第一、今だって数か月帰らないのは同じだろう。」
#「すぐ会えん…。」
「今もそうだろう。」
#「野盗に…。」
「いつの時代の話をしているのかね……。
夢は夢だ。それ以上でも以下でもない。
なんの夢を見たとて君にも僕にも影響は出るものではないよ。」
#「寂しい…。」
「結局のところそれだね。君、寂しがりなのだから。
まぁ、月末にはそちらへ帰るからそれまで待っていたまえよ。」


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122 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!)
2021/12/01(水) 02:02


傍に居られる最後の冬だから、
できる限りのことをあの子にしてあげようと思う。
願うことをすべて叶え、望むものをすべて与えよう。
幾年が経っても思い返せるような。
一日一日をそんなものに作り上げよう。
アドベントカレンダーの封を開けるのではなく、
その中に美しいものを詰めて封をしよう。
いずれ君がひとりで開けて、
僕を思い出してくれるように。


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121 :Duc du diable(e/n/s/t/!)
2021/10/31(日) 22:18



あぁいい夜だ!
美しい月に最高のムード、
命を捨てるにぴったりだと思わないかね?
こんな夜は客人もよくよく訪れる。

今宵はどうもてなそうか。
あぁ、そうだね、マドモアゼル。
森で困ったふりをして、
助けられたお礼にと館へ招くのもいい。
それならば影片が適役だろう……
僕?僕はそんなふうに
こそこそと罠を張るような真似はしないよ。
そうと決まれば……影片!

……君、まだ真っ当に喋れないのかね。
この一年間なにをしていたのか。
チッチッチッ!役立たずの小間使いなど
使い道がなければ捨ててしまうよ。
うるさい!赤子のように泣くな!
ああもう包帯が解けているのだよ。
これは自分で巻いたのかね。
はぁ……僕の役に立ちたいだの言うのなら
もう少し頑張りたまえ。


さぁ、これで整え方は分かっただろう。
将来的に君がひとりでも、
この館で生きていけるように
ひとつずつ覚えていけば良い。

なっ!ななな……どうしていきなり
包帯をぐしゃぐしゃにするのだね……!?
あぁせっかく綺麗に整えられたというのに。
こんなにも永く共にいても
君の考えていることは
未ださっぱり分からないね。
無窮の刻を過ごそうとも
君のことが理解できる気がしないのだよ……

……何をへらへらと笑っているのかね。
まったく……興が削がれた。
迷いびと探しはもう良いよ。
今宵は君と過ごすとしようか。
手を取って、影片。
歌い踊り夜を明かそう。
幾つも幾つもの夜を。





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120 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2021/10/30(土) 16:17


幸いにも僕は恵まれて生まれ育ってきたほうだとは思う。
当然今日は祝福を受ける日だ。
幼さ特有の傲慢さだね。そう思ったときもあった。
家族の皆から頭を撫でられる心地よさ。
抱き締められる腕の温もりは今でも僕の記憶にある。
近頃はそうされたものではないが。
言葉で、笑顔で祝福をくれる。
家族に限らず、親しき者たちや、僕を好いてくれている者たちすべてが。
そう、そうして受ける祝福は等しく嬉しい。
……とは、思うのだけど。
あぁ、今から誰にも打ち明けることのない話をする。
僕を愛してくれる世界に相反することを。
この世界のすべてにそっぽを向かれてしまうようなことを。
僕はね、君からの祝福が何よりも嬉しいよ、影片。
君が僕へ掛けてくれる言葉で僕は生命を抱く、
君が僕へ触れてくれることで僕の輪郭は光を持つ。
影片、なんだか今、とても君に会いたい。


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119 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2021/10/13(水) 14:52


ひとりの仕事を終えて帰ろうとしたところ、
わざわざ遠方まで追いかけてきた影片に待ち伏せをされた。
出演者が出てくるのを待つのはマナーがないよ。
イベント側の人間が好意で席を用意してくれ、
夏の名残をふたりで眺める。
黙って座っているだけとはいえ、夜は身体も冷えるだろう。
気が気でなく隣を見ると
美しいものをそっちのけで影片は此方を見ていた。
……僕の顔などいつでも見られるのだから、
この一夜の儚い芸術を目に焼きつけるべきでは?
彼曰く、一日として同じ僕はないそうだ。
……まぁ、一理あるね。
そう考えると、僕が見逃している彼の姿もあるのだろう。
それは何だか……とても惜しく感じられるね。
一年にして365枚のアルバムの、写真がこれから幾つ欠けるのだろうか。


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