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┗ひとりで留守番日記(43-47/57)
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47 :
子独
02/27-22:27
兄さん、忙しいんだろうな。
手紙を持たせたはずの鳩がまだ帰ってない。
その間におれもがんばろう。
剣も振れないようじゃいつまでたっても兄さんに着いて行くなんてできっこない。
また背が伸びたから兄さんが帰ってきたらびっくりするかも。
兄さんの肩にはまだ届かないけどすぐ伸びるだろう。
体が大きくなってるんだからちゃんと鍛えなきゃ。
もっとちゃんと強い92になりたい。
兄さんが怪我して帰ってくるのを待ってばかりなんて嫌なんだ。
゚・*:.。..。.:+・゚゚・*:.。..。.:+・゚
本棚に並べてくれた92がある。
愛読している日記の本棚に自分の数字が並んでいるのは照れくさいけど誇らしくもある。
見ていてくれてありがとう。
まだまだ兄さんには内緒だ。
多分気付いてないと思うけど、兄さんのことだから気付いてても言わないでこっそり見てるのかも…もしそうなら恥ずかしいから気付いてるなら気付いてるって言ってほしい。
おれも新しい本を本棚に並べた。
兄さんの書斎には及ばないけどお気に入りの本を並べられるおれだけの本棚があるって嬉しいな。
これからも色んな本を読んで元気をもらうことだろう。
すべての筆者に幸福がありますように。
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46 :
子独
02/22-06:00
朝のお祈りを終えて今日が始まる。
安息日でも兄さんはいない。
少しは休めてるだろうか。
昨日はトルテを焼いた。
いつか兄さんに食べてもらえるように今は練習中だ。
…兄さんはおれが成功しても失敗しても「美味い」って言う。
失敗のときはちょっとしたアドバイスを付け加えるくらいで、決して嫌な顔せず完食してしまうんだ。
失敗作を食べさせるわけにはいかない。
兄さんが帰って来るまでに練習して成功率を上げておかないと。
昨日のトルテはローデリヒに手伝ってもらったから成功。
ココア生地もちゃんと膨らんだ。
クリームも混ぜ過ぎないように気を付けた。
オーブンも爆発しなかった。
一人でも作れるようになったら、兄さんに食べさせてあげたい。
早く帰ってこないかな。
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45 :
子独
02/20-22:50
寒い夜は空気が澄んでいる。
いつもより夜が遠くまで続いてるみたいだ。
星があんなに高いよ、兄さん。
兄さんが近くにいたらいいのに。
おれがもっともっと小さいときに兄さんに読んでもらった本を見付けた。
兄さんの部屋の本棚に子どもの本はその一冊だけだった。
何回もせがんで読んでもらったのよく覚えてるよ。
おれはあのときよりちょっとは大きくなった。
今は兄さんがいなくたって自分で字だって読める。
だから昔読んでもらった本だって、兄さんがいなくたって一人で読めるんだ。
読み終わって、本を閉じて、ちゃんと元の場所に戻した。
本を閉じたらすごくさみしくなった。
だって覚えてるんだ。
兄さんが読んでくれた声。
抑揚。
腕の中の匂い。
少しかさついた手。
おやすみなさいのキスも。
全部はっきり覚えてるんだ。
兄さんのベッドでちょっとだけ泣いた。
シーツがよれてても怒らないでね、兄さん。
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44 :
子独
02/18-21:51
兄さんの書斎の本を、以前読もうとしたときには、笑って頭を撫でられた。
>「お前にはこの本はまだ難しいだろう」
でもこの前はその文句が少し違っていた。
>「お前にはこの本はまだ難しいと思ってたんだけどな」
すごく些細な違いだけど、おれにとってはとても大きい。
ちゃんと成長できてるかな。
兄さんから見て、おれは少しはたくましくなれてるだろうか。
そうだといいな。
一度は難しいと言われた本が並ぶ本棚に手を伸ばしたのは、密かに憧れている人がかつてそうしていたと聞いたから。
たくさん並んだ戦術指南書や世界経済に関する書物も、おれには全部この身になるものだ。
さいわいなことに、兄さんを待つあいだ、時間はたっぷりある。
いつか読破する日も来るだろうな。
そのときは今より強い92になれているといい。
兄さんを待つだけじゃなくて、兄さんと共にどこへだって行けるような92に。
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43 :
子独
02/17-21:21
この前、兄さんが帰ってきたときにちょっとドキッとすることがあった。
>「そういえばお前」
兄さんは雑談の最中に普通の声で言った。
>「面白かったか?あの本」
最初はなんのこと言われてるのかわからなかった。
でもよく聞いてたら、おれが兄さんがいない間に兄さんの書斎で読んだ戦術書のことを言っていたみたいだ。
勝手に部屋に入ったのを咎められているわけじゃないってわかってほっとした。
ほっとしたら、次に不思議になった。
兄さん、あんなにたくさんある書斎の本の中からまるで見てたみたいにおれがどの本を手に取ったかわかってしまったんだもの。
もちろん読みっぱなしになんかしないで、読んだ本はちゃんと元の位置に戻した。
>「ちょっとだけ位置がズレてたからな」
そのズレなんてほんの数ミリじゃないだろうか。
書斎に並ぶ膨大な本の一冊のミリ単位のズレを数週間家を空けていてもわかってしまうなんて兄さんはすごい。
すごいのを通り越してちょっとおかしいんじゃないかとすら思う。
普段は全然神経質な性格でもないし整理整頓に厳しいわけでもない。
実際兄さんの本棚っていろんな本がいろんな所に入っててごちゃごちゃしてるし。
著者別にも内容別にも年代別にも並んでない。
けど何がどこにあるのか兄さんは全部わかってるようだ。
兄さんにしかわからない分類法に基づいて整理されているんだろう…おそらく。
机も引き出しも棚の小物も、おれが見ると一見ごちゃごちゃしてるようだけど、ちゃんと整理されているに違いない…と信じたい。
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