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┗MephistopHeles(4-8/13)

|||1-|||書込
8 :
01/20-00:00

第4頁
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   「 昨晩の真相について弟への追及 」
>2015-01-XX 11:00
 今朝からずっとヴェストの態度が可笑し
 い。兄の俺が言うんだから間違いねぇ。
 折角の休日だがあまり会話がない。そり
 ゃ、毎日顔合わせてるし特別話すことも
 正直ないんだよな。にしても、ヴェスト
 はいつまでそのラグに掃除機掛けてるつ
 もりだ…そんなに掃除機かけまくったら
 毛がなくなっちまうっての。何を考えて
 んだ。もういいだろ、って俺が肩叩いた
 ら、激しく肩を上げたから俺が驚いて後
 ず去って、ベ_ルリッツの尻尾踏みそう
 なった。奇跡的に避けた俺は見事にケツ
 を床に打ち付けた。すげぇ…痛ぇ。ヴェ
 ストはヴェストで相変わらずボーッとし
 ちまって…調子狂うだろうが、なんか悔
 しいから差し出された腕を思い切り引い
 てやったら、お間抜けヴェストがずっこ
 けた。俺様の予想通り過ぎて怖い。あ、
 ベル_リッツの奴、主人には駆け寄るの
 かよ。この薄情者!否、薄情犬!
>11:30
 気を取り直してヴェストと話をしたんだ
 が、結果を先ず言うなら…結局の所、な
 んだかよく分からねぇ。ヴェストはヴェ
 ストで(俺が見たような内容の)変な夢
 を見たらしい。夢でも実の兄とヤッちま
 った事に大して罪悪感を抱き、尚且つ、
 まるで懺悔室で神_父様にでも懺悔する
 様にありのままに話し過ぎて、なんか俺
 が恥ずかしい。つぅか、恥ずかしいを通
 り越してなんか…辛い。なんていうか、
 寧ろすまねぇな、ヴェスト。俺、悪くな
 いけどよ。いや、ヴェストも悪くねぇん
 だが…ていうか夢の話なんだよな。描写
 が生々し過ぎて現実かと思ったは…馬鹿
 め。無駄に兄を辱めやがって。
>13:00
 そんなこんなだが、普通に向き合って昼
 飯を食っている。「夢ん中で俺とヤッて
 どうだった」って何気無く(完全なる興
 味本位で)聞いてみたら、ヴェストが飲
 んでたホットミルクを盛大にぶち撒けた
 せいで俺が被害を被った。人にミルクぶ
 ち撒けといて顔赤らめてんじゃねぇよ。
 「いいから早くタオルをもってこい!」
 今日のヴェストはやっぱ可笑しい。
>14:00
 窓越しの陽が暖かくて、すげぇ気持ち良
 い…眠くなっちまうな。ヴェストは窓際
 のロッキン_グチェアーで読書中。眼鏡
 越しに日光が反射して俺に直撃して、目
 を軽くやられた。仕返しにギシギシと椅
 子を揺らしてやったぜ。ヴェストが怒っ
 たもんだから、手を離したら頭を撫でら
 れた。兄貴としての威厳の欠片も無くて
 「何すんだよ!」って俺が思わず声を上
 げたら、張本人様が一番驚いてやがるん
 だから本当に困ったもんだ。で、何故ま
 たお前は顔を赤らめる。今日のヴェスト
 はやっぱ可笑しい(2回目)
>16:00
 俺は定位置でノートパソコ_ンを弄りな
 がらヴェストが入れた珈琲を飲む。俺好
 みの酸味と渋み、更には俺好みの甘さ。
 ヴェストの淹れた珈琲は何処の喫茶店よ
 りも俺好みだ。褒めてやるぜ。まだ16
 時か…晩飯は何だろうな。飯の前にシャ
 ワーが先か。今晩もビール飲んじまおう
 かな。いいよな、1日1本ぐらいなら、
 全然許容範囲だよな。
>20:30
 やっぱビールは良いよな。気分がすげぇ
 良い。ヴェストはなんか明日は朝早いと
 かで飲まねぇんだと、一杯ぐらい響きゃ
 しないっていうのに勿体無い奴だよな。
 俺がヴェストの分まで飲ん仕舞おうかな
 …なんてな。俺は優しい兄貴だからよ。
 明日、疲れて帰って来た弟に今日我慢し
 たビール分ぐらいは注いでやるぜ。
>22:00
 テレビ見てたらこんな時間になっちまっ
 た…シャワーも浴びたし歯もしっかり磨
 いたからな、今日はもう寝るぜ。今夜は
 ちゃんと俺のふかふかベッドでおやすむ
 ぜ。毛布の触り心地と良い、やっぱ此れ
 だよな。昨日なんか…あ、ヴェストの胸
 板だったもんな。巨乳ならまだしも、素
 晴らしく硬い胸筋って…誰得だ。ガチの
 方か。でも柔軟剤の良い香りしたんだよ
 な…そういやぁ、枕からも同じ香りがす
 る気が…彼奴、いつ変えたんだ。つぅか
 よ、色々有り過ぎて、この柔軟剤…何処
 のか聞くの忘れたぜ。気になる…が俺は
 今、猛烈に眠い…。
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7 :
01/19-00:08

第3頁
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  「 昨日見た変な夢についての記述 」
>2015-01-XX 時刻不明瞭
 遠い過去の記憶を遡る夢だった。所々、
 事実と違ぇしな。夢の中の俺は其れが夢
 である事も過去に似た出来事があった事
 さえ気付きもしねぇ。夢だから当たり前
 か。夢の中で俺とヴェストはセックスし
 ていた。今思えば衝撃的な事だ。過去の
 事実の上では俺は別の野郎とだったんだ
 が、夢では何故かヴェストだった。部内
 では当然だが、表立った同性とのセック
 スは禁止されていたし、異性同士であれ
 近/親相/姦は御法度だ。部内の奴等に
 バレちまったら最後、酷い差/別に合う
 だろう。そもそもうちじゃ近/親相/姦
 は禁/固/刑だしな。けどヤッちまった
 んだ、二/大禁/忌だ。だが、その背徳
 感がまた心地良かったんだからマジでど
 うしようもねぇな…俺。だが、俺を抱い
 たヴェストも俺が抱いたヴェストも、現
 実のヴェストじゃなかった。何が違うか
 は分かんねぇけど、違う。彼奴は弟の皮
 を被った得体の知れねぇ何かだった。声
 を潜めながら快楽を貪った後の疲労感が
 妙に現実的で、夢の中で夢を見た。暗闇
 に包まれ、鼓膜は揺れず、脳に響く様な
 声が気持ち悪ぃのに消せねぇ。その声は
 誘う様にも追い詰める様にも聞こえ、欲
 望に従順であれ、と俺に言った。お前に
 やろう…と言う冷てぇ声で目が覚めた、
 目の前にはヴェストが居て「大丈夫か。
 酷く魘されていた。」逞しいあいつの腕
 に包まれながら唇を重ねられた。まるで
 恋人にする様なキスを。そして、其処で
 俺は現実世/界へ帰って来た。で、朝勃
 ちの話に続くわけなんだが…結局、この
 夢って何なんだ。単なる欲求不満か。に
 しても、流石に弟に手ぇ出しちゃマズい
 だろ。どうかしてるぜ。
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6 :
01/18-22:53

第X頁
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  「 華麗なる俺の誕生日の過ごし方 」
>20XX-01-18 07:20( Es war einmal )
 此れは、まだ俺が青臭かった頃の話だ。
 可愛い弟分が出来て初めての俺の誕生日
 だ。もう数えるの面倒なくれぇ重ねた日
 だったから、祝うとかそういうの考えて
 なかったんだがよ。俺の為に弟が森まで
 一人で花を摘みに行ったとか。なんか涙
 出そうになったぜ(出そうになっただけ
 であって断じて泣いたりはしてねぇけど
 な)。誕生日を祝われるってぇのは、や
 っぱ不思議と悪い気はしねぇんだよな。
 その誕生日からは毎年毎年、花を摘んで
 来たり、菓子を焼いていたり、似顔絵を
 描いてくれたり、色んな形で祝ってくれ
 たっけな。懐かしいぜ。戦/場から電報
 が送られてきた事もある。ヴェストと長
 らく離れて暮らし、再開した年の誕生日
 は今までにねぇくらい盛大だった。格差
 を感じた部分は否めねぇが、あいつの気
 持ちが兄貴としちゃ嬉しくねぇはずがね
 ぇしよ。にしても、長らく一人暮らしだ
 ったからか。あいつが一人で何でも出来
 る様になってて(前から割りとそうだっ
 たけど)ちょっと寂しかったりする。も
 う少しお兄様を頼ってくれても良いのに
 な。小さい時に厳しくし過ぎちまったか
 な。ヴェストの奴、誰かに甘えたりだと
 か、弱音吐いたりだとか苦手だよな。た
 まには弱音ぐらい吐いてみろ、っての。
 話が脱線した。気を取り直して元に戻す
 ぜ。そんなこんなで國_民に祝われる事
 ももうねぇ俺を毎年祝ってくれてるヴェ
 ストだが、祝ってもらっといて何だが、
 俺はお前の将来が心配です。女の一人で
 も連れて来いよ。そんなんだから、眉毛
 野郎のとこの女共に「世_界一恋人にし
 たくない國」とか言われるんだぜ。もっ
 とお前の良さ前面に出していけよ。お前
 は俺様に似て格好良いんだから。何はと
 もあれだ。今年も祝ってくれてありがと
 よ。この日記帳をヴェストの奴に見せる
 つもりは全くねぇから、感謝の一つでも
 綴ってやったぜ。直接なんて恥ずかし過
 ぎて言えたもんじゃねぇからな。
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5 :
01/14-00:01

第2頁
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  「 堅物な弟を説得させる為の対策 」
>2015-01-XX 23:00
 とりあえずヴェストと飯食う。もちろん
 俺様特製ディナーをだ。現在、ヴェスト
 の機嫌は良好。この調子で維持してから
 例のアレに付いて説明しよう。だが、そ
 れまでにヴェストの体力が保てばいいけ
 どな。
>23:30
 ヴェストがシャワー浴びてる間に、食器
 片付けてる俺は何て良く働く兄貴なんだ
 ろう。
>2015-01-XX 00:10
 漸く必死の思いでヴェストへ説明する。
 が、上手く説明が出来なかったのは、俺
 の言葉が足りねぇのか、ヴェストの脳が
 すっかり酒で鈍っちまってるのか、話が
 余りにも現実離れしてるからか。ま、こ
 りゃ全部だろうな。だが、何としてもヴ
 ェストの誤解を解かなきゃなんねぇ。あ
 いつ、酒のせいとは言え…要約し過ぎだ
 し、全く意味変わっちまってるし。困っ
 たもんだぜ。「俺が出張で留守をしてい
 る間に、兄さんは見知らぬ男を連れ込ん
 だ挙句、リビングで寝て、シミが出来た
 と言うことか!」所々合ってるけどよ、
 ヴェスト…そうじゃねぇんだよ。そうじ
 ゃ。なんか其れじゃ、俺様が見知らぬ男
 を勝手に連れ込んで、セックスした挙句
 に床を汚したみてぇな意味合いになって
 んじゃねぇかよ。そして俺に物理的な意
 味で噛み付くなって、お前の歯…なんか
 痛ぇんだよ。って聞け。馬鹿弟、ムキム
 キ野郎が…噛み付いたまま寝てんなよ。
 ホント、まだまだ俺からしてみりゃ…お
 前なんか乳臭ぇガキだぜ、ヴェスト。図
 体ばっかデカくなりやがって、寝室まで
 筋肉の塊を運ぶ俺の身にもなってみろ、
 ってぇの。明日、筋肉痛にでもなったら
 な。俺はソファーから動いてやらねぇか
 らな…ったく。ゆっくりおやすめよ。
>03:15
 やべ…ヴェストをベッドまで何とか(ち
 ょっと引き摺っちまったけど)運んだ後
 に、そのまま寝ちまった。部屋が真っ暗
 だ、柱時計の音に紛れて、俺じゃねぇ寝
 息が聞こえる。音で分かる、安らかな深
 い眠りの音。目が慣れた頃に気付いたん
 だが、妙に暖けぇとか思ったら、ヴェス
 トの抱き枕状態なんだが…此奴、動かね
 ぇし、こんな日に俺の息子が異常な迄に
 元気とかマジ笑えねぇんだけど。張り詰
 め過ぎて股間痛ぇな…くそ、気持ち良さ
 そうに寝やがって。流石に、このまま抜
 いたらマズいよな。つーか、それ以前に
 出した精液どうする気だ、俺は。しかも
 最中にヴェストが起きちまうかも…確実
 に見られる。ダメだ、オナってるとこを
 実の弟に見られるとか屈辱的過ぎて、親
 父に顔向け出来ねぇ…何か弟に発情して
 るという誤解を生み兼ねない。其れだけ
 は避けたい。うぐ…ヴェスト、俺は枕じ
 ゃねぇんだ。んなに締め付けんな…胸板
 硬ぇし、全然気持ち良くねぇ。けど、柔
 軟剤の良い香りがするぜ…いつの間に、
 変え…たん、だ……。
>08:30
 はっ、結局あのまま寝ちまって…次に目
 を開けたらもう外がすげぇ明るい。あん
 な状態で寝ちまったから変な夢見ちまう
 し、下半身に(特に股間の辺りに)変な
 違和感。なんか、気持ち悪ぃ…。ヴェス
 トはもう起きたらしくパジャマが綺麗に
 畳んである。意を決して確認して見たん
 だが、何十年振りだ…やっちまった。夢
 精しちまった…おいおい、俺は思春期真
 っ只中のガキかよ。変な夢なんか見るか
 らだ。下着…洗わねぇと、ヴェストにバ
 レねぇ様にこっそりと脱衣所に「いつま
 で寝てるんだ、兄さん。1回目の洗濯が
 終わった。次はタオルとシーツを洗いた
 い。起きてくれないか。」タイミングが
 悪いのは何時もの事だがよ、心臓が口か
 ら出るかと思ったじゃねぇか。此れはチ
 ャンスだ。俺がシーツを自ら洗濯しつつ
 下着を洗えばバレずに片付けられる。ミ
 ッションコンプリートだ。「俺がやるか
 らお前は俺の朝飯の用意頼むぜ」シーツ
 を丸めてさり気なく股間を隠しつつ退散
 すれば完璧だ。あの鈍感が気付く訳がな
 い。
>09:00
 ミッション完了後の朝食は格別だ。が、
 なんだ…この違和感、可笑しい。同じテ
 ーブルで雑誌を眺めるヴェストから視線
 を感じる…けど、俺が見ると直ぐ逸らさ
 れる。もしや、バレちまったのか。
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4 :
01/07-20:04

第1頁
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   「 拾った有機物についての考察 」
>2015-01-XX 20:00
 退屈凌ぎに持ち帰って来たは良いが、
 人型のソレは何とも面白味に欠けるぜ。
 言葉遣いだけじゃ無く行儀も悪いし、何
 より俺の話を聞いちゃいねぇ。ソレは怯
 えるでも懐くでもなく、どかりと椅子に
 腰掛けて俺が口を開くまでは沈黙のまま
 だ。躾が必要なのか、人型のくせに。面
 倒なものを拾って来ちまったようだ。
>23:00
 今更捨てに行けねーし、捨てたところで
 この寒さじゃ流石に外へ行けとか言える
 わけがねぇ。しかも…何だこいつ…。
 俺を見る双眼だけは無駄に綺麗な色だ。
 ちょっと汚したくなるのは、俺の悪いと
 ころだ。
>2015-01-XX 04:13
 頭痛で目が覚めたが、まだ夜みてぇに暗
 い。気になってあいつの寝ているはずの
 部屋に行ったら誰も居なくなっていた。
 無数の黒い羽根が散らばっていた、薄気
 悪ぃ目覚めだ…あいつ、帰ったのか。体
 は大丈夫なのか。抱いた疑問は尽きなね
 ぇが、俺は今かなり頭が痛い。黒に染ま
 った部屋の片付けは後にして、一先ず寝
 るに限る。
>07:00
 小鳥の柔らかい毛に撫でられて目が覚め
 た。すんなり起きれねぇのは何時もの事
 だが、今日はヴェストが出張でいない。
 尚更起きれなかったのは、あいつのせい
 にしといてやるぜ。30分近く粘ってから
 漸く今日の活動が始まる。とはいえだ、
 昨晩の事が気にならないわけでもない。
 だが、その部屋に有るはずの羽根は残さ
 れてはいなかった。あるのは小さな黒い
 滲だけだ。これどうすんだよ…綺麗好き
 のヴェストが見たら卒倒ものな。取り敢
 えず、面倒だが手を尽くすしかない。
>12:30
 1日3食が基本のこの俺が、朝食も取ら
 ずにシミと向き合って今に至る。時刻は
 午後0時を回っちまった。腹が減って仕
 方がねぇ…問題のシミは、小さくはなっ
 たが、まだ消えねぇ。ヴェストの許容範
 囲に入るだろうか…模様替えと称して家
 具の配置を変えて誤魔化してみるか…駄
 目だ、怪しまれるに決まってる。此れは
 日頃から掃除なんざ任せっきりの俺自身
 を呪うべきか。つか、んな悠長な事言っ
 てる場合か。よし、仕方ねぇな。潔く諦
 めて全てをヴェストに説明しよう。其れ
 しか方法がねぇしな。一先ず飯を食って
 からどう説明すべきか、考えなくちゃな
 んねぇな。
>16:00
 潔い俺はヴェストへ有りのままを説明し
 謝罪する事にした。後は彼奴が信じてく
 れるかが問題なんだが…俺の弟が俺を信
 じねぇはずがねぇ、という結論に落ち着
 ちついた。後は帰宅後のヴェストの機嫌
 とか色々見つつだな…ハグで様子を見る
 か、余計な事すると返って怪しまれそう
 だしな。とりあえず、お兄ちゃん特製デ
 ィナーで迎えてやるか。で、酒を持って
 気分が良くなった所を狙うぜ。俺の作戦
 は完璧だ。流石は天才、頭が切れるぜ。
>18:00
 まだヴェストは帰って来ねぇ。着々と晩
 飯の支度は出来てるっていうのに、白状
 な弟だぜ。ま、出張でお疲れだろうから
 優しい俺様は少し大目に見てやる。何よ
 り今日は俺の大好物ばっかりだ。別に、
 狙って作ったわけじゃねぇ。冷蔵庫に入
 ってるもんがたまたまそうだっただけ。
 何だ…ちょっとヴェストの優しさを感じ
 た気がする。だが、気がするだけだから
 多分気のせいだろうな。
>20:00
 いくら何でも遅過ぎるだろ…、こんなに
 遅くなるんだったら、電話の一本も寄越
 せっての。もういいぜ!俺様特性ディナ
 ーは俺の胃袋へしっかりと納める事にす
 る。あ、まあ…よ。ヴェストも頑張って
 来てるわけだからよ。もちろん残してお
 くけど。
>21:00
 まだ帰って来ねぇ。シャワー先に浴びち
 まった。電話も通じねぇし…大丈夫か。
 もしや…疲労困憊過ぎて倒れでもしたん
 じゃねぇだろうな。外は雪だってのに、
 迎えに行くか。湯冷めしたら、全部ヴェ
 ストの所為にして、めちゃくちゃこき使
 ってやるからな。
>21:34
 人気の引いた街中を歩くヴェスト発見。
 俺の姿を見て驚いた表情を見せたが、散
 々ヴェストに文句をぶつけながら帰宅し
 た頃にはもう時刻は午後10時を回って
 いた。
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