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┗MephistopHeles(9-13/13)

||次|1-|||書込
13 :
05/18-06:39

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        無意識なる牽制を前に
        曇り硝子に愛言葉を記した
        彼は凍て付く心臓を以って
        金色の獣を征するだろう
        無垢で残酷な瞳のまま
        祈りの涙は水瓶へと落ちる
        砂糖細工で作られた希望は
        ただ一つを除いて
        その身を貫く刃へと変わる

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#未完成のまま物語は終結する。
#俺様が帰還後に残っていたら綴る可能性はある。

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12 :
03/07-19:59

第7頁
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「堅物な弟が見せた涙と不甲斐ない俺」
>2015-XX-XX 21:03
 静寂に包まれた部屋に微かに聞こえたの
 はヴェストの乱れた小さな呼吸音だ。彼
 奴は誰にも相談出来ずに悩み続けてたん
 だ。俺のせいである以外の何物でもない
 はずだってのに、俺は自分の事の様には
 思えねぇ…だって、何一つ記憶に残って
 いないからだ。其れを正直に話すとヴェ
 ストは顔を上げて、涙でぐちゃぐちゃの
 ガキみてぇな顔をして「大丈夫だ」と繰
 り返した。呪文みてぇに、ずっと繰り返
 し繰り返し、ヴェストは言ってた。落ち
 付かせようと肩に触れたが、明らかな強
 張りを前に何も出来なかった。そりゃ、
 兄弟同士でヤッちまったとか、気持ち悪
 ィよな、普通。
>21:44
 俺なりに対策を考えてみたんだ。そして
 ヴェストに頼んだ。俺をベッドに縛り付
 けてくれと、だが断られた。「兄さんに
 そんな事を出来るはずない」と、なんて
 兄想いの弟だ。思わず抱き締めちまった
 ら、ヴェストは震えながら頬を紅潮させ
 て、「あまりくっ付かないでくれ」と引
 き剥がされた。ヴェストがあまりにも気
 まずそうにしてるから冗談のつもりで「
 意識のあるうちにちゃんとヤッちまうか
 」て言ったら「兄さん!」怒鳴られた。
 でも俺の洞察力は見逃しちゃいなかった
 ぜ。ヴェストの股間が膨らんでいた。条
 件反射だとしても、不思議と嫌な気がし
 ねぇ俺は、やっぱいつの間にか彼奴をそ
 ういう対象として見てたってことか。最
 低か、俺は最低だな!こんな兄ちゃんで
 ごめんな、ヴェスト。目からなんか出て
 来るぜ…。
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11 :
01/26-18:33

第6頁
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「家族会議を開催する事を決定した」
>2015-01-XX  15:00
 ヴェストの日記を覗き見してからずっ
 と考えちまってる。日記を開いたこと
 への罪悪感はこれっぽっちも感じちゃ
 いねぇ。寧ろこれは読んで正解だ。俺
 がたまたま見てなけりゃ、ずっと知ら
 なかったままの真実なんだからな。可
 愛い弟がマジで悩んでるってのに、張
 本人がこれじゃ仕方ねーしな。そもそ
 も兄貴の俺がヴェストを疑うとかマジ
 有り得ねーから。其れは説教してやる
 からな。取り敢えず、今日は真剣に話
 合わねぇとならねーな。状況はかなり
 最悪だ。記憶が無いとは言え、実の弟
 に手を出すとか…最悪過ぎる。しかも
 ヴェスト…俺、マジでヤッちまったっ
 て事なんだよな。ヴェストォオ!早く
 帰って来てくれ!俺はお前が帰ってく
 る前に罪悪感に押し潰されてぺちゃん
 こになっちまう。
>18:17
 ヴェストが帰って来た。顔をあわせる
 と直ぐに「何かあったのか」と問われ
 ちまった。日頃は鈍感な癖に、こうい
 う時だけ気付くんだ。後でちゃんと話
 すと言えば、ヴェストは一言だけ返事
 をして寝室へ消えた。それからの晩飯
 はいつも以上に…と言うよりは、全く
 会話が無かった。後で俺の部屋に来い
 とだけ告げて俺は自室に篭る。こんな
 時に寛げねぇからな。ヴェストの返事
 は無かったが、彼奴はちゃんと来るだ
 ろう。ヴェストはそう言う奴だし、何
 より「俺様の言葉は絶対」というのが
 実は昔からの暗黙の了解だったりする
 んだ。子供の頃に覚えたことってのは
 そう簡単には忘れられねぇらしい。特
 にヴェストみてぇな堅物なら尚更だ。
>20:30
  「兄さん、入っていいか」というヴェ
 ストの声がした。「Ja」とだけ返事を
 すれば、直ぐに戸は開かれた。ヴェス
 トの奴、すげぇ深刻な顔して俺を見る
 んだ…こっちまで緊張しちまうだろう
 が、家族とは思えぬこの凄まじい緊張
 感。まるで敵地に単身で立たされた気
 分だ。俺が彼奴の日記を差し出せば、
 顔色一つ変えずに「中を見たのか」と
 問われた。いつの間にか、ヴェストは
 大人びた表情を見せるようになった。
 なんて呑気なこと考えてる場合じゃな
 ねぇよな。頷く俺にヴェストは力無く
 膝から床に落ちていった。まるで神に
 懺悔でもするかの如く、強く床に額を
 押し当てて、其れを俺はただ黙って見
 てる事しか出来なかった。
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10 :
01/25-20:20

第XX頁
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>2015-01-XX
 俺は如何するべきかとても悩んでいる。
 出張から帰宅した日からというもの、兄
 さんの様子が可笑しい。酒を飲んだとは
 いえ、実のところ完全に記憶がないわけ
 じゃなかった。だが、兄弟といえど言う
 べきではないこともある。心苦しさは否
 めない…ただ兄さんには記憶が無いよう
 だし、尚更言い難い。今日こそはと思い
 ながら数日が過ぎてしまった。あれは夢
 遊病の一種なのだろうか。病/院へ行く
 べきか、だが…兄さんには何て説明すれ
 ばいいんだ。毎夜、俺の部屋を訪れる兄
 さんとその誘いに甘んじる俺は…頭が可
 笑いのだろうか。相談するにもこんな話
 誰が信じると言うんだ。兄さんですら、
 信じてもらえるか分からんと言うのに…
 それに兄さんは俺の身を案じてくれてい
 る。昨晩、何とかしようと兄さんを突き
 飛ばし怪我を負わせたのはこの俺だと言
 うのに、兄さんは其れすら覚えていない
 ようだ。こんな状況下でとても言えたも
 のではない。このままでは、俺の身が持
 たないかもしれない。別々に住むべきだ
 ろうか、しかし…他の奴らにも兄さんは
 同じ事をするんじゃないだろうか。それ
 ならば、やはり…いや、考えるまでもな
 いな。明日にでも図/書/館で本を探し
 てみよう。
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9 :
01/22-21:19

第5頁
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「弟の連日の不審行動についての考察」
>2015-01-XX 09:17
 変な夢を見た日から数日が過ぎたんだ
 が、相変わらずヴェストの様子が可笑
 しい。最近じゃ僅かだが変な距離感を
 感じる気がすんだよな。心なしかヴェ
 ストの目の下が薄っすらと青白いな。
 彼奴が寝不足だなんて…体調管理がど
 うとか何時も言ってる奴が珍しい事も
 あるもんだ。そんなに最近忙しいって
 事か…こりゃ、少しは俺の出番かもし
 れないな。取り敢えず…食器片付ける
 か、ッて…痛ぇな。いつの間に手の甲
 なんかに傷出来たんだ…水が滲みて痛
 ぇよ。くそ、誰だ。ベル_リッツか?
 いや…アス_ターか?最近、歳のせい
 か治りが遅いんだよな。取り敢えず、
 バンドエイ_ド探すか。
>13:00
 多分寝不足気味だろう可愛い弟の為に
 格好良い兄貴である俺が人肌脱いでや
 った。不眠にはエ_ルダーフラワーコ
 ーディアルが良いらしい。ちょっくら
 店まで行って買って来た。今夜はこれ
 であいつにハーブティーって奴を淹れ
 てやる。これでヴェストの安眠は約束
 されたも同然だ。俺は何て素敵な兄貴
 なんだ。彼奴の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
>18:00
 今日はヴェストの帰りが早かった。簡
 単に二人で夕食を取る。毎度の事だが
 食事中に会話がない。思えばヴェスト
 は昔からそうだったな。黙々と食事を
 する。シンとした部屋に時計の音だけ
 が響き渡って、なんか嫌な感じだ。そ
 う思うのは俺たちの変な距離感のせい
 かもな。「今日ぐらいは片付けやって
 やるから、シャワー浴びて来いよ」と
 か俺が言ってやったのにヴェストは、
 「大丈夫だ。そんな手でやらせるわけ
 にはいかない」隠してたはずの傷が、
 バレていたらしい。あっさり皿を持っ
 て行かれちまうし、兄の威厳皆無だ。
>20:00
 シャワー浴びて部屋に戻るとヴェスト
 はもう部屋には居なかった。自室に居
 ったらしい、また書類でも作ってんだ
 ろうな…多分。少しは休めと言いてぇ
 が、今はそんな場合では無いってこと
 に違いない。取り敢えず、俺が今日買
 ってきた奴でハーブティーを淹れてや
 るからな!紅茶みたいにやればいいの
 か…ま、なんとかなるな。
>20:30
 「ヴェスト、入るぞ」ノックしてから
 部屋の中に入れば空かさず「もう入っ
 ているじゃないか」とヴェストが振り
 返った。茶を持つ俺の姿を物珍しげに
 見てて、ちょっと俺は心外だと思った
 が…寛大な心を持って今日は許した。
 「眠れてないのか」って聞けば「大丈
 夫だ」と言う。視線は合わせない。嘘
 だ。ヴェストは嘘を吐く時に必ず目を
 反らす。だから直ぐに分かるんだが、
 気付かない振りをするのは兄なりの気
 遣いだ。本当は無理して欲しくねぇん
 だけどな。俺が言った所で素直に言う
 事を聞く奴でもない。茶を置いてから
 軽く肩を叩いて部屋を出た。邪魔しち
 ゃ悪いし…俺は俺で自室でのんびりし
 てからおやすむぜ。
>21:00
 暇だ、俺は今とても暇している。ヴェ
 ストは部屋に篭っちまってるし、何か
 やる事ねぇかな。パソコ_ンを弄って
 みるがやる事は何もねぇしな。あー、
 つまんねぇの。
>22:00
 部屋のベッドで今、この日記を綴って
 いる。今夜は何時になく静かで眠気を
 誘うには十分過ぎるぜ…目を閉じたら
 間違いなく眠れる。そんなわけで、今
 日は早めの就寝にする。
>2015-01-XX 09:00
 いつも通りヴェストを見送ってから、
 朝食を食ってのんびりしていた。小鳥
 が視界をバタバタと意味深に飛ぶもん
 だから「なんだよ」って聞くと着いて
 来いと言わんばかりに誘導された。小
 鳥のくせになんか偉そうだ。着いてっ
 た先はヴェストの部屋だった。いつも
 鍵が掛かっているはずの其処は扉が微
 妙に空いていた。鍵掛け忘れるとか余
 程疲れてんだな…だが、此れはチャン
 スだ。お兄様が可愛い弟のプライベー
 トな部分を調査してやるぜ。でかした
 ぞ、小鳥!流石は格好良い俺様に似て
 優秀だ。さて、どっから見てやろうか
 …好きな女の一人ぐらいいんだろ、ヴ
 ェストの奴。あ、こんなとこに日記帳
 発見。ちょっとぐらい覗いたっていい
 よな。
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