セブンネットショッピング

仲間一覧
485.《FREEDOM-千夜一夜-》
 ┗48

48 :イエロー
01/04(土) 23:38

第31夜<范帝国の一件㉛> >>49
第32夜<范帝国の一件㉜> >>50 
第33夜<范帝国の一件㉝> >>51
第34夜<范帝国の一件㉞> >>52
第35夜<范帝国の一件㉟> >>53
第36夜<范帝国の一件㊱> >>54
第37夜<范帝国の一件㊲> >>55
第38夜<帰路に着く(1)> >>56
第39夜<帰路に着く(2)> >>57
第40夜<帰路に着く(3)> >>58 3/16

[范帝国]
皇帝の沁 畄(リュウ)セイ(71歳)
皆からは皇帝と呼ばれる

[見た目]艶のある黒髪

[笑い方]笑うとしたら、はっはっは

范帝国を統べる皇帝である
実は絶対的王権制度を廃止しようと運動していたが文官達には猛反対されていたり

[范帝国]
皇帝側近の兎(う)カクビ(78歳)
皆からカクビ様と呼ばれる

[異名]戦慄の豪傑
豪快な技を繰り出す事より呼ばれる様になる

[血筋]范帝国出身で名門武家の出

[武器]膨大な覇気を遠当てにして飛ばす事が出来る

[見た目]口と鼻にチェーンのピアスを付ける

[笑い方]カッカッカッ

皇帝との付き合いは1番長い男でもある。ビシャモンとは若い頃より犬猿の仲であったがお互い歳を取り関係は良好になっていた。好きな将棋ではいつもビシャモンに圧勝していた。実は悪魔の実の能力者であったが使わずに終えた

[范帝国]
皇帝側近の萊(り)ビシャモン(79歳)
皆からビシャモン様と呼ばれる

[異名]地獄耳
聴力が人間離れしてる事からそう呼ばれる

[血筋]范帝国出身で育ちは商人の家系

[武器]蹴り技を中心とした体術

[見た目]顔に御札を付けている

[笑い方]ほほほ

数十年前には実は海賊をやっていた過去を持つビシャモン。その後は名門武家『萊』の名を貰い受け王宮兵士として長く仕えた
カクビとは対になる悪魔の実能力を保持している

[海軍本部]
中将のいろは(44歳)
皆からはいろは中将と呼ばれる

[異名]麗
歴代の剣士に脈々と受け継がれる称号の名

[血筋]海軍本部中将うるはと初代一文字流の師範代イチモンジの一人娘

[武器]大業物 覇道一文字

[見た目]ピンク髪

[笑い方]イハハハ

ジンベエと共に旧海軍本部の体制を崩して新たな組織を作り替えた伝説の海兵の1人とされている

因みに大食いで海軍の中でも1、2を争う大食いであり、スシとラーメンが大好物である

海軍本部の後輩である三羽烏の1人『麗し』のマルルをかなり可愛がっており、通り名もいろはが命名していたり

(Android/Chrome, ID:Z+72WCc10)
[削除][編集]



[戻る][設定][船長専用]
WHOCARES.JP
49 :イエロー
01/04(土) 23:43

第31夜<范帝国の一件㉛>

畄セイ
「『シヴァ』の名はこの国では最もの機密事項…(側近のカクビ、ビシャモン、それに龍エンしか知らない事実を何故…?)」

王宮の軍師
「シヴァ…!?何だそれは!?」

アポロン
「過程などどうでもいい。所在を吐け、さすればこの無意味な争いは終わる」

畄セイ
「ふっ…馬鹿め。その様なモノはまことしやかに囁かれておる語り草に過ぎん。所在どころか実在するかさえ謎なのだ」

アポロン
「とぼける気か?我を欺くにしては冗談が過ぎるぞ」

畄セイ
「あの様なモノが存在する訳がないだろう」

アポロン
「『シヴァ』とは…言わば再生と破壊を司る兵器。この国が繁栄し続けるのは『シヴァ』のお陰であろう」

王宮の軍師
「そ、その様なモノがこの国にある訳がないだろう!」

アポロン
「その兵器が…もたらした幾許かの神話では…"千と一の国の夜を奪った"…とされている」

畄セイ
「あてが外れたな。私には知る由がないのだ」

アポロン
「まだ迷い言を言う気か?ならば始末するしかあるまい」


ギッ…
アポロンは構えを取る


王宮の軍師
「皇帝!私の後ろへ」


バ…タン…!
その時、皇の間の扉が開いた


龍エン
「…皇帝ッ!」


第1皇子沁 龍エンがその場に辿り着いた


アポロン
「ほォ。まだ息があったか。第1皇子よ」

龍エン
「皇帝…!ご無事ですか?賊は今、片を付ける」

アポロン
「笑止千万…」

畄セイ
「龍エン…この男は…!」

龍エン
「解っております。この国に仇なす者という事は…!」


スッ…
龍エンは瞬を使いアポロンの間合いに入る


アポロン
「速いな。だが我には見えているぞ…遅い」


アポロンは瞬による、龍エンの速攻を見切っていた


ビジュッ…


ビシャモン
「ほほほ。こやつが敵の総司令官とやらかのォ」

アポロン
「…?」


ザシュッ!
突如ビシャモンが現れ、アポロンの背後を取り構えた


龍エン
「先生…?」

ビシャモン
「これでは動けまい。龍エン坊ちゃん後を頼むぞォ」

龍エン
「はい。圧撃(アツゲキ)!」


バゴォォォッ!
圧力を込めた右拳をアポロンに直撃させた


アポロン
「ぐ…」

龍エン
「熱分身とは違い…ダメージが脳内まで届いただろう」

アポロン
「…やはりここらで第1皇子は消しておくのがいいか」 

龍エン
「フン。貴様ごときに消させしないぞこの命はな」

ビシャモン
「待てい。龍エン坊ちゃん。」

龍エン
「先生(ビシャモン)隠居してたハズでは?」

ビシャモン
「ほほほ。頼りない後輩達を見てられんでのォ…それに敵の1匹は確保した」

龍エン
「流石は先生」

ビシャモン
「所でわしゃ地獄耳でのォ先程の『シヴァ』の話は聞かせて貰った。皇帝よ…こいつには情報など何1つも与えるな」

畄セイ
「勿論だ」

アポロン
「ほォ。我は機密事項を知る者は1人生かせればいいのだが?」

ビシャモン
「…所でカクビをやったのはこの男で間違いないかのォ」

王宮の軍師
「はい。この男がカクビ様の首を…!」

ビシャモン
「弔い合戦ってのはちと性には合わんが…最初から本気でやらんとな」

畄セイ
「ビシャ、まさか?」

ビシャモン
「王宮が崩壊せぬ様に気を配りますゆえ」

龍エン
「先生気を付けて下さい。この男は深淵の炎を操る能力で」

ビシャモン
「左様か。先程から喉が渇くて思っていたがこやつのせいか」

アポロン
「講釈を垂れている所悪いが、我を倒す事は不可能だ」

ビシャモン
「ほほほ。やる前から口だけは一丁前じゃのォ…どォれ"解放"は10年振りかのォ」


ズズズ…!
次の瞬間…ビシャモンの姿は変貌した


アポロン
「何だその姿は?」


ー王宮内ー
南階段前


オリヴァ
「まさかこんな所で足止めを食らうとはよ」

ジャンク
「…次こそは斬ってやるよ」


メディ
「ザクロちゃん…この血の量は…」

ザリー
「う、ぜェな。まだ動ける…!」


ギュ…
切断された右足を布の切れ端で縛るメディ


バレンタイム
「お姉さん(七世)、大丈夫かい?」

七世
「え、えェ。しかし何故あの人は私を助けたの?」

バレンタイム
「ザクロの気紛れかもな。だがあいつは訳もなく助けたりはしない。だからお姉さんは気にしなくていいさ」

七世
「わか、りました」

バレンタイム
「もしまだ動けるならこの先は1人で行けるね?」

七世
「あなたは?」

バレンタイム
「俺はまだあのデカブツ(オリヴァ)にとびきりの一発入れてねェからな。戻るさ」

七世
「あ…あの女性(ザリー)は?」

バレンタイム
「ザクロか?あいつは大丈夫さ!刺されようが撃たれようが所狭しと動き回るじゃじゃ馬なんだ」

(Android/Chrome, ID:Z+72WCc10)
50 :イエロー
01/12(日) 13:14

第32夜<范帝国の一件㉜>

オリヴァ
「殺人パンチ!」

ジャンク
「静寂の斬撃(サイレンズ)」


バキィィン!!!
オリヴァの大バサミの突きとジャンクの手甲鉤の斬撃が混じり合う


ジャンク
「はァ…はァ…」

オリヴァ
「ヴァハハハ!もう息切れか?」

ジャンク
「ヘッ。こんなモン、何でもねェよ」


ジャンクの剣技
『雑音』と『静寂』の2種類の斬技がある
雑音はその名の通り勢いに任せて放つ技に対して静寂は集中力が必要になる為、この緊迫とした状況において更なる集中力を必要としている為に疲労度が比較にはならない程であった


ジャンク
「お前らクラスを倒さねェとこの先の海を乗り越えられねェなら斬るしかねェ…!」

オリヴァ
「無駄なあがきだな。ヴァハハハ!」


メディ
「ザクロちゃんもう無理しないで…!」


血が滲み出る切断された右足に手を当て止血を試みるメディ


ザリー
「俺は…まだ動けるつってんだろ…今すぐそこをどけメディ!」


ザッ…
釘バットを杖にして何とか立ち上がるザリー


メディ
「何故立ち上がるの…!?」

ザリー
「奴(オリヴァ)をぶっ倒す為だ」


ダダダダッ!
オリヴァとジャンクが向かい合う


ジャンク
「フゥ。その身を引き裂き為に全身全霊で挑む」

オリヴァ
「ふん!さっさとくたばれルーキー!
殺人ギロチン!」

ジャンク
「俺はお前を超える…奥義…
静 寂 の 開 花 (サイレント・ブルーム)」


ドギィィィ…ッッ!!!!!
ぶつかり合うオリヴァとジャンク


オリヴァ
「ぐは…ァ!!」

ジャンク
「ぐ…!!」


ズタン…
オリヴァがここに来て初めて片膝を付いた


ジャンク
「はァ…はァ…どうだ片膝付かせたぞ?」

オリヴァ
「はァはァ…生意気なクソ餓鬼がッ!」

ジャンク
(まさか俺の大技でも駄目だった…効いてるようで効いてねェ。こいつを倒す方法なんてあんのかよ?)


ザリー
「ジャンク!!」
 
オリヴァ
「な、に?」


咄嗟の出来事であった

ジャンクとの攻防の際の一瞬の不意にオリヴァの背後を取ったザリー


オリヴァ
「なッ…」


ガシッ!!
オリヴァに背後から抱きつき、両腕と体を取り押さえたザリー


オリヴァ
「く、そ!離しやがれ!」


いつもなら力負けなどしないハズのオリヴァ

しかし先程のジャンクの一撃、そしてザリーの決死の底力に負け

両腕と体を取り押さえられたのである


ザリー
「さっきの技もう1回こいつにぶち当てろ!!コイツを殺すんだ!!」

ジャンク
「へッ。流石は船長だ…とんでもねェ事考えてやがった」

オリヴァ
「…てめェら許さねェぞ!!…やめろ!!」

ジャンク
「ジャクハハハ。これはサシでも無ければ真剣勝負でもねェ…海賊同士の喧嘩だ…文句は言わせねェ」


スタンッ!!
強く踏み込んだジャンク


ジャンク
「奥義…静 寂 の 開 花 (サイレント・ブルーム)」


ズザァァァンッッ!!!
オリヴァの体を引き裂き、血飛沫が上がる


オリヴァ
「ぐはァァァ…ッ!!!」


ジャンク
「どうだ?お前の硬い皮膚もようやく引き裂けたぜ」


毒蜘蛛の一味のヴァルキリー・オリヴァはザリーとジャンクの手により敗北を喫した


メディ
「まさか本当に毒蜘蛛の一味の1人をやっつけちゃった…?」


タタタッ
そこへ駆け付けたバレンタイム


バレンタイム
「まさかマジでやっちまったのか?」

ジャンク
「ふッ。ビビってんのか?こいつら(毒蜘蛛の一味)の報復に」

バレンタイム
「抜かせ!そういう事じゃねェ」

メディ
「それよりザクロちゃん…」

ザリー
「何だよ。いつまでもメソメソしてんじゃねェよメディ」

バレンタイム
「てか急いでここからずらかろう。もうここには用はねェハズだ」


その時であった


オリヴァ
「ま、まだ…終わっちゃいねェんだよ…!」


ジャンク、バレン、メディ
「!?」


オリヴァのとてつもない殺気を感じ取る一味面々


ザリー
「誰だコイツ?」


オリヴァ
「…まさか…てめェらごときに…アラクネ様から授かった"恩寵(おんちょう)"を解放しなければいけないとはよ!」


シュッ!タッ!!
血濡れのオリヴァが立ち上がりジャンクの前に


ジャンク
「おい…嘘だろ?」

バレンタイム
「おい逃げろ!パーマ野郎(ジャンク)」


オリヴァ
「死ね!」


バゴォォォンッ!!
オリヴァの速攻の一撃で殴り飛ばされたジャンク


ジャンク
「ぐはァ…!」


もはや限界のジャンクは殴り飛ばされた先でうずくまった


オリヴァ
「俺がアラクネ様から授かった恩寵は怒りだ。怒りのボルテージが上がれば上がる程俺のパワーは増幅するんだよ!」

(Android/Chrome, ID:IeJ6/71A0)
51 :イエロー
01/18(土) 21:46

第33夜<范帝国の一件㉝>

ジャンク
「ぐは…ァ。ちきしょう」

オリヴァ
「浅かったか。首をへし折るつもりで殴ったんだがな!」


ガチャン!
オリヴァは横たわるジャンクに大バサミを向けた


オリヴァ
「ヴァハハハ!これがてめェらのレベルでは到底なしえないステージだ」

ジャンク
「げほッ。恩寵…?そりゃてめェらの首領アラクネって奴の能力か?」


オリヴァはこの死地にて更なる膂力を上げていた

恩寵と呼ばれる謎の能力による恩恵にて


オリヴァ
「ヴァハハハ!てめェは連れ帰るのは止めだ。ここで殺す。あの世で後悔しな。毒蜘蛛の一味に手を出したって事によ!」

ジャンク
「ふざ…けんじゃねェ…」


ザリー
「おい!!!てめェの相手は…!!この俺だろが!!」


ズタンッ!!
大声で叫ぶザリーは左脚のみでオリヴァに飛び掛る


オリヴァ
「きゃんきゃん喚くな女が!」

ザリー
「不叩反魔(ブッタタキハンマー)!!」


ズズズ…!!
ザリーの両腕、釘バットは黒く染まり
それをオリヴァに振るい落す

バギィィン!!!


オリヴァ
「ふぬ…!!」


オリヴァは大バサミで釘バットを受けとめたがザリーの渾身の一撃に負け、吹き飛んだ


オリヴァ
「ぐ…はァ…何て力だァ…!」

ザリー
「はァはァ…てめェはここで殺す!」


言葉とは裏腹に
切断された右足の痛みに加えて先程の大技は放ったザリーにはもはや余力は残っていなかった


オリヴァ
「クソがァァァッ…!!」


怒り狂うオリヴァの咆哮はその場の建物にメキメキとヒビが入る程に迸(ほとばし)っていた


ザリー
「はァ…はァ…次で仕留めッ…」


バタン!
ザリーは前のめりに倒れた


メディ
「ザクロちゃん!?」


タタタッ
ザリーの下へ駆け寄るメディ


メディ
「良かったケロ…息はある…気絶してるだけ…ケロ!」



スタスタスタ

そんなメディとザリーを横目に素通りしたオリヴァはジャンクの前再び降り立った


オリヴァ
「ヴァハハハ!まずはてめェから死刑だ。小僧(ジャンク)!!」

ジャンク
「ゲホゲホ…やってみろクソが…」


ダダダッ…!


バレンタイム
「やめろッ!
鎧拳(よろいこぶし)!!」


バキィ…!
バレンタイムが横入りして渾身のパンチをオリヴァへ放つ


ジャンク
「はァはァ…余計な真似すんじゃねェ…よ」

バレンタイム
「悪くねェな。お前(ジャンク)のそんな弱々しい姿拝めるってのも」

オリヴァ
「邪魔すんじゃ…ねェよ!!」


バキィィン!!
カウンターの蹴りを喰らいくの字に吹き飛ぶバレンタイム


バレンタイム
「…ぐはッ!!」


ガチリ…
しかしバレンタイムは再び立ち上がる


バレンタイム
「まだ…だぜ…ゴホッ」 


血の塊を口から吐くバレンタイム


メディ
「バレン…!あんたも既にボロボロなのに何故立つケロ!?」


バレンタイム
「ふッ。ザクロもジャンクも死力を尽くしてて…俺だけ呑気に寝てられるか…!」


気絶するザリー、横たわるジャンク、既に満身創痍のバレンタイムの3人、そしてメディにはオリヴァに対抗出来うる力はなかった

もはやこの場でオリヴァに屈する事しか残されていなかったのである


オリヴァ
「俺に恩寵を解放させた事は予定外だったがここでおしまいだァ!」


ガチャン…!大バサミをジャンクへ向けるオリヴァ


バレンタイム
(駄目だ…体が動かねェ…このままじゃジャンクが…)


オリヴァ
「あばよルーキー海賊…!」


ジャンクへ振るう大バサミ

スト…


オリヴァ
「何…?」


突然大バサミを振るうのを止めたオリヴァ


白髪混じりの目つきの悪い男
「この勝負は…ルーキー共の勝ちなワケ」
>>44 この男の登場シーン


オリヴァは大バサミを振るうのを止めたのではなく、白髪混じりの目つきの悪い男に片手で大バサミを握り止められていたのであった


メディ
「誰?」

バレンタイム
「はァ…はァ…新たな敵?って訳でもなさそうだな」

ジャンク
「は…?」


オリヴァ
「おい…まさか…その面(つら)は…!そしてその背中の金槌は…」

白髪混じりの目つきの悪い男
「恩寵はてめェの力じゃねェワケ。てめェはこいつらルーキーに負けたんだよ。潔くくたばるワケ」

オリヴァ
「無邪気一味の復活は記事で見たが…何故てめェの様な男がここに!?"海の壊し屋"キャップ!」

キャップ
「蜘蛛の暴走を止めに来たワケ」


無邪気一味 船大工
【海の壊し屋】のキャップ
懸賞金10億1000万ベリー


バレンタイム
「キャップって確か…」

メディ
「ザクロパパ!?」


パキパキパキ…!!
オリヴァの大バサミがキャップに握り割らされた

(Android/Chrome, ID:Ud0BIzlf0)
52 :イエロー
01/25(土) 15:32

第34夜<范帝国の一件㉞>

 
パキパキパキ…!!
オリヴァの大バサミがキャップに握り割らされた


オリヴァ
「嘘だろ…この特注大バサミを片手で握りつぶすとか…!?」

キャップ
「俺の握力はダイアモンドすら粉砕出来るワケ」

オリヴァ
「だが俺の武器は大バサミだけじゃねェんだよ!俺が授かった恩寵は強大だぜ!
殺人パンチ!!」

キャップ
「恩寵に使われてる様じゃ足をすくわれる。俺には勝てねェワケ」


バゴォォォッ…
キャップの右拳とオリヴァの左拳がぶつかり合う


オリヴァ
「う、うがァァァ!」


キャップの右拳でオリヴァの左拳を砕いたのであった


オリヴァ
「ふざけん…じゃねェ!!」

キャップ
「てめェはここまでなワケ。"大バサミ"のオリヴァ」


スッ…
キャップは背中から大きなハンマーを手に取り構えた


オリヴァ
「クソがァァァ…!」


怒り狂うオリヴァは武装色の覇気を左腕に纏う


オリヴァ
「殺人ラッシュ!!」

キャップ
「漸進する金槌(ドライブハンマー)」


バゴォォォォォンッッッ…!!!
物凄い衝撃と共に

辺り一帯を包み込む


オリヴァ
「………」


バタン…
血塗れのオリヴァが白目を向き倒れた


キャップ
「…世話が焼ける」


メディ
「お、終わったの?」


気の抜けたメディはカエルの能力を解除した


バレンタイム
「多分?」

ジャンク
「はァ…まだだ。この男(キャップ)の目的は何だ?」


横たわるジャンクがそう呟く


キャップ
「心配するな。今は敵じゃねェワケ」


キャップの視線は気絶するザリーに向けた


メディ
「あ…ザクロちゃんの処置を急がないと…」

バレンタイム
「切断された右足はくっつくのか?」

メディ
「…!…」


タタタッ…
そこへ王宮の衛兵達が囲む様に現れ、後から官女の七世がやって来た

衛兵達は倒れ込む侵入者のオリヴァ、そしてザリーの姿を確認した


バレンタイム
「おいおい…囲まれちまった。つか忘れてたけど俺達も侵入者だからやばいんじゃねェの?」

ジャンク
「それなら…斬って逃げるまでだ」

バレンタイム
「立つ事もままならねェ奴が何言ってんだよ?」


衛兵達はバレンタイム達に向かい膝まづいた


衛兵達
「あなた方が…賊の一人を退治してくださったのですね」

「感謝致します」

バレンタイム
「え?」

七世
「あの時は私を逃がしてくださってありがとうございます…そして賊の一人を始末してくださったのですね…!」

バレンタイム
「いや、…まァそういう事にしとくか(都合良くいい感じに逃げられそうだ)」

七世
「そしてその女性(ザリー)は…」

バレンタイム
「くたばっちゃいねェさ。気絶してるだけだ。なァメディ…止血は終わったんだろ?後は上手い事足をくっつけて…」

メディ
「無理…よ!」

バレンタイム
「は?何言ってんだ」

メディ
「血を流し過ぎているの!簡単な止血なら済ませたけど。それに足の接合手術なんて私には…出来る訳がないじゃない!わたしは精神科医なのよ!?」

バレンタイム
「あ、忘れてた」


Dr.メディの専門分野は精神医学であり簡易的な医療技術しか持ち合わせていなかった


メディ
「それに今すぐでも大量の輸血も必要なのよ…!しかもザクロちゃんの場合は珍しい血液なのよ、私もバレンでもジャンクでも、他のメンバーにもザクロちゃんと同じ血液を持つ人間はいないの!」

バレンタイム
「マジかよ…クソ。どうすりゃいい」

七世
「あのもし宜しければ…」

メディ
「何?」

七世
「王宮内で同じ血液を持つ人間を探しましょうか!?」

メディ
「本当!?」

七世
「はい…!私の責任でもありますし、それに王宮内には沢山の人間がいるので同じ血液を持つ人も現れるかと…!」


スタスタ…
そこへキャップが割入った


キャップ
「今すぐ必要なんだろ?探してる時間も一分一秒と惜しいワケ。…なら俺の血を使え」

メディ
「え…?」

キャップ
「こいつ(ザクロ)と俺は同じ血液を持つワケ」

メディ
「あなた本当にザクロパパ…?」

キャップ
「そのパパって呼び方は止めるワケ。…ただし条件がある」

メディ
「条件?」

バレンタイム
「あんたの愛娘だろ…!こんな時にふざけてんのか?」

キャップ
「あ?」


キャップはギロリとバレンタイムを睨む


バレンタイム
(何て威圧感だよ)

キャップ
「俺がこの国に来た事をザクロには口外するな」

メディ
「な、何で!?ザクロちゃんはあなたと会いたがってるハズよ」

ジャンク
「よせメディ。今は言う通りにしよう。なんにしてもザリーへの輸血は急ぐしかねェだろ?」

メディ
「わ、解ったわよ!」

(Android/Chrome, ID:zmsD/sh40)
53 :イエロー
02/04(火) 19:15

第35夜<范帝国の一件㉟>

七世
「それではこの方々を至急医療室へ運んで下さい!」

衛兵達
「はい!承知致しました」

ジャンク
「おい、俺は平気…ぐは」

バレンタイム
「黙って運ばれろ」

メディ
「あんたもよバレン」

バレンタイム
「は、はーい」


かくして毒蜘蛛の一味"女郎蜘蛛一派"【大バサミ】のヴァルキリー・オリヴァVSザリー海賊団の対決は終えた


時同じくして


ー王宮内の何処か??ー
白いヴェールに包まれた謎の空間


海軍本部中将【麗】のいろはと対峙していた毒蜘蛛一味"女郎蜘蛛一派当主"【白線】のシルバニア・ホワイト


いろは
「超絶早くワタクシを元の場所へ戻しなさい!」

ホワイト
「はァはァ…ではお言葉通り元の場所へ戻しますわね。攻撃ではないですから心配なさらずに」


血を流すホワイトは手を上に翳すと

ズズズ…

音を鳴らしながら空間が歪んで行く


いろは
「超絶不気味な能力!"ヴェルヴェルの実"の能力者!」

ホワイト
「海軍の情報網は脅威ですわ」


★ヴェルヴェルの実
ヴェール人間
白い羽衣で有機物、無機物を覆い尽くす事が出来る
ホワイトは能力の応用でヴェールの空間も作り出しそこに覆い尽くした物を出し入れが可能
能力者(主にパラミシア、ロギア)に対しても相手の攻撃を羽衣で覆い尽くし無効化する事も可能


いろは
「逃げない様に腕は掴んでいるぞ」


ギシッ!
ホワイトの右腕を掴んだいろは


ホワイト
「ご自由に」


いろはとホワイトの2人は謎の空間から消え、王宮内のとある部屋に飛んでいた


いろは
「ここは…?」

ホワイト
「ギリギリでしたか」


アポロン
「随分と手間を取ったな」


ここは侵略者の最後の舞台

王宮内、皇の間


いろは
「超絶どういう事!?」

龍エン
「女海兵と…賊か?」

ビシャモン
「ほほほ。新手か」


そこには血塗れの龍エンと姿を変えたビシャモンがいた


いろは
(この国の皇子に、それに奥には皇帝までいる…どういう事なの?)

ホワイト
「絶景ですわね皇の間は」


アポロン
「火焔・盾(ブレイドシールズ)」


アポロンが能力を発動させた瞬間、深淵の炎で出来た火柱がホワイトといろはを一瞬で分断した


いろは
「熱ッ…しまった!」

ホワイト
「流石ですわ。総司令官」


シュッ…
いろはに拘束されていたホワイトは火柱のおかげでその場を脱する事に成功し、アポロンの下へと跳んだ


アポロン
「貴様にしてはぬかったなホワイト」


ホワイトの斬られた傷を見てそう呟くアポロン


ホワイト
「返す言葉もないですわ…それで探し物は?」

アポロン
「この者達からの口ぶりからして存在する事は確定した。…だが今は時期ではない」

ホワイト
「そうですか…わかりました」

アポロン
「さて帰るとするか。我が城へ」


ダダダッ!
龍エンが向かって来る


龍エン
「はァはァ…逃がす訳がないだろう」

アポロン
「面白いなこの国は。次から次へと強者が出てくる。我は嫌いではないぞ強者はな」

龍エン
「范をナメるなよ賊が」

アポロン
「この侵略の落とし所を探していたが、第1皇子…貴様の首ではちと安いな」

龍エン
「何を言っている?」

アポロン
「それよりもやはりは皇帝の首を取り、逆上した第1皇子に恨まれるのもまた一興か」

ビシャモン
(まずいな…)

龍エン
「させる訳がないだろ」

いろは
「皇帝の首を…?何を言っているの」


アポロン
「ホワイト…腸ウンは?」

ホワイト
「直に着くかと」

アポロン
「…それでは頼むぞ」

ホワイト
「はい」


ズズズ…
畄セイの背後の空間が歪む音がした


畄セイ
「何だ…この音は」


ビシャモン
「まずい龍エン坊ちゃん!皇帝の下へ!」

龍エン
「!?」


だが時遅し

ザクッ…!
鋭い音と共に血しぶきが飛んだ


畄セイ
「ぐふァ!」


何も無い空間から突然羽衣と共にナイフが出現し、そのナイフが【皇帝】畄セイの心臓を貫いた


龍エン
「皇帝!」

いろは
「あの羽衣…まさかホワイトの能力で…!クソが!」

王宮の軍師
「皇帝が討たれた…!?そんなハズが」

龍エン
「く…心臓を貫かれている」


しかしここで1番の怒りを表したのは他でもない

常に冷静沈着のビシャモンであった


ビシャモン
「皇帝よ。あまりにも早すぎる…許さぬぞ賊めら」


アポロン
「ほォ。そしてどうする?」


シュッ!!

姿を変えているビシャモンはアポロンへ向けて飛んだ

文字通り飛んだのである


アポロン
「気にはなっていたがその姿は何だ?ゾオン系の類か」

ビシャモン
「賊よ…最後の言葉がそれでよいな?」

(Android/Chrome, ID:iAAl74p50)
54 :イエロー
02/13(木) 23:01

第36夜<范帝国の一件㊱>

王宮の軍師
「ビシャモン様!どうか仇をッ…!!」

アポロン
「気にはなっていたがその姿は何だ?ゾオン系の類か」


ビシャモン
「我、風神也(なり)!
台風脚」


ビシャモンの食べた悪魔の実
★ヒトヒトの実"モデル"風神(ヴァーユ)
大風を操る人間
空を飛ぶ事を含め風を自由自在に操る能力である
その実力は未知数であった


アポロン
「風神か…合点が一致した」


バギィィィン…!!!
ビシャモンの大風を起こす蹴りを右腕で防ぐアポロン


ビシャモン
「防いたか。だが風の回転は止まらんぞぃ」


防いだハズのアポロンの右腕が
ギュルルルル
回転しながらちぎれて行く


ホワイト
「総司令官。その右腕」

アポロン
「あァ…右腕1本失ったか。だが悪くない蹴りだ」


バキッ!
自ら右腕をちぎり捨て、大風の回転を止めたアポロン


ビシャモン
「賢いな。ほっとけば台風の回転に巻き込まれて肉体は次々と引き裂かれていたのにのォ」

ホワイト
「何と末恐ろしいですわね」

いろは
「待ちなさい!この場は…海軍本部のい…!」

龍エン
「黙れ女海兵。この侵略戦争に貴様ら海軍の介入は断ったハズだが何故この場にいる?」

いろは
「ぐ…それを言われたら超絶グーの音も出ないけど…」

ビシャモン
「ほほほ。それよりも右腕1本で受け止めるとは流石は傑物じゃの。だが次で仕留めるぞい」


ビシャモンは間髪入れず次の体勢を取っていた


ビシャモン
「…?」


ジッ…
ビシャモンは妙な気配を感じ取り、動きを止めた


アポロン
「…幕引きだ」


ズズズ…ズズズ…

アポロン、ホワイトの背後の空間より黒い穴が空き、そこから1人現れた


ホワイト
「来ましたか。腸ウンさん」

腸ウン
「終わった…のであるか?」

ホワイト
「今しがた終わりましたわ」


王宮の軍師
「お前は"朧月"の腸ウンッ!?」

龍エン
「奴は確か元王宮兵士だった男か。だとしたらその黒い穴は…"ウラウラの実"の能力か」


腸ウン
(第1皇子に…その奥で倒れているのは皇帝か…)

アポロン
「皇帝は討った。これにて侵略を終わりとする」

腸ウン
「…キャンディとオリヴァは?」

ホワイト
「約束の時間に此処へ現れなかった。考えられるとしたらこの国の兵士達に足止めされたか始末されてしまったのか、ですわ」

腸ウン
「…置いていっていいのか?」

ホワイト
「えェ。それよりも我々は"大きな力"を手に入れたのですから」


龍エン
「…!?」


腸ウン
「…御意」


黒い穴にアポロン、ホワイト、腸ウンの3人は次々と入って行く


龍エン
「先生(ビシャモン)!」

ビシャモン
「解っておるわい。ただで帰す訳がなかろう」


シュッ!
ビシャモンは瞬を使い、黒い穴に入って行くアポロンに向けて飛んだ


ビシャモン
「わしゃと共にこの国で散れ行け。総司令官とやら」

アポロン
「何度もくどいぞ…老いぼれ」


ビシャモンが大風を纏った蹴りを放った瞬間に

腸ウンの発動させた黒い穴は閉じた

ビシャモンの蹴りは空を切っただけであった


ビシャモン
「…ほほほ。あやつらめ…わしゃを目の前に勝ち逃げしおったか」


アポロン、ホワイト、腸ウンは黒い穴へと入り、何処へとともなく消えていった


王宮の軍師
「くそッ!!それより皇帝の容態は!?医療班を急がねば!!」

龍エン
「無駄だ」

王宮の軍師
「へ?」

龍エン
「心臓を貫かれている…即死であった」


こうして毒蜘蛛の一味の范帝国への侵略は終わりとなった


ビシャモン
「こんな結末にさせてすまんのォ皇帝」


〜ビシャモン回想〜

16歳で海に飛び出し海賊になり20代後半で彼は海賊としても名声を轟かせていたが、世界で見た景色と自分の価値観に心底絶望し、世界政府との密約で悪名高い億超え海賊10人の首を取引に海賊として引退を果たして懸賞金も取り下げれていたのであった

心身共にボロボロのビシャモンは故郷范帝国への帰郷を果たした

本国に戻った後は特に悲惨であった。元海賊と言え大海賊であった彼は兵士に捕まり牢獄へ入れられ約1ヶ月間飲まず食わずの生活を送っていたのである

そこへ何と皇帝である畄セイが牢獄へ赴いたのであった


文官達
「な、何を言っておられるですか皇帝よ!?」

「元海賊でただの商人の血筋の男に名門武家の萊の名を授けて王宮隊長を任命するなんて!!」

若き頃の皇帝畄セイ
「はっはっは。私が決めた事だ。異論は認めんぞ。それにこの男の腕は既に范イチであるのだぞ」

若き頃のビシャモン
「そこまで言うならなってやってもいいぞ。丁度海賊は廃業して暇じゃったしのォ。だが今すぐ酒と飯を用意せい」

(Android/Chrome, ID:1bd7cAwu0)
55 :イエロー
02/19(水) 22:35

第37夜<范帝国の一件㊲>

若き頃のビシャモン
「そこまで言うならなってやってもいいぞ。丁度海賊は廃業して暇じゃったしのォ。だが今すぐ酒と飯を用意せい」

若き頃のカクビ
「何だこの男!このふてぶてしさは!」


20代後半で王宮衛兵を統括していた若き日のカクビ


畄セイ
「はっはっは。面白い男だな」

文官達
「皇帝に向かい何たる態度だこの男は!」

「即刻打首に!」

畄セイ
「いい。私が許す」

文官達
「しかしですね…!」

「この男が王宮隊長になど…!」

ビシャモン
「ほほほ。やかましい連中じゃのォ」

カクビ
「カッカッカ。こんな賊上がりに務まるものか…隊長なぞ」

ビシャモン
「ほォ?お主がわしゃより強いと?」

カクビ
「当然だ」

畄セイ
「止めんかカク。さてビシャモンよ。これをお前に渡す」

ビシャモン
「何だ食い物か?」


1つの宝箱をビシャモンに差し出す


文官達
「そ、そ、れは!?范国の極秘秘宝の1つ!!」

ビシャモン
「何だか知らんが貰っといてやるよ」

畄セイ
「それは特別な悪魔の実であるぞ」

ビシャモン
「ほっほっほ。悪魔の実か」


パクッ
一口食べたビシャモン


ビシャモン
「腹が空いてたのにまずっいのォ」

カクビ
「カッカッカ。その反応は俺と同じだな」

畄セイ
「期待しておるぞビシャモン。この国はこれから更なる成長を果たさなければならないのだ」


月日が流れて皇帝に子が生まれた

名は龍エン


畄セイ
「ビシャ見てくれ!私の子だぞ!どうだ私に似てハンサムではないか?」

ビシャモン
「ほほほ。わしゃらが必死にこの国を守っている間にやる事やりおってからに」

畄セイ
「はっはっは。ビシャモン。この子は世界に立つ皇子になるぞ。物心かついた時お前の配下に付かせるゆえ、一から鍛えさせるのだ」

ビシャモン
「ほっほっほ。カクビがおるではないか?何故わしゃに」

畄セイ
「お前は1度世界に出ている。その経験値は馬鹿にはならないからだ」

ビシャモン
「それはどうじゃかのォ。だがやるだけやってみるかい」

畄セイ
「それにカクは衛兵の仕事で常に多忙を尽くしておる。それに比べてお前は…」

ビシャモン
「は?わしゃが常に暇人みたいに言うな」


〜ビシャモン回想終了〜


ビシャモン
「…わしゃも直にそっちにいくらかのォ…ちょっと待っておいてくれんか、カクビ、皇帝」


そして王宮内では慌ただしい軍議が行われていた


王宮の軍師
「此度の侵略戦争での被害は北の港ジンショウは壊滅状態との事、北の町でも次々と甚大な被害が…そして此処王宮も…
そして此度での事件で死亡者は千を超え、重傷者の数…ッ」

文官達
「もう止めんか!ただでさえ皇帝が討たれたばかりというのに…もうそれだけで耳が痛いのだ!」

「それに捉えた賊の女(キャンディ)と賊の男(オリヴァ)は?」

王宮の軍師
「女の方は牢獄へと。男の方は先程息を引き取ったとの事でした」

文官達
「それに今は次期皇帝を直ぐさま任命しなければ国民達が揺らぎますぞ!そして今一番厄介なのは第2皇子(霤メイ)の安否だ!」

王宮の軍師
「であれば直ぐさまに龍エン閣下に…司令を…」


ー帝都ベキンー
海軍駐屯基地


海兵達
「いろは中将…お疲れ様であります」

「しかし毒蜘蛛の一味が侵攻して来るとは恐ろしい自体でしたね」

いろは
「…くッ」


いろはは先の戦でホワイトとアポロンの会話を思い出していた

ーホワイト
「返す言葉もないですわ…それで探し物は?」

アポロン
「この者達からの口ぶりからして存在する事は確定した。…だが今は時期ではない」ー


いろは
「奴ら超絶何を狙ってこの国へ来ていたんだ…?」

海兵達
「いろは中将!1度本部へ繋げますか?」

いろは
「あァ…だがそれじゃない」

海兵達
「え?この他の電伝虫持ってきてましたっけ?」

いろは
「これだよ」


ガチャン

おもむろに棚から取り出した電伝虫、それはとある者への直通ダイアルの電伝虫であった


海兵達
「あ、あの電伝虫のマーク…ひょっとして…」

「海軍本部"元帥"シャガーンじゃないのか!?」


>>>413.686に登場
海軍本部元帥
【仙兵】のシャガーン


いろは
「こちらいろは中将である。先の毒蜘蛛の一味の侵略による戦いは終わった…甚大な被害に及んでいる。しかし范帝国は引き続き海軍の介入を拒んでいる。超絶仕方あるまい…しかしまた毒蜘蛛の一味はやって来るに違いない!…何を言っているんだ…我々は民間人を助ける存在なんだぞ…あァ解ってはいるが……うるせェクソシャガーン!超絶よく聞け…大将派遣しろって言ってんだよ。あァ…情報はこれで全てだ

范帝国の一件にて」

(Android/Chrome, ID:2b5bHvNj0)
56 :イエロー
02/22(土) 21:17

第38夜<帰路に着く(1)>


ー19年前ー
偉大なる航路を進む海賊船


ツイストパーマで妊婦の女
「…俺ァ男だと思うぜ。こんだけ腹の中で暴れ回ってやがるんだからよ」


ツイストパーマで妊婦の女の名はモモ
サーカス海賊団所属の戦闘員である


モモ
「ふッ。まさかお前の子をな…なんか笑える」

目つきの悪い男
「うるせェワケ!思い出させんな…恥ずかしいだろ」


目つきの悪い男の名はキャップ
元無邪気一味の海賊である


キャップ
「てかマジでこの船の中で出産する気なワケ?」


キャップは無邪気一味解散後、サーカス海賊団で派遣船大工として雇われ生活を共にしていた

そしてモモとはそこで男女の関係へとなり子を授かったのである


モモ
「ふッ…如何にも海賊の子らしいじゃねェか。所でお前は子を持つ父親としての覚悟はあんのかよ?」

キャップ
「有るに決まってるワケ」


そして月日は流れ、娘が生まれた


モモ
「名前決めてたのによォ。まさか女だとは思わなかったからなァ…1から考え直しだなこりゃあ」

キャップ
「俺は女でも決めてたワケ。…ザクロだ!」

モモ
「決めてたってお前…その手に持ってる物…はなんだよ?」


キャップは柘榴を手に持ち食べていた
そこからザクロと安直に命名したのであった


キャップ
「良いじゃん。ザクロ。女らしいワケ」

モモ
「マジで言ってる?…まァいいか。お前とは口論しても無意味だし」

キャップ
「はァ?」


そこから3年の航海をへて
キャップは雇われ派遣船大工としての任を終えて故郷、東の海へと戻る事になった


キャップ
「てめェ本当に良いのか…モモ?」

モモ
「あァ。これから俺達は本格的に四天王の一角とやり合うからな…それに子連れじゃやりにきィしな」

キャップ
「解ったワケ。まァ武運を祈っとくよ」

モモ
「ふッ。らしくねェ」

キャップ
「言っとけ」


モモは母親として
最後に3歳になるザクロの手を握った


モモ
「ふッ。あったけェな。んじゃお前もザクロを宜しく頼むぞ」

キャップ
「あァ」

モモ
「あ。もしザクロが…」

キャップ
「何だ?」

モモ
「いや…何でもねェ。あ。」

キャップ
「何だよ!しつけェな」

モモ
「その[ワケ]って言葉遣い、ぜってェ覚えさせんなよ?マジでみっともねえから」

キャップ
「は?んだとコラ」

モモ
「んじゃ…まァ元気でやれや(ザクロ…いつか会えたら…ママとかって呼ぶのかな。そう考えたらクソ恥ずかしいな)」

ザクロ
「ばァ」


ザクロはにこやかに母の船出を見送った


それから2年後

ザクロ5歳になる


キャップ
「どうだ?俺のせがれなワケ」

黒髪の女
「は?せがれって…女の子じゃないの?」


黒髪の女の名はアンヌ・ソフィ
元無邪気一味の海賊である


ソフィ
「ぷッ。一味の中では1番有り得ないって思ってたあんたが子を持ち、育児をしてるなんてね」

キャップ
「ぎゃははは!だろ?俺も変わったワケ」

ザクロ
「…こいつだれ?」

キャップ
「俺の元同僚なワケ」

ソフィ
「こいつって…口の悪いお子様だこと」

ザクロ
「んじゃかいぞくなんだ」


目をキラキラとさせるザクロ


ソフィ
「何なりたいの海賊?海賊なんて身勝手なもんよ〜」

キャップ
「まァそれは否定出来ないワケ」

ソフィ
「"待ってる身"は辛いんだから」


キャップは元海賊とはいえ懸賞金がつくお尋ね者、彼は色々悩んで末に敵でもありながら信頼を置ける戦友でもある、ある男にザクロを預ける事に決めた


片腕が義手の男
「お前正気か?」


片腕が義手の男の名は
海軍本部中将
【黒金】のシンベエ


キャップ
「てめェらがいつまで経っても俺の懸賞金取り下げねェからだろ」

シンベエ
「だからって敵に餓鬼を預けるか普通?てか俺餓鬼嫌いなんだよ」

キャップ
「…うっせ」

シンベエ
「…なんか裏があるって顔だな?」

キャップ
「あァ?」

シンベエ
「まァ良いか。特注品の船を一隻造れ。それが交換を飲む条件だ」


そうして5歳のザクロはひょんな事からシンベエと一緒に暮らす事になる

それから5年後

ザクロは10歳になる


ザクロ
「この図鑑に載ってる"コトコトの実"って何?」

シンベエ
「ん?」

ザクロ
「ここだけ情報が載ってねェんだよ」


シンベエが世界政府よりくすねてきた悪魔の実図鑑を読む事にハマっていたザクロ

そしてその悪魔の実図鑑のコトコトの実の情報欄だけが白紙になっていた事に気付くザクロ


シンベエ
「コトコトの実か。噂によればここから(東の海)から遠い国にあるとかないとか」

ザクロ
「…いつかその遠い国に行けば真相がわかんのかな」

(Android/Chrome, ID:Yq1h+D+j0)
57 :イエロー
02/26(水) 20:27

第39夜<帰路に着く(2)>

シンベエ
「悪魔の実になんて興味を持つな。食っちまったら一生呪われるんだぞ。おっかねェぞ〜」

ザクロ
「呪われる…か。ふんッ。下らねェな」


ザクロとシンベエは長き時間、生活を共にする事になったが決して両親の話は聞こうとしなかった

幼心ながらのザクロのなりの気遣いでもあったしシンベエへの敬意もあったのかも知れない

そしてそれから8年後ザクロ18歳

悪魔の実のコトコトの実を求め故郷ラグス島を後に海へと出る事になる

ザクロ自家製の小型ボートは2週間目に床下から穴が空きながらも、何とか修復しながら次なる島へと辿り着く


ザクロ
「魚ばっかで飽きたぜ。肉が食いてェ」


その島の中心にある高台の丘には名高い貴族【ジャンヌ家】が大屋敷に住んでいた

そして同じ島の港町の酒場では1つの海賊団が根城にしており、そこでは海賊団への勧誘を募っていた

その海賊団の船長の名は
【大虐殺】のデトロイト・二ーガン
懸賞金1000万ベリー


二ーガン
「ガハハハ。人員の補充は終えた。今年こそは念願なる偉大なる航路へと入る。その為の最後の準備へと入ろうか」


二ーガンの最後の準備とは高台の丘に住む貴族達の大屋敷へと侵入し、あらゆる武器と金を略奪する事だった


海賊達
「女、お前も勧誘された1人か?」

「今から高台に向かうぞ」

ザクロ
「あァん?俺に指図すんじゃねェよ」


酒場で肉を食べている最中のザクロは二ーガンの一味に勧誘されていた

ザクロもとある策略からその話に乗り勧誘に乗っていたのである


時間は進み
島の中心にある高台の丘の大屋敷では


ジャンヌ家の貴族
「おい!幾ら兵に金を払っていると思ってんだ!海賊達を死んでも追い払って来い!」

兵士達
「し、しかし奴らここら海域で幅を利かせている二ーガン一味でして…しかもかなり武器を所持しており…」

ジャンヌ家の貴族
「ええいうるさい!早く何とかしろ!我々を守る為に死んで来い!!」

兵士達
「か、数が100人を超えていて我々では…とても…海軍に要請を頼むべきかと…!」

ジャンヌ家の貴族
「うるさい!いちいち海軍が来るのを待っていたら全滅だぞ?そんな事は決して許さない」


そんなこんなで二ーガン率いる海賊達による大屋敷の制圧があっという間に完了しようとしていた


二ーガン
「ガハハハ!ジャンヌ家の兵士と聞いて準備したつもりだが…随分弱かったな。今回は楽に終わりそうだ」


二ーガン率いる海賊に紛れてザクロもジャンヌ家の大屋敷に入り込んでいた


ザクロ
「ちッ。見つかったか」

黒髪パーマの男
「おい女。お前も二ーガンの一味か?」


黒髪パーマの男の周りでは複数人の海賊達が横たわっていた


黒髪パーマの男
「おい応えろ女。二ーガンの一味か?」

ザクロ
「うぜェな…だったら何だよ?」


黒髪パーマの男とザクロはお互い素手で殴り合う

そしてその殴り合いは10分を超えていた


ジャンク
「はァはァ…」

ザクロ
「…ち。しぶてェな。さっさとくたばれよ」

黒髪パーマの男
「お前は他の二ーガンの一味とは違うな。武器は使わねェし。女だし。それに」

ザクロ
「はァ?舐めてんじゃ…」

黒髪パーマの男
「それにその目は略奪が生業の二ーガンの一味の奴らの目とは違う。誰だお前?本当は二ーガンの仲間じゃねェんだろ」


ザクロの言葉に被せてそう呟いた黒髪パーマの男


ザクロ
「てめェこそ…誰だよ?」

ジャクソン
「俺はジャンヌ家の二男ジャンヌ・ジャクソンだ」


後の仲間になる貴族ジャンヌ・ジャクソン改めジャンクとの
ファーストコンタクトであった


ザクロ
「ジャンヌ家だァ?この島の奴ら口揃えて言ってたぜ。ジャンヌ家は権力を使って人間達を虐げてる変態野郎達だってよ」

ジャクソン
「否定はしない。…というか俺も今回の二ーガン達の略奪でせいせいしてんだよ」

ザクロ
「は?今まさにてめェん家に略奪入られててせいせいしてるとか頭沸いてんのかよ?」

ジャクソン
「生憎家族とは仲が悪い。ここ数年まともに会話すらしてねェんだ」

ザクロ
「そんな理由か…どうでもいいけどそんなお坊ちゃん育ちの貴族が何で喧嘩強いんだよ」

ジャクソン
「いつか海へ出る為にひたすら鍛えていた。…そんだけだ」


殴り合いは更にヒートアップして20分が経とうとした

ザクロとジャクソンの両者は大の字に倒れ込んだ


ジャクソン
「ぜェぜェ…」

ザクロ
「はァはァ…」

ジャクソン
「聞き忘れたけどお前の名は?」

ザクロ
「ちッ。そんなに重要かよ名前が。俺はザクロだよ」

ジャクソン
「ザクロ…お前二ーガンの仲間じゃねェんだろ?お前がここに来た本当の目的はなんだ」

(Android/Chrome, ID:9JHX6CzQ0)
58 :イエロー
03/16(日) 20:10

第40夜<帰路に着く(3)>

ジャクソン
「ここに来た本当の目的はなんだ」

ザクロ
「うっせェな。…資金がいる。二ーガンと変わりゃしねェ…略奪だよ。本当なら貴族の1人でも誘拐して要求するつもりだったけど…二ーガンが邪魔だぜ」

ジャクソン
「その目は略奪とは言ってねェぞ…どうする気だ?」

ザクロ
「二ーガンが引き連れて来た海賊の人数は約100人。ムカつくが俺とてめェで手を組んで全員ぶっ倒すぞ。…んでその後にジャンヌ家から正式に謝礼として金を奪う…文句あっか?貴族」

ジャクソン
「ジャクハハハ。面白い女だな。相手は海賊100人だぞ…?どう考えても正気じゃねェな」

ザクロ
「俺にはこれがある」


ザッ…
釘バットを取り出すザクロ


ジャクソン
「まさか…そのバットが武器とか…それで100人とやるつもりかよ。町の不良でもそんな事しねェって」

ザクロ
「ち…てめェの武器は何だよ?」

ジャクソン
「これ…手甲鉤だ。お前との喧嘩では使わなかったけど」


ザッ…
手甲鉤を取り出すジャクソン


ザクロ
「見た事ねェ武器だな」

ジャクソン
「昔商船が立ち寄った際に買った珍しい武器だ。この辺の海じゃ見られねェらしい」


ザクロとジャクソンは後に語り継がれる事件を起こすのである

それはジャンヌ家の大屋敷に略奪に入った二ーガン率いる海賊100人をたった2人で返り討ちにしたのであった


ザクロ
「ケッ。札付きの悪…二ーガンも大した事ねェな」

ジャクソン
「めちゃくちゃ過ぎるんだよお前が…特にそのイカレ釘バット…」

ザクロ
「それよりも金用意出来んのか?」

ジャクソン
「あァ何とかする。つうかよ…何でそんなに金がいる?」

ザクロ
「船を造る。材木とか工具とか。それに滞在費には金がいる、それだけだ」

ジャクソン
「船を造る!?お前がか…?」

ザクロ
「悪ィかよ?」

ジャクソン
「ただの不良女じゃなくて船大工なのは意外だったぜ…」

ザクロ
「イチイチ鼻にかかる野郎だな」

ジャクソン
「…船造って何処に行く気だ?」

ザクロ
「…欲しい物があるんだ」


ボロボロとなった悪魔の実図鑑の切れ端をジャクソンに見せたザクロ


ジャクソン
「ジャクハハハ。面白ェ」


ザクロは二ーガン討伐の謝礼として正式にジャンヌ家から謝礼として金を受け取った

その金で材料を買い込み船を造る事になった

ザクロが滞在中に海軍が二ーガンの情報を聞き付けて島に到着するも後の祭りであった

この事件は一旦『名も無き民間人による二ーガン討伐』として片付けられていた

それからジャクソンが手配した島の船大工数人とザクロは船造りに取り組み、1ヶ月近く過ぎて船がとうとう完成したのであった


ジャクソン
「凄ェな…こりゃ」

ザクロ
「当たり前だ。俺が造った船だ」


しかし更なる事件が起こったのである

海軍が島の住民への聞き込みでザクロが二ーガン一味に加担してジャンヌ家の大屋敷へ侵入していた事実が発覚したのである

ザクロは二ーガン一味の残党として扱われ、追われる身になった


ジャクソン
「クソが…俺が親父や兄弟にもお前の無実を伝えたし二ーガンを追い払った事も言ったのに…誰も取り扱っちゃくれねェ」

ザクロ
「めんどくせェ。何て思われようがどうでもいい。俺はもう島を出るぜ」

ジャクソン
「は?お前二ーガン一味の残党として…これから生きていくのか?」

ザクロ
「それはそれで気に食わねェな。あ。いい事思い付いたぜ。大手を振ってこの島を出る方法をよ」

ジャクソン
「は?」


何とザクロは名高い貴族ジャンヌ家の二男ジャクソンを人質にし、港まで移動したのである

これには流石の海軍も手出しが出せない状態でいたのである


ジャクソン
「ジャクハハハ。お前相当イカレてんな」

ザクロ
「海兵達も貴族お坊ちゃんの前では手が出せねェらしいぜ」

海兵達
「おい!二ーガン一味の残党!今すぐジャンヌ家のご子息を解放し投降するんだ」

ザクロ
「あァん?勘違いすんじゃねェ。俺は二ーガン一味でもねェし海賊でもねェ!ザクロだ。覚えておけコラ」

ジャクソン
「お前…その言動はまさに海賊だぞ…」


ダッン…!
ザクロは港に停泊しておいた船に乗った


ザクロ
「てめェはさっさと行きな。貴族のお坊ちゃん」

ジャクソン
「は?抜かせ。今更家に帰るつもりねェぞ俺ァよ」

ザクロ
「は…?まさか」

ジャクソン
「"ザリー"…ここ1ヶ月は楽しく過ごせたぜ。俺もお前の船に乗る事にしたぜ」

ザクロ
「ザリーだァ…?馴れ馴れしいな。てかてめェを船に乗せるとか有り得ねェ」

ジャクソン
「ふッ。世間知らずのお前1人じゃ航海は無理だぜ。それにこの船のスポンサーは俺だぜ?」

(Android/Chrome, ID:cD1M0X/a0)
44 :イエロー
12/08(日) 22:48

第27夜<范帝国の一件㉗>

オリヴァ
「あの女に比べりゃ…てめェは大した事ねェな。それに残り2人の"最期の世代"も俺が狩る予定だ!ヴァハハハ」


ザシッ…
ザリーの振るった釘バットを左腕で掴み取ってみせたオリヴァ


バレンタイム
(完全にザクロの攻撃を読まれてるぜこりゃ…)

メディ
「あの〜…もしかしてだけど…」

オリヴァ
「何だよカエル女!」

ジャンク
「余所見すんなって言ったろ…雑音の斬撃(ノイズル)」


ズザァァァッ!!
ジャンクの速攻でオリヴァの脇腹に斬撃を加える事に成功した


オリヴァ
「ぐ…てめェは今吹き飛ばしたハズだろ」

ジャンク
「フッ…あんなのでくたばる訳ねェだろ。てか斬ったのに効いてねェのかよ!」

メディ
「あの…最期の世代の1人だよ。そこのパーマ男(ジャンク)も」

オリヴァ
「何ィ?てめェの実力で億超えで最期の世代の1人だってのかよ!?」

ジャンク
「へッ。肩書きでどうこう張り合うつもりはねェ。それに俺はスロースターターなんでな…次はお前は斬って確実に膝ま付かせてやるよ」

ザリー
「ジャンクてめェ!横入りすんなよ」

ジャンク
「今の俺らじゃサシは無理だ。我儘言わねェで協力しろザリー」

ザリー
「嫌だ!!横入りすんならてめェからぶっ倒すぞジャンク」

ジャンク
「じゃじゃ馬が過ぎんぞ。何でそうなる」

オリヴァ
「お喋りは良いんだよ!2人まとめてさっさと来いよ」

ザリー
「死ねやコラァ!」

ジャンク
「たく…仕方ねェ…」


ギリ…
手甲鉤を再び構えたジャンク


オリヴァ
「ヴァハハハ!ここで最期の世代2人を仕留めてストレス発散してやらァよ!」


ー帝都ベキンー
王宮前


行き交う人々は国を攻めて来た毒蜘蛛の一味により大混乱状態

兵士の負傷者達が運ばれていたりと慌ただしくなっていた

その王宮前にただ1人白髪混じりの男が呆然と佇む


白髪混じりの目つきの悪い男
「…面倒事ばっか起こしやがって…」


スタスタスタ………
背中には大きなハンマーを背負った白髪混じりの男は王宮内へと入って行く


行き交う人々
「おい!王宮内は今危険な状態だ!何をしに!?」

「毒蜘蛛の一味がまだ…!」

「兵士達も次々とやられているんだぞ!」

白髪混じりの目つきの悪い男
「………」


ー王宮の大きな中庭ー


皇帝の側近の1人ビシャモンと毒蜘蛛の一味のキャンディの対決


キャンディ
「はァはァ…まだやる気?おじいちゃん。さっきも言ったハズだけどウチの総司令官が来ている時点でおじいちゃんが幾ら強くても適う訳がないんだよ」

ビシャモン
「ほほほ。これは国攻めであってママゴトじゃないのでのォ。総司令官とやらがどれだけ強かろうが場所とやり方で幾らでもやりようがあるわい」


ズガガガッ!!
互いに激しい攻防が続いていた


ビシャモン
(…カクビの気配が消えおった…まさか賊にしてやられたか…?)


ビシャモンは異常なまでの見聞色の覇気の使い手であり、咄嗟にアポロンに仕留められたカクビの覇気の気配を感じ取っていたのである


キャンディ
「どうしたの?おじいちゃん…その沈黙は?」

ビシャモン
「ほほほ。昔馴染みが逝きおった…ただそれだけじゃよ」

キャンディ
「はァ?」

ビシャモン
「行くぞい」


シュッ…!!
ビシャモンは瞬を使い次の蹴りのタイミングを図る


キャンディ
「きゃはは!おじいちゃんの蹴りを厄介ね。超痛いし!!」

ビシャモン
「…本気で来い…」

キャンディ
「はじける右腕(キャンディファイア)」


ボッッ!シュルルッッ…!
右腕に炎を纏うキャンディもまた地面を油で滑らせ高速移動を可能としていた


ビシャモン
「ほほほ。能力の応用か」


バギィィ!!
両者の技は互いに喰らい合うビシャモンとキャンディ


キャンディ
「ぐゥ……は!」

ビシャモン
「…」

キャンディ
「くっそ!やっぱ強い…もう凄い痛いし…お腹はすくし…これって超ハズレくじじゃーん!」

ビシャモン
「ほほほ。腹が減ってるのか。捕まえたら何か馳走を用意させるかのォ」


ドガガガッ!!
両者の再び攻防が続く


キャンディ
「はァ…はァ」

ビシャモン
「もう息切れかのォ?若いのにだらしない」

キャンディ
「はァ…はァ。この国は何でこんな強い人達が多いのよー!!」

ビシャモン
「ほほほ。范の兵士は誰1人薄汚い賊に遅れを取る様な教育をしてないのでのォ。負けんぞい」

キャンディ
「何をォ!」

ビシャモン
「遊びは終いじゃ。次の一手で詰むぞい」


表情には出さずともビシャモンは静かに怒り、キャンディへと向かった


キャンディ
「遊び…??つまり今までのは攻撃は遊びだって事ォォ??」

(Android/Chrome, ID:dCglM62H0)