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┗雨によく似た涙の雫(29-33/53)

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33 :Arthur
05/25-00:46


血のように赤い薔薇が、香りに誘われ、羽を休めにきた蝶や蜂たちを優しく受け入れている。

美しいその姿を少しでも長く保ってくれるよう、こまめな手入れをするのは昔から変わらない楽しみのひとつだ。

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#こんにちはマドモアゼル
生まれたばかりの妖精に声をかけると、驚いたような顔をして大きな目を瞬かせていた。
すぐに周りの先人たちとひとつの光になり、また別れて、と馴染んでいった。

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空は青い、海も青い、そして大地は広く、それなのに人はひしめき合って生きている。
窮屈なことは忘れて、そんなときはティータイムにしないか?
昼に焼いたスコーンがまだたくさん余ってる(ジャムはまだ残ってただろうか?)、無理して頑張らなくていいんだ。

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32 :Arthur
04/17-03:38

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優しい匂いが窓から部屋へ伝ってくる。
おそらくチューリップだ。
しなやかな花弁に残る雨粒にキスをするのは、隣人たちの楽しみのひとつだという。

鉢植えでもらった花たちを、庭に植えて何年が経っただろうか。
彼らは世代交代を繰り返し、毎年この時期になると花を咲かせる。
上を向いて咲く姿が美しいと、俺は思う。

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バラだけじゃない、
ユリだって、すきだ。
ばか。

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31 :Arthur
01/13-05:49

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帰り道、雨に当たって濡れてしまった体を乾かすのが億劫で、そのまま風呂に入った。

何もしていないのに浴室は薔薇の香りがして、辺りを見回すと、きっと妖精たちが家の中で遊んでいたんだろう、足元に転がっていた薔薇のソープを拾い上げた。

濃い花の香りは雨で冷めきった俺の心も体も癒してくれる。
シャワーを浴びて、それからこの日記に向かっているわけだ。

これから一眠りして、明日はまた会議に向かわなくちゃいけない。

夢でくらいは、あの頃みたいに皆で笑って話せたらいいんだけどな。

おやすみ、愛しい我がこどもたち。
明日もまた、皆が笑って生きられるように。

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30 :Arthur
12/31-04:25

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一人で年を越すことにはもう慣れた。
なにせお前と共に生きた日の方が、よほど少ないのだから。

さみしい時には、いつでも隣人たちが寄り添ってくれるんだ。
彼らは俺がどんなに荒れていたって、俺を煙たがることもしないし、踏み入ってくることもない。
友人で、隣人なのだ。その距離感に救われる心地がするのは、俺が未だにあれを忘れられないでいるからだ。

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(愛してると伝えることが、あのとき上手く出来ていたらよかった)
(よかったのだろうか?)
(会いたい)

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29 :Arthur
11/19-01:11

新しい茶葉を手に入れた。
それと、オマケにともらったいくつかのテイスティング。
普段買わないようなものも多くて(他国のものがいくつか入っていたな)、新しいものを試すのはいつになっても楽しいもんだな。

今日淹れたのは耀のところの、やさしい風味が香る紅茶だった。

ストレートもいいが、ミルクでもよさそうだ。
美味い飲み方を今度尋ねてみようかと思う。

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こうして自宅の机に向かいながら、外を眺めるのが好きだ。
雨が庭の芝や木々を濡らす音が心地いい。
妖精たちは寝静まっているが、木霊たちは雨を喜んで、庭に出て遊んでいるようだ。
温かい紅茶を飲みながら、もうすぐやってくる年末の足音にため息が出てしまった。
今年もまた、終わろうとしている。(まだもう少し先だけれどあまりにも一年というのは短すぎる、俺たちにとってはなおさら)

早すぎる、もうあれから何年経っただろうか。
数えることをやめてから久しい。
そのまま全部忘れちゃいなよ、とは弟の言葉だったけれど、会議の度に顔を合わせていて忘れろとは無理難題ではないだろうか。

なぜ俺は一般人ではなかったのか、なぜあいつは俺と同じくになのか、はあ、(ぐちゃぐちゃにペンの擦れた跡がある)

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恋をすることには疲れたのに、なぁ、_____。
お前の名前を口にすると、胸が締め付けられて、顔が熱くなって、喜びも苦しみも愛しさも、思い起こされるようで。
俺かお前のどちらかがいなくなるまで、いやいなくなっても、この感情は消え果てることはないような気がするんだ。
呪いのようだ、呪いなんだ。

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雨が酷くなってきた。

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