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仲間一覧
485.《FREEDOM-千夜一夜-》
 ┗36

36 :イエロー
10/20(日) 17:34

目次4
第21夜<范帝国の一件㉑> >>37 
第22夜<范帝国の一件㉒> >>39 
第23夜<范帝国の一件㉓> >>40
第24夜<范帝国の一件㉔> >>41
第25夜<范帝国の一件㉕> >>42 
第26夜<范帝国の一件㉖> >>43
第27夜<范帝国の一件㉗> >>44 
第28夜<范帝国の一件㉘> >>45
第29夜<范帝国の一件㉙> >>46
第30夜<范帝国の一件㉚> >>47 12/28


[范帝国]
第3皇女の沁 柳(リュウ)ギョク(28歳)
皆からは柳ギョク様と呼ばれる

[武器]???

[見た目]艶のある緑髪

[笑い方]笑う事がない

憧れの兄達に追い付こうと必死にもがく柳ギョク。彼女に決して明かされない過去があったり…


[范帝国]
官女の七世(20歳)
皆からは野心家と呼ばれている

[見た目]猫っ毛

過疎地の村出身の彼女は後の皇帝になるだろう沁 龍エンの妃になる野望を抱えている


[范帝国]
白兜の萊(り) 白シュウ(53歳)
ベキン西軍隊長を務めている

[武器]基本何でも扱える凄腕

[見た目]白兜を常に被っている

[笑い方]ばははは

面倒見がいい人望の厚い男


[毒蜘蛛の一味]
黒後家蜘蛛(くろごけぐも)一派の腸ウン(31)
皆からは腸ウンと呼ばれる

[懸賞金]10億5000万ベリー
悪魔の実の能力のレア度と危険度からこの懸賞金が掛けられたらしい

[異名]朧月
身を潜めたり出したりする事からこの異名が付く

[血筋]范帝国出身で元王宮兵士

[武器]ウラウラの実の能力者
独自で編み出した"裏トンネル"を使い各地を自由自在に移動する事が可能である

[見た目]黒マスクを常に付けている

[笑い方]笑う事がない


[毒蜘蛛の一味]
女郎蜘蛛一派のヴァルキリー・オリヴァ(48)
皆からはオリヴァと呼ばれる

[懸賞金]6億8600万ベリー

[異名]大バサミ
右腕に移植してある大バサミから来ている

[武器]右腕に移植してある大バサミと肉弾戦を得意としている

[見た目]筋骨隆々のドレッドヘアー

[笑い方]ヴァハハハ

彼はその昔『笑う海賊団』に在籍していたが毒蜘蛛の一味から引き抜かれる形で移籍して来た


[毒蜘蛛の一味]
女郎蜘蛛一派のカラメッラ・キャンディ(28)
皆からはキャンディと呼ばれる

[懸賞金]8億9810万ベリー

[異名]イリーガール
常に飄々と動き何を考えているか読めない立ち回りをしておりこの異名が付く

[武器]爆発する飴玉を武器として使用している。これが能力なのかは不明である

[見た目]ショートのダークブラウン髪

[笑い方]きゃはは


[毒蜘蛛の一味]
女郎蜘蛛一派当主のシルバニア・ホワイト(不明)
皆からは当主やホワイトと呼ばれる

[懸賞金]11億4110万ベリー

[異名]白線
何故この異名なのかはまだ伏せています

[血筋]一味にて唯一素性不明の女である

[武器]悪魔の実の能力者と判明している。羽衣の様な白いオーラを身に纏う事が出来る

[見た目]銀髪で常に純白のドレスを好んで着ている

[笑い方]笑う事がない


[毒蜘蛛の一味]
総司令官のアポロン・ヒート(58)
皆からは総司令官と呼ばれる

[懸賞金]14億6110万ベリー

[異名]太陽
体全身から深淵の炎を出す事からこの異名が付いている

[血筋]アラクネのみ真相を知っているらしい

[武器]悪魔の実の能力者と判明している。深淵の炎を扱う事が出来る

[見た目]黒マントとサングラス

[笑い方]笑う事がない

昔存在した王下七武海の一角を担っていた
謎多き男。今後にご注目貰いたい男

(Android/Chrome, ID:Q46ClcY00)
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37 :イエロー
10/20(日) 17:38

第21夜<范帝国の一件㉑>


ー王宮内ー
皇(すめらぎ)の間


范帝国の皇帝
「戦況はどうなっておる?」


范帝国のただ1人の皇帝の名は
沁 畄(りゅう)セイ


王宮の軍師
「は!王宮広場にて賊が侵入しており兵は壊滅状態との事です。そして龍の間の広間にて第1皇子龍エン様と賊の大将が戦闘中…こちらはもうすぐ抑え込みに成功との事です」

畄セイ
「流石は我が息子龍エンだ…それで霤メイは未だ見つからないのか?」

王宮の軍師
「は!全力で国内を探しておるのですが未だ行方が不明でして…」


スタスタ…
そこへ2人の足音が


畄セイ
「来たか。"カク"、"ビシャ"」


口と鼻にチェーンのピアスを付ける老人
「皇帝よ。この騒ぎは一体なんじゃ?これじゃゆっくり鼻毛も抜けん」


范帝国 皇帝に仕える2人いる側近の1人
【戦慄の豪傑】の兎(う) カクビ

 
王宮の軍師
「何と…!ご隠居されてらっしゃるカクビ様…それにビシャモン様…まで!」


顔に御札を付ける老人
「ほほほ。賊が范に攻め込むとは物騒になったもんじゃ。はていつ以来じゃ?」


范帝国 皇帝に仕える2人いる側近の1人
【地獄耳】の萊(り) ビシャモン


王宮の軍師
「会話を聞かれていたのですが…流石は地獄耳…」


その2人の実力は未知であったが第1皇子龍エン、第2皇子霤メイの武術の師匠でもあった


そして王宮の軍師が現在の戦況などを2人の側近に報告したのである


畄セイ
「先の通り。霤メイは生きているのか死んでいるのかも解からぬ…龍エンは敵大将を抑えている。しかしネズミはまだいるとの事」

王宮の軍師
「それが問題なのです。今だ息を潜めているネズミは3匹。北の港ジンショウで目撃されている"白線"のホワイト…更にはこの国の裏切り者である"朧月"の腸ウン…そして先日の武術祭で確認されている"イリーガール"のキャンディの行方が未だ不明…この者達が攻め込んで来たら…と考えると」

カクビ
「霤メイ坊ちゃんはあの性格だ。興味本位で賊に近付き、してやられたのかの。よっほい、鼻毛取れてすっきりだのォ」

ビシャモン
「ばっちぃぞカクビ。………ネズミは不味くてわしゃ嫌いじゃ」

畄セイ
「カク、ビシャよ。残りのネズミを任せたいのだが?」

ビシャモン
「折角隠居しておったのにのォ」

カクビ
「事態が事態。仕方があるまい」

ビシャモン
「しかし賊の目的が皇帝の命である以上…最悪のケースもあるのォ。カクビ、貴様はここで残って皇帝の護衛をするのが良いじゃろ」

カクビ
「あい解った(フン…タヌキジジイめ。自分1人だけ賊と遊びたいのだろう)」

王宮の軍師
「ビシャモン様くれぐれもお気を付けて」

ビシャモン
「アホ抜かせ。誰にモノを言っておる。こう見えても狩りは大好物でのォ」

カクビ
「おーお。張り切りおってビシャモン」

ビシャモン
「カクビ…皇帝を…後を頼むぞ」

カクビ
「カッカッカッ。鼻毛の様にむしり取ってやるよ」


ビシャモンはスキップしながら皇帝の部屋を後にしたのであった


王宮の軍師
「ビシャモン様のスキップ…何処か奇妙な…」



そして時間は少し進んだ
ー王宮の大きな中庭ー


ビシャモン
「王宮内は悲惨だのォ。僅かに息をする者も残ってはいるが…」

救護班の1人
「ビシャモン様の指示で助かる者は速やかに運んで応急処置をしております」

ビシャモン
「頼んだぞ。わしゃネズミ狩りをして来るんでのォ」

救護班の1人
「ネズミ狩り?」


ビシャモンがまず警戒をしたのが未だ姿を見せぬ毒蜘蛛の一味ホワイト、腸ウン、キャンディの3人の存在であった


ビシャモン
「見聞色は久方振りじゃのォ…ほう…強い生命力が4人かの…1人は龍エン坊ちゃんで残り3人が賊って所かのォ」


ビシャモンの見聞色での感知半位は約10km、その中で微かな反応を感じ取り中庭に出て来たのであった

そして少し離れた中庭にあるテラスに座る1人の女


キャンディ
「きゃはは!どうやらわたーしに気づいてるくない?」


キャンディもまた見聞色にて近くにいるビシャモンの殺気を感じ取っていた


キャンディ
「きゃはは!この距離まで殺気を放つなんて…やばくね??」


すると
シュン…!!
ビシャモンがキャンディの前に降り立つ


ビシャモン
「お嬢ちゃん見ぬ顔じゃの。貴様が賊の1人かのォ?」

キャンディ
「ゲ!!嘘!!殺気がした傍から直ぐにわたーしの前に現れるなんて」

ビシャモン
「ほほほ。半世紀前なら音を消して根首を掻けたんじゃがのォ」


ビシャモンの見聞色は范の体術『瞬』と組み合わせる事により特定の相手の場所に瞬時に移動する事を可能にしていた
これはビシャモンのみに許された神業である

(Android/Chrome, ID:Q46ClcY00)
39 :イエロー
10/28(月) 21:34

第22夜<范帝国の一件㉒>

キャンディ
「何て破天荒なおじいちゃん。そしてわたーしが海賊ってのはバレバレ?」

ビシャモン
「ほほほ。范でその様な面妖な服装はまずおらんし…貴様覇気漏れてるしのォ?阿呆か貴様」

キャンディ
「ぐぐぐ。見逃してくんない?わたーしの任務ってこの王宮に仲間を先導する事だけだったし。それにここの兵士は1人も傷付けてないし」

ビシャモン
「知るかのォ。この壊滅的な状態を見て見逃す程甘い訳なかろう」


スッ…!
ビシャモンがノーモーションで蹴りを入れようとすると


キャンディ
「はっや!」


ヒラリッ
何とかそれを躱すキャンディ


ビシャモン
「良い動きじゃの。本気で蹴り落とすつもりだったんじゃが」

キャンディ
「おじいちゃん何者??」

ビシャモン
「皇帝の側近。ついでに言うと単なる強さで言えばわしゃこの国で1番強いぞ」

キャンディ
「マジ?あの皇子達よりも?」

ビシャモン
「試してみィ。ま。真の強さで言えば龍エン坊ちゃんの実力が范イチかもな。」

キャンディ
「ハズレくじ引いちゃったんだわたーし。」

ビシャモン
「ほほほ。そんな事言わんと向かって来いのォ」

キャンディ
「はじける飴(キャンディキャノン)」


口から吹き出した飴玉をビシャモンに向けて打つキャンディ


ビシャモン
「ばっちぃの…ふん」


バキィ
飴玉を蹴りで粉々にするビシャモン


キャンディ
「うっそ??何で爆発しないの??」

ビシャモン
「その飴玉から何か臭うと思っての。火薬でも仕込んでるとは思ってたがのォ…爆発する前に覇気で粉砕しただけじゃ」

キャンディ
「ちょっと…強くね??」


タタタタ!
キャンディは逃げる様に走り出した


ビシャモン
「ほほほ。ネズミ狩りは始まったばかりじゃぞ。少しは楽しませんとのォ」

キャンディ
「嫌だァァァ!うゥ…てかもう追いついてる?」

ビシャモン
「本気を見せたらどうじゃ?」

キャンディ
「おじいちゃん見るからにやばそうなんだもん…多分やり合っても無傷じゃいられなそ」

ビシャモン
「正解じゃ。獅封連脚」


両手を地面に付き両足を縦横無尽にキャンディに蹴り続けるビシャモン

ズドドドド!


キャンディ
「ぐはァ…!何て速さと足技の威力なの!」


蹴り飛ばされ壁に激突するキャンディ


ビシャモン
「貴様は解っておらんのォ。わしゃに捕まるという事は…すなわち地獄だぞ」

キャンディ
「はァはァ…。ぷっちん来ちゃったかも!」

ビシャモン
「ん…?」


ヌルヌル……
キャンディの体から体液が溢れ出ていた


ビシャモン
「パラミシアか?この匂い…油か」

キャンディ
「褒めてあげるねおじいちゃん!わたーしに能力を使わせるとか超超!凄い事だよ」

ビシャモン
「何をするか知らんがその前に仕留めるかのォ」


シュッ
ビシャモンはキャンディにトドメの蹴りを放つ


キャンディ
「はじける体(オイルボディ)」

ビシャモン
「な、に?」


スカ…
キャンディの体から滑り抜ける様にビシャモンの蹴りは不発に終わる


ビシャモン
「油まみれになる事でわしゃの足技を滑らせたかのォ」

キャンディ
「それだけじゃないよ。はじける右腕(キャンディファイア)」


ザッ…ボッ!

キャンディは右腕を壁に摩擦する事により油が発火し炎を纏った右腕でビシャモンにカウンターを突き出した


ビシャモン
「阿呆ゥ。そんな事すれば貴様の右腕まで焼け焦げるじゃろ」

キャンディ
「きゃはは!どうだろねェ」


シュッ
キャンディはビシャモンに炎を纏う拳を突き出す


ビシャモン
「喰らうわけが…ん?」


躱そうとするビシャモンは足元に違和感を覚え、一瞬硬直した


ビシャモン
「ほォ…ワシの足場を油で滑らせたか」


バキィ!
その僅かな隙にキャンディはビシャモンに炎を纏う拳を喰らわせた


キャンディ
「きゃはは!ついでに解ってると思うけど火に油を注ぐとどうなるかな」


バゴォォォン
ビシャモンが立つ場所…火花が油まみれの足元から引火し爆発した


キャンディ
「え!?」


土煙が立ち込める中キャンディは絶句していた


ビシャモン
「……はァ。年寄りに躊躇無しかい」


平然と立ち上がるビシャモンの姿に


キャンディ
「おじいちゃん無傷?」

ビシャモン
「ほほほ」

キャンディ
「きゃはは…でも!でも!どう?ただのネズミでも強いでしょ?」

ビシャモン
「その炎の腕は武装色と併用して使える技か…随分楽しめそうじゃのォ」

キャンディ
「1つ聞いておくんだけど」

ビシャモン
「何じゃ」

キャンディ
「この国で1番強いおじいちゃんが呑気にわたーしの相手をしていて大丈夫?」

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40 :イエロー
11/02(土) 20:30

第23夜<范帝国の一件㉓>

ビシャモン
「はて。言ってる意味が解らんがのォ」

キャンディ
「きゃはは!今皇帝にはとっても強ーい護衛はついてるの?」

ビシャモン
「何を言っておる童よ」

キャンディ
「この戦は既にわたーし達の勝ちなんだよね。総司令官が王宮に来ている時点…でね」

ビシャモン
「ほほほ。その総司令官とやらがどれだけ強いのかは知らんが今皇帝を護衛しているもう1人の側近(カクビ)はわしゃの片割れ。そんなヘマはせん」


ー王宮内ー
皇の間


カクビ
「さてさて。これはどういう事じゃ?」

畄セイ
「この男は我が息子が取り抑えているハズじゃ」

王宮の軍師
「何故だ!敵の大将は第1皇子龍エン様が制圧しているハズでは!?」


3人が見る先には黒マントを羽織るサングラスを掛けた男が1人


黒マントを羽織るサングラスを掛ける男
「御機嫌よう」


ー王宮内ー
龍の間の広間


龍エン
「フン。下衆目が」

兵士達
「流石で御座います!閣下!」

「賊風情で閣下に歯向かうなんておこがましい」

アポロン
「…」


時同じくして圧倒的な力で【第1皇子】の龍エンによる【太陽】のアポロンの制圧が完了していた…ハズだった


兵士達
「どうしますか閣下?この敵大将は即刻打首にするべきですか?」

「そうですよ!こんな危険な男を野放しにしてはまずいです」

龍エン
「こいつの息の根を止めるのは霤メイの居場所とこいつらの持つ情報を全て聞き出してからだ。海楼石の錠を用意しろ」

兵士達
「はッ!」


ゾ ゾ ゾ !!!!!

突然の熱気が辺り一帯を包んだ


アポロン
「…」


アポロンは熱気と共に立ち上がった


龍エン
「何だと!」


ズズズ…!
龍エンは咄嗟に気圧で壁を張った


兵士達
「!?」


ゾゾゾ…!!!
熱風が兵士達を襲う


龍エン
「まだ余力があったのか。瞬」

兵士達
「熱、い」


龍エンは瞬を使い兵士3人を抱え部屋の奥へ移動した


アポロン
「咄嗟の動きは見事だった」

龍エン
「何故まだ動ける。既に貴様の居る範囲は気圧の低下で酸素濃度が最も低くなっている。幾ら超人と言えど動ける訳が無い」

アポロン
「そんなに慌ててどうした?その様な顔も出来るのか第1皇子よ」

龍エン
「次で仕留める。圧撃(アツゲキ)」


バキィ…!!
圧力を込めた右拳を速攻で繰り出す龍エン


アポロン
「…そろそろか」


平然と立ち尽くすアポロン


龍エン
「何を言ってる?今の一撃効いていないのか」

アポロン
「そして我が超人?笑わせるな。それを超越した存在が我なのだ」

龍エン
「問に応えろ」

アポロン
「何を不安な顔をしている第1皇子よ」

龍エン
「一体どうなっている」

アポロン
「我から情報を聞き出す為にと、我を仕留め損なったのが運の尽き
火焔・灼熱(ショート・サン)」


ザザザァ!!
深淵の炎の塊が小さな太陽の様に…球体がアポロンの手より飛び出し龍エンを襲う


龍エン
「フン。貴様の技は効かぬと言ったばかりだろ」


圧力で炎を消そうする龍エン
しかし…


アポロン
「我は太陽。深淵の炎は気圧の変化ごときで沈む道理は無し」


ドバァァァ!
龍エンに炎を浴びせた


龍エン
「ぐ、は」


グッ…
全身に火傷を負いながら立ち塞がる龍エン


アポロン
「ほう。立つか第1皇子よ」

龍エン
「フン。下衆らに…この国を…皇帝を落とせはしない」

アポロン
「滑稽だな。賊の大将をここで制圧してると思い込んでる男の顔は」

龍エン
「何を言っている」

アポロン
「皇帝は死ぬ。これは運命だ」

龍エン
「くどい」

アポロン
「今しがた…皇帝の顔は拝んだぞ」

龍エン
「何を言っている」


ドロォォン…
アポロンの体は少しずつ溶け出した


アポロン
「素直に褒めてやろう。予想外であった…第1皇子がここまでとはな。我の"熱分身"を打ち崩すとは」

龍エン
「分身…だと?」

アポロン
「実際の力の半分以下で作り出す我の幻影で挑んだのが失敗だったか」

龍エン
「本体は別…まさか!?」

アポロン
「我の本体はもう皇帝の目の前にいる」

龍エン
「貴様ァ!」

アポロン
「熱分身の最後の上澄みで第1皇子を消してやろう…火焔・千年(サウザンド・サン)」


ボボォ!!!
強大な炎を龍エンへ向けるアポロン


龍エン
「死ぬのは貴様だ。気龍円(キリュウエン)」


ズズズズ…!!!
龍を象(かたど)る気流がアポロンの強大な炎と相殺した


アポロン
「はァはァ。何をした」

龍エン
「この部屋全体の酸素濃度は更に低下した。直に意識は途絶える」


この術は龍エンにとっても負荷が掛かる諸刃の剣であった

(Android/Chrome, ID:qLPWQVrG0)
41 :イエロー
11/10(日) 14:28

第24夜<范帝国の一件㉔>

龍エン
「はァはァ。皇帝は下衆らにはやらん」

アポロン
「戯言を…これでさらばだ第1皇子」


アポロンの『ギラギラの実』で出来た熱分身は全て溶けた


★ギラギラの実
灼熱人間
空の太陽から力を借りうる能力である
莫大な太陽エネルギーを炎に変換して扱う事が出来る
アポロンは独自に実際の力の半分を使い熱分身を作る事が可能である


龍エン
「はァはァ」


スタ…スタ…
龍エンは満身創痍の状態で酸素濃度の低下により気絶した兵士達3人を抱え自室の"龍の間の広間"を出た


龍エン
「下衆らの好きにはさせんぞ」


ー王宮内ー
皇の間


黒マントを羽織るサングラスを掛ける男
「御機嫌よう」


『本体』のアポロンがそこに立つ


畄セイ
「此奴は賊の大将か」

王宮の軍師
「しかし…何故此処に!」

カクビ
「さーてと。皇帝と軍師は下がっておれ。龍エン坊ちゃんが出し抜かれたか(龍エン坊ちゃんの覇気はまだ王宮内で感じ取れている…つまりまだ生きている)」

アポロン
「出し抜かれた訳ではない、最初から決まっていた事だ。まァ彼奴は間違いなくこの国で1番厄介な男ではあったがな」

畄セイ
「カク!今すぐ此奴を取り抑えろ!」

カクビ
「あい畏まった」


カクビは音を出さずに瞬を使いアポロンの背後を取る


アポロン
「ほう。良い動きだ」

カクビ
「覇ァ!」


ドゴォォッ!
カクビがアポロンの背中へ右腕を構えた瞬間、アポロンは何故か吹き飛ばされた


カクビ
「どうだ外海の海賊よ。未だ味わった事が無かろう。この"遠当て"は」


スタスタスタ
吹き飛ばされたハズのアポロンは立ち上がりカクビに向かい歩き出した


アポロン
「遠当てだと?まさかな」

カクビ
「平然と立ちやがって。全然効いてないってかのォ」

アポロン
「左様だ。火焔・紅蓮(スカーレッド)」


ボボォォ!!
アポロンの体から深淵の炎が飛び出しカクビに襲い掛かる


畄セイ
「何だあの力は?」

王宮の軍師
「ロギア…!?初めて見ましたが…」


カクビ
「覇ァァ!」


ギュッ!!
しかしカクビは臆せず襲い掛かる深淵の炎に向かい、右腕を構えるカクビ


アポロン
「それは何だ?何故素手で」


ズザァァ…!
深淵の炎は掻き消された


カクビ
「カッカッカッ。今から死にゆく男に教える必要は無かろう」

王宮の軍師
「流石はカクビ様!その昔范帝国に武神有りとまで言わしめた"戦慄の豪傑"の実力は健在ですね!」

カクビ
「よせやい…こちとら今じゃタダの隠居老人。ビシャモンにすら遅れを取る始末じゃ」

アポロン
「まさかその遠当てとは…武装色の覇気か?」

カクビ
「まさか2度の攻撃だけで見抜くとは敵ながら天晴れ」

アポロン
「しかしその量の覇気を遠当てで飛ばすとはな」

カクビ
「カッカッカッ。ワシは生まれつき人よりも膨大な覇気を持ち合わせておった。その為武装色の覇気として内から外へ遠当てで飛ばす事が出来るんじゃよ」

アポロン
「膨大な覇気か」

カクビ
「カッカッカッ。この遠当てには膨大な月日掛けた…真似ようとも真似出来んからネタをバラシただけじゃ。お主じゃ10年掛けても不可能じゃよ」



またもカクビは瞬を使いアポロンの視界から姿を消した


アポロン
「…右後ろか」

カクビ
「正解じゃ。覇ァァァ!」


強大な武装色の覇気を遠当てでアポロンに向け飛ばすカクビ


アポロン
「その技は既に見切った。我に何度も同じ技を繰り出すなど何たる愚行だ」

カクビ
「何、じゃと!」

アポロン
「太陽にただの人間が勝てる訳など無いだろう」


ボボボォォォ!!!
深淵の炎がカクビの遠当てで飛ばした武装色の覇気を包み込む


カクビ
「ワシの(覇気)遠当てが弾かれておると言うのか」

アポロン
「ただの人間が我の力に勝つ事など不可能だ。貴様の抜き足(瞬)ももう見破った」

カクビ
「何じゃと!?」


アポロンは音を消して瞬で移動するカクビの動きを捉え背後を取った


カクビ
「まさか賊の力が…ここまでとはよォ」

アポロン
「火焔・刃(エンドブレード)」


ボボォッ!
右腕に深淵の炎で出来た剣を纏うアポロン


アポロン
「最期に言い残す事はあるか?」

カクビ
「皇帝よ!!今すぐこの部屋から逃げッッ……」


カクビはそう言い掛けたその時…それは一瞬の出来事であった


ズザァッッ!!!
深淵の炎で出来た剣でカクビの首を斬り落としたアポロン


アポロン
「范の力もここまでか。残念でならないな」

畄セイ
「何と…まさか…カクが!」

王宮の軍師
「う、嘘だ!?あのカクビ様が!!」

アポロン
「皇帝よ。既に運命は決まっているのだ」

(Android/Chrome, ID:WAYO9WpN0)
42 :イエロー
11/16(土) 21:37

第25夜<范帝国の一件㉕>
>>34の続き


ー王宮内ー
南階段前


気を失いそうになるバレンタイムは何とか両腕を床に付けて立ち上がろうとする

そしてメディが階段を下りて決死の1分半が経過した


オリヴァ
「死ねェッ!」


オリヴァが深手を負ったバレンタイムに向けて大バサミを振った


バレンタイム
「はァはァ。ここまで…か」


キィィィン!!
金属音が混じり合う音が聞こえた


バレンタイム
「嘘…?俺死んでねェ?」

オリヴァ
「誰だてめェ…!」


オリヴァの大バサミに1本の剣で受け止めた女海兵が1人


いろは
「毒蜘蛛の一味…!"大バサミ"のオリヴァね!超絶拿捕してやるわ」

オリヴァ
「ヴァハハハ!てめェは伝説の女剣士"麗"か!キャンディから通達でこの国に居るとは聞いてはいたがまさかここで巡り会うとはな」

バレンタイム
「はァはァ…何て綺麗な女性だ…まさか女海兵に命を助けられるとは…」

いろは
「そこの男!いいえザリー海賊団!"賭け狂い"のバレンタイム!貴様も後で超絶拿捕してあげるわ」

バレンタイム
「まさかバレてた…」

オリヴァ
「殺人ワッパー!」


大バサミを開きいろはに向かい襲い掛かる


いろは
「随分大振りね…アゲハ流…鱗粉の舞」


ズガガガガ!!
凄まじい攻防で土煙が舞う


オリヴァ
「伝説の海兵もこんなもんか…」

いろは
「超絶心配しなくても…これからよ!」


シュッ………
何処からともなく1人の女が出現した


ホワイト
「待ちなさい。オリヴァさん」


いろは
「!?」

オリヴァ
「!?」


いろはとオリヴァの間に割って入り現れた毒蜘蛛の一味のホワイト


バレンタイム
「何だあの綺麗な女…女神が舞い降りた…とでも言うのか…」


ホワイト
「オリヴァさん…あなたではこの方には勝てないと思いますわ」

オリヴァ
「何を!?んなもんやって見なきゃ…グ」


ホワイトの鋭い視線を浴びて言葉に詰まるオリヴァ


いろは
「"白線"の女ね!あなた達の目的は超絶なんなの??」

ホワイト
「愚問ですわね。しかしながらこの任務を遂行するに辺りあなたの存在はとても邪魔ですね。女剣士麗さん」

いろは
「やると言うなら2人まとめて超絶掛かって来なさい」

ホワイト
「いえいえ。やるなる私1人の方がやりやすいので」

いろは
「何?」


すると眩い光で辺り一帯を包み込む


バレンタイム
「嘘だろ。目の前の綺麗な女海兵と女神が消えた…?」


一瞬の内にいろはとホワイトが姿を消したのであった


オリヴァ
「あァ!むしゃくしゃするぜェ!幾ら女郎蜘蛛一派の当主だからって俺の獲物を横取りするなんてよ」


オリヴァの苛立ちの矛先はバレンタイムに向けられていた


バレンタイム
「俺を見るなよ…」

オリヴァ
「ムカつくムカつくゥ!」

バレンタイム
「う…」


ドガ!バキィ!
オリヴァの地団駄を踏む怒りの蹴りを次々と喰らうバレンタイム


バレンタイム
「ぐ、はァ…なんて蹴り…だ」


バレンタイムはもはや生死に関わる状態まで追い込まれていたのであった


オリヴァ
「俺の殺戮ショーの前座にもなりゃしねェ。これでおしまいだよてめェはよ」


右腕に移植された大バサミをバレンタイムへ向けて掲げるオリヴァ


オリヴァ
「死ねや!コラァ」


ドガァァァン!!
土煙が立ち込める


オリヴァ
「次から次へと…!」


オリヴァの苛立ちのボルテージは更に上がる事に


ザリー
「何1人で楽しんでんだバレン!」

ジャンク
「まだくたばっちゃいねェか?ヘボギャンブラー」


オリヴァから振りかぶった大バサミの攻めを

南階段から駆け上がって来た男女2人

ザクロは釘バットで
ジャンクは手甲鉤で
オリヴァの大バサミを受け止めたのであった


バレンタイム
「はァはァ…良く言うぜ…今まで捕まってた奴らの言うセリフかよ」

メディ
「バレン、約束の5分過ぎちゃったかしらケロ?」

バレンタイム
「いやピッタシだ」

ザリー
「俺ァフラストレーション溜まりっぱなしなんだよ。退屈させんじゃねェぞコラ」

オリヴァ
「んだとクソガキが!」

ジャンク
「待てよザリー…コイツ相当強ェぞ」

ザリー
「上等だよ」

オリヴァ
「ザリー…?またしても聞き覚えがあった様な…」

ザリー
「余所見してんじゃねェよジジイ!」


バキィ!
オリヴァに向けて釘バットをフルスイングするザリー


オリヴァ
「効きゃしねェよそんなモン」

ザリー
「んだと!コラァ」

バレンタイム
「おい待てザクロ!俺達はコイツとやる理由なんてねェだろ!?」

ジャンク
「ジャクハハハ。そんな聞き分けが良いハズねェだろウチの船長はよ」

(Android/Chrome, ID:v1gUq1da0)
43 :イエロー
11/24(日) 06:44

第26夜<范帝国の一件㉖>

バレンタイム
「それは解ってるがよ。コイツ(オリヴァ)はマジで異次元の強さだぞ」

ジャンク
「何だ?ひよってんのか?ヘボギャンブラー」

バレンタイム
「さっきは聞き逃してやったが…!誰がヘボギャンブラーだ!コラ」

メディ
「喧嘩してる場合じゃないでしょ…たく」

バレンタイム
「ぐッ…身体中痛ェ」


ドフッ…
バレンタイムの頭上からメディが尻餅をついた


メディ
「あんたは休んでなさいケロ。良いわねバレン」

バレン
「重症人に何してんだよ…解ったよ」

ジャンク
「世話ねェな。怪我人はそこで寝てな」

バレンタイム
「んだと…んぐ」

メディ
「まァまァ。後はザクロちゃんとジャンクが何とかするわ」


オリヴァVSザリー&ジャンクの決闘が始まるのであった


ザリー
「おらァ!」

オリヴァ
「ヴァハハハ!威勢だけだな」


シュッ
軽くいなされるザリー


ジャンク
「余所見厳禁だぜ。雑音の乱斬撃(クラッシュ・パニッシャー)」

オリヴァ
「手甲鉤か…珍しい武器を使うなァ」


キィィィン…!!
ジャンクの手甲鉤を大バサミで受けるオリヴァ


ジャンク
「へッ。その大バサミ…たたっ斬ってやる」

オリヴァ
「ヴァハハハ!こいつは特注品の大バサミだ。てめェの斬撃じゃ切れやしねェよ」

ザリー
「切るんじゃねェよ。ぶっ壊すんだよ…!!喧嘩怒突(ケンカドツキ)!!」


ゾワッ…!
武装色により黒く染まるザリーの釘バット


オリヴァ
「ほう。武装色の覇気を纏わせたか」

バレンタイム
「武装色…?」

ザリー
「死ねやオラァ!!」

オリヴァ
「殺人ギロチン!」


バギィィィ…!!
両者の大バサミと釘バットが衝突し合う


メディ
「無茶苦茶過ぎるわ…何て衝突よ」

バレン
(俺があの男から微かに感じた力はザクロとも同じモノ…一体ありゃなんだ…)

オリヴァ
「ヴァハハハ!まさか俺の技を相殺させる女がいるなんてよ」

ザリー
「くっそ!そのハサミぶっ壊すイメージでフルスイングしたのによ!」

オリヴァ
「女ァ!てめェ…名は何て言う?」

ザリー
「はァ?これから倒される奴に名なんて教えてどうすんだよ」

オリヴァ
「面白ェ(まさか俺の大バサミにヒビを入れやがったとは)」

「さっきからザクロだかザリーだか呼ばれてたな…今思い出したぜ。確かアラクネ様がスカウトしようとしてたリストにてめェの名もあったな」

ジャンク
「何?」

メディ
「うっそ!あのアラクネ?それにザクロちゃんが一目置かれてたの!?」

オリヴァ
「勘違いすんじゃねェぞ。"本命"は別さ。だが確かにザリー海賊団のザリーといやァルーキーの中じゃ別格だとな」

ザリー
「スカウトだかなんだか知らねェけどアラクネだァ?クソ喰らえだよ」

オリヴァ
「ヴァハハハ!気に入ったぜ。てめェは持ち帰る事にした」

ジャンク
「何言ってやがる。そんな事させる訳ねェだろ」


キィィィン!
手甲鉤と大バサミが混じり合う


オリヴァ
「外野は引っ込んでな」


ドゴォォォン…!!
大バサミに力負けしそのまま吹き飛ばされるジャンク


ジャンク
「ぐ、は!」

オリヴァ
「俺はてめェらの"世代"が大嫌いなんだよ。ちょっと世間賑やかせただけでいきがってるだけの奴らがよ。"1人"を除けば実際は大した実力も持ってねェのがオチさ」

バレンタイム
「"最期の世代"の事か」

メディ
「確かザクロちゃんもその1人だった様な…」


【最期の世代】
世界政府は妥当海賊殲滅を掲げておりその意味を込めて
ここ最近で現れた四人の億超えのルーキー海賊達を
最期の世代として銘打った


初頭にして1億の懸賞金を掛けられ次々と暴れ回る悪しき海賊
【悪道】のロパート・ヌル(女)
3億2600万ベリー

世界政府の施設を次々に破壊する巨悪のルーキー海賊
【海の執行人】のザクロ(女)
2億2200万ベリー

ザリー海賊団の実力共にナンバー2
【引き裂き】のジャンヌ・ジャクソン(男)
1億900万ベリー

謎多き海賊の申し子と呼ばれる鬼才
【第三極】のヴァンボーイ・スリーク(男)
2億8800万ベリー


オリヴァ
「気に入らねェが最近ウチのメンバーが"本命"をスカウトした所だぜ。あの"女"は確かに最期の世代として相応しい海賊だった…ロパート・ヌル…今じゃ毒蜘蛛の一味の幹部入りだ」

バレンタイム
「ロパート・ヌルって確か2年前に初頭で1億の懸賞金が付けられたイカれた女海賊だろ?それがもう幹部入りだってのか?」

オリヴァ
「あの女の力は絶大だった。それにロパート・ヌルと言えば…」

ザリー
「うっせェんだよ!!」


バキィン!
釘バットをオリヴァに向けて振り下ろしたザリー

(Android/Chrome, ID:3hZnVizQ0)
44 :イエロー
12/08(日) 22:48

第27夜<范帝国の一件㉗>

オリヴァ
「あの女に比べりゃ…てめェは大した事ねェな。それに残り2人の"最期の世代"も俺が狩る予定だ!ヴァハハハ」


ザシッ…
ザリーの振るった釘バットを左腕で掴み取ってみせたオリヴァ


バレンタイム
(完全にザクロの攻撃を読まれてるぜこりゃ…)

メディ
「あの〜…もしかしてだけど…」

オリヴァ
「何だよカエル女!」

ジャンク
「余所見すんなって言ったろ…雑音の斬撃(ノイズル)」


ズザァァァッ!!
ジャンクの速攻でオリヴァの脇腹に斬撃を加える事に成功した


オリヴァ
「ぐ…てめェは今吹き飛ばしたハズだろ」

ジャンク
「フッ…あんなのでくたばる訳ねェだろ。てか斬ったのに効いてねェのかよ!」

メディ
「あの…最期の世代の1人だよ。そこのパーマ男(ジャンク)も」

オリヴァ
「何ィ?てめェの実力で億超えで最期の世代の1人だってのかよ!?」

ジャンク
「へッ。肩書きでどうこう張り合うつもりはねェ。それに俺はスロースターターなんでな…次はお前は斬って確実に膝ま付かせてやるよ」

ザリー
「ジャンクてめェ!横入りすんなよ」

ジャンク
「今の俺らじゃサシは無理だ。我儘言わねェで協力しろザリー」

ザリー
「嫌だ!!横入りすんならてめェからぶっ倒すぞジャンク」

ジャンク
「じゃじゃ馬が過ぎんぞ。何でそうなる」

オリヴァ
「お喋りは良いんだよ!2人まとめてさっさと来いよ」

ザリー
「死ねやコラァ!」

ジャンク
「たく…仕方ねェ…」


ギリ…
手甲鉤を再び構えたジャンク


オリヴァ
「ヴァハハハ!ここで最期の世代2人を仕留めてストレス発散してやらァよ!」


ー帝都ベキンー
王宮前


行き交う人々は国を攻めて来た毒蜘蛛の一味により大混乱状態

兵士の負傷者達が運ばれていたりと慌ただしくなっていた

その王宮前にただ1人白髪混じりの男が呆然と佇む


白髪混じりの目つきの悪い男
「…面倒事ばっか起こしやがって…」


スタスタスタ………
背中には大きなハンマーを背負った白髪混じりの男は王宮内へと入って行く


行き交う人々
「おい!王宮内は今危険な状態だ!何をしに!?」

「毒蜘蛛の一味がまだ…!」

「兵士達も次々とやられているんだぞ!」

白髪混じりの目つきの悪い男
「………」


ー王宮の大きな中庭ー


皇帝の側近の1人ビシャモンと毒蜘蛛の一味のキャンディの対決


キャンディ
「はァはァ…まだやる気?おじいちゃん。さっきも言ったハズだけどウチの総司令官が来ている時点でおじいちゃんが幾ら強くても適う訳がないんだよ」

ビシャモン
「ほほほ。これは国攻めであってママゴトじゃないのでのォ。総司令官とやらがどれだけ強かろうが場所とやり方で幾らでもやりようがあるわい」


ズガガガッ!!
互いに激しい攻防が続いていた


ビシャモン
(…カクビの気配が消えおった…まさか賊にしてやられたか…?)


ビシャモンは異常なまでの見聞色の覇気の使い手であり、咄嗟にアポロンに仕留められたカクビの覇気の気配を感じ取っていたのである


キャンディ
「どうしたの?おじいちゃん…その沈黙は?」

ビシャモン
「ほほほ。昔馴染みが逝きおった…ただそれだけじゃよ」

キャンディ
「はァ?」

ビシャモン
「行くぞい」


シュッ…!!
ビシャモンは瞬を使い次の蹴りのタイミングを図る


キャンディ
「きゃはは!おじいちゃんの蹴りを厄介ね。超痛いし!!」

ビシャモン
「…本気で来い…」

キャンディ
「はじける右腕(キャンディファイア)」


ボッッ!シュルルッッ…!
右腕に炎を纏うキャンディもまた地面を油で滑らせ高速移動を可能としていた


ビシャモン
「ほほほ。能力の応用か」


バギィィ!!
両者の技は互いに喰らい合うビシャモンとキャンディ


キャンディ
「ぐゥ……は!」

ビシャモン
「…」

キャンディ
「くっそ!やっぱ強い…もう凄い痛いし…お腹はすくし…これって超ハズレくじじゃーん!」

ビシャモン
「ほほほ。腹が減ってるのか。捕まえたら何か馳走を用意させるかのォ」


ドガガガッ!!
両者の再び攻防が続く


キャンディ
「はァ…はァ」

ビシャモン
「もう息切れかのォ?若いのにだらしない」

キャンディ
「はァ…はァ。この国は何でこんな強い人達が多いのよー!!」

ビシャモン
「ほほほ。范の兵士は誰1人薄汚い賊に遅れを取る様な教育をしてないのでのォ。負けんぞい」

キャンディ
「何をォ!」

ビシャモン
「遊びは終いじゃ。次の一手で詰むぞい」


表情には出さずともビシャモンは静かに怒り、キャンディへと向かった


キャンディ
「遊び…??つまり今までのは攻撃は遊びだって事ォォ??」

(Android/Chrome, ID:dCglM62H0)
45 :イエロー
12/14(土) 21:33

第28夜<范帝国の一件㉘>

キャンディ
「遊び…??つまり今までのは攻撃は遊びだって事ォォ??」

ビシャモン
(カクビがやられたとなると実にまずいのォ。皇帝の気配はまだ感じ取れる。それに微かに龍エン坊ちゃんの覇気もな。…間に合えばいいが…)


もはやキャンディの言葉はビシャモンには聞こえていなかった


キャンディ
「わたーしの"ギトギトの実"の能力まだ全然披露していないのに〜〜もうッ!!」


ヌルヌル……
体から体液の様な油を生み出すキャンディ


ビシャモン
「詰みと言うたろうが」

キャンディ
「え…!?」


ビシュッ…!!!!!
雷神の如し速さでキャンディの前へ立ち目に見えぬ速さでキャンディへ蹴りを放つビシャモン


ビシャモン
「遠みの角に好守あり」

キャンディ
「ぐ、は…う、嘘…でしょ。何て蹴りなの…よォ…」

ビシャモン
「もう喋るでない。脊髄を少々損傷させた…無事では済みまい」


バタン…
キャンディは白目を向き前のめりに倒れた


ビシャモン
「さーて幹部クラスでこの実力。総司令官とは一体どんな力を持つ?全くもって厄介じゃのォ」


タタタッ!!
衛兵達がビシャモンの元へ


衛兵達
「ビシャモン様!!お怪我は!?」

「それにこの女は!?」

ビシャモン
「王宮外の衛兵達か。わしゃ平気じゃ。それよりもこの女(キャンディ)に海楼石の錠をはめて牢に入れるんじゃ。一応賊の1人らしいからのォ」

衛兵達
「はッ!!」

ビシャモン
「わしゃはもう少し動かなきゃいけんでのォ。ここは任せるぞ」

衛兵達
「すみません…我々が不甲斐ないばかりにこの様な自体になってしまい…」

ビシャモン
「ほほほ。そんな事気にするでない。それよりもお前達衛兵達は自分の出来る事をしっかりせい」

衛兵達
「解りました!」

「お気を付けて…!」


ビシャモンはそう言い残し王宮の中庭を後にした


ビシャモン
「皇帝…まだわしゃは"恩"を返せてないのだ。決して死ぬんじゃないぞい」


ー王宮内の何処か??ー
白いヴェールに包まれた謎の空間


ホワイト
「さてと…そろそろ良いでしょうか?」

いろは
「ここは超絶何処?さっきまで王宮の中にいたハズ…!」

ホワイト
「タネは明かせませんが私の能力ですわ」

いろは
「何…!」

ホワイト
「語り継がれる海軍反乱の事件の数々…そして伝説の剣士と呼ばれ…はたまた"麗"の名を受け継ぐ貴方と対峙出来るとは光栄ですわ」

いろは
「御託はいい…超絶捕まえてあげる!」


ギリ…!タタタッ
いろはは剣を構えて走り出す


ホワイト
「聖なる羽衣(ホワイトヴェール)」


ゾ ゾ ゾ !!
ホワイトは全身を眩い白い光の羽衣で覆っていた


いろは
「数々の目撃情報でお前の能力には見当がついている…その能力は…!」


スッ…
ホワイトはいろはと距離を取る


ホワイト
「随分とお詳しいですわね。流石は海軍の情報網ですわ」

いろは
「ワタクシには効かないって事も超絶知ってるわね!」


ズザァァァン…!
瞬時に詰寄るいろはに羽衣を斬られるホワイト


いろは
「ちッ。踏み込みが浅かったか」

ホワイト
「ふっ」

いろは
「無数に存在する悪魔の実には少なからず序列がある…その中でもお前の食べた悪魔の実の力は異質…大半の人間には通用するだろうともこのワタクシには効かぬ」

ホワイト
「ええ知っていますわ。なのであの時は咄嗟に"場所は選べずにこの場所へ飛ばした"のでしたから。伝説の剣士"麗"さんの覇気には私の能力は簡単には通用しないとも解っていましたし」

いろは
「悪魔の実の力が幾ら強かろうとそれを超える覇気には打ち消される…それが道理よ」


ギリッ…
剣を強く握り締めるいろは 


いろは
「アゲハ流…翽(はばたき)!」


ズザァァァン!
真っ二つに斬られたホワイト


ホワイト
(これで少しはこの女剣士さんを止められたのならいいのですが…)

いろは
「何…どうなっている!」


真っ二つに斬られたハズのホワイトの体が眩い白い光を放つと共に再び体が接合するホワイト


ホワイト
「とても残念ですわ」

いろは
「真っ二つに斬ったハズ…!何故?」

ホワイト
「貴方の斬撃は私の羽衣に包み込まれて消失された…それだけですわ」

いろは
「クソ…不可解な能力め…しかし何故覇気を纏った剣の斬撃を無効化させたんだ」

ホワイト
「貴方は1つ大きな勘違いしているかも知れませんね」

いろは
「…?」

ホワイト
「昔ならともかく今の貴方と私なら、私の方が覇気の量は凌駕しているって事をね」


ズ ズ ズ…!!
眩い白い光がいろはを包み込んで行く


いろは
「またその能力で何処かへ飛ばす気か!」

(Android/Chrome, ID:FoZaXE4f0)
46 :イエロー
12/22(日) 20:13

第29夜<范帝国の一件㉙>


ズ ズ ズ…!!
眩い白い光がいろはを包み込んでいく


いろは
「またその能力で何処かへ飛ばす気か…!」

ホワイト
「ええ。私はあなたと戦える程の戦闘力は持ち合わせていませんので。それにこう見えても戦闘は不得手なんですよ」

いろは
「目的は…!この国を超絶どうする気だ?」

ホワイト
「何度も何度もくどいですわね。貴方に教える訳がありませんわ」


ズ ズ ズ …
眩い白い光に包み込まれたいろは


ホワイト
「これで邪魔者は消せましたわ」


スタスタスタ…
ホワイトはいろはを消したと思い込み、歩き出した


ホワイト
「…?…」


ギリッ!!!
その瞬間、とてつもない気配を感じ取ったホワイト


ホワイト
「……何故?」


ホワイトはここに来て初めて険しい表情を見せた


いろは
「…フン!」


ザ…ン…ッ!!!

眩い白い光を斬り

いろははその謎の能力で何処かへ飛ばされる事を未然に防いだのであった


いろは
「ワタクシが『麗』を受け継いだ理由を改めて思い知らされた…!」

ホワイト
「何故…?貴方は確かに私の羽衣に包まれて消したハズなのに…?消えていないなんて」

いろは
「海軍本部…中将…名は『麗』のいろは…!覚えておくといいわ」

ホワイト
「質問の答えになってないですわね。貴方は光さえも斬ったと言うの…?」

いろは
「えェそうよ」


いろはは瞬時に過去を思い出した

今は亡き母である元海軍本部特別中将の『うるは』の存在を

いろはの母親『うるは』は海軍の中でも五本の指に入る剣士であった

だがとある陰謀にて殉職をした

死ぬ前にいろはに伝えた言葉がある

『悪を殲滅さすれば正剣を極めし』

いろはは自分の中の正剣を極める為に

初代『一文字流派』師範代にしていろはの父でもあるイチモンジの下、幾許の年月研鑽を積み父の剣『一文字流派』を継承したのであった


ホワイト
「光に飲まれずに此処に存在しているなんてありえないわ。ましてや光を斬ったなんて」

いろは
「…久々に剣道をやってみよう…!」


ギリッ…!!
再び剣を握るいろは


ホワイト
「何て威圧感なんですか」

いろは
「超絶捕まえるなんて言っちゃったけど。悪いけどこの剣術では命の保証は出来ないわ!」

ホワイト
「…?」

いろは
「一文字(ひともじ)流…居合…雷(らくらい)!!」


ゴロゴロ…!!
ズザァァァ!!
雷鳴と共に剣をホワイトに振り落とす


ホワイト
「ぐ…!は…」


不可避の剣技であった

雷を纏う剣の斬撃を受けたホワイトの体は大量の血が流れ落ちていた


いろは
「麗の名はそう簡単に悪党に落とさせる訳には行かない…!」

ホワイト
「はァ…はァ…雷を起こす一太刀…何てデタラメな剣…ですか」

いろは
「正義の剣を超絶舐めんじゃないよ!」

ホワイト
「はァ…はァ…先程も言いましたが私には大した戦闘能力はありませんわ。殺るなら素早くお願いしますわ」

いろは
「ふん!そういう訳には行かない。聞きたい事が山ほどあるし、そもそもお前を倒したら此処を出れないじゃない」

ホワイト
「ふっ。賢いですわね。此処を出る為には私を生かすしかない」

いろは
「ちッ。条件はなんだ?」

ホワイト
「この空間から抜け出したら1杯の珈琲が飲みたいわ…とても喉が渇いた」


ー王宮内ー
南階段前


毒蜘蛛の一味ヴァルキリー・オリヴァとザリー海賊団のザリーとジャンクの対決は続く


オリヴァ
「さっさっと屈しろよゴミ共がァよ!」

ザリー
「うぜェんだよ!俺がてめェを捻り潰すだけだ」


バギィィィン…!!
オリヴァに左拳で殴り飛ばされるザリー


ザリー
「ぶばァ…!!」


大量の血を吐いたザリー


メディ
「ザクロちゃん…!ジャンク!!」

ジャンク
「あァ。解ってるよ」


ダダダッ…!!
ジャンクはオリヴァに向かい走り出す


オリヴァ
「無駄だって言ってんだろ!!」

ジャンク
「そろそろよ。俺達が諦める事を諦めろよ
静寂の斬速(スニード・スラッシュ)」


ズザァァァッ!!!
速攻の斬撃でオリヴァの腹部を斬り裂くジャンク


オリヴァ
「ぐ…ちょこまかと!」

ジャンク
「ジャクハハ!じわじわ効いてくんだろ?」

バレンタイム
「あいつ(ジャンク)…敵の動きに追いついてんのか?」

オリヴァ
「幾ら斬ろうが俺はてめェらには倒されねェよ!」


スタスタスタ
そこへ南階段から誰かが上がって来た


バレンタイム
「誰だ?」


七世
「はわわ…これは一体…」


王宮官女の七世であった

辺り一帯の無惨に倒れる兵士達

そしておびただしい大量の血痕が七世を恐怖に陥れた


七世
「ひィィィ!」

(Android/Chrome, ID:uzWa10Ey0)
47 :イエロー
12/28(土) 14:39

第30夜<范帝国の一件㉚>

七世
「はわわ…これは一体…」


王宮官女の七世であった

辺り一帯の無惨に倒れる兵士達

そしておびただしい大量の血痕が七世を恐怖に陥れた


七世
「ひィィィ!」


オリヴァ
「お!まだ王宮内の生き残りがいたか!」


ダダダッ!!シュッ!!
オリヴァは七世に向かい飛び掛かる


バレンタイム
「ぐ…マズイ!おい!そこから逃げろ!!そこのお姉さん!!」


七世
「はわわ…(わたし死んだ!?)」


パキィィィンッッ!!
オリヴァの大ハサミの切り裂き音が響き渡る


バレンタイム
「嘘…だろ」

メディ
「ザクロちゃん…!!」

ジャンク
「何…!」


ザリー
「う…がァ!!…ぐはァ!!」


七世の前にザリーが立ちはだかり、七世を庇う様に突き飛ばし、オリヴァの大バサミの攻撃を直に負った

そしてその攻撃により右足を切断されてしまったザリー

尋常ではない痛みでもがくザリー


オリヴァ
「ヴァハハハ!民間人を海賊が助けたってのか!?馬鹿じゃねェのか?てめェは!」

七世
「な、何故私を…!?」

ザリー
「はァはァ…うぜェ…!俺の視界からさっさと消えな…飯炊き女」


バタン…
倒れ込むザリーは大量の血を右足の切断部から放出した


七世
「きゃあ!何て血の量…死んじゃいますよ!」

バレンタイム
「おい…!早く離れろ…!」

オリヴァ
「喚くな女ァ!てめェもすぐあの世だ!」


オリヴァは七世に向かい再び大バサミを振るう


ジャンク
「…」


キィィィン…!!
ジャンクがすぐさま手甲鉤で応対した


オリヴァ
「んだよ!邪魔すんじゃねェよ小僧!」

ジャンク
「よせよ。その飯炊きの姉ちゃんに手ェ出すな」

オリヴァ
「何故海賊が民間人を助ける?」

ジャンク
「さァな。ザリーが助けたなら俺にも助ける義理があんだよ」

ザリー
「はァはァ…邪魔…すんじゃねェ…!!ジャンクのクソ野郎!!」

ジャンク
「そのナリで言うセリフかよ。アホか」

オリヴァ
「ヴァハハハ!こりゃあ虫の息だな!この女は生かしておきてェんだがな」

ジャンク
「仮にもそいつはウチの船長なんだよ。手出しはさせねェよ」

オリヴァ
「弱いってのは罪だな!」

ジャンク
「…おいメディ!ザリーの止血を急げ!出血多量で死んじまうぞ」

メディ
「解ってるわよ!」 

ジャンク
「インチキギャンブラー…お前まだ動けるか?」

バレンタイム
「は?余裕だよ!てか誰がインチキ…まァいい」

ジャンク
「ならあの飯炊き姉ちゃんを安全な場所へ避難させろ」

バレンタイム
「飯炊き姉ちゃん?あァあの子か。解ったよ」


メディはザリーの下へ

バレンタイムは七世の下へ動く


オリヴァ
「おいおい。まだ俺の殺戮ショーは終わっちゃいねェんだよ…殺人ワッパー!」


バレンタイム
「この物凄い闘気は何だよ!?」


ジャンク
「…静寂の斬撃(サイレンズ)」


パキィィィン…!!
オリヴァの凄まじい一撃に拮抗するジャンク


オリヴァ
「嘘だろ…!さっきまで力負けしてた奴が…!」

ジャンク
「言っただろうが…俺はスロースターターだってよ」

オリヴァ
「ヴァハハハ!こりゃあ良い土産が2つに増えたな」

ジャンク
「ザリーと俺を連れ帰るってか」

オリヴァ
「察しがいいな」

ジャンク
「クソ喰らえ…だよ」

オリヴァ
「生意気な小僧だな。…アラクネ様の下へ来れば圧倒的な力が手に入るってのによォ!」

ジャンク
「下らねェ。圧倒的な力があろうがなかろうが俺はお前達に媚びへつらうなんてのは御免なんだよ」

オリヴァ
「交渉決裂だな。ヴァハハハ!」


同時刻
ー皇の間ー
>>41続き


アポロン
「范の力もここまでか。残念でならないな」

畄セイ
「何と…まさか…カクが!」

王宮の軍師
「う、嘘だ!?あのカクビ様が!!」

アポロン
「皇帝よ。既に運命は決まっているのだ」


皇帝の側近の1人カクビが無惨にも斬首された事により自体はより緊迫としていた


王宮の軍師
「皇帝…!避難されたし!」

畄セイ
「…待て…」

アポロン
「命乞いでもするつもりか?」

畄セイ
「お主らの目的は…本当の目的は何なのだ?まさかただ単に私の首を取る事によりウォー大国の力を誇示させたいが為ではなかろう」


※毒蜘蛛の一味は現在ウォー大国と拠点としておりウォー大国とは手を組んでいる


アポロン
「察しがいいな。流石は皇帝である」

王宮の軍師
「!?」

アポロン
「率直に聞こう。皇帝よ…『シヴァ』の所在を聞こう」

畄セイ
「何故その名を…?」

アポロン
「その素振りは知っていると言う事か。所在を教えてくれると言うならこの侵略は終わりとする」

(Android/Chrome, ID:XEjkEauJ0)
34 :イエロー
10/05(土) 21:50

第19夜<范帝国の一件⑲>

オリヴァ
「ルーキーが随分と手間取らせやがって」

バレンタイム
「クソ痛ェ。まだ…まだ1分半くらいだろ。止めねェとメディちゃんが…」


気を失いそうになるバレンタイムはなんとか両腕を床に付けて立ち上がろうとする

そしてメディが階段を下りて決死の1分半が経過した


オリヴァ
「死ねェッ!」


オリヴァが深手を負ったバレンタイムに向けて大バサミを振った


バレンタイム
「はァはァここまで…か」


ー地下牢ー


ザリー
「あ?誰か来るぞ」

ジャンク
「ん?」

七世
「まさか毒蜘蛛の一味!?」

兵士の1人
「七世さんは私がお、お守り致します!」


メディ
「はァはァ…やっと着いたケロ」


ようやくメディが地下牢に辿り着いた


ザリー・ジャンク
「女」「メディ!」

メディ
「はぅ…ザクロちゅわん…何て可哀想ケロ…いやそんな事言ってる場合じゃないケロ!」

兵士の1人
「何奴!珍獣め!侵入者の賊だな!?」

メディ
「は?違うケロ…まァ違くもないケロか」

兵士の1人
「ええい!」


ザッ
メディに槍を放つ兵士


メディ
「あんたなんかに構ってる暇ないケロ」


バキィ!
ヒップアタックを兵士にキメるメディ


兵士
「ぐへ」

メディ
「ザクロちゃんはともかくジャンクあんたまで何やってるケロ」


横たわる兵士の上に座りそう呟くメディ


ジャンク
「こっちの台詞だよメディ!お前こんな所で何してんだ」

メディ
「ザクロちゃんが捕まったと聞いて助けに来たケロ。あ。あんたはついでねジャンク。それにしても何て姿…ザクロちゅわん。可哀想ケロ」

ジャンク
「ついでだ?ふざけろよ」

メディ
「あら?そんな口ぶりしていいのかしらぁん?」


クルクルと地下牢の鍵を回してジャンクを煽るメディ


ジャンク
「お前それ…」

七世
「お仲間…さん?何故ここを!それにその鍵は…」

メディ
「何?あんたも兵士なの?やるならやるケロ…」

七世
「い、いえ!」

メディ
「そう。それより時間がない!鍵を開けるケロ」

七世
「だ、だから何故鍵を!?」


ガチャンガチャン…

地下牢の鍵を開けてザリーとジャンクを助け出した

そして分厚い鉄板の手錠を外したザクロとジャンク


ザリー
「うおおおおお!身軽だ」

ジャンク
「やっと解放か。肩凝っちまった。んでメディ…時間がないってのは?」

メディ
「理由は長いから省くけど毒蜘蛛の一味がこの王宮に侵入してるケロ…それで真上で毒蜘蛛の一味の1人と鉢合わせして…バレンが足止めしてるのよ」

ジャンク
「な、に?」

ザリー
「1人だけ抜け駆けかよ。ズリィぞバレン!俺がそいつをヤる」

メディ
「ザクロちゃんでも…」

ザリー
「強いんだろ?そいつ?俺が叩きのめしてやる」

メディ
「ザクロちゅわん…」

ザリー
「…おい女(七世)!俺の武器は?」

七世
「これは大変な事態です…閣下の命令であなた方は出す訳には…」

ザリー
「うるせェ。んで俺の武器は?」

七世
「ひィ…そこの棚に閉まってます」


ガチャン
ザリーは棚から釘バッドの武器を手に取り


ジャンク
「お、俺の手甲鉤もあるじゃねェか」


ガチャン
ジャンクも手甲鉤を手に取った


メディ
「ジャンクいい?」

ジャンク
「何だ?」

メディ
「ザクロちゃんに無理はさせないたくないケロ。やばくなったらあんたが止める、解ったケロ?」

ジャンク
「あァ解ってる」


ザリー、ジャンク、メディの3人は地下牢の階段を駆け上がった


七世
「はわわわ…どう閣下にお伝えしたらいいか…」


ー王宮内ー
龍の間の広間


兵士達
「閣下失礼致します!」

「伝令により…!」

龍エン
「解っておる。毒蜘蛛の一味が王宮へ侵入したらしいな」

兵士達
「は!更に被害は各地にて…」

「強さは未知数との事」

「第2皇子…!霤メイ様まで行方不明に…!指示を下さい!」

龍エン
「フン。ただ一言言えるのはあやつらの好きにはさせん」


スタスタスタ…
そこへ1人の男が気絶した兵士を両脇に抱えて入って来た


兵士達
「き、貴様!何処から?」

「何者だ!」

黒マントを羽織るサングラスを掛ける男
「扉の前に兵士がたった2人とは。警備が手薄だな?それともそれだけこの部屋は安全と言う証か?」


バサッ
両脇に抱えていた気絶している兵士を床に置いた


黒マントを羽織るサングラスを掛ける男
「あなたが噂に聞く范の"生きる人間兵器"とまで言わしめた沁 龍エン氏か」


ザザッ!!
兵士達は黒マントを羽織る男に次々と槍を向けていた


龍エン
「お前達下がれ」

兵士達
「しかし…!」

「この男は!?」

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