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┗327.宛先不明の手紙【〆】(10-14/39)

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10 :―――
2013/03/30(土) 04:53

赤司征十郎、


閲覧自己責任、
…なのに覗く物好きの捕獲所。

別名、
読んでくれてありがとうの場所。

愛読書は自発的には作らない。
代わりに物好きの本は徹底的に見る。

何か文句でも?


(その内編集)


〆 

- 10 -


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11 :―――
2013/03/30(土) 05:04

赤司征十郎、


ああ、眠い。

微睡む意識の中、犬が居た。

従順な犬。
誉めれば尻尾を振って喜ぶ。
隠す事の無い好意、おまけに焼き餅焼き。

可愛かった。
此奴は僕無しでは生けていけないだろうと。
餌も水も住む場所も全て用意してあげた。


暗転。


犬、犬、何処行った。
僕が捨てた。
僕も捨てられた。

野良になった筈の彼奴は今でも首輪を付けている。
リードが無い首輪を光らせながら、自分の居場所だった所で鳴く新しい犬を見ている。


適切な距離を探して、行ったり来たり。
近付いて少し吠えて、離れて後悔して。

大丈夫、お前を嫌ったりはしないよ。

この手紙のナンバーと同じ、わんわんと鳴いて御覧。
泣いて、哭いて、啼いて御覧。


お前は相変わらず可愛いね。
何時まで経っても、僕の犬。
一層の事、嫌いになってくれればいいのに。
その方がお前も幸せになれるのにね、…馬鹿な奴。

〆 

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12 :―――
2013/03/30(土) 18:17

高尾和成、


もう1つの未来だったのかなー、なんて。

すっげー仲良いヤツが居てさ。相棒っつーか片割れって呼び合って。ダチも数え切れない程居たし、家族ごっこをする奴等も居た。なんつーか、其処は街なんだよ。学校や部活が違っても関係無く、休日は夜更かしして喋り合った。新しい住人の噂を聞いたらこぞって押し掛けて、ようこそ我が町へ!なァんて古参者ぶってみたりネ。

楽しかったな、欲しいモン全部持ってたんだぜ!バスケが出来る仲間、寄り掛かれる存在、帰る家、…恋人。


でも、ぜーんぶ捨てちまった。

ウン。後悔は少し、でも新しい一歩だと思った。ボールだけ持って新しい世界へ!いざ行かん!

そんな先に、もう一人のオレが居た。バスケが出来る仲間、寄り掛かれる存在、帰る家、…恋人…――は知らんけど。
其処はすっげえ暖かそうで何時も笑顔に溢れてるんだよ。きっとそう、“オレ”が笑ってるから周りも思わず笑っちまう様な連鎖。おー、フツメンかと思いきやオレって実はイケメンだった?笑うとこんな感じなんだな、角度的にはこっからの方がよりイケメンじゃね?とーか言ってね!人懐っこいあの笑顔だから皆集まるんだ、きっと。

もう1つの未来、それに似た何かがあった。
全然違って見える世界だけど、実は共感覚えちゃったりするんだぜ?なあ、其処の高尾クン

オマエもオレの世界に何処かキョーミ持ってくれたのかなあ。ふは、…そーゆーのも、なんか悪くねえかも。

〆 

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13 :―――
2013/03/31(日) 01:04

赤司征十郎、


気付いているよ。
僕の眼から逃れられるだなんて、本当に思ってた?

――…ああ、こっちの話。目敏いんだ、これでも。まあそれは追々ね。


一人称を変えてみたり、呼び方を変えてみたり、過去の自分と決別したらあっという間に世界も変わった。生温い付き合いや甘ったれた信条は元々持っていなかったんだ、高みを目指すチームの居心地は好い。求めていた物だよ。案外と洛山も、悪くはないかな。落ち着けると思ったからこそ、こうして毎日手紙を書いているんだしね。

読み返してみると、彼奴が見れば僕だと気付きそうな内容がちらほら。別にいいけどね、見られたって。
ラブレター?はっ、冗談!そんな気持ち悪い事書ける訳が無いだろう。書くとしたら果たし状、お望みなら殴り合いの喧嘩でもしようか。惚気日記には程遠いね。第一、そんな甘さを僕の手紙に求められても困る。見はしても自分には書けない。何故かって、自分の事が一番だからだよ。そんなの当たり前。誰よりも理解してあげられるのは自分自身なんだから。

玲央は素直になれと言うけれど、意地を張っている訳じゃない。こういう性分なんだ。常に勝っていないと意味が無い。敵にも、味方にも、己にも。


それにどうせ、見付かったら大笑いでもされるに決まってる。ああ…想像しただけで腹が立つ。この領域に踏み込んでいいのは僕だけ。お前は其処で指を咥えて見ていればいいんだよ。想像しただけで傑作だ!


“僕”が本当の姿かそうではないか。其処から疑問かな?

〆 

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14 :―――
2013/03/31(日) 02:03

黄瀬涼太、


何かノッて来ちゃったんでもう一枚。

昔の話なんスけど、長い付き合いだった子と交換日記をしようって話になったんスよね。恋愛関係はゼロ、でも友愛や親愛以上の複雑な感じ。依存してる家族みたいな。
んで、日記を通じて色んなオレを見せてたわけ。服装とか、姿とか、まァぶっちゃけ普段の黄瀬涼太クンとは違う別の顔ってヤツッス。

そしたらさ、「何処まで本当の顔か分からない!私が知ってるアナタじゃない!」的な事を言われて。
興醒め。いやいやいや、アンタが知ってるオレって何だよって。まあ確かに姿によって180度印象変わるんスよねえ、オレ。いや、それでもさ、結局アンタが惚れてた男は何時も優しくて笑顔が素敵なモデルでしかないんだなって思ったよ。

それが悪いとは言わない。
人間誰しも全てを理解されてるなんて事はねえんだから。んー、でもね、自分の抱く像と違うから本人否定って、そりゃなくねッスか。アンタは箱入りのオジョーサマだったから耐性無かったかも知れないけどさあ。

え、愚痴?違う違う、ンなつもりじゃないッス。
逆に自分の演技力には自信が付いたしね。同じ人間だとは思えないって、え、コレ褒めてンスよね?

服装やシーンに合わせてスイッチ完全に切り換えて別人演じてみせるけど、それでもオレはオレ。根底は一緒なんだよって話。色んな顔を持ってた方が男として魅力的っしょ?


モデルより俳優の方が向いてんスかねえ、オレ。

〆 

- 14 -


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