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┗氷上の痴話喧嘩。(21-30/76)
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30 :
ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2017/01/07(土) 03:06
>『Исповедь』
キリッとした顔をしろ?
Sorry, 今日は無理だね。
ロシアに戻ってきてから、いや、復帰を決めてから。
練習に時間を割いている分、オフの日には雑誌の取材やイベント、TV出演…etc の仕事が入るようになった。
コーチ兼選手を選んだ時点である程度覚悟はしてた。
ファンサービスを欠かさないなら、私生活を削るしかない。
今日も今日とて、スケート雑誌用の写真撮影現場に来ているんだけど…。
気が緩むと締りのない顔になる所為で、過去例に見ない位、NGを食らってる。god damn!
求められることに応じるような写真撮影は得意な方。いつもはスマートにこなしてる。
それが今日に限って出来ない……。
それは全て、昨夜の楽しい晩餐のお陰…。
久し振りのアルコールは、それはそれはとても美味しいものでした…。
…。
ここでは勿体無くて云えないし、云ったらまた俺の顔が「ジャパニーズ福笑い」になるので云わないよ!
とにかくいつもより、NGを繰り返してへとへとになって家に帰ってきた訳だけど。
家にも入らず、何故か家の前で雪だるまを作って、父、母、子、孫、その孫の子供、更にその孫の子供の子供…くらいまで作って。
それをとくに理由もなくSNSに上げるという行為をしているよ。
こう、時間とともに、じわじわきているというか。
うん、動揺していると云うか…、胸の動悸が。高鳴りが。
なんだろう。
今ならこの動揺に乗じて、何でも告白出来る気がするよ!
ユーリ!ごめん!
ユーリが日本に帰っている間、ユーリのパンツを何回か履きました!
きっかけは本当に履き間違いだったんだ。
けど、こう履いている内に、ユーリがいなくても、一緒にいるようなそんな安心感が。
大丈夫!ちゃんと洗って、ちゃんと畳んで、ちゃんと片付けておいたからね!
はぁ。
スッキリした。
『帰ります』
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29 :
ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2017/01/03(火) 03:57
>『Сувенир』
ユーリが日本から持ち帰ってきたお土産のその後。
#ゆ~とぴあかつきのカツ丼
ユーリのマーマが作ってくれたカツ丼。
飛行機に乗って遠く離れたロシアまで届けられた貴重な一品。
ユーリが親切に器に盛り付けてくれたから、レンジで暖めて綺麗に平らげたよ。
不思議なことに久し振りに食べたカツ丼は懐かしい味がしたんだ。
ユーリの「オフクロ」の味が、いつか俺の「オフクロ」の味になったら嬉しいな。
ユーリとマッカチンとカツ丼の3ショットも宝物。
食べたカツ丼はもうないけど、宝物は大切に仕舞ってある。
#長谷ワンくんのクッキー
はせつにいた時は知らなかったことが悔やまれるよ!
パッケージのイラストを見た瞬間、ビビッときたんだ!
某ネズミのキャラクターよりも、お気に入り!
真似してイラストを描いたんだけど、ユーリも「笑える」?って褒めてくれたんだよ!
クッキーは元々リンクメイトへのお土産用だったらしくて、ユーリは早速お裾分けしてた。
こういう律儀で気配りが出来るところが日本人らしいなーって思う。所謂お・も・て・な・しだよね。
練習中は時々甘いものが欲しくなったりするから皆んな嬉しい筈。日本のお菓子は俺の舌にも優しい甘さ。
でも何故かユリオだけ1枚多くクッキーを貰ってたから、腹いせにカツ丼食べたことを自慢してあげた。
無関心が一番相手に痛手を与えるのに、いちいちぶち切れるところがユリオらしいよね。
そこがきっとユリオの甘いところでもあるし、良いところでもあるんだろうな。
#はせつの焼酎「魔界への誘い」
はせつからこっちに戻ってくる時に貰って、大事に保管していたんだけど。
…まあ、その、色々あって、飲んじゃったんだよねー。
それを察したユーリが、重いのに割れないように工夫してお土産に持って帰ってきてくれたんだ。
はせつで飲んだ時は美味しくて楽しくて陽気になれた。
でも、ロシアで一人の部屋で飲んだ時は、…美味しいことには変わりないんだけど。
余計に、はせつに行きたくなって、逢いたくなって…困った。
次にこれを開ける時は、楽しい時がいいな。
#ユーリのポスター
これはR経由じゃなく、ミナコ経由でタダでもらったもの。
でもタダより怖いものはない、って云うくらいだから、近々何か要求されそう。勿論うけてたつよ!
はせつにしかない非売品らしくて、これはこれで大事なコレクション。
Rで手に入れたものも含めて、ポスターは時系列に俺の部屋に飾ってある。
イナバウアーしてるユーリのポスターは天井に。目が覚めると目が合う。ふふ、ちょっとシュール。
しかし此処で問題が一つ。
俺は満足してるんだけど、こんな部屋だとユーリが寄り付いてくれなさそうなんだよね。
だから今検討中なんだ。
お風呂用のポスターもあるんだよ!水も滴るいいユーリ!
#鶏の形をしたぴこぴこ鳴るおもちゃ
これはマッカチンへのお土産だね。随分気に入ったみたいで、いつもそれで遊んでるよ。
あれで遊んでるとぴこぴこ音がするから、マッカチンが何処にいるか直ぐにわかる。
…たまに、マッカチンもバルコニーに出て、遠くを見るみたいに佇んでいる時がある。
マッカチンの気持ちは判らないけど、あの後姿はきっと、はせつを思っているんじゃないかな。
#そしてもう一つ、大事なお土産
それはユーリ自身。ユーリがちゃんと俺の元に帰ってきてくれたこと。これが一番のお土産。
いつも元気にしてるけど、慣れない地でユーリも色々大変だと思う。
でも、また帰ってきてくれた。それが嬉しい。
最近は一生懸命ロシア語を勉強してるみたい。俺も負けずに日本語を覚えなきゃね。
ユーリを想う時、不意に自分のことはどうでもよくなる瞬間がある。
俺のことはいいから、笑ってて欲しい。そんな感じ。
競技をする上で、日々経験する感情は全て糧になる。それが良いものであれ、悪いものであれ、ね。
だから、マイナスな感情も時には必要だし、必要だと思わなくても、生きていれば日常で普通に感じるもの。
ただ、ユーリには、理不尽な傷つき方はして欲しくないと、そう思うんだ。
ふふ、照れ臭くて、ロシア語で誤魔化していた言葉も、いずれ君に解読される時がくるかもね。
でも、俺にはまだフランス語がある。
『Je suis tres heureux』
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28 :
ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2017/01/01(日) 05:04
>『Впервые мечты』
(非常にブレたマッカチンのドアップと、
その後ろ「魔界への誘い」一升瓶と部屋着のようなものを抱いて眠る
リビングレジェンドの写真が一枚アップされている)
+++
―――夢を見た。
ゆ〜とぴあかつきの宴会場。
宴会場には入りきらない位、沢山の人達が集まっている。
はせつの、あったかくて優しい人達。
それにユリオやヤコフ、ミラやギオルギーまで。
普段は大会でしか会うことのない各国の選手もいる。
みんな、みんな、笑顔。珍しくユリオまで笑顔だ。
その輪の中心には、俺とユーリ。
俺とユーリの隣には、マッカチンと、俺と同じ名前の君の家族。
俺とユーリは、美味しそうにカツ丼を頬張っている。
俺とユーリの首にぶら下がっているのは、お揃いの同じ色のメダル。
色は何色だろう?そこまではちょっと見えない。
幸せな、幸せな光景。
これが夢じゃなきゃいいのに。
…あ。
俺とユーリの背後に、日本のカケジク?が掛けられている。
??
日本語で何か書かれているみたいだけど、俺には意味がわからない。
なんだろう?
「女」?「臣」?
あーあ、俺も日本語、もっと勉強しておけばよかった。
+++
……、…?
スマホがメールの着信を知らせる音で、ふっと意識が浮上する。
ぼーっと天井を眺めていたら、マッカチンが寄ってきて、催促するように吠えた。
あー、ごめん、マッカチン、ごはんだよね、ごはん。
今すぐ用意するから待ってて。
コンディションはあまり良くない。
当然だ。昨日は明らかに飲み過ぎた。
大晦日の自制はどこへやら。新年のスタートは深酒ではじまってしまった。
理由はわかっている。
マッカチンにご飯をあげて、転がっている酒瓶を片付けていたら、
さっき届いていたメールの存在をやっと思い出した。
スマホを拾い上げて、メールを確認する。
……。
!!
慌ててメールの返信を打った。
ユーリが帰ってくる!
コンディションは…最高だよ!!
『姫はじめ』
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27 :
ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2016/12/31(土) 10:25
>『R~落札者という名の栄光~』
#サブタイ:――絶対に負けられない戦いがここにある Road to Auction SAMURAI SILVER
#出演者:俺、ユーリ、さすらいのユーリマニア、謎の天使
+++
(※注意※JJではありません)
氷上だけが俺の戦いの舞台だと誰が云った?
俺にはね、もう一つ、戦わなきゃいけない舞台があったんだ。
ああ…震え上がりそうだ、ぞくぞくするね!武者震い?いいや、歓喜の震えだよ!
さあ、その戦いの舞台を此処に発表しようじゃないか!
その名も「ヤ○ーオークション」!!
今日のターゲットは君だ、ユーリ。ユーリ関連の出品物を全て手に入れる、それが今回の俺の使命。
全て手に入れるまで俺はこの舞台を降りられない。
…ユーリ、止めないで。君が俺を心配しているのは判っているよ。
判っているけど、俺のプライドにかけてこの舞台は降りられないんだ。
大丈夫、このヴィクトル・ニキフォロフが、ユーリに沢山のヴィクトリーを贈ってみせるからね☆
ユーリ関連の出品物……、ざっと50くらいか。楽勝だな。
そう思っていた俺に、まさかの敵が現れる。
その名も、「さすらいのユーリマニア」!!
正体は不明だ。だが、悉くユーリ関連の出品物に自動入札の罠を仕掛けている。
制限時間は限られている。俺は段々焦りを覚えてきた。
どうしたらいい?どうしたら俺のユーリを守れるんだ…っ。
途方に暮れる俺の前に、不意に天使が現れ、こう囁いた。
『ヴィクトル、あなたには4回転があるじゃない』
そうだ、それが俺の真骨頂。どうして今まで忘れていたんだろう。
今がそれを見せる時。
…俺は勝てる。
残り時間1分前。
今だ、
「現在価格×4倍価格入札!!」
さすらいのユーリマニアは砕け散った。
勝利の喜びに涙が溢れる…。
ユーリ、俺は勝ったよ。
俺は確かにR(落札者)という称号を手に入れた。
+++
と云う訳でー。
今現在、俺は宅配業者から送られてくる荷物の対応に追われているよー。
玄関にダンボールが山積みになってる。大きなものはユーリが帰ってきたら手伝って貰おう。
たった今、届いたばかり、日本からの封書を手に自室へ戻る。
数々ある出品物の中で、どうしてもこれだけは守りたかったもの。
待ちきれない思いで、封を開け、中身を取り出した。
「…!милый!」
中から出てきたのは一枚の写真。
アルファベットの「Y」が描かれたトレーナーを着て、きっとまだ慣れないスケート靴で、リンクの上をやっと立っている幼い君。
思わず写真にキスをしていた。かわいくて仕方ない!
………。
……こういうのを見るとね、前に君に話した、”ちゃんとしたい”って気持ちが強くなるんだ。
君がその身に受けてきた愛情を思えば、単純に一緒にいたい、って気持ちだけで行動は出来ない。
――次は、俺もはせつに行くよ、ユーリ。
まあ、その前にこんなふざけたことをしていて、何がちゃんとしたいなんですか?って突っ込まれそうだけどね!
『俺の武器→4枚重ねブラックカード』
(※写真の出品者は西郡家三姉妹だと判明。後でお金は返して貰いました。)
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26 :
ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2016/12/31(土) 09:27
>『Метеор』
現役復帰を決めてから、休みなく続けてきた練習も明日ばかりは休日だ。
殆ど年中無休に近いホームリンクも、元日だけは閉鎖されるからね。
ロシアの大晦日は盛大で派手。
浴びるようにシャンパンを飲んで、ホームパーティを開き、花火を上げる。
時刻は夕方に差し掛かった頃。
俺はと云えば、誘われたホームパーティを断って、自宅のバルコニーに出ている。
手にはホットワイン。
明日が休みだと思えば、酔い潰れたっていいのかもしれないけど。
なんとなくそんな気になれなくて、いつもより酒量も少なめ。
ふふ、ユーリが知ったら褒めてくれるかな。
左腕につけた腕時計は日本の時刻に合わせてある。
時差のある遠い島国は、あと数時間で新年を迎えようとしている頃。
ユーリは何をしているんだろう。コーハクでも見ているのかな。
ロシアの冬は寒い。
そう長い時間バルコニーに出てはいられなかったけど。
遠い日本と唯一繋がっている場所に、もう少しだけ居たかった。
頭上にある広大な空は一続き。ずっと、ずっと追っていけば、いずれ君のところに辿り着く。
―――大晦日はちょっとした奇跡が起きる不思議な日。
ロシア人は大抵の人がそんな風に考えているんだ。
今、此処に君が現れないかな?
…っはは、それはもう、ちょっとした奇跡じゃないね。
…あ。
見上げていた空に走った小さな光、それがあっと云う間に斜めに落ちて消えた。
久し振りに見た流れ星。
うん…、これがちょっとした奇跡だったとしたら要らないな。
…でも。
君がもしも、これと同じものを遠く続いた空の下で見ていたとしたら…。
それはちょっとした奇跡で、嬉しいかもしれない。
古い年が過ぎて、今まさに迎えようとしている新しい年。
新しい年が、君にも俺にも幸多き年であることを願って。
『よいお年を』
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25 :
セ/バ/ス/チ/ャ/ン・ミ/カ/エ/リ/ス(黒_執_事)
2016/12/29(木) 06:28
>『Would you like some tea?』
ロイヤルミルクティーをご所望ですか?
畏まりました。
ファントムハイヴの執事たる者。
例えこんな夜更けであろうとも、坊ちゃんのリクエストに応えてみせましょう。
+++
ミルクティーとロイヤルミルクティーの違いをご存知の方は、意外と少ないかもしれません。
ミルクティーとは淹れた熱い紅茶に後でミルクを足したもの。
ロイヤルミルクティーとは茶葉を煮出してから更にミルクを加えて煮出し、淹れた紅茶のことです。
一口飲んでみれば、その味の違いに直ぐ気付くでしょう。
簡潔に云えば、ミルクティーはお子様向け、ロイヤルミルクティーは大人向け。
何より濃厚さと、味わい深さの差に歴然とした違いがあります。
ですが、作り方は意外とシンプルです。
1.
湯を沸かした鍋に、多めの茶葉を入れます。
紅茶の味をしっかりと出す為、茶葉は多めに入れるのがポイントです。
一杯の紅茶につき、ティースプーン山盛り一杯がいいでしょう。
今回はフォートナム・アンド・メイソンを使いますが、ない場合はアッサムがお勧めです。
2.
強火でぐつぐつさせ、紅茶の色が出てきたところでミルクを投入します。
水の量に対して、ミルクの量は3倍くらいが妥当でしょうか。
煮立った泡が鍋の縁まで迫ってきたところで火を消します。
3.
ティーカップに茶こしをかざして、鍋からミルクティーを注ぎ入れます。
坊ちゃんの為に今夜選んだティーカップはウエッジウッド。
紅茶の味を引き立てる上で、ティーカップの選択も重要な要素だと云えますね。
4.
グラニュー糖を一杯につき一匙ほど入れてかき混ぜます。
ここはお好みで、甘い方が好きなら多めに入れて下さい。
5.
猫舌な坊ちゃんのために、仕上げとして、小さな氷一粒を静かに投入します。
これで全ての過程は終了です。
どうです?意外とシンプルでしょう?
但し、淹れ方については人ぞれぞれ拘りがあり、この淹れ方に限ったことではございません。
教授する立場だなんておこがましい。
――私はあくまで執事ですから。
+++
さて、坊ちゃん。
いくら美味しいからと云って、飲み過ぎるのはどうかと思いますよ?
紅茶に含まれるカフェインの量をご存知ですか?
コーヒー程ではないにしろ、紅茶にもカフェインは多分に含まれています。
こんな時間に飲んで、眠れなくなっても、――…
イエス、マイロード。
それでは眠れなくなった坊ちゃんの為に、夜の世界へとお連れいたしましょうか。
うっかりしていましたが、今夜は唯一夜更かししても許される日。
今年の終わり、そして新しい年の始まりを告げる鐘の音が聞こえる場所へ参りましょう。
『今年最後のティータイムに、ロイヤルミルクティーはいかがですか?』
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24 :
ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2016/12/26(月) 18:15
>『Птица может свободно летать』
天岩戸神話。
世界には色々な神様が存在するけど、日本にも沢山の神話があるんだね。
少しだけ赤裸々な神話の数々を読んでいると、神様も人間とそう変わりないんじゃないかと思えてくるよ。
「太陽の神、天照大御神は怒って、天岩戸と呼ばれる洞窟に隠れてしまいました。」
「しかし、洞窟の外で踊り、騒ぐ楽しげな声に天照大御神は不審に思って外に出てきます。」
外で騒いだりしなくても、天岩戸にこっそりお酒を差し入れしたら。
頭にネクタイを巻いて出てきそうな気がするんだけどなー、俺は。
――大切な、大切な鳥は、そっと籠の中に仕舞って、鍵をかけて閉じ込めたい。
――俺だけを見て、俺だけのために鳴いて欲しい。
俺だけが許されている鍵で、君がいる籠の中に行き来する。
心の奥底に仄暗く存在する欲求が、実は少し満たされている気分になった。
…でもね、籠の鳥は所詮籠の鳥。
外の世界を知った、自由な鳥より上手には鳴けない。
狭い世界は優しくて、気持ちいいことしか知らない鳥と。
広い世界の苦しさと寒さを知って、その上での喜びを見付けた鳥と。
心に訴えかける鳴き声は果たしてどっちだろう。
ねぇ、ユーリ。
この狭いリンクを抜け出して、広い、物凄く広いリンクで滑ってみたいね。
俺が云う広いってどのくらいだと思う?
そうだなー、……湖だよ!湖!
凍った湖の上で滑ってみたい!
頭上には真っ青な青空と白い雲。
氷上に反射して、まるで空を滑ってるみたいな、そんなロケーション。
輝く君の瞳が想像出来るよ。
ユーリはきっと何かを見つける。
何を見つけるんだろう?
俺にも教えて、ユーリ。
苦しみも、悲しみも、怒りも、孤独も。
全て知っている瞳はいつもきらきら輝いているんだ。
鳥籠も、天岩戸だって、隠すことの出来ない輝きがそこにある。
おかえり、ユーリ!俺はいつだって両腕を広げて待ってるよ!
『今は消えた夢うつつの囁きは、大切に俺の胸にしまっておこう』
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23 :
ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2016/12/25(日) 21:17
>『Фаворит-2-』
ユーリもトレーニング中や試合前によく音楽を聞いているみたいだけど。
俺も結構音楽は聴く方。
余計な雑音を耳に入れたくない時は特に有効だよね。
# Ju_st_in Tim_XXXXXXX「Can_'t S_to_p Th_e Fe_el_in_g」
これはストレッチ中や、ランニング中によく聴く曲。
とにかく気分が上がるんだ、これを聴くと。
スケートとダンスって通じる部分があると思うんだよね。
アイスダンスって競技が出来たくらいだし。
音楽に乗せて、って部分もそう、後は身体を動かす高揚感とか。
そして、自分一人では完成しない、見てくれる人がいて、初めて完成する部分だったり。
偶にね、どんなに滑ることが、…スケートが好きでも、苦しさに挫けそうになったり、嫌いになりかけたりすることがある。
そんな時にさ、「ダンスが好きだー!」って訴えてるようなこの曲を聴くと、スケートの楽しさを思い出すんだよね。
# Mar_XX_n 5 「Su_g_a_r」
これは…、ユーリがいない時によく聴く曲。
いない時こそ、相手のことを考えてしまうもの。
甘い甘いラブソング。歌詞がリンクするんだ。
とにかく「愛を、愛をください」っていうのと「君がいないと死んじゃう~」って感じの曲。
依存も度を過ぎるとみっともない…って思うんだけど。
偶にはこんなダメ男の気分もいいかなーって思うんだ。
「君が何処にいるかは重要じゃなくて、ただ君の居るところに居たいんだ」
…この部分が一番好きな歌詞。
ユーリ、何処にいるのー、俺も其処行きたい、ってなる。
あはは、なんか恥ずかしいなー、俺。
よし、恥ずかしくなったところで、〆めとこう。
『お気に入り-2-』
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22 :
ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2016/12/23(金) 09:14
>『Язык цветов』
シャワーを浴びて、バスローブに腕を通したらベッドに寝転ぶ。
――シーツの真ん中には、君から貰ったフラワーケーキ。
鮮やかな花の色を楽しみながら、とりとめのないことを考える。
#淡いピンク、スプレーバラ
#「包容力」「温かい心」
自分から逢いたいって云った癖に、がちがちに緊張してた君。
でも、これはある意味想像してたから、予想通りかな。
俺も少し緊張してたんだけど、君の緊張度合いを見ていたら、俺のは何処かへ行っちゃった。
実際、逢った君は想像よりも年相応。やっぱりユーリは年下なんだよね。
君が年をとれば、その翌月には俺も年をとる。埋まらない4歳差。
君のSNSを見てると結構鋭いところを突いてくるなーって思ってたから、これは少し意外。
#アクセントの青、ブルースター
#「信じあう心」
ユーリって時々無神経だよね。
「終わりにしよう」って言われて俺が涙零している時に、髪掻き揚げて覗き込んだりする?普通。
あれさ、絶対写真取ろうとしてたよね?!
敢えて指摘しなかったけど、手がうずうずしてたの、知ってるよ、俺。
それに、昨日だって、質問の答え、楽しみに待ってたのに、自分のするべきことは終わったー、みたいな顔して、すっかり忘れてるし。
時々、女王様か、って突っ込みたくなるよ。
はあ。でもさ、そんなユーリにじわじわきている俺が一番厄介。
ユーリは俺に振り回されてるって云うけど、俺は君に振り回されてる気分。
でも、それが不快じゃないから、不思議なんだ。
#黄色花から赤い実へ、ヒペリカム
#「悲しみは続かない」
ユーリ、腕が寂しいよー。ハグが全然足りないー。
折角寒いんだよ?磁石みたいにくっ付いていたい。
ユーリの匂いがもっと嗅ぎたい。俺って匂いフェチだったのかな。
ふふ、「バカじゃないの!?」って声が聞こえてきそう。
そして一番重症なのは口かな。飴なんかで慰めになると思ってる?
貞操を守りたいならマスクを何重にもつけてた方がいいよ?
#存在感の白、カーネーション
#「 」「 」
知らなければ思いもしなかった欲求が次から次へと溢れてくる。
触れなかったら我慢出来ていたことが我慢出来なくなってくる。
ベッドに大の字に寝転んで天井を見上げる。
「ユーリ…」
そっと名前を呼んで手を伸ばす。
勿論返事は返ってこない。
前と同じだけど、…同じじゃない。
シーツに落ちていたカーネーションの花弁を拾って優しく口付けた。
『白いカーネーションの花言葉:純粋な愛、私の愛は生きています』
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21 :
ヴィクトル・ニキフォロフ(YonICE)
2016/12/23(金) 09:11
>『Новое утро』
…………。…いいね!
次っていつ?ワールド?それとも来シーズン?来シーズンはオリンピックもあるよね?みんなそこに向けて調子上げてくるし俺も現役復帰したんだよもちろん手を抜くつもりもないし負けず嫌いの頂点にいるようなユリオが1個金メダル獲得したくらいで満足するはずもないよねああ今回3位になった彼も翼が折れてたらしいけど元々翼があるかも怪しいけど表彰台にしっかり上がってる次は恐らく万全のコンディションで挑んでくるよきっと世界最高得点を超えられたら他の選手のモチベーションも俄然上がってくるよね俺もモチベーション上がってるよそれに新しい世代の参入も有り得る今よりライバルが増えることも考えておかないと自分で自分の次のハードルを上げたんだよ?金メダルはいつかなー俺そんなに長く待てないよーそれまで口が寂しくて仕方ないなーそれまでは僕の唇で我慢してくださいとか云ってくれないと割りにあわないなー第一出世払い的になってるコーチ料はどうなったの次は金メダル一個じゃ足りないよねユーリ払えるの払えないの払えなかったら身体を差し出して貰うしかないよーどうするのどうするのユーリ覚悟決めた?
っはは、あー、スッキリした!
沢山いる『ヴィクトル』の中でこんな俺を選んでくれてありがとう、ユーリ。
何より嬉しいのはこれで思う存分、ユーリって呼べること。
俺が呼ぶユーリはぜんぶ君のことだからね。
ユーリ、ユーリ!
乾いた砂地に綺麗な水が吸い込まれていくように。
君の名を呼ぶ度に、乾いた心に水分が戻ってくるような心地がするんだ。
結婚は金メダルを取ってからじゃなかった?
あ、それまでは事実婚でいようってこと?やらしーなぁ、ユーリ。
ふふ、嘘。かわいいお願いだね。
いいよ、お揃いにしよう。
お願いついでに俺からも一つお願い。
ぎゅーってするのは誰が一番いいか、もう一度教えて。
ごめんね、俺って結構心が狭いんだ。
『誰よりも君の一番でいたい。』
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