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┗240.【保存】You knows how to captivate me.(121-125/159)

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125 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!)
2022/01/01(土) 19:59


はぁ……。
親戚連中はどうせ僕ではなく祖父や兄の顔を見に来ているのだから、
僕がその場に居る必要はないだろうに。
息が詰まるよ。まったく。
#「おうち抜け出してきて良かったんやろか〜……。」
「どうせ気付きもしないのだから良いのだよ。
それより、初詣だ。背筋を正しなさい。」
境内に入る前に少しだけ身なりを整える。
首へと巻いているマフラーの所為か、
ただでさえ自由に跳ね気味の髪が元気に遊んでいた。
しかし、神の住まう場所の空気というものは良いものだね。
身体の隅々まで澄み切ったものが行き渡る。
何かを生み出すというときに必要なのはこれだ、この感覚だ。
君、御守りは参拝の後。
#「あっ、中吉や。でも新しいこと始めるんはえぇって。」
「そう、ならタイミングが良かったね。
君はこれからひとりで新しい『Valkyrie』を背負っていくのだし。
門出を祝福してくれているようだ。」
#「まぁ〜……そういう見方も……お師さんは運勢どうなん。」
「僕?……僕はまぁ、吉ではあるね。ただし新しいことは進めるなと。
そんな言葉に僕の人生を左右されるつもりはないけれどね。」
#「なに!?なにかするん!?おれ聞いてへんけど!?
#おれんこと置いて!?いややっ!ややー!
#おれを置いていかんで!あーん!あーん!」
「進路としてまだ相談している程度で……
と、そう大きな声で泣くんじゃない!」
#「あ〜……ん……。」
「小さければ良いという話でもない。」


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124 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2021/12/26(日) 00:33


宝物庫の中へ大切に大切にしまっていた僕の宝物。
どこぞの誰かは知らないが、
それを引っ張り出してきて衆人環視の中に晒すとはね!!
世界がッ!気付いてしまった!見つかってしまった!
ああなんて嘆かわしいのだろう、
真にその価値を理解できるのはこの僕だけだというのに?
などと取り乱しはしたが、概ね良いクリスマスパーティだったね。
騒々しいばかりの街は好きではないけれど、君と過ごす夜は好ましい。
あぁ、毛布から肩が出ているよ。
暗闇でも光を取り込んで薄ぼんやりと光を放つ雪のような肌。
とはいえ君は雪でできているのではないのだし、風邪を引きかねない。
毛布を引き上げては起きてしまうかもしれないと、
そっとブランケットを身体へ掛ける。
はしゃぎ疲れて眠る君の髪に指を通す瞬間が、ただただ愛おしい。
ねぇ、僕らが正式にパートナーとして結ばれて一年が経つのだよ。
なんて、眠っている君に言っても聞こえやしないだろうね。
毛布にくるまれて生まれる日を待つ君。
早く生まれておいで。僕の元に。


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123 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2021/12/05(日) 09:46


着信音のつんざくような五月蠅さが耳に刺さる深夜1時46分。
電話口の不協和音。君はほんとうにおしゃべりが下手だね。
#「お師さんエジプトなんか行かんでぇ!!!」
「は?」
僕はね、一昨日から作業をし続けていて
君の妄言に付き合っている暇はないのだよ。
#「お師さんがエジプト行っちゃう…。」
「わざわざかけ直してこなくて良い。行く予定はない。」
#「あんな、あんな、ドラマティカのエジプト公演…。
#行ったら何か月も帰ってこぉへんって…。」
「……公演の予定もないよ。
第一、今だって数か月帰らないのは同じだろう。」
#「すぐ会えん…。」
「今もそうだろう。」
#「野盗に…。」
「いつの時代の話をしているのかね……。
夢は夢だ。それ以上でも以下でもない。
なんの夢を見たとて君にも僕にも影響は出るものではないよ。」
#「寂しい…。」
「結局のところそれだね。君、寂しがりなのだから。
まぁ、月末にはそちらへ帰るからそれまで待っていたまえよ。」


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122 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!)
2021/12/01(水) 02:02


傍に居られる最後の冬だから、
できる限りのことをあの子にしてあげようと思う。
願うことをすべて叶え、望むものをすべて与えよう。
幾年が経っても思い返せるような。
一日一日をそんなものに作り上げよう。
アドベントカレンダーの封を開けるのではなく、
その中に美しいものを詰めて封をしよう。
いずれ君がひとりで開けて、
僕を思い出してくれるように。


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121 :Duc du diable(e/n/s/t/!)
2021/10/31(日) 22:18



あぁいい夜だ!
美しい月に最高のムード、
命を捨てるにぴったりだと思わないかね?
こんな夜は客人もよくよく訪れる。

今宵はどうもてなそうか。
あぁ、そうだね、マドモアゼル。
森で困ったふりをして、
助けられたお礼にと館へ招くのもいい。
それならば影片が適役だろう……
僕?僕はそんなふうに
こそこそと罠を張るような真似はしないよ。
そうと決まれば……影片!

……君、まだ真っ当に喋れないのかね。
この一年間なにをしていたのか。
チッチッチッ!役立たずの小間使いなど
使い道がなければ捨ててしまうよ。
うるさい!赤子のように泣くな!
ああもう包帯が解けているのだよ。
これは自分で巻いたのかね。
はぁ……僕の役に立ちたいだの言うのなら
もう少し頑張りたまえ。


さぁ、これで整え方は分かっただろう。
将来的に君がひとりでも、
この館で生きていけるように
ひとつずつ覚えていけば良い。

なっ!ななな……どうしていきなり
包帯をぐしゃぐしゃにするのだね……!?
あぁせっかく綺麗に整えられたというのに。
こんなにも永く共にいても
君の考えていることは
未ださっぱり分からないね。
無窮の刻を過ごそうとも
君のことが理解できる気がしないのだよ……

……何をへらへらと笑っているのかね。
まったく……興が削がれた。
迷いびと探しはもう良いよ。
今宵は君と過ごすとしようか。
手を取って、影片。
歌い踊り夜を明かそう。
幾つも幾つもの夜を。





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