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┗240.【保存】You knows how to captivate me.(130-134/158)

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134 :Marionnettiste.
2022/04/01(金) 16:40

僕は君を、僕は君を〘永遠〙のものにしたかった。
そうすればもう二度と君を失わずに済む。愚かな考えだと君は否定するかね。それとも、僕を笑うだろうか。
まぁ、そうだね、笑ってくれて構わないよ。愚かしい行為であることに変わりはないのだから。
僕は〘永遠〙というかごの中に君を縛り付けようとしている。
それは加護で、それは籠だ。
閉じ込められる君のことなど何も考えずにね。

今の君には何のことだかさっぱりわからないだろう。だから直接聞かせるのではなく、こうして書き綴っているのだよ。
とはいえ、やはり君の目の届くような場所に保管する気はないが。
それぐらいは許しておくれ。自身が被造物であることなど、ほんとうは知らぬままのほうが良いのだから。
知らぬままのほうが良い。それなのに、思い出してほしいと願ってしまう。この隠れ家の記憶と触れあって。〘影片みか〙の記憶が目覚めることを。
今度こそ、〘永遠〙の中に〘君〙を生み出せたのだと。
人間には〘永遠〙の命は与えられない。しかし僕が求めるのは姿形を模倣しただけの人形ではなく、〘君〙だ。二度と失われることのない〘君〙を求めている。摂理に反する報いはいずれ僕が受けるだろう。
ねぇ君、これを読んでいる君は僕を識っているだろうか。君の顔で笑い、君の声で歌う君。人間ではない君。
ただひとつ違えないでほしいことは、〘君〙ではなくとも、僕は君を愛していたということ。
その想いだけは真実だ。人間が唯一持つ〘永遠〙。愛という想い。
愛する君へ。たとえ僕が死んでも、春の光の花園で、君が幸福でありますように。



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133 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2022/03/28(月) 14:45


「――では、あとはそちらで進めておきたまえ。
ところで、この前に騒いでいた食事の件だけれど。
流石にもう食べたね?」
#「えっ、あっ、んあぁ……。」
「何だね、その煮え切らない返事は。食べていないとでも?」
#「いや……食べ……食べた……。」
「それなら何も歯切れ悪くなる必要はないだろう。」
#「そのー……あのー……怒らんで聞いてほしいんやけど……。」
「何かね。」
#「チンしすぎてこげこげなってもた……。」
「ひとの料理を失敗させたのかね!?それでは美味しくなかったろう。」
#「味は変わらんかったけど、こげこげになってもた。」
泣きべそを掻いているような声がする。
渡した時点で彼のものだから、
そこまで怒り、捲し立てるつもりはないのだがね。
暫く黙っていると怒っているとでも勘違いしたのか、
メッセージが飛んできた。
#お、怒っとるん…?
#ほんまにわざとやなくて
#お師さぁん…
#゚(゚`ω´ ゚)゚ピェー
「怒っていないからピコンピコンと送ってくるな。」
#「怒っとらん?」
「怒っていないよ。焦がすほど温めたことには呆れているけれど。」
#「変なことはしてへんよぉ。
#ただ、水分飛びすぎてかすかすこげこげなってもうた。」
「君の頭の中のようにカッスカスに、かね。」
#「おこるで!」
「焦がしておいて良い面の皮だね。」
#「顔がえぇのはお師さん。」
「話が違う。」


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132 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2022/03/09(水) 19:46


あぁ、また影片からの着信が残っている。
こんなに頻繁に掛けてきて仕事に支障はないのかね。
仕方がなく折り返すと、呑気な声が電話口から飛び出した。
#「あっ、お師さん~!
#あんなぁ、この前いっぱい作ってもらったご飯のことなんやけど……。
#冷凍してたらまだ食べても大丈夫やんな?」
「あぁ……冷凍庫に入れていたなら一ヶ月程は保存が可能だろうけれど。
だからと言って取っておかないようにね。お腹を壊すから早く食べな?」
#「おぉお!!もっかい、もっかい言うて!!」
「え、なに、なにかね、怖いのだけど。」
#「お腹壊すからって!!!」
「……お腹壊すから早く食べな?」
#「うぉぉぉ!!!」
何か得体の知れないものに興奮している様子がとても怖い。
僕は君をそんな人間に育てたつもりはないのだよ……。
その文言を口にする度に昂っている様子が
声だけでも手に取るように分かる。
#「もう一回!もう一回!」
「もう十何回は言っただろう。」
#「えぇからはよ!」
「君が良くやっているゲームと同じで、無料でできるのはここまでだよ。
また明日にしたまえ。」
#「課金したらえぇんやな?」
「ち、違う……。送金するんじゃない……。」
#「ほんなら言うて。」
「お腹を壊すから早く食べな。」
#「ちゃう!!ちゃうんよ!!
#語尾が上がり気味の優しいやわこ~い感じがおれは聞きたいんや!!」
「お腹を壊すから早く食べな。」
#「ちゃうの。おなかこわすからはやく食べな?やの。」
「どうでも良いから早く食べたまえよ。」
#「なんで!!!!!!なんでわからへんのや……!」
「君の妙な性癖に僕を巻き込むな……。」
#「お師さんのアホ!いけず!」


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131 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2022/03/06(日) 18:09


「こんな時間に電話をしてくるなんて……何の用かね。
君、忙しいのでは?」
#「――――!」
「暇な筈がないだろう。
……待て。その背後の騒がしさ……どうして日本に居るのかね!?」
#「――――」
「何も当たり前ではないのだよ。
君、君はノミネートされていないとでも?」
#「――――」
「『そんな大層なものではない』?
ああっ!みっともなく自分を卑下するものではないのだよ!
あれでも演劇の体を成していない状態から、
まぁ観れる素人劇団程度にはなったのだから!」
#「――――」
「はぁ……?『それでノミネートされているほうがおかしい』と?
君はつくづく鈍いのだね。
それとも僕の評価があてにならないとでも言うのか。」
#「――――?」
「呆れた……君、それでも一応探偵なのだろう。
自分で推理してみてはどうかね。」
#「――――」
「兎に角、僕はこの件で七種某に連絡を試みるから君も……
チッ、空の向こうに逃げるなどとやり口が小狡いのだよ。
わかった。僕からは何も言わないよ。」
#「――――」
「納得をしていない分、今度のライブでは予算を潤沢に割いてもらおう。」
#「――――!!」
「構わないよ、君の出演作でそれに見合うだけの働きはしたのだからね!」
#「――――」
「そうと決まれば忙しくなるね。
それではまたゆっくり相談しよう。では。」
#「――!?」


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130 :Shu Itsuki(e/n/s/t/!!)
2022/02/14(月) 16:48


互いに別の地で活動をしていると、なかなか、
なかなか都合良くその日のうちには会えないもので、
少し早い日取りで彼に愛の贈り物を届けた。
こちらへ来て知り合ったひとに教えてもらったのだけどね、
王妃も愛したお菓子だそうだよ。
まぁ……影片の苦手とする材料が使われていたから、
だいぶ僕自身のアレンジを加えたけれど。
それから、あまりにも普段『僕の手料理が恋しい』と
メッセージを送ってくるものだから、日本に着いて早々に
寮のキッチンで幾らか保存の効くものを拵えた。
まったく……折角食事の面倒も見てもらえるように寮へ放り込んだのに
文句を言って食べるのを控えていては意味がないのだよ。
僕はね、君のことをこれだけ考えて数日前から準備を進めていた。
なのに……君ときたら、手作りだとかいうケーキを置いてきてしまって。
君の頭は相変わらず空っぽなのだろうね。
少しは僕のことを詰めたまえよ。
取りに行くように促しても押さえている時間の都合があるから、と
押し切られてしまうし。
後から取りに帰ってはくれたけれど、どうしてあの子はこうなのだろうね。
早く僕が居なくとも大丈夫と思えるような、
そんな一人前の人間になって見せて欲しいのだけれど。
これでは安心して夜眠ることもできやしない。


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